IS語
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それは、中学最後の夏の日のお盆の時だった。その日俺は、親友の織斑一夏と鑢刻?と一緒に蔵の掃除にかかっていた。

 

「すまんな一夏、刻?。人の家の大掃除に駆り出してちまって」

 

「いいさ。いろいろ世話になってるし。飯もありつけるしな」

 

「同じくだ」

 

「まあな。真希姉と静香おばさんの飯はうまいしな」

 

「しかしでかい蔵だな。何お宝でも埋まってんじゃないのか?」

 

「それを知るためのお掃除だ。といってもほとんどは二束三文のがらくたや急場しのぎにしまいこんだ資源ごみが大半だ」

 

と言って俺たちは掃除に取り掛かった。俺の家こと真庭家は忍者の末裔だったりする。実際に忍法も使えるし、ご先祖様も「真庭語」という真庭忍軍の歴史書も書きつづっている。実際に読んでみたが (訳は密兄さんにしてもらった)事実は小説より奇だ。という感想だ。

 

真庭忍軍 暗殺を生業とした忍びの一族。十二人の頭領を中心とし、鳥、獣、魚、虫組に分かれ奇怪な忍法を駆使し生きてきた一族であったが、天下泰平の折に起こった大乱で力を落とし挽回しようと幕府を裏切り変体刀をめぐる争いで一族は滅んでしまったと表の歴史は語るが、実際には末代魚組十二頭領が一人、真庭人鳥(まにわぺんぎん)が生き残っていた。真庭人鳥(まにわぺんぎん) 童でありながら十二頭領になれたのは情報収集が優れていたのと使う忍法が優れていたからだ。刀集めの際に途中で離脱し、追手に追われたが逃げきったものの故郷に帰ると灰燼になっていた。彼は絶望しかけたが、生きるという目標のもとその情報力で商人となり財をなしたと真庭語は語る。

もう一つ語るとするとここら一帯は一級災害指定地不要湖であったが一部開拓したのもうちのご先祖だったりする。そうこう掃除をしているうちにガタンと音がした。あれは

 

「一夏大丈夫か?」

 

「ああ、悪い。焔、階段の裏側壊しちゃった」

 

「なに!ちょっと見せろ」

 

「待て」

 

「なんだよ、刻?」

 

「これ隠し戸じゃないか?」

 

「まじでか」

 

言われてみれば隠し戸だ。中になんか入っているのか?調べてみると

 

「おお、なんか箱が三つ出てきた」

 

「まさかのお宝?」

 

「とりあえず、三つあるから三人で開けようぜ」

 

「いいのか?」

 

「いいんだよ。こういうのってなんか楽しくないか?」

 

「わくわくはするよな」

 

「じゃいくぞ」

 

三人同時に箱を開いた。そこには、

 

「真庭語 (裏)?」

 

「なんだこれ?珠が12個ある?」

 

「こっちは1つだ…これISのコアじゃないか」

 

「何!本当か。一夏」

 

IS(インフィニット・ストラトス)もともと宇宙空間で活動を想定してつくられたマルチフォームスーツ。製作者の意図とは別に兵器に転じてスポーツに落ち着いた機械であるが、女性にしか使えない機械でもある。この機械の進出で各国の防衛の改革及び女性の地位の上昇は記憶に新しい。てことだが

 

「たぶんそうだと思う。この間、特集で見た」

 

「だとしてもだ。俺達が触れたところで反応しないんじゃないか」

 

そう突っ込む刻?

 

「そっちは何が入っていたんだ?」

 

「ああ、真庭語 (裏)だ。裏って書いてあるから表じゃかけない暴露本かなんかだろうがね」

 

そう言って適当にめくったが、いかせん古い字体なのでほとんど読めない。あれ、と一夏が呟いた。

 

「どうした?」

 

「なあ、これ光ってないか」

 

なに、と俺と刻?が言って球を見直すと三つ光っていた。よく見ると

 

「鉋、針、鑢?」

 

「物は試しだ。一夏おまえは針。刻?は鑢だ。俺が鉋に触れてみる」

 

「いいのか?」

 

「触れる分はタダだ。死には・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

しないと思う」

 

「まてまてまて、言い淀んでるぞ。思いっきり」

 

「とりあえず触れるぞ」

 

「まあ、いいか」

 

そうして俺たちは触れてみた。すると

 

「主、認証しました」

 

という声が聞こえた。瞬時に光を放った。頭の中で鉋の使い方等などの情報が流れ込み目を開けると、まっすぐな刃に鍔なし鞘なしの綾杉肌に二筋桶が彫られてある。

 

「絶刀・鉋」

 

俺はそうつぶき、二人を見ると一夏は白い柄の刀を、刻?は手甲と足甲が装備されていた。

 

「・・・・・・・・・・これIS?」

 

「ごめん、自信ない」

 

「とりあえず掃除終わったら、おじさんに報告だな」

 

「そうだなって、これしまえんのか?」

 

「しまえるんじゃないか?よっと」

 

俺はしまうイメージをしたところ右中指に二筋桶をあしらった指輪がはめられていた。

 

「どうやったんだ?」

 

「頭に浮かばなかったか?こう、しまう感じで?」

 

そう言われて二人は、念じてみると、一夏の右中指には、水晶みたいな美しい指輪が。刻?には、左手の中指に紅葉色の指輪が装着されていた。

 

「とにかく急ごうぜ」

 

「だな」

 

一旦お宝をかたづけ、掃除に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            ☆

 

 

「なんとまあ」

 

掃除が終わり俺たちは真庭家家長である亀有おじさんに事の報告をした。

 

「ふむ。真庭語(裏)の管理と訳は密に任せようかの。しかし、ISのコアか?こいつは難儀だね〜〜〜」

 

ふむと頷くおじさん

 

「ま、しばらくは様子見じゃ。焔、白夜に連絡はつかんか?」

 

「白兄か?ちょっと時間かかるけど大丈夫だと思う。やっぱ、白兄経由で束さんに頼むしかないよな」

 

「なあ、束さんって誰なんだ?」

 

「刻?、篠ノ之 束さんってのはISの発明者なんだよ。現在どこにいるかも不明な研究者なんだよ」

 

「へえ〜〜。その凄い研究者とよく知り合いだな焔の兄さん」

 

「白兄と真希姉のクラスメートなんだよ。ついでに言うと一夏の姉さんも」

 

「まあな、俺も千冬姉に相談してみます」

 

「ま、それが妥当かな。しかし、鉋、針、鑢ねえ。四季崎記紀の完成形変体刀もたしかそんな刀の銘じゃなかたかな?」

 

!!!

 

その言葉に俺と刻?は反応した。逆に一夏はキョトンとしている。

 

「なあ、四季崎記紀って誰?」

 

「まあ、マイナーな人物だよな。歴史上では。ま、説明してやる。一夏、旧将軍は知ってるよな」

 

「まあな、受験生だし。確か、天下を統一した後、刀狩令を出して、清涼院護剣寺だったか。刀を溶かして大仏作ったんだよな」

 

「おおむねそうだ。その旧将軍の天下統一に四季崎記紀の変体刀が絡んでいるんだ」

 

「どうしてだ?」

 

「四季崎記紀の刀を手に入れれば天下を得るって信じられていたんだよ。その数、合計千本。旧将軍は四季崎の刀を集めて天下を統一したんだよ。この時点で5〜6割だったかな?その集大成で

 

「刀狩ってわけか」

 

「正解。最終的に988本集まったんだが残りの12本の収集にことごとく失敗した」

 

「それらが完成形変体刀ってわけか?」

 

「そういうこと」

 

にしても頭の回転速いな一夏。恋愛感情には鈍感な奴だが

「12本だよな。珠は13個あったぞ?」

 

「そいつは刻?。説明できるか?」

 

「ああ。一夏俺が使ってる流派知ってるよな?」

 

「ああ、?刀流だったか。己を一本の刀に見立てる無刀の剣法だよな」

 

「そうだ。俺のご先祖様鑢一根が開いた剣法だ。どうもご先祖様は四季崎と面識があったらしい。どういう関係かわからないがな。どうも、四季崎記紀は完成形変体刀を踏み台にして完了形変体刀、つまり意思を持った刀(?刀 鑢)を作りたかったらしい。何のためかは、俺にもわからん」

 

「へえ〜〜」

 

「兎にも角にも、待つしかないか」

 

そう言って、俺達は昼飯を食べに居間にいった。

 

 

 

数ヵ月後

夏休みが終わった。が肝心の兄貴からは音沙汰がない。連絡を入れたところ、すぐに返事は返ってきたが内容が

 

「しばらく替れない。束も匆しいので他聞雷燃の波留にならないと替れない」

訳 しばらく帰れない。束も忙しいので多分来年の春にならないと帰れない

 

ということだった。一夏も千冬さんに連絡はしたがしばらくは織斑家には帰れないということだ。

日々は無情に過ぎていき、二月の受験。俺達は私立藍越学園を受けるため受験会場に来たのはいいが、刻?と一夏が道に迷ってしまった。

 

「何をしてるおまえら!」

 

「知るか!なんだよ、ここトイレ行っただけで迷うなんて」

 

「つべこべ言うな。とりあえず、ここは次見つけたドアに入っちまえば問題ない」

 

「だな」

 

頷いて、さっそくドアを見つけ入室した。

 

「すいませーん」

 

「ああ、君たち受験生だよね。向こうで着替えて。時間おしてるから急いでね。ここ4時までしか借りられないから」

 

試験官らしき人が見向きもせずにいった。役所仕事?か、思い言われるがまま部屋に入ると、

 

「IS?」

 

そう、ISだ。ちょうどいい具合に3体ある。ここまで来るとさすがにおかしいなと思うのだが、一夏は何を思ったのか、それに触れてしまった。次の瞬間、ピッカと光ったと思ったら、そこにはISを装着した一夏がいた。

 

「「まじでか!!」」

 

「と、とりあえず、お前らも触れてみろよ?」

 

明らかに混乱しているが、つられるがまま、俺達も触れてみた。すると、

 

膨大な量の情報が頭を駆け巡り、最後に頭に浮かんだのは、

 

 

目を開けると、ISを装着していた。隣を見ると刻?も装着していた。

 

俺達3人は同時に

 

「「「まじでか!!!」」」

と叫んでしまった。なにしろ命じ通りに動く。女性にしか反応しないんじゃないのこれ?

と混乱していると、

 

「準備はできた?はいじゃ、適性検査にいってね」

 

と、さっきの試験官がさっさと俺達に紙を渡しっていった。

 

「どうする?」

 

「いけるとこまで行っちまいますか」

 

ま、こんな経験滅多にないだろうしな。俺たちは向かった。

 

どうやら、模擬戦のようだが忍法を使うまでもない。俺は鉋を、一夏は針を、刻?は無刀で、

 

「報復絶刀!!」

 

「薄刀開眼・零の舞・雪月花!!」

 

「?刀流・蒲公英!!」

 

瞬殺で決まった。すると、ピピピ

 

『試験官機撃墜。お疲れさまでした』

 

と表示された。

 

 

                        ☆ 

 

 

その後が大変だった。やっと男だっていうことが分かり、悪ノリで受験しましたって白状したところで、見たこともない装備を使用していることでさあ、大変。結局その日は、家に帰れず、翌日、亀有おじさんと静香おばさんが迎えに来てくれた。俺達はそのまま、真庭家へ。一休みの後、さっそく家族会議が開かれた。内容はもちろん今後の方針である。事前に連絡が着ていたのか、俺達はIS学園に入校ができると、通達がきたそうだ。

おじさんいわく、この申し出は受けた方がいいそうだ。曰く、IS学園はどこの国の影響力も及ばない学園だそうだ。少なくとも3年は大丈夫ということである。実験動物扱いはごめんなので、俺達は、入学することに決めたが、この三年間は相当苦労する羽目になることはこの時考えてもみなかった

 

説明
終わり時代半ば、鑢七花によって一つの物語が終わった。だが、歴史の遺産はまだ残っていた。時は現代、ISが進出した時代に再び十二本の刀が現れる。そして、それに合わせて亡霊たちも動き出す。刀語とISのクロスオーバー物語の始まり始まり。

この物語は真庭人鳥が生存しているのが前提です。
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タグ
刀語 IS 真庭忍軍 クロスオーバー 

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