IS〈インフィニット・ストラトス〉 転生者は・・・
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「全員揃ってますねー。それじゃあSHRはじめますよー」

 

 

 今自己紹介したうちのクラスの副担任山田真耶先生。

 本当に身長低いな……てか、胸で体のバランス崩壊してないか?

 

「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね」

 

「………」

 

 そして変な緊張感に包まれ、静かな教室。

 

「じゃ、じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順で」

 

 ちなみに俺はこの副担任に対してかわいそうだな〜とかは考えたりしない。

 というか、今は余計なことをしたくは無い。

 

 理由は簡単。

 

 ご存知の通り? ここに居る俺と一夏以外、クラスメイトは全員女子だから。

 

 

(ちょっ、本当にナニコレ!……珍○景じゃないぞ? 本当にここに居て良いのかすら不安になるんですけど)

 

 真ん中の席。その先頭でもう一人の男子、『織斑一夏』は誰かに視線を送って……うなだれた。

 

「織斑くん。織斑一夏くんっ!」

 

「は、はいっ!?」

 

 うん、原作どおりだな……くっ、ゴメン笑いがっ!

 俺が笑いを堪えていると、一夏の自己紹介が始まった。

 

 

「えー、えっと織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

 いやーな沈黙。

 クラス中の女子が『もっとなにか喋ってよ』の目線を一夏に送ってる。

 

「………」

 

 一夏、横に目線送ってもどうせ取り合ってもらえないから。

 

「……以上です」

 

 がたたっ

 

 教室のそこらで聞こえるずっこける音。

 ギャグパートだね、わかるよ。その証拠にすぐさま元通りになったから。

 

 

 そして後ろを向いている一夏の背後から忍び寄る影。

 

 パァンッ!

 

 ……それって本当に出席簿から出て良い音なのか? 誰か答えてくれっ!!

 

「げぇっ、関羽!?」

 

 パァンッ!

 

 はい、2撃目。

 それよりもやっぱり一夏ってバカなんだな。そんなこといえば叩かれるって分かってるだろうに……。

 しかも音がデカイから、女子が若干引いてるんだけど。

 

「誰が三国志の英雄か、馬鹿者」

 

 いま一夏を叩いたのは、皆さんご存知『織斑千冬』先生。

 ……うん、もう呂布とかで良いと思うんだ。

 

 ギロッ

 

 睨まれた……考えることを読む力でもあるのかあの人は…怖い。

 

「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」

 

「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」

 

「い、いぇっ。副担任ですから、これくらいはしないと……」

 

 

「諸君、私が織斑千冬だ。君達新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ないものには出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛えぬくことだ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」

 

 それは脅迫って言うと思う今日この頃の俺だ。

 つーかこの人に逆らう人が居るとは思えない。逆らったら最後……ご愁傷様です。

 しかもそれが簡単に想像できてしまうことが余計に怖い。

 

「キャーーー! 千冬様、本物の千冬様よ!」

「ずっとファンでした!」

「私、お姉様にあこがれてこの学園に来たんです! 北九州から!」

「あの千冬様にご指導いただけるなんて、嬉しいです!」

「私、お姉様のためなら死ねます!」

 

 耳ガッ、耳がぁ!! ……なんてことは無いが、うるさい。

 そして三番目、どこから来ようと関係ない。むしろここには外国から来てるやつもいるから。

 あと最後のヤツ、じゃあ死ね。たぶん今ここから居なくなることが織斑先生のためだから。

 

「……毎年、よくもこれだけの馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か? 私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」

 

 恐らく後者だと思います。

 

「きゃああああっ! お姉様! もっと叱って! 罵って!」

「でも時には優しくして!」

「そしてつけあがらないように躾をして〜!」

 

 ご覧の通りなんで。

 つーかここはなんなんだ? ドMの集まりか何かなのか?

 

「で? 満足に挨拶もできんのか、お前は」

 

「いや、千冬姉俺は―――」

 

 パァンッ!

 

「織斑先生と呼べ」

 

 はい、3発目。一夏の脳細胞は1万5千個死滅したようだ。

 

「……はい、織斑先生」

 

 そろそろ一夏が不憫に思えてきた。

 

「え……? 織斑くんって、あの千冬様の弟……?」

「それじゃあ世界で二人だけISを使えるって言うのも何か関係が?」

「ああっ、いいなぁっ。代わってほしいなぁっ」

 

 最後のヤツはともかく、もちろんもう一人は俺だ。

 すでに世間には公表されているらしい。俺がこっちに来た後だがな。

 

「さて、もう一人の男子。自己紹介をしろ」

 

「……はい」

 

 指名されちったぜい。

 やべっ、準備してなかった! みんな見てるんだニャー。

 

「えー、玖蘭拓神《くらんたくみ》です。趣味は読書とモノ作り。あとは…専用機持ちです。一年間よろしくお願いします」

 

 専用機持ちのところは、自分のネックレスを持ちながら言った。

 よかった、何も言われなかった。

 ……まぁ、誰も織斑先生に叩かれたくはないものな。

 

「まあ、いいだろう。これでSHRは終了だ。諸君らにはこれからISの基本動作を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染みこませろ。いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ」

 

 だから、それは指導という名の脅迫でしょ……理不尽だ。

 

 

 

 ◆

 

 

 

「ふむ……」

 

 

 授業の一時間目でわかったこと。

 どうやらISについての基本的なこと……経験以外、知識については理解できた。というか、なぜか分かる。

 

 ――ティエリア、これは……

 

 ――あの神の仕業……いや、恩恵だろう。

 

 ――だよな。

 

 やっぱりか、ありがたいな。

 さてと、一夏に接触しなきゃな。女子の中で唯一の男子が他に居るとかなり安心感がある。

 

 

 

「えっと、織斑一夏……でいいんだよな?」

 

「ああ、えっと、玖蘭拓神か。俺のことは一夏でいいぜ」

 

「んじゃ、俺のことも拓神でいい」

 

「わかった。それにしても助かったよ。他に男子が居てくれてさ」

 

「それは俺もだ。男子一人は耐えられない」

 

 うんうん、と頷きあう俺ら。

 そのあと、がしっと握手をしたところで。

 

 

「……ちょっといいか?」

 

「え?」

 

「あっと、篠ノ乃さん……だよね?」

 

「ああ、そうだ。一夏を借りてもいいか?」

 

「だとよ。行ってらっしゃい」

 

「お、おう。じゃあな拓神」

 

 篠ノ乃さんは、一夏を連れて廊下に出た。

 俺はすることがなくなったので、自分の机に戻る。

 ちなみに俺の席の隣はのほほんさんこと『布仏本音』。

 ぶかぶかの制服を着ていて、手は完全に制服の袖の中。

 

「よろしくな。えっと……のほほんさん?」

 

「わぁ〜、あだ名で呼んでもらえた〜。よろしくね、たっくん!」

 

 なつかしいあだ名で呼ばれたな。

 前世での小さい頃のあだ名だぞ、それ。

 

「おう、よろしく」

 

 さて、のほほんさんとの挨拶を済ませたところでっと。

 

 ――ティエリア、これからどうすれば良いと思う?

 

 ――突然で意味がわからないのだが?

 

 ――ああ、使う機体だよ。

 

 ――ん? それならガンダムで良いじゃないか。

 

 ――違う。俺が使うのはガンダムでも、どこの世代にするのかってこと。

 

 ――それなら、第三世代ガンダムじゃないのか?

 

 ――でも強すぎるんだよ、あれ。普通に剣を剣で切るってふざけてるのかってくらいに。

 

 ――良いだろう? 手を抜いていると足元をすくわれるぞ。

 

 ――それでもだ。能ある鷹は爪隠すってな。

 

 ――ふむ……それなら第二世代ガンダムを使うと良い。

 

 ――第二世代か……アストレアTYPE−F2は使えるな?

 

アストレアTYPE−F2なら、第三世代機に半歩歩劣る程度の性能だから問題ないだろう。

 

 ――問題ない。

 

 ――なら、次からそれで。装備はプロトGNソードとシールド、ビームライフルをあらかじめ用意してくれ。

 

 ――了解した。次からISを装備するときはアストレアTYPE−F2でいいな?

 

 ――そうだ。任せたぞティエリア。

 

 

 さて、これでこれからの準備も出来たな……あ、聞き忘れた。

 

 ――なあ、GNセファーとかってどうなってるんだ?

 

 ――? 展開は可能だ。その機体に装備できるなら、だが。

 

 ――たしかあれって、コーン型スラスターの機体になら装備できたよな?

 

 ――セファーラジエル第四形態または第五形態と同じ装備方法なら、できるな。

 

 ――なら、アストレアTYPE−F2のスラスターをスリースラスタータイプからコーンスラスタータイプに換装する用意と、GNセファーのプロトGNビットを第四形態でTYPE−F2に装備する用意を整えておいてくれ。

 

 ――わかった。調整に加えプロトビットのカラーリングの方も変えておこう。

 

 ――ああ、こっちよろしくな。

 

 ――了解している。

 

 

 これで一応はよし。

 さて、学園生活を楽しませてもらうとしようか!

 

説明
第7話『クラスメイトは全員女!?』
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