し出す芽
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摘むよりは乱暴に

詰るよりも冷酷に

私という芽を奪ってください

業の深い程痛く

絶望の深い程やり方は非情である方が

私は安心できるのです。

 

誰かの手で養われた芽では

もう望むことができません。

口出しを鵜呑みにしなければ育てないような土では

この芽は決して花にはならないのです。

 

手を加えられた芽は

死体という殻に押し込められた

命の模造であるのですから

絶えないのは悲鳴であって

笑い声ではありません。

 

これが理解して貰えないのなら―…

 

どうか摘むよりは乱暴に

詰るよりも冷酷に

私という芽を奪ってください

 

生きながら枯れてゆく

そんなものを成長というくらいなら

いっそ染みを残して潰れた方が

私の体現に相応しいのです。

 

説明
水も遣らずに育てと囃す
肩も貸さすに伸びろと詰る
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