超次元ゲイム ネプテューヌmk2 snow wind -episode1-
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「ん…んん……」

 

カーテンの隙間から差し込む光と寒さで目が覚める。

 

「くあぁ…………眠いっ!」

 

誰に向けていうわけでも無く、わたしは虚空に向かって悪態をつく。

だって眠いんだもん。

 

「…早く起きようっと…」

 

でもわたしの言葉に答えてくれる人はいないわけで、少しの沈黙の後わたしはベッドから起き上がる。

 

わたしの名前はフウ・シェルツ、ゲイムギョウ界という世界にある四つの国の内のルウィーという街に住む人間。

ゲイムギョウ界とかルウィーとかその辺の事は…wikipediaでも見て欲しいかな。いや、めんどくさいわけじゃないよ? うん。

わたしがここに住み始めたのは数年前の事で、この家に元々住んでいた人が倒れていたわたしを見つけてここまで連れ帰ってきたのが始まり。

目を覚ましたわたしは自分の名前すら覚えてなくて行く宛も無かったんだけど、その人は赤の他人だというのにわたしに一緒に住まないか、と言ってくれた。

その時のわたしは喋ること以外何もできない赤子のような状態だったにも関わらず、その人はわたしに名前や色々な事を教えてくれて、わたしにとってその人は血は繋がっていなくても母親当然の人だった。

でもその人は一年前、病気にかかって死んでしまって、今この家にはわたししかいない。

 

「…いただきます」

 

トーストにイチゴジャムを付けた、簡単な朝食を用意して食べる。

あ、料理は普通にできるからね? 朝食だからこんな感じなわけで。

…ともかく、恩人であり親代わりだった人はもういないけれど、周りの人の助けもあってわたしは元気です。

 

「ごちそうさま、っと…さて、行こうかな」

 

朝食を食べ終わり、後片付けをして服を着替える。

普通、わたしくらいの子は皆学校に行くらしいけど、わたしは学校に行かずにギルドの依頼をこなしたりして生計を立てている。なんちゃって傭兵みたいな感じかな。

勉強は週に2、3回くらい図書館に行って自分でしてる。たまに学校に通ってる友達にノートを貸してもらったしもしてるし。

学校に行ってないとはいえ、流石に勉強しないっていうのはアレだからね、自主的に頑張っている。

 

「…よしっ! それじゃ、今日も一日がんばろーっ!」

 

長い髪を梳かしてから髪の先の方を緑のリボンで結び、あの人に貰った白いコートに白いマントを羽織り、気合いを入れ、わたしは自宅を出た。

ルウィーの街は相変わらず一面雪景色で、もう大分慣れたとはいえまだ寒さを感じる。

 

「うぅ、寒っ…。…いやいや、今がんばろうって言ったばっかりだよ」

 

朝起きてクエストを受けたり図書館に行き帰宅して寝る。

そんな感じの独りきりの生活が、わたしにとっては既に日常だった。

けど、今日はそんな日常がいつもと違って――

――わたしの日常が非日常へと変わる日だったのでした。

説明
とりあえずあんな意味不なプロローグだけというのもアレなので、一話を連投してみる。
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