死にたがりの第九十二話 逃れられない運命
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あらすじ

 

 

このまま順調に進むと思ったのかい?残念でした!

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

〜なのはサイド〜

 

 

蒐集の事で話がある……後で屋上に来てほしい。

病室でシグナムさんから念話でそう言われた。

 

 

なのでアリサちゃんとすずかちゃんと別れてからすぐに病院に戻り。

屋上に向かう。

 

 

「すいません。待たせちゃいましたか?」

 

 

「いや、待っていない。気にするな」

 

 

シグナムさんは腕を組んで、手すりに寄りかかりながら待っていた。

そして、ヴィータちゃん、シャマルさん、ザフィーラさん、アンクさんも居た。

 

 

「いきなり呼び出してしまったすいません」

 

 

「い、いえ!全然気にしてないんで大丈夫です!」

 

 

「そ、そうですよ」

 

 

シャマルさんがペコリと頭を下げてしまったので。

慌ててそうじゃないと言う。

それでも、顔を上げたシャマルさんは苦笑していた。

 

 

「それで、どうしたんですか?」

 

 

「はい。闇の書の蒐集が、後数ページで終わるんです。それでですね」

 

 

「そろそろ、闇の書を完成させる場所を決めようと思ってな。流石にこんな街中で完成させてしまったら被害が及ぶ」

 

 

「何処かにいい場所が無いか、管理局の提督にお前達を通して聴いてほしいと思って呼んだんだ」

 

 

「流石に我らは、ここの地形をまだ把握しきれていないのでな」

 

 

「分かりました。リンディさんに聞いてみます。もし決まったらどうしましょうか?」

 

 

「……そうだな。アンク、お前確か、けーたいと言う物を持っていたな?」

 

 

「あ?ああ、持ってるが」

 

 

「では、アンクに連絡をしてくれ。その方が良い」

 

 

シグナムさんがそう言うと、何故かアンクさんは露骨に嫌そうな顔をする。

……ど、どうして……。

 

 

「……高町のメアドとか要らねぇ……」

 

 

「酷くないですか!?」

 

 

「いや、マジで……」

 

 

「ど、どうして嫌なんですか?」

 

 

「何と無く……」

 

 

「何と無くって何ですか!?」

 

 

物凄く嫌押すな顔をしているアンクさんをツッコむ。

どうしてなのはのメアド要らないんだろう……。

 

 

「良いからアンク、早くもらえよ」

 

 

「黙ってろヴィータ。要らんもん要らん」

 

 

「そう言うと思って、拝借しときました♪」

 

 

シャマルさんは笑顔を崩さないまま携帯を取り出す。

それは今話題のタッチ式の携帯だった。

アンクさん、良い携帯使ってるんだなぁ……。

 

 

「あ、シャマルお前!」

 

 

「そうだ!フェイトちゃんもアンクさんのメアド登録しとけば?」

 

 

「えっ……で、でもなのは……」

 

 

「そこっ!何かってなこと言ってんだ!」

 

 

アンクさんが怒鳴る。

 

 

「ま、まぁまぁアンク君。少し落ち着いて……」

 

 

「落ち着けるか!ったく、携帯返しやがれ」

 

 

パシッ!

 

 

アンクさんはシャマルさんから携帯を乱暴に取り返す。

そして、つかつかとこっちに近づいてきて。

 

 

「ほら、さっさと携帯だせ」

 

 

「えっ、良いんですか?」

 

 

「ああ。もうどうでもよくなってきた……」

 

 

ハァッと、短いため息をついて、携帯を突き出す。

私ってアンクさんに嫌われてるんだろうか……。

 

 

そんなこと思っている内に、メアドを交換し終える。

 

 

「はぁっ……」

 

 

ま、またため息……。

 

 

「これで良し。すまないな、手間を取らせてしまって」

 

 

「い、いえ!気にしないでください!」

 

 

「それよりも。闇の書は後何ページで完成なの?シグナム」

 

 

「……後、4ページで完成だ。それで主を……」

 

 

シグナムさんはそう言って手を力いっぱい握る。

他の守護騎士さん達も、少しだけ暗い表情になる……。

 

 

「それよりも……。今日はありがとうございます。アニス君にプレゼントをあげてくれて」

 

 

「いえ、アレはすずかちゃんが考案した事案で」

 

 

「私達は、それに乗った感じになんで」

 

 

「それでも、アニス君喜んでました。ホントにありがとうございます」

 

 

シャマルさんはまた頭を下げてお礼を言う。

ホントに気にしなくても良いのに……。

 

 

それを見ながら、私とフェイトちゃんは苦笑しました。

……その時だった……。

 

 

バキッ!

 

 

突然鈍い音が屋上に響く。

その音の先に目をやると……。

 

 

「えっ……あれって……」

 

 

「……リーゼロッテに……リーゼアリア……」

 

 

そこには、捕まっているはずのグレアムさんの使い魔さんが居ました……。

それにザフィーラさんは応戦しています。

 

 

「貴様ら……何者だ」

 

 

「私達は……もうどうなっても良い……」

 

 

「だけど……お前たちだけは許さない……」

 

 

二人はそう言って、皆に攻撃を開始した……。

それを見て、全員デバイスを起動させ、バリアジャケットを纏う。

 

 

だけど……。

 

 

「くっ、バインド!?」

 

 

「速い!?」

 

 

「しかもかてぇぞ!?」

 

 

全員バリアジャケットを纏った瞬間に、バインドで動きを止められる。

二人とも全力でバインドを掛けているため。簡単にはバインドブレイクが出来ない。

 

 

「くっ……このぉ!」

 

 

ビキッピシッ……。

 

 

アンクさんは腕に力を入れて、バインドを壊そうとしている。

バインドはその力に耐えきれず、ひびが入ってきているが。

 

 

「あの赤い奴と。その子の二人は邪魔だね」

 

 

「五分もあれば大丈夫」

 

 

そう言って、一枚のカードを取り出し、投げつける。

その瞬間、私とフェイトちゃんとアンクさんが吸い寄せられるように動き、三人固まってしまう。

そしてその周りには、魔力で出来たクリスタル状のもので覆われてしまう……。

 

 

「くそっ!出しやがれ!!」

 

 

アンクさんがバインドを壊して、私達を閉じ込めている物を叩く。

だけどビクともしない……。

 

 

「この中じゃ、魔法も使えない……」

 

 

「下手に魔法を使ったら、巻き込まれる……」

 

 

どうすれば……。

 

 

そう思っていた時。

アリアさんが手をかざす、そしてそこには、闇の書が……。

 

 

「い、いつの間に!?」

 

 

シャマルさんがそれを見て驚く。

そして、次の瞬間、闇の書は光だす。

 

 

途端、ヴィータちゃんが……、ううん。

他の守護騎士さん達が苦しみだす。

 

 

「最後のページは、不要となった守護騎士達の魔力でページを埋める」

 

 

「……それで闇の書は完成する……」

 

 

「これまでも幾たびかそうだった筈だ……」

 

 

徐々に体が空けていくみんな……。

それを見て、あざ笑うリーゼ姉妹……。

 

 

そして……完全にみんなが消えてしまった……。

 

 

「そんな……」

 

 

「嘘……」

 

 

「くそぉ!壊れやがれ!!」

 

 

「あれでホントに大丈夫?」

 

 

「五重のバインドに、全力で魔力を込めたクリスタルケージだよ。そうやすやすとは破られない……さて、闇の書の主の……」

 

 

「……目覚めの時だ……」

 

 

カッ!

 

 

地面の一部が光だし、魔方陣が浮かび上がる。

その上に、一筋の黒い光がさして……アニス君が現れる……。

 

 

「グッ……な……何で……お前達が……」

 

 

「闇の書の主……」

 

 

「お前は、今日ここで、闇の書と共に封印させてもらう。悪く思わないでね」

 

 

「……ケホッ……守……護、騎士達は……魔力を、取られて……」

 

 

「そうだよ。さぁ、これで最後だ」

 

 

「何か言い残す言葉は?」

 

 

止めて……お願い止めて!!

 

 

「アンクさん!」

 

 

「壊れやがれぇぇぇぇ!!!」

 

 

アンクさんが必死になって壊しに掛かる。

だけども、少しのヒビしか入らない……。

 

 

「……あっははは……お前ら……誰に手を出したか……分かってる?……糞猫が……テメェら……覚えとけよ……?……地の果てでも、追っかけて……殺して解して並べて……揃えて晒してやんよ……」

 

 

「……適うと良いね、その願い」

 

 

「それじゃあ、終わりだ」

 

 

二人がそう言うと、アニス君の目の前に闇の書が現れる。

 

 

《Guten Morgen, Meister》

 

 

「……くっはは……今から眠る……俺に対しての……皮肉?……嫌になる……よ……」

 

 

魔方陣が一気に黒くなる……。

アニス君はうなだれたまま、動かない……。

 

 

ビシッ………ぴしぃっ……。

バキィン!!

 

 

そしてようやく、魔力ケージが壊される。

私とフェイトちゃんとアンクさんは急いでそこから出る。

 

 

「アニス君!」

 

 

「「アニス!」」

 

 

だけど……遅かった……。

 

 

「グッ……アッ…………ウアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

 

……ズガァァァン!!

 

 

アニス君の叫びから数秒間を置き、強大な魔力が暴発する。

それを避けるために、少しだけ距離を置く。

 

 

次に目にした光景は……その爆発したところの中心に、黒い光が差し込んでおり。

その中心に、アニス君が浮かんでいた。

 

 

「……我は闇の書の主なり……この手に……力を……」

 

 

パシッ……。

 

 

右手には闇の書が持たれる。

 

 

「封印……開放……」

 

 

《Freilassung》

 

 

アニス君が装置部焼いた瞬間、闇の書から煙が放出される。

更に、アニス君の体にも変化が表れ始める。

 

 

体が大きくなっていき、背も伸びて、胸も大きくなる。

髪の毛は一瞬のうちに銀髪になり。

体にはベルトみたいなものが巻き付き、足にも巻きつく。

 

 

そして、腕を通して赤いラインが入り、顔にも付く……。

もう、そこにはアニス君の姿が無かった……。

あるのは、一人の女性の姿。

 

 

最後には……背中に真っ黒い翼が生える……。

 

 

「……また……すべてが終わってしまった……一体幾たび、こんな悲しみを繰り返せば良い……」

 

 

「アニス君!」

 

 

「アニス……?」

 

 

「……違う、あれはアニスじゃない……」

 

 

「……我は闇の書……我が力の全ては……」

 

 

女の人が手を挙げる……。

その瞬間、膨大な魔力が込められる。

 

 

《Diabolic emission》

 

 

そして、その振りあげたての上に、巨大な球体上の物が作られていく……。

 

 

「……主の願いは、そのままに……」

 

 

そして、その魔法は……。

 

 

「……闇に、染まれ……」

 

 

「なっ……」

 

 

「狙いは、私達か!?」

 

 

グレアム提督の使い魔さん達に放たれた……。

 

 

「くっ!」

 

 

バシィィン!!

 

 

かろうじて障壁を展開するのに間に合った様だけど。

即席の将へ気じゃあ、あの量の魔力が込めてある魔法は……。

 

 

「駄目だ、防ぎきれない!?」

 

 

「おい、高町、テスタロッサ、逃げるぞ!」

 

 

アンクさんの叫び声により、我に帰る。

あ、このままだと……私達も巻き込まれる!?

 

 

そう思い、私と、そしてフェイトとちゃんとアンクさんは、この場から急いで離れる……。

……ごめんね……アニス君……守れなかった……。

 

私は泣きながら……その場から離れた……。

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