ゲイムギョウ界の守護騎士
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第9話 数年ぶりの邂逅

 

地獄門の前に佇むオレとライカ。ここ地獄門は数多の世界へとつながってい門である。

オレの容姿は色々と変わってしまった。赤色の目、肩まで伸びた髪、漆黒のコート。

これだけなら、まだしも色は黒で横の線は残ったままだが、

剣が再び形を変え西洋風の剣になってしまった。

エンマが言うにはオレの身体の変化=強くなっていく証拠。

地獄での修行は辛かったがそのおかげでたくさんの力を取り戻すことができた。

エンマやライカには大変感謝している。

 

「お兄様。そろそろ行きましょう」

 

オレのコートの裾を引っ張ってくるライカ。

ライカの身体に目立った変化はなく、少し変わったところといえば胸の大きさだろうか。

心なしか、若干大きくなってるように見える。

 

「お兄様。エッチな目です」

 

もじもじと恥ずかしそうに顔を赤らめるライカ。

ッく!何だ、このかわいい生き物は!?

そんな風にされたらお兄ちゃん、ライカを抱きしめたくなっちまう!

 

「だ、ダメだ!.....よし、気を取り直してっと、行くぞ、ライカ!」

 

オレは何とか如何わしい妄想を振り切り、地獄門を開けてゆく。

ライカも、先程とは違い真剣な面持ちで開いてゆく地獄門を見ている。

 

「開きましたね。では、行きましょう。ゲイムギョウ界に」

 

「ああ。全てを終わらせるために!」

 

こうして、オレたちは地獄を旅立った。大切な彼女を救うために。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライカ視点

 

私の目の前には見慣れない可愛らしいお家があります。

確か、お兄様情報ではここがコンパさんのお家だったはずです。

赤のネコのシルエットがついたパーカー。短いスカートはお兄様の好みです。

じゃなくて、早いところ訪問しちゃいましょう。

 

「すみませーん。誰かいませんか?」

 

軽くワンノック。それに答えるかのように扉がのろまなスピードで開いていきます。

顔を出してきたのは、目の周りが涙で濡れている紫髪の女神様。

 

「えーと、あなたは誰かな?もしかして、私の昔の知り合い?」

 

「やはり、泣いていたんですね。ネプテューヌさん」

 

「え、どうして、私の名前を?」

 

「あなたたちに大事なお話があります。まずは、お家にあがらせてくれませんか?」

 

私のその声に反応するかのように、

ネプテューヌさんの後ろから双葉リボンの女の子とカチューシャを付けた女の子が出てきました。

 

「あんたも、ネプ子狙いなの?」

 

「ねぷねぷは誰にも渡しません!」

 

睨みを利かしてくる双葉リボンの女の子。

ネプテューヌさんを守るように立ちはだかるカチューシャを付けた女の子。

切り出し方が悪かったのでしょうか、なんか険悪ムードになっちゃてるような気がします。

この場を切り抜けるにはあの話しかありませんね。

私は大きく深呼吸して身体の力を軽く抜いていきます。

準備は万端、いつでも言けます!と言うか、言っちゃいます!

 

「お兄様、じゃなくて、タイチさんはゲイムギョウ界にいます。タイチさんは今はラステイションにいます」

 

「「「!!」」」

 

三人とも驚愕の表情をしています。

さすがにお兄様の話と来たら食いついてきました。

 

「あんた、何でタイチのこと知ってるわけ?と言うか、あなたはいったい何者なの?」

 

「私はあなた達にお兄様、じゃなくて、タイチさんが今まで何をしてきたか教えるためにやってきました」

 

私はできるだけ真剣な眼差しで三人を見ます。

そして、何故か、ネプテューヌさんの目に涙が浮かんできます。

 

「ほ、ホントなんだよね?タイチはホントに、ラステイション?に居るんだよね!?」

 

「な、なぜ、抱きついてくるのですか!?」

 

ネプテューヌさんは私に抱きつき泣いています。

よ、よく分かりませんが、とりあえず、頭を撫で撫でしときましょう。

 

「よくわかんないですけど、あいちゃん。この人は良い人だと思います」

 

「はぁー、あんた達ねー。......まあ、いいわ。家にあがって結構よ」

 

なんか、とても軽くないですか?

その後、私は泣き止んだネプテューヌさんに手を引っ張られ、お家の中へと入っていきました。

 

 

 

 

 

「へー、なんか凄いことになっちゃってるわね」

 

椅子に腰をかけながら私の話しを聞いてくれたあいちゃん。

あいちゃんの隣のソファーに腰掛ける二人はちんぷんかんぷんという顔でこちらを見ています。

 

「んーーー。らいらいの言ってること難しすぎて分かんないよー」

 

「私も、らいらいが何言ってるか、さっぱりです」

 

なんでしょうか、勝手にへんなあだ名をつけられてるような気がします。

と言うか、今のでわかんないって言われたら対処のしようがないんですけど。

 

「簡単に言うと、タイチは地獄で約10年間修行して戻ってきたわけ」

 

「おおー、そう言う事だったんだね!」

 

「さすがは、あいちゃんです!」

 

「なんか、簡単にしすぎなような気がします」

 

これは、前途多難な予感がします。

そして、この後はとりとめもない会話をしたり、お兄様についてお話したりして楽しみました。

 

「明日、タイチに会えるかな?」

 

「それは分かりません。けど、いつかは必ず会えます」

 

「ありがと、らいらい」

 

やっぱり、布団は四人で入ると凄く温かいですね。

これが、お友達なんでしょうか?一緒にいると心がぽかぽかしてきます。

不思議な感覚ですね。けど、悪い気はしません。

 

「ねえ、らいらい。私達、もう友達だよね?」

 

「私でよければ、喜んで」

 

「でも、友達でもタイチは譲らないからね」

 

「私だって、ネプにお兄様を取らせる気なんてありません」

 

なんか、こうして話してるだけなのに心が通じ合ってるような気がします。

お兄様、今頃何してるんでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライカがネプテューヌ達と寝る4時間前

 

タイチ視点                                        

 

よし、目的どおりだな。

ここはラステイションのダンジョンかな。

過去に来たときの遺跡によう似とるな。

 

「何だ、この揺れ?........あっちで、戦闘か。この気配は普通とは違うな」

 

俺は急ぎ気配のしたほうに走っていく。

この気配、前どこかで感じたことがある。......ノワールなのか?

 

「おっと、発見。えーと、あれはどう見ても女神様だよな?」

 

オレの5m先では激しい戦闘が行われていた。否あれは戦闘とは言わない。

白色の髪の女神様、一人相手に謎の黒のフードをかぶった五人組。

あのままじゃ、女神様がピンチだな。

俺は腰の鞘に納めてある剣を引き抜く。剣は禍々しく黒い光りを放っている。

終焉を喰らう剣(ディマイス・インフェルノ)。これがオレの剣の真の姿。

五人組は俺の存在に気付いておらず女神に攻撃を何回も叩き込んでいる。

これ以上は我慢できないな。

オレの思いに答えるようにディマイス・インフェルノは強大な闇を纏っていく。

 

「おい、お前ら。1対5なんて卑怯とは思わないか?」

 

「何だ、貴様は?ちょうどいい、貴様もこいつと同じようにいたぶってやろう」

 

そのフードの足元で倒れている彼女は立ち上がり再び、フード達に剣を振りかざす。

だが、そんな彼女の一撃は軽く受け止められ、彼女の腹に掌底が叩き込まれる。

 

「ッく!そ、そこの一般人、は、速く、逃げなさい!」

 

彼女は苦し紛れにオレに訴えてくる。

そんな姿見せられたら、守ってあげたくなるってのが男でしょ。

オレは音速の速さで彼女を殴ったフード野郎に一気に迫り、

開いている右手に闇の焔を纏い溝打ちを叩き込む。さらにもう一発殴りつけて壁に突き飛ばす。

 

「ッがふ!き、貴様!......そうか、ま、魔王か」

 

「口が減らないな、そんなに終焉が見たいのか?」

 

「Y!ここは退くわよ。こいつの相手ができるのはお姉さまだけよ!」

 

Yと呼ばれた男はそれを聞くとすぐさまその場から逃げて

他のフード達を追いかけるように暗闇にとけていった。

アイツ、オレの一撃をぶち込んだのにあれかよ。

こりゃ、厄介なことになりそうだな。

 

「大丈夫か?」

 

オレはすっかり体力をなくしてしまった彼女に近づき回復魔法で癒していく。

彼女の傷は10秒ともせずに完治した。さすが、オレだぜ。

しかし、先程の戦闘で疲れてしまったのか、彼女はその場から動こうとしない。

 

「仕方ねえ、よいしょっと。えーと、協会でいいんだよな?」

 

「な、何やってるのよ。は、速く降ろしなさい!」

 

肩車した状態で彼女はオレの背中をぽかぽかと叩いてくる。

 

「傷ついた女の子は放っておけない主義なんでね」

 

いや、と言うか普通こうするでしょ。これが普通だーーーー!!

 

「お、女の子.......」

 

彼女はそのまま協会につくまでずっと呪文のように女の子と呟いていた。

 

 

 

 

ここが協会かぁー。

プラネテューヌに居た頃は協会に行く前日に地獄に飛ばされたからなあー。

あいつらどうしてるかなあー?

 

「着きましたよ。女神様」

 

肩車してるせいか先程から背中に胸がずっと押し付けられている。

 

一分経過

 

何だ寝ているのか?それとも無視されているのか?

まあ、いいや。今のうち確認でもしとくか。

 

「オレ、実は過去に一回だけラステイションに来たことがあるんだ。そのときに迷子の女の子に会ってさ、助けてくれたからって言ってこのペンダントを貰ったんだ」

 

続く沈黙。それでも構わない。

 

「その子の名前はノワールって言ってな、大きくなったら結婚してくださいって言ってきた「何で、そんな記憶力いいのよー!?」.....思い出したのか?」

 

背中の上で急に暴れだすノワール。

今の発言のどこに恥ずかしいところがあったんだろうか?

 

「とりあえず、ゆっくり話したいから協会に入れてくれないか」

 

「う、うん。おにいちゃ、ごめんなさい」

 

ノワールは俺の背中に顔をうずくめ謝った。

 

「何で、謝るんだよ?別にいいんだぞ、お兄ちゃんでも」

 

「じゃあ、お兄ちゃん。協会に入りましょ?」

 

「お、おう」

 

なるほど、これは凄い破壊力だな。

オレはノワールをおぶったまま協会に入っていった。

 

 

 

協会に入ってから2時間経過

 

ふー、結構いい風呂だな。

ただいま協会のお風呂を使用している。

 

「とりあえず協会にお世話になるかぁ。........魔王か」

 

協会のお風呂はいくつかあり、教院用と国政院用と女神様用があるらしい。

俺がただいま使用してるのは何故か女神様用のお風呂。

ノワール曰く「私のお風呂なら私しか使わないし、それにお、お兄ちゃんに使ってもらいたいし」とか何とか言ってたな。

協会についてからはノワールには魔王のことだけを伏せて全てを話した。

なんか、あいつに悪いことしちゃったな。けど、これはおれ自身の問題だからな。

 

「お、お兄ちゃん。入るわよ」

 

「.....へ?」

 

俺のそんな間の抜けた声はどこえやら風呂場の扉が開かれる。

目の前にはバスタオル一枚に身を包むノワール。

そのプロポーションは美しく一瞬見惚れてしまったぐらい。

 

「だって、お兄ちゃんのそばに居たいんだもん。ダメ、かな?」

 

「ダメではないけどな、やっぱり問題があるといいますか」

 

正直かなりうれしいが、さすがにこれはやばいんじゃないか?

ノワールはそんな気にしないといった感じに浴槽に入ってくる。

さすがに恥ずかしいので俺はノワールに対して背中を向ける。

逆にノワールは俺の背中に抱きついてきた。もう何がなんだか、まったく分からない。

 

「お兄ちゃんにお願いがあるの」

 

「オレにか?あー、頭を使う作業とかは無理だからな」

 

「違うわ。明日、私とモンスター退治に出かけて欲しいの」

 

「ああ、それぐらいだったらお安い御用だ。じゃあ、今日は速く寝ないとな」

 

俺は立ち上がろうとするが、それはノワールの抱きつき攻撃によって阻止された。

これはいくらなんでもやばすぎる。背中に感じるのは暖かなぬくもり。

ノワールはいつの間にかバスタオルを取り、裸でオレに抱きついていた。

何だ、これは夢なのか?悪い夢なら速く覚めてくれー!

 

「お願い、もう少しだけこうさせて?」

 

その声はどこか震えていて、今にも泣き出しそうな声だった。

 

「分かった」

 

たぶん、謎のフード達の恐怖が残っているんだろう。

女神として負けてはならないといった重い責任。そして、今回の戦闘での圧倒的力の差。

そういったものによって彼女のプライドが大きく傷つけられたのだろう。

だけど、今のオレにはこうして言葉でノワールの気持ちを安心させることしかできない。

いつか、全てが終わったときにオレは.......再び笑顔でノワールに会うことはできるのだろうか?

 

その後俺達は風呂を上がりお互いに部屋で明日に備えて寝ることにした。

 

広い部屋の中央のベッドに寝転がっているオレ。

 

あいつらの言っていた「お姉さま」って彼女のことなのか?

そうだとしたら、あいつらはいったい何者なんだ?

......考えるだけ無駄か、明日は何事も無ければいいが。

説明
全ての試練を乗り超えて、ついに旅立ちの時が!
彼は何を思いゲイムギョウ界に赴くのか。そして、現れる謎のフード集団。いったい彼らの目的は!?
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コメント
ノワールが兄ちゃん発言・・・だと(燐)
それよりも、ハーレム増えとる〜!!(FDP)
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