スーパーヒーロー大集合! グミの大冒険! #7 ビッグバトル…?
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(KNC本社・格納庫・夜)

 

 社長、GUMI達、ネル達一行は、社長室内にある格納庫への直通エレベーターで、小型機動戦艦が格納されているKNC本社格納庫に向かった。暗かったのでルカは電気をつけた。

 

 ピカッ

 

 そこには何か大きめの物体がたたずんでいた。

 

ミク:・・・・・・・これ、なにミク?

海斗:小型機動戦艦だが?

ネル:どうみても、どでかいアイスの“スイカバー”だろ!

ハク:それも粒チョコの種付き・・・・

テト:o(゚ー゚*o)(o*゚ー゚)o

ルカ:あら、ちゃんと動くのよ、これ・・・・・・・・・たぶん

GUMI:今、“たぶん”を付けましたよね?

MEIKO:とりあえず、どっかのアニメで見た“酒瓶型戦艦”よりは飛びそうよね

GUMI:ところでこの戦艦の名前、何て言うんですか?

海斗:『ダッツ・クォート』だよ。一応銘々の出所を訊かれる前にネタバレするけど、私がアイスクリームをこよなく愛しているからだ

ルカ:さすがに、あのパッケージそのままだとまずいから、一番戦艦らしいスイカバーの意匠を採用しましたが

ネル:う・・・・さすが社長、アイスといったら高い『ダッツ』になるのか・・・。私達の元組織だと、奮発しても『100円のアイスモナカ』・・・・

GUMI:北海道出身のGAKUだったら、高級なアイスって言ったら、あの最高級の『ロ○ズのアイスクリーム』っていうかも

海斗:あれはさすがの私でも、年1回しか食べさせてもらえない。ルカさん、せめて年2回にしようよ

ルカ:だめ。社長、際限なく食べるから!

海斗:かいとーん・・・・

 

 そこに直通の放送が入った。

 

RIN:急いでください皆さん! 5つの反応、急速にこちらに向かってます!

ルカ:さぁ、乗った乗った

ミク:大丈夫かなぁ・・・ミクぅ

 

 海斗とルカ以外、怪訝そうな顔をして、側面の一部にあったタラップから、でかいスイカバーの中に搭乗していった。

 

(小型機動戦艦ダッツ・クォート・総合型制御室内)

 

海斗:ここがコクピットと動力部を兼ねた総合型制御室だ

ネル:あのよ・・・・

ルカ:なにか?

ネル:いや、舵(かじ)とモニター席1つはいいんだけどさ、この5台の自転車って、まさかとは思うんだけど、やっぱアレか?

海斗:動力だ。私が舵取り担当、モニターはルカ君が担当する。これは操作できるできないの問題だから、依存無いな

ネル:これだけのモノを作って置いて、動力が『足』とは・・・・

ルカ:本体を単純、軽量にした分、重い燃料タンクを積むと、支持装甲を突き破ってしまうし、重くて飛ばなくなるから、搭載できなくなっちゃったの

海斗:仕方なく、変換効率の良い自転車の動力を使うことにしたのだ

ハク:本末転倒ですね

テト:(゜□、゜)

 

GUMI:ということは、この“5”台って、あなた達以外の5人の担当ってわけなんですね

海斗:それだけではないぞ。応援担当用装備として、タンバリンとムチがある! これはミク君が担当だ。頑張っているときはタンバリンで加勢し、ヘタってきたら、ムチで気合いを入れるのだ!

ネル:なんでこんなものまで用意されているんだ・・・・・

ミク:わかったミク! “飴と鞭”ミク!

ハク:ミクさん、やる気なのね・・・・

海斗:大丈夫だ。自転車の前には“みかんカツゲン”が入った500mlのペットボトルが用意されている。それで栄養補給してくれたまえ!

ネル:ほんとにやらせる気だよ、この人・・・・

 

 艦内放送が流れた。

 

LEN:皆さん! 急いでください!

 

MEIKO:あーもー、わかったわよ! 動力担当! 全員適当に自転車に着席して、ルカさんと海斗さんの支持に従おう!

 

 5人は渋々動力部分の自転車のシートにそれぞれまたがり、準備を整えた。ミクは右手にタンバリン、左手に鞭を持って、ワクワクしながら準備していた。

 

ルカ:では起動電源を蓄積します。皆さん、こいでください!

 

ネル:うお! もうヤケだ! 野郎ども! こぐぞ!

 

 ガショガショガショガショガショ!!!!!

 

 15秒こいだら、艦内が明るくなり、モニターの電源がついた。

 

5人:はぁーーーーはぁーーーーーはぁーーーー

 

ルカ:起動電源が確保できました。これから“発進電源”を充填します。あと30秒こいでください。

 

GUMI:へ・・・変換効率は確かに凄いけど・・・・

ネル:こりゃ、マジで死ぬかも・・・・

テト:(´Д`A;)

 

 ピシッ!!!

 

 ミクの鞭がうなった!

 

ミク:みんな頑張るミク!

 

5人:へーーーーーーい!!!!!

 

 ガショガショガショガショ!!!!!

 

 30秒こぐと、エンジンが動き出す音が聞こえてきた。そしてフラフラしながら機体が浮遊し始めた!

 

海斗:よし! エネルギー充填完了! 機体が安定するまで休憩

 

5人:ぜーーーーぜーーーーぜーーーー

 

ルカ:・・・・・・機体の安定を確認しました

 

 ルカはマイクを口元に持ってきて、KNC本社のRINに連絡した。

 

ルカ:RINさん! ハッチを開けてください! 発進します

RIN:了解! ご武運を祈ります!

 

ルカ:じゃ、皆さん、これからはこぎながら休憩を入れてください。全員休むと、たぶん落下します

 

5人:へーーーーーーーーい!!!!

 

海斗:では。ダッツ・クォート、はっっっっしんっ!!

 

 ガショガショガショガショ!!!!!

 

 ギューーーーーーーーーーーン!

 

 戦艦は急速発進し、夜空に向かって飛んでいった。

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(キノコネット・合流予定ポイント・夜)

 

 今日は月夜だった。非常に明るい月光をもらえた日のため、全体に明るい夜だった。

 

海斗:予測ではこの付近で合流することになるはず。ルカ君、何か反応はあるか?

ルカ:! 前方に小型戦闘機を発見! 内部に5つの例の反応を確認しました! メインモニターに映します!

 

 メインモニターに、いかにも戦隊ヒーローの“レッド”が乗っていそうな、赤い小型戦闘機が映った。

 

海斗:向こうとコンタクトをとれるか?

ルカ:現在、チューニングしてま・・・・! 同調できました!

 

声:ガガ・・・コチ・・レオン・レッド・・・・・オマエ・・・・・ハァハァ・・・・KNC側・・・・・・ハァハァ・・・

海斗:そうだ! こちらはおまえらの盗聴通り、KNC側だ! もう少しはっきりした声で連絡してくれ! ってか、“ハァハァ”って、もしかして危ない連中なのか!?

レオン:ハァハァハァ・・・オマエラこそ、バックの疲れ果てた声はなんだ! オマエラだって動力、人力じゃないか! こっちだって、人力戦闘機なんだぞ! しかも、三輪車なんだぞ!

 

ルカ:三輪車・・・・・・・・・

 

 海斗は後ろを見た。

 

 シャンシャンシャンシャン!!! ピシピシピシ!!!

 

 タンバリンと鞭の音が鳴り響いていた。

 

ミク:みんな休むなミク! 蓄積電源がなくなったら戦艦が落ちるミク!

 

5人:はぁーーーーーーーーーーーーーはぁーーーーーーーーーーーーーー

 

 5人は口から魂が抜けかかっており、すでに自転車をこげる状態ではなかった。500mlのペットボトルの飲み物はすでに空で、全員サドルの上に崩れ落ちていた。

 

海斗:・・・・・・・・

 

 海斗はモニターの方に視線を移動した。

 

海斗:こっちも限界のようだ。艦隊戦はやめて、お互い着陸する事にしないか?

レオン:異議なし。このまま着陸する。外で戦おう

 

 戦艦と戦闘機(VTOL型だったようだ)は、余力でそのまま垂直に降りていき、着陸した。

 

***

 

(キノコネット・サイセキジョウの街の近くの広場・夜)

 

GUMIを含んだ5人:ぜーーーーはーーーーぜーーーーはーーーー

レオン以外の戦隊4人:はぁーーーーはぁーーーーーはぁーーーーーはぁーーーー

 

海斗:・・・・・赤いおまえがリーダーのレオンというわけだ。さすがに回復力は高いようだな

レオン:まぁ、ギリギリで立っている状態だがな

 

 確かにレオンの足は、ほとんど痙攣してガクガク言っていた。

 

ルカ:あの、私が思うに、戦闘が急でないのなら、今日は休んで明日にした方がいいと思うんです。お互い“コンタクト”は取れたわけですし。双方、敵の本拠地に向かえるほどの体力もありませんから、抜け駆けできませんし・・・・

レオン:その通りだ。正直人力を甘く見ていた・・・

海斗:うちの5人も今日はだめだな

 

ルカ:運良くこの近くに“サイセキジョウ”という大きな街があります。ここで今日はゆっくり休んで、明日の昼にでも闘技場を貸し切り、特別マッチ扱いで、お互い戦うと言うことで手を打ちませんか?

海斗:さすがルカ君だな。それがベストだ

ルカ:それとJIMさんからの話では、負傷していたGAKUさんは治ったそうなので、明日の決戦までに、ナス型小型艇のナスノヨイチで二人をココに向かわせたいと思ってましたし

海斗:さ、さすがだな。すでに提案ありきで事を進めていたわけだ

レオン:私の方も、明日の昼までにプリマ博士をこちらに向かわせたい。その案を飲もう

ルカ:了解です。ここの9人はもう動けないと思うので、宿の専属タクシーをこちらに呼びます。それで宿に入って、ゆっくり休みましょう

レオン:承知した

 

 こうして、その場に居合わせた全員が、宿の専属タクシーに乗り、サイセキジョウの街に向かった。

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(キノコネット・サイセキジョウの街・夜)

 

 全員が各自のハンドルタグを門番に見せ、登録所で登録を済ませ、ルカが登録所とマッチメーカー達と掛け合い、明日の昼、場外の特別闘技場で試合(ここではガチ戦闘ということは伏せておいた)を行う事を決め、全員がこの街の宿『玉石混淆』に入った。

 

注)玉石混淆(ぎょくせきこんこう):良いモノと悪いモノが一緒になっている様=GUMI達と戦隊達が一緒の宿にいる事、砕“石”場の場所である事から銘々しました。

 

(旅の宿『玉石混淆』・ロビー・夜)

 

ルカ:えっと、双方にいろいろあると思いますが、ここではどの場所でも絶対休戦を徹底してください。またあんまり仲良くなるのも控えてください。明日はスポーツではなく、ガチ戦闘である事を忘れないように。それと絶対に夜に襲うような卑怯な手は使わないように。お酒で潰すような事も厳禁です。いいですか? ネルさん、MEIKOさん?

ネル:チッ。工作失敗・・・・

MEIKO:え〜、お酒につきあわせる位、いいじゃん

GUMI:MEIKOさんにお酒関係でつきあうと、明朝、GAKUさんみたいになっちゃうの!

MEIKO:ちぇ〜

ルカ:・・・皆さん疲労が回復してますね・・・・

 

アン:レオンはん? あちきは向こうはんのお酒につきあうのは、お〜るおっけ〜でありんすよ?

ローラ:そうデース! お酒は女の嗜み(たしなみ)デース!

レオン:なんかおまえら気力が回復してないか? 疲労困憊だったはずだが?

アン:明日の昼まで休めるとわかってから、あちきの気力は鰻登りで回復していったんでありんす

ローラ:まぁ戦闘出来る状態まで回復したとは言えないデース! ゆっくりお風呂入って、ご飯べて、ゆっくり休みたいデース!

アル:そうだな、ここの宿の料理も勉強できるし、俺としてもワクワクものだな

レオン:はぁ〜、おーい、ルカさん、こっちは一緒に行動する気満々だぞ。どうする?

 

ルカ:ふぅ〜。社長、どうしましょうか?

 

海斗:あ! あれはラブリーなご当地アイス『雪だるまアイスクリーム』! あ! こっちは伝説の『ジェラート・シレトコ』!

ミリアム:ほぉ、大将殿は“あいす”が好きなのか。実は、私めもアイスクリームは好物なんですよ

海斗:ほぉ! 貴女も“アイス党”でしたか!

ミリアム:なんと! こんな姿の私を人目で“女”と見抜くとは、さすがですね

海斗:その輝く“目”は隠せませんよ。それに“アイス党”に悪人はいませんよ。どうですか? 風呂上がりに定番の“十勝アイスクリーム”でも食べながら、アイス談義でもしませんか?

ミリアム:え、ええ、喜んで(ぐ・・・・ココロが惹かれていく・・・・・この人物・・・・ただ者ではないな・・・・)

 

ルカ:はぁ・・・・・・・・・・・・もういいです。好きにやっちゃってください・・・・。明日戦える程度の体力は残して置いてくださいね

 

アン:やったでありんす〜♪ ハク! ローラ! MEIKO嬢! 今夜は飲みまくるでありんすよ!

ローラ:ヒャッホー! 飲むぞぉ!

MEIKO:やったぜ! おい! ハクさん! 無礼講が降りたぞ! 今夜は飲むぞ!

ハク:じゅる・・・・はい、おつきあいいたします!

 

GUMI:私たち“飲めない組”はどうしましょうかね?

テト:(´〜`)

ミク:困ったミクね

アル:なら君たちに料理のレクチャーでもしようか? これでも食事を担当しているから、いろいろ教えられるよ

GUMI:では、ここの料理で、一つ講釈お願いします!

アル:任せな!

ミク:楽しみミク!

 

***

 

レオン:・・・・・・・もうこうなると、敵味方関係ないな・・・・・

ルカ:明日のバトル、もの凄く心配です

レオン:姐さん、ここではあなただけが味方なのかも。ここのバーで一緒に飲みませんか?

ルカ:そうね、こうなると明日も危ないみたいだから、今日を楽しむことにするわ。宜しく

レオン:こちらこそ

 

 結局、明日のバトルそっちのけにして、お互い混じり合った一泊になりそうだった。

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(旅の宿『玉石混淆』・男子露天風呂・夜)

 

 カポーーーーーン

 

 男子露天風呂には、海斗とレオンがゆっくりと湯船に浸かっていた。アルはすでに先に入ってあがっており、宿の人と夕食の事でうち合わせをしていた。

 

レオン:はぁ〜、♪ いい湯だ・な、ハハ、ハハン♪

海斗:その歌が出るということは、外人さんながら、日本文化が好きなんですか?

レオン:好きですね〜。凄く。こういう日本情緒漂う旅館は、たまりません

海斗:私もこの世界を管理する企業として、こういう場所は絶やさずに大切にしていこうと思ってますよ。出来ることなら、アイスクリームチェーン店・・・そうですね、『BLUE MUFFLER』なんて名前のお店を出店できたらいいなあと思ってます。あ、勿論、我々の“ライフウェア”のシミュレーションの一環として予算を組みますけどね

レオン:ははは。社長といえども、お財布は握られているわけですね

海斗:おおかたはルカ君に握られているも同然ですね

レオン:我々も博士と御前様の指令で動いているわけで、そこら辺の気持ちはわかりますな

海斗:こんな流れで同じ風呂に入っているわけですが、お互いに少じずつネタバレしてますね。これも気持ちいい風呂の影響なんですかね

レオン:それもありますが、お互い、元々戦わなければ行けないような立場ではない、それが少しずつわかってきたからでしょう

海斗:確かに、あなた達はいわば“雇われ屋”でソフトを改竄したわけではないし。当社のソフトを悪用したのは、その博士か御前様のどちらかだろうし

レオン:そうですね。なんか、やりにくくなってきましたね、明日

海斗:私もこの後のミリアムさんとのアイス談義が楽しみですし。流れから言うと・・・・

レオン:私もこれからルカさんとバーで飲みますし、やはり・・・・あーなるのかも知れませんね

海斗:そうですね。基本的にはルカ君は反対すると思いますが

レオン:うちもミリアムはたぶん許さないと思いますが。それにしても、あのミリアムがあなたとアイス談義ね。珍しいこともあるものです

海斗:彼女は何者なんですか?

レオン:いや、彼女だけは別口で来たんですよ。ただこの戦隊内では、ほとんど無口でクール、他人と線を引くタイプですね。なので詳しいプライベートな事は知らないです

海斗:そうですか。まぁ今日のアイス談義でなにか聞ければラッキーと言ったところですね

レオン:さて、そろそろ上がりましょうか

海斗:そうですな

 

 ザバー

 

 こうしてリーダー二人は風呂からあがった。

 

***

 

(旅の宿『玉石混淆』・女子露天風呂・夜)

 

 ルカ以外は全員同じ時間に入っていた。ルカはいろいろやることがあるため、後で入る事にしていた。

 

GUMI:キャッ♪ キャッ♪

ミク:お風呂は楽しいミク! ネルさん、ザバー!

ネル:こーらミク! お湯かけるなっつーの!(でも嬉しい)

テト:(≧▽≦)/

GUMI:お! ネルさん、幼い外見とは裏腹に、出るところは出てますなぁ♪

 

 ムギュ!

 

ネル:ヒャァ、ぐ、GUMIさん、後ろから手ブラしないで・・・・・

ミク:おやおやおやー♪ 怪しい二人ですなぁ、ミクミク!

 

 ザバー!

 

ネル、GUMI:ひぃ! 冷た! こらー! ミク! 水かけるな!

テト:(/∀\*)

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MEIKO:ふぅ〜、(約1名を除いて)おこちゃまグループは気軽ですな。ぐび

アン:まことに。こちら、オトナなグループはやっぱり露天風呂で一杯でありんす ヒック

ローラ:あー、酒が旨いデース! ぐびび

ハク:はぁーーーーーーー幸せです。ごくごく。ぷはぁ

MEIKO:ねーえー、ミリアムさんもこっち来て、大人な会話でもしましょーよー♪

 

ミリアム:(そんな馬鹿な・・・この私があの男にココロを動かされるなんて・・・でもあれは・・・ホントのココロ・・・)

 

ローラ:ねえ、ミリアム? 湯辺りでもしたの?

ミリアム:! あ、いや、だ、大丈夫だ。ちょっと思うところがあったのでな・・・

アン:・・・もしかして、向こうの海斗社長に、ホの字でありんすか? くふふ

ミリアム:な! そんなわけあるか! 彼は我々の敵の総大将だぞ! まぁ同じ宿に泊まっているのもおかしな話だが・・・

MEIKO:あれ? でもお風呂上がりに、海斗さんとアイス談義するって、言ってなかったっけ?

ミリアム:ギクッ!

 

 ミリアムはタオルも巻かずにMEIKOの方へさっと振り向いた。

 

ミリアム:そ、それは、“社交辞令”というものでだな・・・・。決してその、なんだ・・・・

MEIKO:お! ミリアムさん、胸、おーきー!

ミリアム:!

 

 ミリアムは真っ赤になって、すぐにタオルを巻いたのだった。

 

ローラ:うちでも評判なんですよ、ノーマルの私とアンとプリマ博士は負け也。ハクさんは引き分け。でもMEIKOさん入れると、MEIKOさんのかちー!

MEIKO:ふっふっふっ。これで何人の男を落とした事が・・・・・・ないのよね、実は

アン:えー、いくらでも落とせそうだと思うでありんす

ローラ:そうデース! 揺れる凶器デース!

MEIKO:ははは。まぁ私の場合、つきあう前の前哨戦である“飲みにつきあう”時点で、全員私に付いて来れないのよね

 

MEIKO:「キミの飲みっぷりにつきあえる男はいないと思うよ。ごめん。さよなら」

 

MEIKO:これが全員の去り際の言葉なの・・・ううううう

ローラ:ちょ、MEIKOさん、泣かないでくださーい

アン:まぁまぁこれでも一杯

 

 アンは一升瓶からコップに“なみなみ”お酒をついで渡した。

 

MEIKO:ぐびーーーーーーーーーーーぷはぁ。男なんて・・・・

 

アン:今日の夜はそこら辺を語って貰うでありんす!

ローラ:そーだそーだ! 朝までつきあうデース!

ハク:私もつきあわせてください。経験者なので・・・

MEIKO:みんなありがとう・・・。今日は飲むゾー!

 

そこの全員:おー!

 

MEIKO:おこちゃまチームー! 上がるよ!

 

おこちゃまチーム:はーい!

 

ミリアム:(うう、なんか私、どんどん“乙女”になっていないか・・・????)

 

女子風呂の全員が風呂から上がった。更衣室でもにぎやかだったのだが・・・・。

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30分後

 

(旅の宿『玉石混淆』・女子露天風呂・夜)

 

30分後、ルカが一人だけで露天風呂に入っていた。

 

 たぷんたぷん

 

ルカ:はぁ〜。全く敵味方併せて全員、あんなに同調しちゃって、こんなんでいいのかしら? とはいうものの私もこの後、レオンさんとBARで飲み・・・・・・いえ! これは社交辞令よ! 一応闘技場使って試合やるんだから、最低限の挨拶くらいは・・・・、あれ? 確か“ガチ勝負”だったはず・・・・・。まぁいいや。情報を聞き出せれば安いモノよ!

 

 ルカは数分、物思いに耽った。

 

ルカ:(でも、なんか違うのよね〜。強い弱いは別として、相手の組織って、こんな軽いノリでいいのかしら? 逆に心配だわ・・・。もう上がろ)

 

 ザバァ

 

 ルカは風呂から上がり、更衣室で着替えて、皆のいるところに向かった。

 

***

 

(旅の宿『玉石混淆』・食堂・夜)

 

GUMI:グミグミグミグミ

ミク:ミクミクミクミク

ネル:ネルネルネルネル

テト:(●´)З`)))

 

 4人はがっついて夕食を食べていた。

 

宿の人:お腹空いてたんだねぇ。すまないねぇ。宿泊予約が入ったのが遅かったから、簡単な物しか用意できなくて。それに足りない分は、このアルさんが手伝ってくれたし

アル:いえいえ。私も料理の勉強になりましたし。こちらこそお礼を言いたいですよ

 

GUMI:グミグミグミグミ

ミク:ミクミクミクミク

ネル:ネルネルネルネル

テト:(*゚∀゚)つU

 

アル:ははは、こりゃ一段落するまで、料理講談は後だな

 

***

 

(旅の宿『玉石混淆』内・飲み処『へべれけ』・夜)

 

MEIKO:男なんて〜、所詮、女の胸しか見てないのよ! ひっく!

ハク:そうですそうです!

ローラ:そうデース!

アン:そうでありんす!

 

MEIKO:そのくせ、飲みに行けば、てんで弱いし! その後、こっちが気を利かせれば逃げて行くし!。草食系男子どもぐぁ! ヒック!

ハク:そうです! そうです! 少しはこっちの気持ちも考えろです! ヒック!

ローラ:YES! YES! YES! うぃ〜

アン:全く持ってその通りでありんす! ヒック!

 

MEIKO:この胸欲しかったら、修行し直してこいだ! うぉぉぉ!

ハク:そうだぁ! ぐびぐび!

ローラ:そうだ! そうだ!

アン:全く持って正論でありんす!

 

 お店の人:あの〜、お客さん〜、そろそろ看板なんですが・・・・

 

全員:りょーーーーーかい! 部屋で飲み直します!

 

***

 

(旅の宿『玉石混淆』内・甘味処『Love & Peace』・夜)

 

海斗:ミリアムさん、やっぱりアイスの基本は、このバニラアイスですよね

ミリアム:・・・はい。・・・・その。・・・・そうですね

海斗:? どうしたんですか? 最初のアイスへの情熱がなんか切れているような気がしますが?

ミリアム:・・・その・・・私・・・変になっているような気がするんです。あ、アイスは大好きのままですけど、その、男子とこういうところ入るの初めてで・・・その、恥ずかしさが表に出てきて・・・・

 

 海斗はミリアムの手を握った。

 

ミリアム:!?

 

海斗:こういう経験はどんどんした方がいいです。あなたは可愛い。でも、クールである事が、あなたの魅力を半減させています。せっかくアイスが大好きであり、同じ趣味の男子がいたんです。たっぷりこの場を楽しまないと、損ですよ。少なくとも私は楽しくてしょうがないです。ルカ君はアイスに興味ないし、社長の立場上、職員を甘味処に誘えないし。正直、この時間に感謝している

 

 ミリアムは、おでこから耳たぶから、頬から、全てが真っ赤だった。

 

海斗:アイス談義、もっとしようよ、ね

ミリアム:はい・・・はい! 今度はどんなアイスを頼みましょうか!

海斗:よし! その意気だ! 次は、10人前のスペシャルアイスパフェです!

 

 ラブラブの二人だった。

 

***

 

(旅の宿『玉石混淆』内・BAR『Clear Voice』・夜)

 

 ルカとレオンは、カウンター席に並んで座っていた。ちょっとした料理以外に、ルカはカクテルの『ローズマリー』を、レオンはビール系カクテルの『レッド・アイ』を飲んでいた。

 

ルカ:はぁ〜。みんな意気投合しちゃって・・・。明日は“ガチ戦闘”なのよ。ホントに大丈夫かしら・・・

レオン:ルカさん、私、思うんですが、“同じ立場”だからこそ、意気投合できたんだと思うんですよ。“この人たちは私達と同じ境遇だ”って

ルカ:?

レオン:つまり、人造人間のネル達はともかく、私たちも“現実世界”に肉体を置いてきてこっちに精神だけ来ている存在。同じなんですよ、“スナイパーウェア“で来てしまったGUMIさん達と、関係者である”あなた達“と

ルカ:でも、そのスナイパーウェアって、私たちが開発した“ライフウェア”の“悪用改竄”ソフトなんですよ。改竄した組織の関係者と仲良くなるなんて・・・

レオン:でも、あなたもこうして私と飲んでいる。おそらくそちら側の中で、改竄の犯人を一番憎いと思っているはずの貴方が、その改竄組織の鉄砲玉のリーダーである私とです

ルカ:そ、それは、社交辞令というやつです。それにこの宿でバトルを起こさないように言ったのは私ですから

レオン:思うんですが、貴方は私たち戦隊と“同じ思い“を共有しているんじゃないですか?

ルカ:え!?

レオン:No.2とか秘書とかの立場であり、現実世界でも、それは同じ。仕事だし安全であると信じてはいるものの、肉体を現実世界に残して精神だけこの世界に飛ばされている、今の貴方の心中は、同じく、自分の私用で来ているわけではなく、仕事でこっちに来てしまった私たちと同じ。正直、コマ同士の戦闘は出来るだけ控えたい。ボス同士の会合と和解で終わらせられるのなら、その方が自分のためにも会社のイメージ維持のためにも、最良

ルカ:・・・・・・そうね、そうかもね。でも、私は仕事の傍ら、この世界での生活のテストのため、とある村の闘技場で戦っていた人物よ。戦いそのものに抵抗はないわ。だから、あなたの話は半分あっていて、半分間違っているわ

レオン:大人な回答ですね

ルカ:私、オトナですから

 

 話が進まなくなってしまった。

 

ルカ:あ、ごめんなさい、オトナと言っておいて、ちょっと子供の態度だったわね

レオン:いえいえ。で、明日の試合なんですが、一つ提案があるんですよ。このネット世界らしい“血を見ない決着の付け方”が

ルカ:え!?

レオン:これから説明させて貰います・・・

 

***

 

ナレーター(妖精ミク):なんかもの凄い運転方法で遭遇したものの、同じ宿で仲良くなっちゃったミク。そしてレオンが提案した“仲がいいままで決着を付けられる方法”とは? 次回、お楽しみにミク!

 

(続く)

 

CAST

 

GUMI(勇気めぐみ) & メグロイドX:GUMI

GAKU(神威学歩) & 剣神ガクポ:神威がくぽ

妖精ミク & ナレーター:初音ミク

MEIKO(咲音メイコ) & ぷりちーどーる・め〜こ(め〜こ人形):MEIKO

 

RIN:鏡音リン

LEN:鏡音レン

 

LUKA(巡音ルカ):巡音ルカ

JIM(巡音JIM):巡音JIM

 

ネル:亞北ネル

ハク:弱音ハク

テト:重音テト

 

社長(工藤海斗):KAITO

 

御前:???

プリマ博士:Prima

 

レオン・レッド:LEON

ローラ・ブルー:LOLA

アン・ピンク:Sweet・Ann

アル・イエロー:BIG・AL

ミリアム・ブラック:MIRIAM

 

門番、宿の人、タクシー運転手:エキストラの皆さん

説明
○ボーカロイド小説シリーズ第6作目の”スーパーヒーロー大集合! グミの大冒険!“シリーズの第7話です。
☆ちょっと変わった、RPG風冒険小説です!
○今回はGUMIを筆頭とした“ボカロ達”が、色々なヒーローに変身して戦います。
○ゲームをプレイしている感じで、お読みいただけると有り難いです。
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タグ
Vocaloid GUMI 初音ミク 海外組 MEIKO 鏡音リン 鏡音レン 巡音ルカ 亜種 KAITO 

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