ゲイムギョウ界の守護騎士
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第8話 黒髪少女とペンダント

 

今俺は地獄のどこかにある大きな門の前に立っている。

よくわかんないけど昨日エンマに試合が終わった後地図を渡され「明日は試練だ!その地図に書いてあるところに来い!」とか言われたので綺麗に書かれた地図によってここまでたどり着いた。

 

「お兄様、こちらです」

 

「おう、ライカ。今日は何すればいいんだ?」

 

「お兄様には過去にゲイムギョウ界にあったペンダントをとってきてもらいます」

 

「過去か、でそのペンダントってどこにあるんだ?」

 

「確かラステイションだったような気がします」

 

ラステイションの守護女神ってブラックハートだっけ?けど顔を見たことないからわからないな。

 

「過去っていつぐらいの頃だ?」

 

「マジェコンヌが四大陸を治めていた頃です」

 

ということは会えないのか、いやもしかすると子供の頃のブラックハートに会えるかも。

まあ、さっさと行くか。

 

「ライカ、この門をくぐればいいんだよな?」

 

「はい、この門をくぐればラステイションのどこかにつくはずです」

 

どこかって、結構適当なんだな。

とりあえず行きますか。

そして俺は過去のラステイションに向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラステイションについたぜ。

ここはあれだな、ダンジョンだな。

遺跡って感じがするな。ここにペンダントがあるのかな?

明らかに何か出そうだな。とりあえずおくに進んでみるか。

 

10分経過

 

モンスターってこんなに強かったけ?

きっと昔のほうがモンスターって強かったんだろうな。

先ほどまで何十匹というモンスターの群れと戦っていたため正直戦闘はやりたくない。

はぁー、俺って強くなってるのかな?

 

「いや、こっち来ないで!みんな、みんなどこ行ったの!?」

 

女の子の声だな、こっからそう遠くはない。

俺は軽く背伸びをして声のしたほうに走っていく。

 

「お、いたな。モンスターも居やがる」

 

前方に見えるのはサンドウォ−ムッぽいきもいモンスター。

それらは小さい黒髪のロングヘアーの少女を襲っていた。

俺はモンスターの合間を縫って少女をお姫様抱っこしてその場を切り抜けた?(切り抜けたじゃなくて逃げたのかな)

 

1分経過

 

さて逃げたのはいいけどどうしようかな?

とりあえずいつまでも抱いているわけにもいかないから降ろして話でも聞こうかな?

 

「お兄ちゃん、降ろさないで。また怖いのが来る!」

 

「そ、そうか、とりあえずここから出ようか?」

 

俺の呼びかけに首を縦に振る少女。

 

「そういえば、名前聞いてなかったな。俺の名前はタイチ、君の名前は?」

 

「わ、私の名前はノワール。友達と離れちゃったの。けど、全然見つからなくて」

 

ノワールは俺の胸に顔をうずくめながら答えた。

 

「じゃあ、ノワール、俺とデートしようか?」

 

「デート?」

 

ノワールは俺の顔を見上げながら言ってくる。

 

「そう、デート。ノワールと一緒にここに来た人たちを探しながらラステイションの街を見て回るんだ」

 

「楽しそう。じゃあ、早く行こうよ、お兄ちゃん」

 

うーん、なかなかいい響きだな。

お兄ちゃんかー、ライカと違って幼い感じがまたいいな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、街に到着!

横では俺の腰までしかないノワールが歩いていた。

今はお姫様抱っこではなく手をつないで歩いている。

まず、腹減ったから腹ごしらえしてから街を探索するか。

ここら辺は人が多いな。これではぐれたりしたら大変だな。

にしてもここの大陸は工場が多いな。

さっきからずっと周りを見てるけどとにかく工場が多い。

過去がこれくらいなら、今はどうなんだろうかな?

 

「お兄ちゃん、おなか減った」

 

「ん、ノワールもおなか減ったのか。じゃあ、あそこの喫茶店でも入ってみるか」

 

俺はノワールの手を引っ張り人ごみの中から何とか喫茶店の前まで抜け出す。

改めて見てみると目立つな。周りが工場ばかりのせいかやけに目立つ。

気付けば先ほどからノワールが妙に手に力を込めてくる。

 

「お兄ちゃん、おなか減った!」

 

「ごめんごめん、ついお店に見惚れて」

 

俺はノワールを連れ店の中に入っていった。

とりあえず店員さんの案内で店の奥へと入っていく。

ノワールは俺の膝の上に乗ってきた。

こ、これが女の子特有の匂いか。

 

「お兄ちゃん、私はね、これがいい」

 

ノワールはそういいながらメニューに載っているショートケーキを指さしている。

げッ!何でこんなに高いんだ?どッからどう見ても普通のショートケーキだろ。

 

「ノ、ノワール、こっちのチョコケーキにしないか?」

 

「あ、そっちも食べたい。ん.....?お兄ちゃん、どうしたの?そんなに汗かいて?」

 

「え、いや、全然大丈夫だぞ。じゃあ、頼もうか」

 

俺の財布は大丈夫なのかな?いーや、何とか生き残るはず。

最悪食い逃げしなきゃならんかもしれん。

俺は背中にびっしょり冷汗をかいたままケーキが来るのを待った。

 

 

 

 

 

 

 

食事中でございます。俺の膝の上ではおいしそうにケーキをほおばるノワール。

もちろん俺も食べている。だが、非常にこの体勢だと食べにくい。

それに気付いたのかノワールがショートケーキを刺して

 

「お兄ちゃん、あーんして」

 

「え、あ、あーん」

 

う、うまいな。だてに5000円もしているわけじゃない。

というか、ノワールなんて優しいんだ。これは将来が楽しみだな。

 

「じゃあ、ノワールもあーん」

 

「あーん.....おいしいね、お兄ちゃん!」

 

やっべかわいすぎるだろ。

抱きしめてやりてー......今はダメだよな。

 

「ん、ノワールほっぺにクリームついてるぞ。よいしょ.....うん、おいしいな」

 

俺はノワールのほっぺについているクリームを指で取り口の中に運んでいった。

ノワールは恥ずかしいのか怒っているのか顔を赤くして前を向いてうつむいてしまった。

 

「お、お兄ちゃん。は、恥ずかしいよ」

 

「ご、ごめんな、ノワールがかわいくて、つい」

 

「お、お兄ちゃん.....」

 

こ、今度は上目遣いだと。

いやーもう、抑えきるのは無理です。

 

「うん、やっぱり温かくていいな」

 

俺はノワールの背中に手を回し抱きしめた。

 

「う、うん、私も温かいよ」

 

はあーいいな。もうこのままでいいよな。

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから店を出て何とか俺の財布は命を紡いでいた。

これだけあれば足りるかな......。

俺はノワールを連れてある店に突撃した。

 

「お兄ちゃん、何してるの?」

 

「ああ、ノワールに何かプレゼントしようと思ってな」

 

「プレゼント?」

 

「そう、だからそこの席で少し待っててくれないか」

 

俺は店の端っこにある席を指した。

とはいってももうすでに買うものは決めてあるから1分も待つかどうか。

 

「じゃあ、すぐに戻ってくるからな」

 

「うん」

 

俺はそういうとすぐに店内を駆けてリボンの置いてある場所に行った。

 

そして今予想外のことが起きてしまった。

早く決めるとか何とか言っておきながら10分が経過しようとしていた。

プレゼントってこんなに悩むものなのか。次からはちゃんと買うものは決めておこう。

 

「どれがいいかな、赤か、青か.........よし、この際両方買ってしまえ!」

 

リボンはそれぞれ赤がひとつ、青もひとつ。

二つのリボンを使うとなると.......ツインテールしかないのかな?

じゃなくて早く会計済まさなきゃな。

 

レジまでダッシュ中

 

あれだ、俺が走るとろくなことにならん。

ここまで来るのにどれだけの人にぶつかったことか。

そして無事お会計が終わりました。右手には綺麗にラッピングされた小さな箱。

財布は今度こそ命をつきました。(ようは一文無し)

 

「お兄ちゃん!助けて!」

 

「ノワール?」

 

ノワールのいた席のほうに目を向けてみるとそこにはモンスターたちが群がっていた。

何で街にモンスターがいるんだ?どう考えてもおかしいが今はそれどころじゃない。

俺は逃げていく人たちを掻き分け急ぎノワールの元に向かっていく。

視界のほとんどがモンスターで埋め尽くされている。前とは違うタイプのやつだな。

見るからに頑丈そうなうろこのトカゲ男が手には槍を持っていた。

 

「はぁぁぁぁぁ!」

 

剣をすばやく引き抜きトカゲ男達を一閃。

その後もノワールに群がっているトカゲ男達を倒していくが

だんだんと剣の切れ味が悪くなってきたのか一発では切れなくなってくる。

 

「お兄ちゃん!」

 

「ノワール!大丈夫か!?」

 

何とかノワールの元にたどり着いたな。

しっかし前には先ほどまでとはいかないがいまだにトカゲ男達がノワールを狙っていた。

俺はノワールを後ろに隠し剣を構えトカゲ男達と対峙する。

店内はトカゲ男達の潜入のおかげで俺とノワールを残して一人としていなかった。

 

どうすればいいんだ?

 

―――私の力を使えばいいさ―――

 

頭の中に少女の声が響いてくる。

 

―――その代わりあなたの光の力を全部失うけどいい?―――

 

光の力?よくわからんけどそれでしか切り抜けられないなら構わない!

 

―――わかったわ。じゃあ、少しの間身体を借りるわよ―――

 

その声と同時に俺の意識は消えた。

 

???視点

 

なるほどね、この子を守りたかったわけなのね。少女は不思議そうな顔でこちらを見ていた。

白と黒が混ざったような腰まである髪。容姿はすっかりかわいらしい女の子に変わっていた。

あんまりあの人の身体を借りるわけにもいかないからさっさと終わらせちゃいましょう。

 

「聖なる光よ、全ての悪を蹴散らす力をここに!シャイニング・ブレイド!」

 

その声と同時に刀身が青く光っていく。

けど何でこんな強力すぎる技しか記憶にないのかしら?

あ、そういえば私は一部でしかなかったわね。じゃあ、この力はあるべき場所に帰るわけね。

私は剣を下からすくい上げるようにして斜め上に振った。

それと同時に強力でもあり優しくもある光がトカゲ男達に衝撃波のように迫っていった。

 

「終わりね、またどこかで会いましょう.......」

 

タイチ視点

 

あれ、どうなってるんだ。

トカゲ男いなくなってるし、剣が西洋風の剣から日本刀みたいになってるな。

どういうことだ、剣が割れたのか?何で白色だったのに黒色で形が変わってるんだ?

でなんだこの刀身の側面に入ってる線は?

そういえば誰かに身体を借りるとか何とか言われたけど特に異常なしだな。

 

「お兄ちゃん、怖かったよ!」

 

いつの間にか俺の正面にいるノワール。

俺はノワールの頭を撫でて右手にある綺麗にラッピングされた

プレゼントの箱を片手で器用に開けた。

 

「リボン」

 

ああ、と俺はうなずきその場にしゃがみ二つの色違いのリボンをノワールの髪に括った。

 

「やっぱりかわいいな」

 

ノワールは顔を赤くしうつむいてしまった。

 

「お、お兄ちゃん。これあげる」

 

ノワールはそういうと首にかけてあるペンダントを取り出し俺の首にかけてくれた。

 

「いいのか、もらっても?」

 

「うん、だってお兄ちゃんは私の恩人さんだもん」

 

「そっか、ありがとう」

 

ノワールは身体を捻りながらさらに顔を赤くし上目遣いで

 

「お、お兄ちゃん、私が大きくなったら、け、け、結婚してください!」

 

「え、えぇぇぇぇぇ!!」

 

「ダメかな?」

 

今にも泣き出しそうな顔でこちらを見てくるノワール。

ど、どうすればいいんだ?

 

「よ、よしわかった。ノワールが大きくなったら、け、結婚しよう」

 

言ってしまった.....この状況で断れるやつがいるなら見てみたいものだね。

 

「あ、皆がいる!じゃあ、またねお兄ちゃん。ぜったいに結婚してよね!」

 

ノワールはそう言うと3人のノワールと同じぐらいの子を連れた女性の元に走っていった。

3人の子供達は心配していたのか急に泣き出し女性はいろいろと必死になっていた。

家族か、いいもんだな

 

しかし、最後はかなり強調して言っていたな。なぜだ、非常にいやな予感しかしないのは?

まあ、いいのかな?

 

ペンダントってこれでいいのか?

ノワールからもらったペンダントを首から取り出し改めてじっくりと見てみる。

黒色の宝石が綺麗なクリスタル形になって紐に通してある。

 

『おう、それだ!よしすぐ戻すぞ!』

 

「へ?」

 

俺のそんな間抜けな声がした後俺の視界は真っ暗になった。

 

その後は地獄にぶっ飛ばされいろいろとエンマに文句を言われ第一の試練が終わった。

これはかなり辛いな。試練って案外大変なんだな。

 

説明
地獄で修行して900日。ついに始まった第一の試練。

それは過去のゲイムギョウ界に行ってペンダントを入手してこいといった内容であった。

そこで出会った小さい女の子。どうなるタイチ!
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コメント
フラグカモーーーン!!!(FDP)
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