IS−転生者は漆黒の騎士となりて− 第7話
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side悠也

 

ぬかった……どうしてこう俺はつめが甘い。

束さんという最大の頭痛の種をどうにかしたことで完全に気を抜いていた。

この一ヶ月最後にして最大の強敵

 

授業参観を……

 

本当にどうかしていた。両親が今回帰ってきた目的を忘れていたとは……

たまには自分でメール確認を行っておくべくだった。

話は変わるが普段俺は両親からのメールをDIVAに読ませている。あれは自分が読むものではない。絶対に。なぜなら内容の9割がどこでいちゃついてるとか完全に2人の色に染め上げられている。重要な要件などは最後にちらっと書いてあるだけだ。一度読んだときは軽く心が折れかけた。ってか完全に折れた。そのぐらい甘い。糖尿病罹るってレベルじゃねーぞ。

 

始まりは今朝の朝食中の両親の発言

 

「そうえば、空也さん。今日ゆーくんの授業参観がありましたね」

「そういえばそうだね、愛さん。悠也楽しみに待ってなさい」

「えっ!?う、うんそうしてるよ」

 

このときは思考が一瞬フリーズした。本当に焦った。なんで俺はこんなことを忘れていたのかと。

そんなこんなを経て現在の状況に至るわけだが。

 

(どうしたらいいかなぁ?リボンズ、リジェネ)

(久々の出番がこれかい?悠也)

(ねぇ悠也、前から思ってたけど僕の扱い悪くない?)

 

リボンズ何メタ発言かましてんだ。それとリジェネそれは多分気のせいだ。

それとリボンズ多分お前の出番はこれから増えてく筈だ、多分。マイスタータイプのイノベイドは無性型だから恐らくIS使えるだろうし。ティエリアやリヴァイヴなども同様に。使えなかったら俺がコアを説得するだけだが。

 

(で、どうやったら今日という苦行を乗り越えられるかな?)

(残念ながら僕は力になれそうに無いね)

(そうか。でリジェネはなんか案ある?)

(いや、僕も無理だね)

(……ちっ。そうかご苦労!!)

(ねぇ本当に僕の扱い悪いよねえ!?)

 

リジェネが面倒臭くなってきたので脳量子波を遮断する。一応言っておくが別に扱いが悪い訳では無い。ただ弄繰り回すのが楽しいだけだ。……それとこの前の仕返し。

まあそんな事はさて置き本当にどうしようかな……

 

side一夏

 

今朝は千冬姉がなんか電話のさきに

 

「ええい!今日は外せない用事があると言っている!!だから休むと言っているだろうが!!」

 

とか怒鳴ってたけど何かあったんだろうか?

お、あんなトコに悠也がいる。声をかけておこう。

 

「おーい、悠也〜」

「……いっそのことコピーロボットでもつくるか?いやしかし時間が無い。……最終手段としてはラ・ギアス式の魔術で気配を限りなく薄くするか……」

 

駄目だ。ブツブツと何か考え事して聞こえて無い。

 

「おい、悠也」

「……いや、しかし………どうした物やら」

「おいってば」

「ハッ!!なんだ一夏か」

「なんだってお前…さっきからずっと話しかけてたんだぞ」

「そうか、済まない。ずっと考え事をしてたんだ」

「そうかってお前……」

 

どうせ悠也のことだから何を考えてたか教えてくれないだろう。

俺はなんとなく朝の千冬姉のことを話してみた。

 

「……何というか大変だなお前も」

「大変って何がだよ?」

「……分からないならそれでいいよ」

 

そう言って悠也は苦笑いで返してきた。

 

side悠也

 

千冬さんも絶賛ブラコン発動中だな……この分だと束さんもシスコン発動中だろうなぁ……

俺も覚悟を決めて行くとしよう。最悪当てられない様に魔術でも使っておこうかな……

念のためこれから頭痛薬は常備しておこうと心を決めた瞬間だった。

 

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俺には……無理だ……

いきなり何を言い出すかと皆思ってるだろう、絶対。

俺には無理なんだ!!今日起きたことを言い表すなんて!!

一言で表すとしたら甘かった。ただひたすらに。周りの人なんか2mくらい離れていた。

うん、鬱だ死のう……なんか生まれてきてすいませんでした……俺のような塵屑になんか生きてる価値なんてありませんよ……ホント………

ってイカンイカン軽く前世に戻りかけてる。

でもホント今日のことは永遠に封印しておきたい。周りの人みんな軽く引いてたからね。そして俺に対する周りからの憐みの目が痛かった。特に保護者の皆さんからの。そして先生ごめんなさい。

まあそんなこんなで放課後です。

 

「悠也、顔色悪いけど大丈夫かい?」

「うん…大丈夫だよ父さん……」

「それならいいんだが……」

 

大丈夫、心が4回位折れただけだから。

そんな事を考えてると前方から見慣れた天災が俺目掛けて突っ込んできた。

 

「ゆーく〜〜〜〜ん!!」

「え!?ってうわぁ!!」

 

俺は真正面から押し倒される形で伸し掛かられる。傍から見たら女子高生が小学生を襲ってるという危ない状況だ。って父さん驚いてるのは分かるけど助けて。お願いだから助けて。この状況下手したら窒息する。俺はそこからなんとか這い出し文句を言う。

 

「いきなり何すんですか!?」

「うん、久しぶりだねゆーくん!!ところでこっちの人は誰だい?」

「あなた本当に人の区別つかないんですね……俺の父さんですよ」

「ふーん……」

 

そう言って束さんは興味無さそうに返す。ホントこの人は一部の人間以外に全くもって興味が無いんだな。

 

「悠也この娘は?」

「あー、友達?の束さん」

「む、疑問形とはひどいなゆーくん」

 

いやぁ、友達というには割と年齢も離れてるしねぇ?精神年齢的にはこちらの方が上だけど。

 

「それで何の用ですか?」

「うん!ゆーくんには今直ぐ束さんのラボに来てほしいんだ!!」

「ホントあなたは色々と急ですね……という訳だから少し出かけてくるよ、父さん」

「暗くなる前に帰ってくるんだよ。それと父さん少し安心したよ」

「?安心って何が?」

「いや、悠也に友達がいたことさ」

 

え?俺親にそんな心配されてたの?確かにそんなことは今まであまり話題にしなかったけど……

実際俺の友達となると……織斑姉弟と條ノ之姉妹の4人しかいねぇ………俺って凄く寂しい奴だったんだな……

 

「ゆーくん、早く早く!!」

「あー、という訳だから行ってくるね父さん」

「ああ、行ってらっしゃい」

 

そうして俺は束さんに連れられ(拉致ともいう)ラボに行くのであった。

 

 

 

「アレがISとやらの開発者の篠ノ之束か……」

 

 

 

唯一人不穏な呟きをする父を残して………

 

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「それで急に連れてきて何なんですか束さん?」

「うん白騎士のプロトタイプが完成したからね日本政府にデータ送っちゃった」

 

は?今何つったこの((天災 | 大馬鹿者))は?データ送っただと?

 

「あんたは何やらかしてんだあああああああああ!?」

「うわっ!?いきなりどうしたんだい?ゆーくん」

「あんたアレか?やっぱり一周まわって馬鹿なのか?俺が何のためにイノベイション社起ち上げたとおもってんの?それにあれでしょう?プロトタイプなんだからまだまだ弄るとこあるでしょーが!!っていうか何故作ってることを俺に言わなかったの?俺もやりたかったのに!!」

「ゆーくん……後半本音ダダ漏れだよ?」

 

こうして悠也の最大の受難は去っていくのであった。

説明
第7話
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