とある【正義】を持っているヒーロー 第29話
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【女子寮 管理人室】

 

   「さて、どうするかなぁ……これを……」

 

白く、夕映の顔だけが映るカード。

これは一体何なのか……

契約はされた、と覚は思うのだが、どういうことなのか理解できない……

  

   「しかしあいつまでもが俺の事を……なのかなぁ?カード白いし……」

 

契約が完了をちゃんとすれば白ではないはずだ。

 

   「しかし、この白いカード……何の意味があるのかなぁ……」

 

そう言いながらカードを眺め続ける覚……

 

   「今日は色々ありすぎて明日が大変そうだな……」

 

[ドンドン]

 

   「ん?誰だろうか」

 

[ガチャ]

 

   「先生なんで午後の特訓に来てくれなかったの〜!」

   「あ……」

   「すっかり忘れてたみたいですね……」

   「にゃはは……」

 

そんなこんなで一日は過ぎていくのである……

 

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【次の日 中等部 ホール】

 

   「今日は刹那にちゃんと言わなくちゃならないなぁ。昨日はいろいろありすぎた……」

 

噂をすると刹那が視線の先にいた。

覚を見つけるや否や走り近づいてきた。

 

   「どうした、刹那」

   「覚さん!お嬢様を見ませんでしたか!」

   「木乃香は見てはいない」

 

覚の表情が少し曇る。

いやな予感がしたのだ。

 

   「朝からどこにもいないんです!」

   「!……お前今日は用事があるって事にしといてやる。探せ、集合は広場だ……」

 

覚の表情は驚いた表情を一瞬とるが、すぐにいつもの顔に戻り。

静かに刹那へと指示を出す。

 

   「はい!」

   「集合は放課後と言う事にしておく。他の奴らにいらん騒動など起こされても困る……」

 

そして刹那はその場を走り去って行った。

 

   「……犯人は悪人確定で死刑だな」

 

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【昼休み 職員室】

 

   「……ぶづぶつ、ぶつぶつ」

   「?覚先生?」

 

ネギはずっと独り言をしゃべっている覚が気になり話しかける。

 

   「ぶつぶつ…ぶつぶつ…殺す…」

   「せ、先生?」

 

物騒な言葉が聞こえてきたのでネギは覚を心配する。

 

   「坊主か、気にするな。昼休みの特訓はお前に任せる……」

   「え、あ、はい」

   「頼んだ、頼んだぞ……」

 

そして覚は再び考え事をしながら

職員室を去って行った。

 

   「ぶつぶつ……ぶつぶつ……」

 

昼の体育の授業にも覚の姿はなかった。

ネギは指示をしたが駄目駄目であった……

 

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【放課後 広場】

 

覚は学校が終わると同時に広場に移動した…偶然周りに人はいなかった…

 

   「刹那!」

   「さ、覚さん!お嬢様が、お嬢様が見つかりません……!」

 

刹那は少し泣きそうな顔をしている。

 

   「そうか、学園から出た形跡はないんだな?」

   「はい……」

   「こんなことになったのもすべて私が悪いのです……」

   「刹那!」

 

覚の表情が変わる。

しかし刹那は下を向きその表情を見ないで話を続ける。

 

   「幼少の頃……愚かな私が身分をわきまえず接して、お嬢様のご好意を頂戴するような真似をした……そのために!」

   「馬鹿なこと言うんじゃねぇ!」

 

[パシィ!]

 

聡は刹那の頬をはたいた。

赤い跡が残るほどに。

  

   「…!」

   「お前は、お前はよぉ!」

 

覚は涙を少し流している。

 

   「さ、覚さん…」

   「お前が木乃香の友達になって!悪い事があるってのか!身分がなんだぁ!」

 

覚は怒鳴り続ける。

 

   「刹那、木乃香もお前も……あの頃に出会い仲良くなった!なるべくしてだよ!」

   「……」

   「考えろ。お前の本当の気持ちと木乃香の気持ちって奴をな。身分無視でな」

 

そして黙る二人。

 

   「……刹那。そこにあるマンホール調べたか?」

   「……マンホールですか」

 

少し黙っていた刹那が覚の言葉に答える。

 

   「そうだ。こんな所にマンホールが普通あるわけない……とりゃっ!」

 

マンホールらしき物を殴ってつぶす覚。

 

   「ほらな」

   「ならばお嬢様はここに!」

   「多分な……」

   「お嬢様!」

 

刹那は何も考えずに穴の中へと飛び込む。

 

「自分の心の答えは出るかな……刹那」

 

……そして覚は後を追った。

 

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【マンホールらしきものがあった所の穴の中空洞】

 

   「…おやおや見つかってしまいましたなぁ…」

 

奥のほうから女の声がする。

刹那と会話している様子だ。

 

   「お前かっ!?木乃香お嬢様をさらったのは!」

   「ほほほほほ、人聞きの悪い事言わんといてほしいわ。お嬢様から自発的にお越しいただいたようなもんやからな」

 

女は少し笑いながら話す……

 

 

   「貴様!お嬢様に何をした?なにをたくらんで……!」

   「まぁ、ホンマはなちょっと様子見に関東来ただけなんや。まさか一人でトボトボ歩いとるお嬢様にお会いできるとはなぁ」

 

そうして刹那を見て笑っている顔で……

 

   「寂しそうな顔しとりましたえ〜」

   「くっ!」

   「ま、そこまではあんじょううまい事やれたんやけどなぁ……」

 

苦笑いをしながら女は話続ける。

 

   「この学園の結界は難儀おすな。何重にも仕掛け取るさかい……どないしたら解除できるんどすか?」

   「黙れ!その口塞いでやる!『斬空閃!』」

   「おっと!さすがは音に聞こえし神鳴流……アブナイとこやったわ」

   「今の状況のほうがものすごく危ないぜ?」

   「!」

 

覚がディエンドライバーで攻撃するがよけられる。

少しかすった程度である。

 

   「おいおい、今のをよけるのかよ……殺る気だったのによ」

 

覚は無表情で女を見つめる。

 

   「あんさん、いつの間に人質のお嬢様を助けて……!あんたは!」

   「どうやら俺を知っているようだなぁ。そりゃ知らねぇわけねぇかぁ」

   「仕方がないえ……まぁ、修学旅行も近いことやし、急ぐこともありませんやろ……」

   

そういうと女は姿を消した。

 

   「逃げちまったか……しかし、修学旅行か……ものは考えようだぜ、爺さん」

   「お嬢様!?お嬢様……!」

   「ん……んん……あ、せっちゃんや……」

 

刹那の呼びかけが効いたのか、木乃香が目を覚ます。

 

   「大丈夫ですか、お嬢様!あの女になにか変な事をされませんでしたか?」

   「あの女……ってなんのこと?」

   「どうやら覚えていないようだな。その方が都合がいい」

   「お嬢様……」

   「あのなせっちゃん、迷惑やなかったら……友達でなくてもええから……側にいてええ?」

   「も、もちろんです!」

   「……それが答えってやつだな。刹那……」

 

苦笑しながら覚はその場を去って行った……

 

 

次回に続く

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にじファンより
詳しくはプロローグ1作品説明にて
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