超次元ゲイムネプテューヌmk2 希望と絶望のウロボロス
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その大陸を一言では言えば寒いだろう。なにせ一年中雪が積もっているんだから

 

「……さっ、さぶっい、これがルウィーの寒さなん、ですか……!」

 

カタカタ自分を抱きしめ寒さと戦うネプギア、他の二人も同じような格好だ。

ユニも一緒にとネプギアが誘っていたが自分の大陸を空けることはダメだと言っていた。

まだラステイションはマジュコンヌの被害がとても大きくシェアも深刻な問題となっているので女神でもあるユニは自分の立場を理解し断ったのだ。

とても悲しそうな顔だったがそれも仕方がないと切り捨てるしかない。とはいえさすがに女神救出作戦には参加すると言っていた今は現状を少しでも回復させることそしてゲイムキャラの力を借りることこれが最優先事項だ

 

「そうだね〜」

 

と、言いながら空はこういう状況には慣れてなるので顔いろ変えない。

むしろ降ってくる雪を手に取りながら遊んでいるほどだ

 

「ルウィーついたらまず上着を買うですぅ……」

 

コンパの案に全員(空除いて)が激しく頷いた。

 

「………変わったね」

 

坂を上りきったところで広がるのは色どりのライトにメルヘンチックな建物が並びそしてその中央に見守るように立てられたタワーそれらを白く染めていく雪が幻想的な風景を作りだしていた。

 

「そういえば紅夜を冥獄界に送ってそれから音沙汰無しだったわね」

 

((人間の進歩|・・・・・))に対してあまりいい想いを寄せれない空は眉を細めルウィーの街を見下ろしていた

 

「僕だって神だよ?滅茶苦茶忙しんだよ?」

 

いつもの行動からとても働いているように見えぬ更に逃げてきた〜サボってきた〜なんて言う者だから三人は疑う瞳で空を見る

 

「………どうやら、僕のすごさを教える必要があるみたいだね?」

「はいはい、後でじっくり聞いてあげるから行きましょう」

 

華麗にアイエフにスルーされ猫の威嚇のような声を上げながら空達はルウィーの町へ向かった。

 

 

 

 

 

 

そのころ、ギョウカイ墓場のある一角では……

 

 

「幼女サイコーー!!!」

 

黄色の装甲に恐竜に似た姿をした姿をした者から奇鳴が響いたその正体はマジュコンヌ四天王の一柱、トリック・ザ・ハードである

 

「耳元でうるさい……!」

 

漆黒のコートで全身を隠す様に羽織っているのは四女神を一人で追い詰めた勝利したレイスだった。

彼らの目の前には液晶ディスプレイがありそこからは年頃10歳を過ぎたばかりであろう少女が男性に抱きついているCGが映し出されていた

 

『お兄ちゃん♪』

「うぉぉぉ!俺も幼女に抱きつかれたい!お兄ちゃん発言されたい!ペロペロしたい!!」

 

自分の欲望に正直で病的なまでロリコンなトリックにとって先ほどの発言はクリティカルヒットらしく悶え始めた。だがレイスの耳元で叫ぶので耐えていたレイスの額に徐々青筋が浮かび上がって……

 

「天雷拳・素戔嗚尊!!!」

 

稲妻の鉄拳をもってぶっ飛ばした。

 

 

「痛いではないか同士よ!俺には同姓に虐められて喜ぶ趣味はないぞ!!」

「……そうか、それじゃ快感を覚える先に天に昇らしてやるよ」

 

反省なしのトリックにレイスは手を鳴らしその背後では不気味な瞳が開き身体を構築し始める。

 

「うぉぉ!少し待て俺が悪かった!!」

 

さすがに四女神を一人で倒したレイスの戦闘力にはさすがに畏怖を感じるものでありトリックは両手を前に抑えようとする

 

「……ギャルゲーもうやらないぞ?」

「スイマセンでしたーーー!!!!!!」

 

これはジャッジ、ブレイブにも言えることだがトリック達は身体がでかい普通の人間の倍近くは普通になるだろうそのため普通にパソコン等を動作させることができない、なので人間的な娯楽が彼らには出来ない。

そして二度目になるがトリックは重度のロリコンでありそんなキャラが出るゲーム……つまりはギャルゲーをたくさん持っているがその巨体、故にプレイすることが出来ないなのでマジュコンヌ関係者であり((唯一|・・))、話の合うレイスと共にギャルゲーをするプレイする間である。

ちなみにレイスもなんだかんだ文句は言わずむしろ楽しんでいる傾向がある。

 

「まぁ、マジックにばれないようにとっとと終わらせよう」

「うっ、うむ!」

 

二人の間に冷たい風が吹く。

少し前になるがこの状況を偶然目撃したマジックは((なぜか|・・・))怒り狂いトリックとレイスは当分埋められた苦い記憶がある。

そのため二人の間では出来るだけプレイ中は静かにそして気付かれないようにするのが鉄則になったのだがこれがまた中々守れないトリックが

 

『おい、愛奈俺のベットで寝るな』

『えへへ、お兄ちゃんの匂い』

 

トリックはいやらしい顔で、レイスは驚愕に満ちた表情でマウスを操作しているがその手は震えている。

二人の目の前には主人公のベットで服が乱れた姿で寝てしまった妹が映し出され二つの選択肢が映し出された

 

 

『しょうがないな、と毛布を掛ける』

 

 

『少し少しだけ……』

 

 

直ぐにレイスはこのソフトが入れられていたパッケージを見る、タイトルはハッキリと見えなかったがそこには打ち込まれたような文字で『R−18』と書かれていた

 

「お、お前……!?」

「ぐふふふ、どうしたのだ?同士レイス、貴様なら……答えはもう決まっているであろう?」

 

くっ、と舌を打ちレイスにトリックは不気味な笑みを浮かべ急かす様にレイスの肩に手を置く

 

「(ぐっ!まさかこれがR−18だとは思わなかった!いや、こいつはトリックは名前の通り『((罠|トリック))』使いだ。ど、どうする、俺は…俺は!!!)」

 

自分の中で争う天使と悪魔を宥めながら自分は紳士だと言い聞かせ、深く深呼吸をする

 

「(だが、トリック、俺は俺だ、俺は……紳士を突きとおす!!!)」

 

自身の存在を肯定させる為、自分の信念を貫き通す為、なにより自分の為にレイスはカーソルを『しょうがないな、と毛布を掛ける』に合わせクリックする!!!

 

『まったく、いつになっても手間のかかる妹だな』

 

と、ディスプレイの中で主人公は立ち上がり毛布を掛けようとする

 

「どうだトリック!俺は……清浄な紳士だぁぁ!!!」

「なっ!?き、貴様、変態紳士の称号を捨てる気か!?」

「はっ!、てめぇの策に嵌る。俺じゃねぇよ!」

 

そういいながらレイスは場面を進める彼の中ではロリYESタッチNOという法則が確定していようとしていた……

 

『うわぁ!?』

『うふふ、捕まえたよお兄ちゃん♪』

 

だが状況はレイスの全く逆の方へ進む寝ていたと思われていた妹キャラが突如主人公の手をひっぱり押し倒したのだ!

 

 

「…………へっ?」

 

呆気にとられたレイスは呆然と場面見た

 

『お兄ちゃんがいかないんだよ?私がどれだけ誘惑してもお兄ちゃんが我慢するから……』

『ちょ、愛奈!?』

『私と一緒に気持ち良くなろう?お・に・い・ちゃ・ん』

 

そこからは到底この小説では表現してはいけない破廉恥なことが起き始めた

 

「くははっはは!同士レイスよ。貴様ならその選択肢を選んでくれると信じていたよ!!!」

「なっ!?さっきのは演技だったのか。クッ……!」

 

先ほどのトリックの悔しそうな表情は全て演技、全てはレイスの性格を考え騙し通したトリックが上手だった

 

「これで貴様も自分でこの道を選んだ。変態紳士(受け)の称号を手に入れたぞ!あ、俺は勿論変態紳士(攻め)だよろしくな同士レイス?」

「く、くそうぉぉぉぉぉ!!!」

 

差し出された友を迎える手にレイスは崩れ落ちた

 

「ふはっはははっははっは!!!」

 

そして完全なる勝利にトリックは美味を味わうように笑う

 

 

「……ほう、楽しそうではないか」

 

 

その声を聞くまでは

 

 

((( ;゜Д゜)))ガクガクブルブル とお互い目を合わせ滝のように汗をかき、そして絶対零度の冷気が身体を硬直させる

 

 

「その会話の内容じーっーくーりー聞きたいなぁ?」

 

錆びた機械のようにギギギギと頭部を反転そこには

 

 

「なぁ?トリックそしてレイス」

 

一言で言おう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーー鬼がいた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

\ピチャーーーーーン/×2

 

 

 

 

今日もギョウカイ墓場は平和である。まる

 

 

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年振りだろう、自分がこんなにも曇った気分になるのは、こう見えてこの世界が生まれる前から自分はその存在を確立していた。

なぜこんな気持ちになったかは自分でもよく分かっている。

ただそう理解したくない自分がいることも分かった。

ならばこれからどうするべきか……その答えをずっと考えている模索している。−−−でも答えは一つしかなくて、その答えは単純で明白だけどそれを受け止めれない自分がどうしようもなく腹立たしくて

 

やっぱり自分はあの((幻想|人))を忘れない初心な((人間|・・))なんだなと思ってしまう

 

 

これは自分が((造られた|・・・・))時に掛けられた呪いだろうそれは絶対に解くことが出来ない魔の法則、これは自分では解くことが出来ないけどだってこれは『夜天 空』という存在を許す最初で最後の砦なのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「というシリアス的なナレーションが届いたんだ」

「いきなりどうしたんですか?」

「あいちゃんのように電波でも受信したのです?」

「なっ!私は受信しないわよ。私は自分の頭で構築するわよ!」

 

((空気壊し|エアブレイカー))の空

真面目に心配するネプギア

自分の友とおなじような病状に頭を傾けるコンパ

厨二病だと自白しているようなツッコムを入れるアイエフ

そんな彼らは仲良く(?)ルウィーの街を歩いていた。

 

「ルウィーのゲイムキャラさんはどこにいるんでしょうか?」

「そういえば空はゲイムキャラの場所知らないの?」

 

その質問に空は困った顔で頬を掻きながら

 

「分かることは分かるんだけど、彼女達は移動できるからね。かなり昔だし僕の記憶で居た場所に居るかどうか……」

 

これは捕捉であるが空とゲイムキャラは知り合い程度の関係である。

イストワールと違いゲイムキャラは女神が生み出し者で空自身ゲイムキャラという存在は邪魔でもなくむしろ有事の際とても役に立つ前例がいくつか出た為、((やり直し|リライト))の時、彼らだけは残すようにしたのだ。

そして、空は大陸同士の戦争が起きた場合ゲイムキャラが巻き込まれないように瞬間移動ができる術式を追加したので彼らは自分の大陸内を自由に移動できるのだ。

 

とはいえ、そんなに会う機会もなく連絡方法もないため空とゲイムキャラの間は常に音沙汰無しの状態だということを空はネプギア達に説明した

 

 

 

「使えないわね」

 

グサッと空の胸にアイエフの何気ない言葉が貫いた

 

「……………」

「空さん!?大丈夫です!?」

 

崩れるように両手を地面につき無表情で真白色の地面を見つめ続けた

 

「アイエフさん、さすがに言い過ぎじゃ……」

「……ごめん、空相手だったから思ったことが直ぐに出ちゃった」

 

ネプギアの横目にアイエフは視線を逸らしながら答える。

ツッコム担当アイエフとボケ担当空の間が引き起こした悲劇であった

 

「空ちゃん大丈夫です?」

 

そして空は見た。まるで天使が傷ついた獣を癒す様に手を差し出すような笑みを

 

「コンパちゃん、マジ天使!」

「はいはい、いい子です〜」

 

それを見ていたネプギアはそれは違う人が言うセリフだったんじゃないかなぁ……とか思ってたりしてた。

自分達の前方に人だかりが出来ているのが目に入りそこから少し前に聞いたことなる声が聞こえた

 

「はーい。みんな寄っておいでー!楽しい楽しい犯罪組織マジュコンヌだよー!」

 

アイエフ達は視線を合わせ同時に頷くと人ごみの中を掻い潜っていく。

そしてネプギア達の目の前には『後悔はさせません!さぁ楽して遊べるマジュコンヌ!』と書かれたビラを配る下っ端の姿があった

 

「マジュコンヌに入信すればどんなゲームもタダで遊べちゃう!好きなだけゲームし放題だよー!」

 

またこいつかとした顔のアイエフ達の中で空は気を鋭くさせ周囲を視る。

紅夜を意識不明した男、昔自分が開発した魔法を使う男は同一人物でありその二つとも奴はこの下っ端の近くに居る、なら近くに居る可能性があると空は目を忙しく動かし散策するが奴の気配は感じられない

 

「(………今回は本当に居ない?)」

 

彼が自分の予想通りの人物なら前回と同じようにこんな待ちのど真ん中でフェイクであってもあんな魔法を使うことはまずないだろうなぜなら彼は((狂っているほど優しいから|・・・・・・・・・・・・))

 

「はぁ、なんでこんなビラ配りしないといけねぇんだよ。兄貴は手伝うとかいいながらまだ来ないし、……はぁ、こんな時にあいつらと会ったらマジでヤベェぜ」

 

「それは私達のことですか?」

 

「そうそう、テメエみたいなトロそうなボケ女と、クソチビガキんちょと、生意気タカビーと凶悪外道破壊魔……」

 

こちらを向いてコンパ、ネプギア、アイエフ、空と見ながら下っ端は答える

 

「あら、これでも礼儀正しい方だと思っているんだけど」

「クソチビ……うう、そんな小っちゃいのかな」

「へぇ……その発言の意味を君は理解しているのかな?」

 

ゴキッ軽く手を鳴らすどうやら空は先ほどの汚名を何とかする為にやる気だ

 

「げぇ!?やっ、やべぇ!」

 

直ぐに自分の危機を察知しビラを放り投げ反対方向に疾走する下っ端

それを追うとするネプギア達だがビラを拾う人たちがそれを遮りその背中は遠くなっていく

 

「ははっは、ざまぁーーーて!?」

 

だが空はその場で大きく跳び建物の屋上に移り、軽々と屋上と屋上の間を通り越していき袖から飾り気のない三つの長剣を取りだし素早く下っ端に投げた。

空の手から離れた長剣は大気を貫きながら下っ端の足下の地面に刺さり下っ端は思わずそこで足を止めてしまう

 

「一度は逃げられたけど、君が兄貴を慕う人の情報そして、犯罪組織マジュコンヌの全貌……吐いてもらうよ」

 

その手にはまだ収められている太刀が空は柄に手を置き動けは『斬る』とした気を放つ

 

「ぐっ、………」

「……………さぁ」

 

下っ端の後ろには追いついたネプギア達の姿、どちらにせよ空を相手に勝つこと逃げることはまず不可能と聞かされていた下っ端は歯を噛み締めた

 

「兄貴の、事は詳しく知らない。けどレイスっていう名前、だけだ。私はマジュコンヌの中でも下っ端だから、何も知らない」

 

下っ端の言葉に空はゆっくりと目を閉じ、柄から手を離した。それを見た下っ端はほっと息を零したが……

 

ガスが噴き出した音と共に『煉獄ヲ裁断スル切ッ先』の刃は姿を現し天壌を焼くかのような火柱を発生された

 

「もう一度言う―――――知ってること全部話せ」

 

空は抜いた『煉獄ヲ裁断スル切ッ先』の剣先を下っ端に向け一歩、一歩足を進ませていく。信じていないのだ空は下っ端の言ったことなんてただ人間は((死に際|・・・))に近い言葉は基本的に信頼性を持てるから、下っ端の言葉の真偽すらも考えない

 

「(やっ、やっぱり兄貴の言うとおりだ。こいつを相手にするとき殺されると思え……ヤバい、ヤバい!!)」

 

逃げることを許しない獲物を見る鷹のような鋭い眼光を宿し空は少しずつ下っ端に近付いていく

 

「空、あんたの脅しは度が過ぎるわよ!」

 

もはや殺意を具現化している煉獄の火焔に静止を入れたのはアイエフだった

 

「……だって、ね?こういう輩は一度、痛い目に合わせないと本当のこと言わないよ?大丈夫やりすぎても足か手が灰になる程度だから」

 

やっぱりこいつは人間的な思考はない。どんなことがあろうともその道筋が全て屍であろうともまるで((関係無い|・・・・))ようにまるでそこらの石と人間が同じよう価値のように空は下っ端を見る

 

「空さん……やっぱり貴方はやりすぎです。この人だって人間なんです!」

「だからどうした?人間だから助けるのか?人間だから手加減するのか?人間だから特別扱いするのか?」

「そうじゃありません!そんな((理不尽な暴力|・・・・・・))で全部を解決されようとする空さんは間違っていると思います!!」

「…………」

 

ネプギアの言葉に空の眉は細くなり一瞬刃が歪んだ。

その瞬間を見逃さず下っ端は駆け出し路地裏に逃げ込んだ

 

「っ!鼠のように素早い……な」

 

「空、あんた………」

 

アイエフの声に耳を貸さず空はネプギアを睨むように見つめ

 

「理屈な正義が無駄な犠牲を生む、なら、邪道でも外道でも、それが((未来|・・))へ繋がるなら僕は悪魔だろうが天使だろうが救世主だろうが殺戮者にでもなってやる……そんな覚悟、君にあるか?」

 

その言葉を残し空は下っ端の後を追う

ネプギアはしばらくその場に立ち尽くしていたがアイエフ達に引かれ直ぐに空の後を追った。

 

「…………」

 

やはり自分とネプギアは波長が合わないと空は灰色の天上を思いながら思う

正義感が強くそして何でも出来て優秀、彼女の事を軽く説明しようとすればそんなことが述べれるだろう。

だから気に入らないまるで自分から見たネプギアは都合よく動く人形のようだった。見た目は綺麗で美しくって誰かを楽しめさせるだけどそれは操る人がいないと動くことはまずない。だって人形に意思は無いんだから

誰かが望めば助け、誰かが言えばそれを実行する『ゲイムギョウ界を守る』という彼女も結局これは結果だ女神としての立場上での、だから空は思うネプギア、彼女の((自分だけの意思|・・・・・・・))は一体どこに合ってどこに向いているのか流れる川の中で自分という部分は止まることない場所はあるのか?

 

だから空はネプギアのことが((嫌いだ|・・・))。

 

 

自分の『空っぽドーナツ』の時と似ているから

 

「これって同族嫌悪かな……?」

 

なんて((人間|・・))らしいと空は自分に呟き足を速めた

 

「はぁはぁ、……」

 

町から離れちょうど開けた場所に到達し下っ端は息を整え後ろを見るそこには同じように追いかけてきたネプギアたちの姿だった

 

「はぁ、ホントすばしっこいわね」

「はぅ、足が棒のようです〜」

「貴方はまたゲイムキャラを壊しに来たんですか?」

 

吹く風がまるで不幸を誘う。

空は柄に手を置き怪しい動きした場合、直ぐに抜刀できる態勢に入る

 

「誰が敵さんに情報流すかよ!」

 

バッと下っ端が手を上げた瞬間、空の手が霞み不可視の斬撃が跳ぶが当たる直前に最初から合ったように紅い壁がそれを妨げた

 

「っーー!?」

 

「兄貴特性の結界型トラップだぜ!そして……」

 

自分達の周囲にいくつもの魔法陣が展開されそこから姿を全体を黒く染まった((汚染|・・))モンスター

達の姿

 

「まっ、待ちない!」

「誰がまてと言われて待つかよ!!」

 

遠くなっていく下っ端の背中、チッと舌打ちをしながら空は周囲を見渡す。

前後左右さらに上にも羽根の生えたモンスターが宙を回っている恐らく地面にも隠れたモンスターがいるだろうそして数は全て含めば100は近い

 

「ちっ、空、コンパ、ネプギアやるわよ!」

 

アイエフの掛け声と共にネプギアは女神化しコンパと空は武器を構える。

先にこの結界を破壊し後ろに特攻し後は下がりながら潰していくそれが一番と空は柄を握り居合を放とうとしたとき、頭の中で声が響いた。

 

 

ーーー((虹光の破局閃|エレメンタル・カタストロフィー))

 

 

虹色の閃光が煌き紅い壁にもろとせず突き破り前方のモンスターを薙ぎ払った

 

「−−−全く、いいタイミングだよ」

 

それに動揺したモンスターだったが羽根をはやしたモンスターが急降下し頭上から落ちて来るが幾つもの紅い魔弾と鋭い投げナイフが的確にモンスターを仕留める。

困惑するネプギア達の中、二つの影が自分達の前で止まる

 

「ゲイムギョウ界の正義の味方、日本一!」

 

一人は紅いマフラーを靡かせるライダースーツの少女

 

「冥獄界の((守護神|ハード))零崎 紅夜!」

 

もう一人は全身を漆黒のコートで包みその手には紅い銃と大剣を持つ誰もが待ったこの世界の絶望の化身

 

「「ここに見参!!」」

 

お互いの肩を合わし武器を構えるその姿は正にーーー((ヒーロー|・・・・))だった

 

 

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何かしないといけない。

誰かの為に俺は進まないといけない目的に名誉や栄光なんていらない。

ただその場で何もしないことが愚かに思えてだからたとえどんなことがあろうとも俺は足を止めることだできない。

 

「ネプギアさん達はルウィーに向かったそうです」

 

俺の目の前にいるのは妖精のような外形をしたプラネテューヌの教祖イストワール

空がゲイムギョウ界の負の75%を受け持ってくたので今の俺は負を完全にコントロールすることが出来る為、安心して町に入ることが出来る。とはいえ右手モンスター化しているから油断はできないが

 

「分かった情報ありがとうイストワール」

 

そういい協会を後にするイストワールの話によると俺を襲ってきた女性と俺を倒した漆黒の奴はネプギア達の前に立ちふさがったらしいそこはやはりあの((チート|空))がなんとかしたらしい

 

それはそうとこの右手は常に紅い霊気を放ち凄まじいパワーを秘めている。

おかげ戦力アップにも繋がるのだが見た目があまりにも禍々しい為、包帯で隠している

 

「さて、大急ぎで移動しますか」

 

船や電車で移動するのも一つの手だがそれだと時間が掛かり過ぎるので一度、冥獄界に戻り冥獄界からルウィーに繋がっている道を開くそれが手っ取り早い。

人気のない森に向かおうと足を進めていると見たことのある背中を見た

 

「日本一……?」

 

ペンギンに悪魔のような翼を付けたリュックに真紅のマフラーを靡かせる人物は俺の中では一人しかいなく思わず声を零した。

相手は聞こえていたらしくその場で廻り俺を見て驚いた表情へ変わった。

 

「あんた、紅夜じゃない、久しぶり!」

「あぁ、久しぶりだな日本一」

 

相変わらず元気の塊のような日本一に苦笑する。

彼女との出会いは誤解から始り今はそれなりにいい関係を築けていると思う

 

「ねぇ、紅夜これからちょっと困っている人たちの為にモンスター討伐に行こうとしていたんだけどあんたも来る?」

 

そう言えば空は日本一をお気に入りとか言っていたな『理屈な正義より、あぁいう少しバカな正義の方が信頼できる』とかなんとか微妙にバカにしているの気のせいではないだろう

 

「残念だけど、俺はルウィーに用事があるんだ。かなり急でな」

「へぇ、それは残念ね。犯罪組織マジュコンヌっていう悪が生まれてモンスターは急増するし、お互い頑張りましょう!」

 

拳を突き上げその目に正義の烈火が映って見えた

こいつはやっぱり単純に凄いと思えたこんな世界でも自分を失うことなく信じた道を歩もうとする日本一がとても輝いて見えた

 

「なら、俺に着いてくるか?詳しい話はここでは話せないけど俺は女神候補生護衛の依頼を教祖から受けてきたんだ……一人より「行く!」さいですか」

 

ずっ、と息が掛かるほど顔を近付けて来る日本一に焦る俺

 

「じゃぁ、付いてこい。いいタイミングだし俺の事、話しておこうか。言っとくけどこれは機密事項だからな?」

「なになに?、実は紅夜は悪の組織に捕らわれ身体を改造されて復讐を決意したとか?」

「全く違う、そして昔の仮○ライダーでありそうな過去だな」

 

そんな会話をしながら俺は日本一に冥獄界について

冥獄神へなった軌跡

何故、モンスターという存在があるのか

自分がしてきたことこれからどうするか

徐々に真剣な顔になっていく日本一に俺はもしもの場合を考え懐の緋壊螺を抜けるようにする。

日本一は正義感が物凄く強い、だから俺のような性質上でも((女神の敵|・・・・))である俺をそう見逃すことが考えにくい冥獄神になれば絶対に勝てる自信はあるがこんな近距離だと一撃、二撃は必ず貰ってしまう。

でも、それでも俺は自分に嘘を付くほど甘くはないし他人に嘘を付くことほど黒くない。

 

「……そう」

 

俺の話を聞き終えた日本一は静かに呟いた。

おもわず喉を鳴らしてしまいそうな緊張感から腕に力が入る。

俺達の歩みはいつの間にか、止まりただ静寂が訪れていた。

 

「−−−っ!」

 

日本一の右肩が動いたそれと同時に拳が俺の顔面に突進する

すぐさま左手で弾き俺が緋壊螺を抜くタイミングと同時に日本一もペンギン型の銃が抜かれ。

俺達の腕は交叉し銃口は互いの額に向けられた

 

「…………日本一」

 

心のどこかではこんなことが起きるんだと予測していた。

だからってこんなことを理解できても納得は出来ない。

けど、俺は進まんと行けないここで立ち止まるわけにはいかないだから、そのためなら俺は……

 

「ーーーふ」

 

笑い声を零したのは日本一だった。引き金から手を離しゆっくりと懐に銃を仕舞う姿を見ながら俺は鳩が豆鉄砲を食らった顔になっているだろう

 

「あんた、相変わらずカッコいいね」

「……へっ?」

 

日本一の言葉に顔だけじゃなくて声も間抜けになっているだろう俺

 

「だってあんたの選んだ道は女神様とゲイムギョウ界の為になんでしょ?その結果としてどんなになっても紅夜は自分の道を進んでいる。どんな苦悩や困難も全部背負っている……ってそんな感じがするから。私は紅夜を信じるよ」

 

その言葉に俺の心は軽くなった気がした理解してくれたことに共感してくれたことに

 

「紅夜は『闇』であっても『悪』ではない正にダークヒーローだね!!」

 

拳を俺の鼻に当たるか当たらないかギリギリの地点に出す日本一

こうして俺達は互いに手を結びルウィーへ跳んだ

 

 

 

 

「はぁぁぁ!!!」

 

群がるモンスターに紅曜日を驟雨の如く付き刺し弱ったところに強烈な突きで団体を吹き飛ばす。

すぐさま空から奇襲してくるモンスターに照準を合わせ引き金を引く銃口から真紅の弾丸が発射されモンスターの翼に風穴を開ける

 

「せぇっぇぇぇい!!!」

 

それだけじゃ終わらない。

紅曜日を投擲し紅曜日の柄頭に銃弾を叩き込み速度を速めた紅曜日はモンスターの肉体を貫通させ奥のモンスターごと絶命する。

終わらず背後から襲いかかる爪にもう一丁の緋壊螺を抜こうとしたときそのモンスターは吹き飛んだ

 

「大丈夫!?」

「まだまだ!」

 

周囲を見渡せばぞろぞろ理性を失い狂気を宿した獣どもが牙を?け出してくる懐からもう一丁の緋壊螺を取り両手で手頃のモンスターの頭を打ち抜く

 

「日本一突っ込め、援護する!!」

 

「了解!背中は任せたよ!!」

 

銃先に光刃を構築させ団体に突っ込む日本一

一瞬、ネプギア達の姿が目に入ったが空が近くで紅蓮の炎を纏わした太刀でモンスター相手に無双しているのが見て捕らえたので大丈夫だと言い聞かせ、迫ってくる影に向かい引き金を引く。

 

空から地上から襲いかかるモンスターを素早く処理し日本一の左右から跳びかかろうとしている手段を殺しトリガーガードを指でヌンチャクのように動かしながら的確にモンスターの急所を打ち抜いていき、日本一も負けず銃剣でモンスターを切り裂き時に足を取り体制を崩した瞬間を狙い連続の拳を叩き込んでいく

 

「紅夜!」

 

あらかた片付いたところで現れる巨大な黒い影、所々闇色に染まったエンシェントドラゴンは咆哮を上げその強靭な爪を日本一に振り下ろすがステップで回避そして、近くに合った地面に突き刺さっていた紅曜日の剣身を蹴り俺のところまで廻ってくる。

 

「これがヒーローのコンビ技!」

「これで決める!」

 

俺は緋壊螺を投げ数発放ち、向かってくる紅曜日を掴み跳躍し

日本一は俺の攻撃で注意を引いている時間を狙い銃剣を腰に纏わせ力を込め

 

「「ジャスティス・クロス!!!」

 

二つの煌きは強固な鱗をもろともせず切り裂き、エンシェントドラゴンは重力に従いゆっくりと地面に倒れ込んだ

 

「イエーイ♪」

 

パンっと勝利のハイタッチを決める俺と日本一

周囲の気配を探ってみるがもうモンスターは感じなく振り返るとヤレヤレとした表情の空達がこちらに歩いてくるのが見てとれた。

 

「怪我は完治?」

「あぁ、おかげさまでな」

 

そもそも俺には不正不死があるから怪我なんて直ぐに治るんだが身体に受けたダメージはよっぽど大きかったみたいだ

 

「ーーーお兄ちゃん」

 

空の隣から記憶に真新しい声が聞こえた

 

「ネプギア、………」

「−−−お兄ちゃん」

 

徐々に彼女の眼には涙の珠が繋がっていき声も震えてきたそれに近い表情のコンパもアイエフもこんな表情をさせたのは間違いなく俺だろうけどそれしか道はなかったから仕方がないでもやっぱり後悔はしている。

だけどあの時の決断のおかげで助かったのだからそれも良しとして今は……

 

「ーーーーただいま」

 

この再会を喜ぼう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前も危なかったな……」

 

そこは白黒と世界、白いレールが沿って黒が物体の形を作りだしている寂しく不気味な世界

 

「私は悪運と逃げ足は自信があるんだぜ兄貴!」

 

疲労の色の隠せないでいるが元気な声を出すものの机にへばりつく下っ端もといリンダ

 

「……そろそろかな」

「どうしたんすっか?兄貴」

 

漆黒のコートはを羽織る謎の人物、レイスは徐に上をみるそこには擬似的な星空らしき黒一面のキャンパスに小さき白色描かれた空を見ながら一息付きフードに手を付けた

 

「リンダ、これはおれの信頼の証そして過去の形だ」

「兄貴の素顔、見せてくれるんですか」

 

レイスの素顔を知るモノは少ないというより五人しかいないマジュコンヌそして四天王、なぜレイスが素顔を隠しているのか誰もが不思議に思ったがリンダは慕う人の素顔を見たさに素直に首を縦に振った。

それを見たレイスは静かにフードを捲った

 

「!?あ、兄貴……は」

「知っているか?幽霊を英語で言えばゴーストだけど他にも呼び方が合ってな、その中には((Wraith|レイス))って呼び方があるんだぜ」

 

姿を現したのは首まで伸びた黒の入った銀の髪

右目は海のような蒼穹の色

左目は血のような真紅の色

どこか優しさを覚える穏やかな瞳、形ずれのない唇、一流の画家さえ作れないその儚き表情はリンダは呼吸を忘れさせるほど暴力的まで美しかった

 

そして

 

そして

 

なによりその全てを凌駕したのは

 

 

 

レイスの顔は冥獄神と((瓜二つ|・・・))だったことだ

 

 

-4ページ-

 

 

 

あれからネプギア達は俺の胸目掛け突進をくり出してきた。

三人分の衝撃はかなり強く生まれたての子供のようによく泣いていた。

それを日本一は微笑ましく見ていたがやっぱり空は気付いているのか厳しく心配そうな表情でずっとこちらを見ていた。

 

そして俺達は宿屋にいる空達から俺がいない間にどんなことがあったか聞いている

 

「ティシフォネ……ねぇ」

「アレの相手は僕がするよ。なんとかなるから」

 

そう胸を叩く空だがまさか切り札を持っているとは初耳だそれ以上に驚いたのはマジの空の実力に適う奴がいるということだ、なんとかなるからってことはまだ空は切り札を持っているということを連想させる本当にこいつは底なしだと俺は肩を震わす

 

「その、こぅさんは本当に大丈夫なんですか?意識不明と聞いたんです……」

「あぁ、大丈夫だ」

 

そういい両手を握りしめるなんだか前より力は上がった気がするが精神的部分では歪みそうになるが、たった右手モンスターになっただけでメリットとデメリットはがはっきり出ている。

 

その証拠に今俺の膝で静かに眠るネプギアの息をーーー

 

 

「はいストップ、本当に大丈夫?今からでも抑制術式でも編もうか?」

「−−−頼む」

 

思考が黒く染まっていく前に空の静止が掛かり正気に戻る。

例え精神が蝕まれていても絶対に従ってやるかと思いを固めていたが思っていたより事態は深刻だ。

 

「?どうしたのやっぱ完治してないんじゃないの?」

 

空が虚空に手を掲げ編み物をするように動かすと魔法陣が展開させ消したり新たに刻んだり作業を開始した。

 

「それは……」

 

出かけた言葉を理性が止めた。

言うまでもない俺の右手のことだ空に視線を送るとネプギアを一目見てから頷いた。

俺の膝には安心したように眠るネプギア、コンパ達曰く俺が逃がした日からまともに寝ていなかったらしいその証拠に眠るその顔はネプテューヌのようにだらしない寝顔だった。しかしこれだけぐっすり寝ているなら好都合だこれからの話は女神であるネプギアには聞いてほしくないことだからだ

 

「あんた……!」

 

空以外のみんなの息が詰まった俺が右手の包帯を解きそこから出たその異形の腕を見て

 

「それ……は」

 

思わず恐怖を抱くほど紅い妖気が溢れださせ手を覆い隠す様に濁った色の鱗らしくものが囲いそれはもはや人間の手と言うにはあまりにも違う((化物|モンスター))の手がそこにはあった。

 

「あはは、負に一度呑まれてね……その結果がこれだ」

 

あの感覚は今でも忘れることは出来ないあの漆黒コートと戦っていた時、欲望のままに高鳴り力を求めそしてただ殺すことだけに心の底から快楽し集中できたあのおぞましさは未だに頭から離れない

 

「紅夜には選択肢が二つあるんだ」

 

魔法陣を組んでいる空が独りでに口を開きアイエフ達の視線はそちらに向く

そこまで話のかと言いかけたが空は“ここまで来てしまったんだからしかたないでしょ”と念話を送られ俺は口を閉じ空はアイエフ達に俺が背負っているモノそして目指している選択肢、最悪の選択肢でありながら最も俺が近いことそれらを空は淡々と話す

 

「なにそれ……紅夜、聞いてないわよ!!!」

 

聞き終わった瞬間アイエフの激が飛んだ

 

「仕方がないだろう?−−−誰かが背負わないといけなんだから」

 

お前達と旅をして女神たちに合ってゲイムギョウ界が繰り返してきた過去を知った上で俺は空と戦って勝った。

そして人間削減と女神信仰の為に作られたモンスターと絶望を司る神となってゲイムギョウ界を見ていくそれに伴いモンスターの源のなっている負を背負うのが俺の役目、平和にはそれ相応の対価と力がいるそしてその役目が俺だった((それだけだ|・・・・・・))

 

「それに大声出すな。こいつが起きるだろう?」

「でも、それじゃこぅさんが一生苦しむだけじゃないですか!!!」

 

そんなこと((関係無い|・・・・))俺は元々持っていた信念は空に砕かれてお前たちを守る一心で立ちあがった、だから俺はどうなってもいいお前達が笑顔で幸せに生きていけるなら俺は何も惜しまない

 

なぜかアイエフ達は強く握りしめ俯いていたが俺は膝で愛くるしく眠る桃色のお姫様の髪を撫でながらふと思う俺が耐えてきたこの三年間の間……俺はどこか壊れているような、そんな気がした

 

「……罪遺物に引っ張られているよ紅夜」

 

空が何か呟いているが今日はこのまま泊まって明日、協会に行こう。

ロムちゃんやラムちゃんは元気にしているだろうかもう三年も経ったけど俺のこと覚えているだろうか……そう思考に意識を溶かせながら俺は静かに目を閉じた

 

 

 

「ハァ……」

 

朝日が俺の脳に朝を伝え全身を動かそうとするがうんともすんとも言わない。

おかしいネプギアは目覚めそうになかったのでそのまま俺のベットで一緒に寝た(アイエフとコンパに滅茶苦茶睨まれた)首を動かすと未だにベットに座り魔法陣をつついている空と鼻からシャボン玉を作っている日本一の姿

 

「起きた?感動のフィナーレを送った副会長と生死不明のエロ悪魔が見たら血涙を流しながら殴りかかってきそうな状況の紅夜君」

 

………とても長ったらしいツッコミをありがとう空、でもそれ元ネタが分かりにくいと思うぞ。そちらもハーレム系なのは分かるがっていうかどちらも主人公鈍感だろう!

 

「お前が言うかお前が……」

 

なんかものすごい深いため息つかれたなぜに?

 

「手を胸に置いてよく過去の出来事、全部流してみたら?」

 

すいません空先生、両手が動きません

 

「よろしいならば戦争だ」

 

どこでどう聞いたら宣戦布告に聞こえるんだよ!?

 

「冗談だよ、アメリカンジョークだよ」

 

怖いわ!レベルが違い過ぎるわ!何が悲しくて今の現状を訴えただけで戦争ごとになるのか説明プリーズ!!

 

「むかついたから」

 

ただの嫉妬かよ!!!

 

やっぱ、弄ると面白いと呟く空に俺から言わせてもらえば目の前に鍵を装填しパスワードを打ち終わった核兵器のスイッチを目の前に置かれたぐらい恐ろしいんですけど!?

 

「いい加減現実をみたら?」

 

言っていいか分からないが今の状況は昔ネプテューヌ達にも合ったな……

 

「あまり長くしたらめんどくさいって作者が苦情を訴えているからから速く状況説明して爆発しろ」

 

なにそのメタ発言……そしてお前は作者と会話できるのかよ相変わらず((規則外|チート))め

えっと、今の状況はハッキリ言えば重くて色々危ない。

右はアイエフが俺の腕を枕にして寝ているいつものコートは壁に掛けてありその姿はインナーで彼女のに凹凸がなく滑らかな美脚は丸見えだ。

次に左のコンパこちらは寝巻に着替えていて服が薄いそして彼女の自己主張する胸は綺麗に俺の腕を飲み込んでおり彼女の体温をじかに感じる。

最後にネプギアもコンパとおなじパジャマだしかし肩が露出するほど乱れており位置が不味い俺の胸に抱きしめ穏やかな寝息は彼女の微かに見える小さくも大きくもない谷間が上下に動く

 

ーーーつまりだ俺は先ほどから三方向から感じる甘い吐息に必死になって心の中で暴れるモノを抑えているネプテューヌと違い温かく柔らかい感触が二方向(ネプテューヌはほぼ感じない)から攻めて来るのでかなりヤバい状況だと言えるだろう

 

「−−−ごふっ!」

 

そう思考を動かしている右わき腹に衝突が走る。アイエフお前起きているだろう

 

「すぅ、すぅ……」

 

あくまで誤魔化すつもりかこの野郎、意味もなく殴るなよ大丈夫、お前は小さくて胸が可哀そうだけどその分、可愛いよ

 

「……………」

 

頬を真っ赤に染めるが複雑そうな表情を浮かべるアイエフ、まるで怒りたくても怒れない顔だ

 

「この天然タラシ&朴念仁め。もげろ、ネジ切れろ、爆発しろ」

 

空の眼光が痛いがそろそろ起きろお前ら今日はルウィーの協会に行くんだから

 

 

 

「朝っぱら酷い目に合った……」

「♪」

「(紅夜、君は近い未来もっとひどい目に合うと思うよ)」

 

そんな朝だったが要約外に出れた俺達、ルウィーの朝は予想以上に寒いがそれより気になるのがネプギアだ。

昨日と言い今日といい俺を掴んで離さないさすがに飯食う時ぐらい離せと言ったが瞬時に捨てられた子犬の眼差し攻撃に俺の心は一撃で沈没してしまい今でもネプギアは俺の手を掴んで離さない。

 

「ねぇ空さん紅夜って」

「空でいいよ日本一君、えっとね。ほらこんな言葉あるでしょ英雄、色を好むって」

 

おい、そこそこなに喋っているんだそして日本一、モノすっごく納得したような顔でどうした?

 

「そういえば空、ロムちゃんとラムちゃん俺達のこと覚えているかな?」

「ん〜〜三年空いたからちょっと分からないな……紅夜は覚えていると思うけど」

 

思わず聞いてしまった質問に空は顔を歪め答えた何故に俺?

 

「ロムちゃんとラムちゃん……って確かルウィーの女神候補生たちですよね?」

 

そうそうと空が頷くルウィーの女神候補生は二人、双子なんだ。

空は彼女たちに魔法を教えている姿を見たことがある覚えた魔法をいくつか見せてもらった気がするがハッキリ言おうあの二人の実力は遠距離で魔法のみなら俺は確実に負けるぐらい強い

 

「双子なんだよ二人とも可愛くて、因みに二人とも紅夜にコレです」

 

そういい袖からハートの絵が描かれた旗を取りだし小さく振るう。

それを見たネプギア、アイエフ、コンパは一斉にため息をついたハート型の旗に一体なんの意味があるんだ?

 

そんな会話をしているとルウィーで一番大きな建造物にやってきた。

アイエフ達曰く技術が発展し異端者の問題も軽くなって来たとかで協会を改造し町に引っ越しになったそうだ

 

「みんな速く行こう外は寒い」

 

なにやらこそこそ話しているネプギアを急かせ俺達はルウィーの協会に入った。

 

-5ページ-

 

 

それは所謂修羅場と言ってもいいだろう。

 

「……お兄ちゃん私達だけのお兄ちゃんよ!」

「(うるうる)」

 

左を見れば抱きしめて離さない目が潤っているロムちゃんと敵意むき出しのラムちゃん

 

「私のお兄ちゃんだよ?ロムちゃんラムちゃん」

 

左には声は出来るだけ優しくしかしその無表情は恐ろしさを感じてしまうネプギアは袖を掴んで離さない。

これはさてどうするべきか部屋の隅ではクスクス笑っている空、相変わらず用意周到な奴で俺でもギリギリで認識できるまで気配を無くしている。

両方からの雷撃のような火花を散らしているネプギア達、その中央でそれに必死で耐える俺もう帰りたい

 

「違う!私達((だけ|・・)9のお兄ちゃん!!」

 

お腹が痛くなってきたよお前等目が怖い

 

「譲らないよ私のお兄ちゃんだもん大好きなお兄ちゃんだもん……絶対に」

 

あれなんだろうネプギアの目が黒ベールに似ているような……似てないような……嫌な気しかしないよ〜

 

「なら!決闘!!私達と勝負して私達が勝ったらお兄ちゃんは私達の物!」

「私が勝ったら私の物だね……いいよ分かりやすくて」

 

もう一度言おうこれは修羅場だろう。

何故こんな状況になったのか俺は思い出す。

 

 

 

「とりあえずこれで刻んだよ」

「ん、ありがとう」

 

アポなしで教祖に会いに来た俺達があっさりと会えるわけなく俺達はしばらく立ち往生になった。

しかし連絡入れると見知っている俺と空に反応し、しばらく時間が掛かるが会ってくれるらしい。

そして俺は空が徹夜で作ってくれた抑制術式をいつかの時に貰ったペンダントに刻んでもらった本来であれば封印したいが空曰く“その腕は既にモンスターそのものだから封印した場合、右手が動かなくなる”これから激しいバトルが予想される中でそれは困ると案じた空がしてくれた最大の処置だ

 

「ありがとう、空」

「いえいえどういたしまして♪」

 

徹夜で編んでくれたことに罪悪感を感じたのだがこいつは一カ月くらいは徹夜でも全く問題ないらしいそれ以上に約10年の中で一時間眠ればそれで十分だとか、全くこいつの前に常識なんてないな。

 

「神だかね〜」

 

といいつつ守護女神と対極の存在である空(俺もだが)は自慢するように笑う。

空の神属性は知っての通り((破壊|・・))その現象に善悪は関係なくただそこにあるものを壊していく無差別なモノなので本人もあまり使いたくないらしいそんな自然現象ともいえるその動きを制御するのは極限まで困難でちょっとした力加減で世界の一つや二つは一瞬で消えてしまうとのこと……つまり空は常に核爆弾背負っていると同じことなのだ

 

「それにしてもネプギア大丈夫かね……」

 

心配そうな声を上げる空に俺は疑問を抱くネプギアはいつものように元気なんだが

 

「ん、今のネプギアは紅夜に依存している傾向があるからそこら辺がちょっとなぁ……」

「そうだな俺達はあくまで助っ人だけどあいつなら無事にこの世界を救えるさ、絶対に」

 

俺の発言に更に頭を抱え出す空それはまるで全く違うよ言いたげな顔、何を言いたいかは分からないが俺は厳しい時は厳しいぞ?

 

「もういいや、もし背中刺されても紅夜なら大丈夫でしょ」

「はい?」

 

何やら寒気が残る言葉を残しアイエフ達の元に帰っていく空……分からんな

 

 

 

 

 

「そういえば空と紅夜は四大陸回って教祖にも会ったんでしょ?」

 

協会の職員に案内され絨毯の上を歩いているとアイエフが唐突にこちらを向き疑問を呟いてきた

 

「そうだな、空のアホな行いの後かたずけのためにな」

「むむ!聞き捨てならないねせめてバカと言ってほしい!」

 

バカなことをした自覚はあるのかよ。まぁ、こいつは昔もしもの為にと四大陸に女神並の力を持っているモンスターを封印していたんだそれもモンスター不必要と決めたんだからその際に撤去することになったそして俺は大陸を回り女神の力を借りながら撃退していったという話だ。

 

「?まぁいいわ悪い噂は聞かないけどここの教祖のこと教えてくれない?」

 

空と視線を合わせしばらく考えるがハッキリ言え薄い、存在が教祖としては間違いなく優秀だが他の空の娘さんである本の妖精教祖、男装するビジネスマン教祖、ベールloveの病弱教祖と比べると普通すぎて逆になんと言えば……

 

「強いて言うなら天然メガネ娘で……」

「母親のようなキャラだな」

 

悲しいことにそれぐらいしかない、良い人なんだけど……インパクトが……

 

「とりあえず腹黒いとか自分の利益だけ優先とかそんな人じゃないのね?」

「うん、それだけは言えるよ」

 

だてに女神候補生の教育係に選ばれていないしなそれにしてもネプギアなにがそんなに楽しいかは知らないが俺の腕に抱きつく?

 

「えへへへ……」

 

緩みきったその顔……見ていると和むが中々離れない先ほど空から抑制術式を付けてもらう為に一度離れよとしたとき捨てられた子猫のような潤んだ瞳でずっとこちらを見て来るもんだから罪悪感が半端ない。俺は悪くないのに

 

「……大丈夫?」

 

日本一がこっそり耳元て呟くのに俺は抱きつかれてない右手を見る先ほどの抑制術式のおかげでネプギア、いや女神と言う存在への((殺意|・・))は嘘のように消えた。

さすが空と言いたいところだがあくまでこれは抑制、((冥獄神化|ブラッディハート))になったときも大丈夫だろうと言うところだが最終的には俺の意思の力が左右されるので安心はできない

 

「こちらになにます失礼のないように……」

「ありがとうございますぅ」

 

俺達は職員にお礼をいいどことなく頑丈さを感じる扉の前に立つ

 

「ネプギアさすがに離せTPO」

 

時間、場所、場合をの三種の神器を使いネプギアに問いかける

 

「お兄ちゃんは私に抱きつかれるのが嫌なんですか……?」

 

……やめてその目、辞めて、俺の体力ガンガンに削れるからお前候補生でも女神なんだろうそこのところを分かってくれぇぇ……

 

「はいはい、ネプギア。紅夜の言うとおりきちんとしなさい」

「うぅぅ、アイエフさん……」

 

なぁ、ネプギアよそんな今一生のお別れみたいな絶望顔するがお前にとって俺に抱きつくのはそんなに死活問題なのか?

 

「紅夜が離れてくれたら後でアーンして「分かりました!」よし」

 

空よお前はそういうことはまず本人の了解を得るという一番大事で始りの動作をすることを何故しない。

断りたいがネプギアがまるで昇天するかの勢いで目を星のように輝かせるものだから俺はもう頷く選択肢しか残されてないじゃん……バカ

 

「ギアちゃんこぅさんにメロメロです」

「アレはもう依存レベルよ。はぁ」

「べたぼれのヒロインだね!」

「さて、ロムちゃんラムちゃん元気かな〜」

 

一同思い思い呟く(一名関連性無し)がそろそろ入らないかお前等

 

「それじゃ、トップバッターは紅夜よろしく!」

「トップバッターって罠でもあるのかよ……」

 

こんな状況で罠なんてしかけるなんてKY意外何でもないぞそれにしても奥が騒がしい気配は約三名っていうかラムちゃん、ロムちゃんだ俺の体質上女神の気配には鋭い。まぁとりあえず

 

「失礼し「お兄ちゃんーー!!!」グハッ!?」

 

簡潔に腹部に大砲が直撃した見ると寒い地方に合わした薄桃色のコートに背中半分ぐらいまで伸ばしたクリーム色の髪、幼き顔付きながら気が強いそうな眼差し

 

「お、お前は……ラムか?」

「ピンポーン正解だよお兄ちゃん!」

「お兄ちゃん……」

 

容姿はほぼ一緒ながら水色のコートにラムとは逆に静けさな感じで髪が首まで伸びているのは

 

「ロムだなお前等大きくなったなぁ……」

 

俺達が会ったときは服の色等は違ったがどっちがどっちが分からないほどその容姿は似ていた。

しかし、今のこの二人は特徴的な所が出来て個性が出ている

 

「正解……会いたかった」

「俺もだラムちゃん、ロムちゃん」

 

寄り添ってきた二人の頭を俺は撫でる被っている帽子が取れないのに撫でると言うよりポンポン優しく叩く感じだが二人ともうっすらと目を細めて気持ちよさそうだ

 

「そうだ!お兄ちゃんに読んでほしい本がいっぱいあるの!こっちに来て!」

 

強引に腕を引っ張られる内心姉のブランが三年不在だったので落ち込んでいるかと心配したのか元気で良かった

 

「いっぱい絵を描いた……見てほしい……」

「あぁ、分かったそんじゃ行こうか」

 

とても考えれない二人の力に従い俺は奥の部屋へと消えた

 

 

 

 

 

 

空side

 

……僕も話したかったなぁ、さすがこれが恋と懐との似たようで決定的に違いの差なんだね。僕悲しい

 

「お兄ちゃん!?」

「ちょ!ネプギア!?」

 

アイエフの言葉はネプギアの耳には届かず疾走と走り去っていく今思ったけどネプギアの服装ってきわどだいと思うよね。少し、しゃがめばパンツ見えると思うんだ姉と同じだなぁ……

 

「久しぶりミナ」

「あ、えっと、お久しぶりです」

 

知的さを感じるメガネに丸っこい顔ながらどこか母性を感じる大人の雰囲気を持ち教授のような服装である彼女が

 

「ようこそルウィーへここの教祖を務めさせていただいています西沢 ミナです?」

 

最後に疑問が混じったのは彼女の中で先ほどの出来事を処理中なんだろう

 

「あぁ、行っちゃた……後で説教ね」

 

諦めのため息をするのはアイエフ、予想していたけど考えているより早かったっと言った顔だね

 

「ミナ〜予想はしていると思うけどブラン捕まった」

「!!!……そうですか」

 

あまりこの空気を継続させるのはめんどくさいので僕は直ぐに本題に入る。

ミナは驚愕の表情になるがすぐに落ちついた。三年も音沙汰無しだからもう予想済みだよね。

 

「単刀直入にゲイムキャラの力を借りたいんだけどいい?」

「……すいません」

 

返ってきたのはやっぱり無理だった横でアイエフが何故と言うので僕が捕捉を加える。

ゲイムキャラは秩序と循環を司るモノ、だからこそ女神無きいまゲイムキャラの存在が重要になるのにその力を貸せなのだからそれは渋る。

言ってしまえば自分達の生命線をくださいと言っているようなものだし

 

「だけど……」

「いま、世界中がマジュコンヌでピンチなのに」

 

更に先ほど下っ端が普通にビラ配っていたから治安もかなり悪くなっているのが予想できる。

 

「ミナだけど探させてもらうよ」

「!空さん」

「……勘違いしないで、僕たちがすることはゲイムキャラの守護だ。僕の予想が正しければゲイムキャラの居場所を見つけれる奴が居る」

 

僕の言葉に目を開く一同、敵の中に紅夜のように『負』を感じれる奴がいる。

これで二度目になるがゲイムキャラは秩序と循環を司っている故にその存在は限りなく正に近い。

なので大陸を守護するゲイムキャラが力を使えばそこらの『負』は減少する。

そこから大雑把になるがその一番少なくなった場所は『負』を減らす何かがあると察知されるわけで

 

「それに……」

「……他にあるのですか」

 

僕は善悪両方の属性を持っているから分かる。………最悪の敵は迫ってきていると

 

「四女神を倒した男と僕を倒したティシフォネ、((両方|・・))ルウィーにいる」

「「「「!!!」」」」

 

細かい場所までは分からないが居ることは感じる特にティシフォネの闇は隠そうとして隠せるものじゃないからねぇ……

 

「それ嘘じゃないですよね?」

「こんな時に冗談言ってどうすんのさ、さてどうしよっか」

 

これからどう対処しようか悩んでいると地面が大きく揺れた

 

「うわぁ!まさかあいつ!?それともティシフォネ!?」

 

……違うね。闇は感じない……まぁ、こんな空気をぶち壊す一人の男の取り合い合戦だとは思ったよ

 

空sideout

 

 

 

流れ星が降り注ぐ遠くではなく目の前で流れ星は地面に堕ちクレーターを量産していく中、それを掻い潜っていく桃色の閃光まるで躍るように急ブレーキ、ターンとこなしていく

 

「お前等!なにやって「「「お兄ちゃんは黙っていて!!!」」」……はい」

 

言わずとも争っているのはネプギアとロムちゃんラムちゃんだ三人ともすでに女神化し複雑な魔法陣が流星を作りそれを射撃と斬撃が相殺していく。

なぜこの三人が争うのか全く意味不明だが止めようにも三人の眼力が凄まじく俺はだた傍観することしかできない。

 

「くっ!あの女神しぶといわね」

「ラムちゃん、アレ使う」

「了解!」

 

二人は肩を合わし空中で廻り始める二人の足下には二つの魔法陣が展開され徐々に結合していく

 

「!そこ!!」

 

詠唱中を狙いネプギアが射撃するがロムちゃんとラムちゃんは詠唱しながら器用に((躱した|・・・))

 

「極冠の太陽が輝くとき」

「終わりを刻む氷結が世界を抱擁する」

 

ネプギアの射撃を避けながら魔法陣が大きく輝き始める『((独奏詠唱|トラクトゥス・アリア))』魔法を詠唱する際はそれに必要な集中力故に魔法使いはその場を動くことが出来ない常識をひっくり返した空の術式だ。

それは全く逆の方向を見ながら両手で同じタイミングで針に糸を通す並の集中力と繊細と確実さを必要とする魔力コントロール等々人の一生を使って出来るかできないかのレベルだ。

 

「時間を固定させ粉砕する逃れ無き終末」

「邪悪ありき存在に極刑の裁きを」

「っーーー!!」

 

ネプギアが両手に銃剣を握ると連動して腰のプロセッサユニットが開き銃口が現れネプギアの周囲に固定する

 

「うわぁ、大変〜」

 

後ろから知った声に振り向くそこには空やミナサンがいた

 

「空あの三人を!」

 

理由が意味不明だが明らかにやりすぎなあの三人を止めてくれ!

 

「紅夜そこを動かないでね!」

 

ドンッとわき腹に衝撃、俺は意味も分からず宙を回りネプギアとロムちゃんラムちゃんが対峙している((中央|・・))に顔から着地

 

「「『((絶対終焉|アブソニュート・エンド))!!!』

 

「マルチプルビームランチャー・フルバースト!!!」

 

右方向、空間すら凍らせていく蒼色の閃光

左方向、大地を消滅させていく紫電の極光

 

 

ーーー俺の命日が来たか。

 

 

 

 

チーーーン♪

 

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