真・恋姫†乱舞 第01話+02話
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真・恋姫†乱舞

 

第01話

〜双月の妖魔〜

 

 

 

「『双月の妖魔』って確か、“法螺吹き管路”の占いで…」

 

 

 司馬徽は考え込む仕草を取るように腕を組み、手を顎に添えて頭を捻る。服が肌蹴て胸が見えている事も忘れて…。

 

 とはいえ、紲も光魔も慌てもしなければ、赤面もする事は無かった。それは、きっと司馬徽を女性[アダルト]では無くて少女[チルドレン]として観ている為だろう。

 

 そして、司馬徽思い出したように手をポンっと叩いて目の前の男を指差した。

 

 

「思い出した!確か、『この不条理な時代を打ち壊し、乱世の開闢[かいびゃく]と終焉[しゅうえん]を招く、対なる二人がこの地に舞い降りる。その名は…』」

 

「『双月の妖魔』か?」

 

 

 先ほどまで黙って聞いていた紲も、痺れを切らしたのか話の最中に割り込んできた。本人は気づいていないかもしれないが、少し機嫌が悪そうに頬が膨らんでいる様に観える。

 

 

「でも、変ですね〜?僕たちがその二つ名を名乗ったのは、ここに来てからですから、その管路と言うのは未来視をしたという事ですかね〜?」

 

 

 紲の行動に便乗するように光魔が口を開く。その口調はノホ〜ホンとしていた。まさにその場を和ますには丁度良かった。

 

 取り敢えず、その口調のまま真剣な顔つきをして、

 

 

「時に、君…」

 

「は、はいっ!?」

 

 

 光魔は割と顔付がビジュアル…顔立ちが整っている為に大抵の女性は、見つめられると大抵の老若男女問わず赤面する。

 

 そして、光魔は司馬徽の胸に指を差して。

 

 

「いくら、まだ羞恥心どころか胸が無いとはいえ、そろそろ隠した方が………すみません。生意気な事言ってすみません。寧ろ、生まれてきてゴメンナサイ!」

 

 

 胸が丸見えの事を伝えた。そこまでは良いのだが何分、光魔の感性は多少だが常識人とズレがある為に、余計な事まで言って司馬徽の怒りを買ってしまい物凄い睨みを貰った。光魔はその睨みに耐えられず、視線を逸らしながら謝った。其れを世間では“ヘタレ”と言う。

 

 

 

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―――その時であった。

 

 

 

「きゃぁああぁあぁぁぁっっ!!!」

 

「おい、刺史さまの兵が皆“死んでいる”ぞっ!?」

 

 

 部屋の外…。いや、声からして距離がある為に小さいが誰かが騒いでいる事が判る。

 

 その声を聞いて、機嫌の悪そう顔をしていた紲が更に眉間に皺を寄せ、光魔を睨む。その光魔は先ほどと変わらない笑顔では有ったが、視線だけは決して紲と合わせないようにしていた。

 

 そんなの事はお構いなしと、紲は光魔を問い詰め始めた。

 

 

「おい、光魔く〜ん?兵は“始末”しておけって言ったよな?」

 

「えぇ、ですから始末はしておきました。ですが………その後の事を忘れていました♪」

 

「始末の後の“後始末”を忘れんな!!?この、ヴァカ!」

 

 

 その場でコントの如く、紲が光魔の頬っぺた抓上げる。司馬徽も最初は良く伸びる〜と、現実逃避をしていたが聡明な子なのかすぐに気を持ち直し、慌てて紲に迫る。

 

 

「ちょっと、待ってよッ!?さっき貴方、『金で雇った者は、所詮金の為にしか動かん。大金を積めば、簡単に裏切る…。アンタはそれを知っているはずだぜ?金をケチらずに大金を出せばよかったな?』って言ってたわよねッ!?」

 

 

 声色まで真似て紲に詰め寄り、返答を待つ。

 

 紲は光魔とじゃれながら、司馬懿の方をみて興奮しながらこう言った。

 

 

「あんなの冗談に決まってんだろ!何故、態々〔わざわざ〕糞刺史よりも大金叩〔はた〕いて、兵たちを買収しなきゃいけないっ!?」

 

「ほんなこほより、ころひたほふがへっとりばやいべすよ〈そんな事より、殺した方が手っ取り早いですよ〉?」

 

 

 抓られつつも光魔は紲の言葉を補足するように付け足し、司馬徽も光魔の言葉を理解しつつ同時に呆気を取られた。

 

 それは平然と、そして笑顔で『殺す』などと答えた光魔に。そして、それに対して何も言わない紲。

 

 司馬徽とってそれは理解がたく、釈然としない物が心に引っかかった。

 

 しかし、無情にも時間は過ぎていく。

 

 

「誰か、誰か刺史さまに報告を!!」

 

 

 司馬徽が茫然としている間も、幾多もの足音が近づいてくる。

 

それに気が付いた紲が光魔の頬を離して、窓に近づく。

 

 

 

―――パリィいィィイィン。

 

 

 

 思いっきり蹴り飛ばした。

 

 蹴り飛ばされた窓硝子は数尺…大体十尺〈一尺=約三〇糎〔センチ〕 十尺=約三〇〇糎〉下の地上に落ち、盛大に騒音を奏でる。更に今は真夜中の為にかなり街中に響き渡った。

 

 暗かった街道に明りが少しずつ灯ると共に、近づいてくる足音が更に大きくなるのを感じて司馬徽が慌てる。

 

 現状況を見れば、仏となった陳留の刺史。そして妖しい二人組。更に服を肌蹴させた司馬徽。

 

 本来、これだけの状態を見れば刺史を殺したのは、二人組であるのは火を見るよりも明らか…。しかし、だからと言って自分が生き残れると言え訳でもない。

 

 下手をすれば、自分が二人を招き入れて刺史の暗殺の手招きをしたと言われかねない。

 

 再び、司馬徽が顎に手を当て自分の状況を打開する手を考える。

 

 そして、浮かんだ案件は、

 

 

1. 二人に罪を擦り付け、逃亡。

2. 二人と一緒に逃亡。

3. 来た兵に飛びかかり、支離裂滅なことを言って隙が出来た瞬間に行方を眩ませる。

4. 自分の美貌で兵を虜にして…却下、無謀だ。いくら、自分の美貌に自信があるとは言え、未知の可能性に賭けるのはいけない。

 

 様々な案件が浮かんでは消える。そんな事をしてると、窓から冷たい風が入り込み、焦った為に火照ってしまった身体を徐々に冷やしくれる。思考も冷静になった時、ふと思った。

 

 

 

―――紲はどうして、窓を蹴り破ったのか?

 

 

 

 っと。しかし、それは単純な話。いや、頭の良い司馬徽だからこそ理解出来なかった。

 

 

 

―――だって、普通考えないでしょ?

 

 

 

 紲が窓の淵に、脚をかけて…。

 

 

 

―――本当に有りえないって…。

 

 

 

 …跳ぶなんて。

 

 

 

―――………えぇ、間違いなく跳びました。下に落ちるのではなく、近くの民家の屋根にこう、ピョーンて言う感じで。

 

 

 

「―――って、はぁ!?ちょっ、おまっ!嘘でしょ!?」

 

 

 慌てて窓に近づくも、時すでに遅し。紲の姿はもう、小さく見えるほど遠くにあった。

 

 ハッキリ言って、司馬徽の頭の中は再び大混乱という渦で、思考がこんがらがっていた。地上から約十尺も離れている所から跳び、更に近いとは言え、その倍の二十尺も離れている民家に跳び移る。付け加えて、あの移動速度。最早………。

 

 

 

―――人間じゃない。

 

 

 

 混乱した頭でも、唯一それだけは理解できた。唖然としている司馬懿を余所に今度は光魔が、窓の淵に脚をかけて司馬徽にほほ笑む。

 

 

「では、僕達の仕事は終わったんで、これにて御免♪」

 

「え?あ、これはご丁寧に…って、待ちなさい!」

 

 

 光魔の丁寧な行動に、つい釣られた行動を取るが瞬時に事態を思い出す。

 

 

「(この状況で、私だけ残したら………結果なんて判り切ってるでしょ!!!)」

 

 

 今にも紲の後、追いかけていきそうな姿勢の光魔の蒼い外套を掴み止めようとする。

 

 のはずが―――。

 

 

「よっ、と!」

 

 

 

――― タンッ。

 

 

 

 光魔はそのまま、紲と同じ様に隣の屋根に跳び移った。

 

 ………司馬徽が蒼い外套にしがみ付いたまま。

 

 

 

 

 

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〜〜それから、一ヶ月後〜〜

 

 

 ある森林の中。

 

 人も、寄りつかないような森林の奥からある音が聞こえる。

 

 カコーン、カコーン、っと。其れを辿り行きついた所に有ったのは何とも立派な御屋敷………。

 

 いや、真実を隠蔽するのは良くない。素直に・見たままに言おう・伝えよう。

 

 

 

 立派なこの時代に無いはずのペンションハウスであった。

 

 

 

 そして、先ほどの音の元凶はそのハウスの横で斧を振っていた―――司馬徽…白亜が薪を割っていた。

 

 

「ふっ!」

 

 

―――カコーン。

 

 

「はっ!」

 

 

―――カコーン。

 

 

「しっ!」

 

 

―――カコーン。ピタッ。

 

 

 不意に白亜が斧を振るうの止めた。

 

 そして、俯いてボソボソと呟き始めた。

 

 

「―――どうして、こうなった?確かに私も必死だったよ。だからと言って、あの人の外套に捕まる必要があった?うん、100歩、いや1000歩譲歩したとして、何で途中で離さなかったの?いやいや、それ以前に光魔さんもどうして気づかずにこんな人も寄り付かない森の奥底まで引き摺る?あり得ないでしょう。終いには帰りたければ働け?何さまなの、あのチビ紲め「俺様だが?」あぁ、はいはい。俺様、俺様。つーかさ、こんな純白可憐な私に薪割りをやらせるなんて、人で無いしめ。「まぁ、『双月妖魔』の紅月の悪魔だからな」何それ、悪魔って言っても比喩的表現でしょ?其れを本気で外道に落ちるなんてどうかしているわ。そして、私も素直に薪割りをしているなん…て…」

 

 

 愚痴を言い始めて数分。不意に気づいた。いや、気づかない方がおかしい。

 

 先ほどから、愚痴にツッコミを入れている男の声に―――。

 

 背後に感じる威圧感。

 

 ゆっくりと、斧を下に置き姿勢を正してから後ろを振り向く。

 

 そこにはこの時代とはかけ離れた格好。ジーンズとワイシャツの上から鮮血のような、深紅の外套を羽織った金髪の青年がいた。彼はその強気な虹彩異色症〔ヘテロクロミア〕と思われる金色[右]と銀色[左]の瞳で白亜をじっと見ていた。

 

 二人の視線が交差した後、即座に行動を取ったのは白亜であった。

 

 

 近くに積み上げた薪を手に取り、即座に紲に投擲。

 

 

―――ヒュン。

 

 

「…折角、割ったのにもったいない事をするで無い。バカ者」

 

 

 投擲された薪を避けもせずに、素手でキャッチ。

 

 

「(かかった!)」

 

 

 其れを読んでいたのか、白亜は即座に紲に背を向けてダッシュで逃げた。

 

 それを紲は驚きもせずに「おー?」と良く分からない言葉を発しながら、暫し眺めてから…。

 

 

「―――うむ。多少は体力が付いたようで何より」

 

 

 と、言いつつ掴んだ薪を横に置き、そして…。

 

 

「しかし―――」

 

 

 手を離した刹那、

 

 

―――瞬。

 

 

 そこから、消えた。

 

 そして。

 

 

 

――――アッァアァァァアアッ!!!

 

 

 森の奥に消えたはずの白亜の声が森で木霊する。

 

 しばらくして、白亜が消えた方向から紲が歩いてきた。何かを引きずって。

 

 其れが真名に『白』の様に、顔面蒼白になった白亜で有る事は言うまでも無い。

 

 

 

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――― 閑 話 休 題 ―――

 

 

「痛たッ。ねぇ、普通さ。美少女を打【ぶ】つ!?」

 

「―――自分、不器用なんで?」

 

「意味解んない上に、疑問形で返すな!」

 

 

暫くしで普段の色に戻った…、いや、今度は怒り顔を真赤にした白亜は、即座に絆に噛み付く。しかし、噛み付かれた本人はどこ吹く風、全く気にしていない。

 

そんな彼に何を言っても無駄である事を、1カ月も彼女は一緒にいるで解っていた為にこれ以上は何も言わなかった。

 

白亜は溜息を吐き、頭を垂れる彼女にふと、紲は独り言のように呟いた。

 

「―――そんなに帰りたいのか?」と。もしも、鳥が囀【さえず】っていれば聞き逃してしまう、其れ位の小さな声。

 

 

 白亜は頭を上げて、紲を見る。

 

 

「そりゃ、帰りたいに決まって―――」

 

 

 そこまで言って、声が出なくなった。別に紲の顔が悲しそうであった、とかそういう訳ではない。彼の顔はいつも通りの『悪人の笑み』であった。其れが何よりも恐い。

 

 その顔の次に紡がれる言葉が怖い。

 

 

「帰って、如何する?お前は『売られた』のだぞ?“家族”に…」

 

 

 背中に悪寒が奔る。

 

そう、彼女は売られた。そして、買った刺史は殺された。殺した疑いが掛けられるのは、まずは自分である。

 

帰れば即座に捕まるのは目に見えている。更に…。

 

 

「―――帰る場所なんて、居場所なんて、自分には無いんだ。ハハッ、帰る事ばかり考えてそんな事、失念していたなんて…、私って莫迦だったのね」

 

 

 一か月。その一か月、彼女は彼“ら”から離れる事ばかり考えていて他の事に、気が回っていなかった。

 

 

「やっと理解したか?」

 

 

 煩わし声が響く。何せその刺史を殺した本人が目の前に居る。されど、怨む事は出来ない。

 

 

「(彼が現れたのは偶然。時期が偶然、重なって…そして私は願ったんだ)」

 

 

 

―――誰か、助けてください!

 

 

 

「(そうだ…。願い、そして叶った。でも、失った家族の関係は戻らない。掛けられていると思われる容疑も消えない。後詰状態ね)」

 

 

 

――パサッ。

 

 

 

 正直、何時自暴自棄になっても可笑しくない彼女の頭の上に何か、置かれた。置いたのは言うまでも無く彼であろう。

 

 

「な、なに!?」

 

 

 白亜はすぐに頭の上に置かれた物を掴む。其れは紙であった。

 

 いや、何やら書かれている。それは…瓦版であった。何気なく目を通す。

 

 その内容に目を通していると、彼女の眼に生気が戻り始めた。

 

 その内容とは?

 

 

 

<陳留の刺史、惨殺!?犯人は『双月妖魔』!?1ヶ月に殺された○○刺史、その数日前に紅い外套を羽織った青年と、蒼い外套を身に纏った青年が目撃されていた事が分かった。仮に彼らに殺害されたとなると、噂通りだとするなら○○刺史は悪事を働いていた事となる。しかし、官軍はこれ以上の捜査を打ち切りとする為に、真相は闇の中となる。しかし、私たち『非公式瓦版部』は今後も『妖月双魔』について究明していこうと思う…。次回をとうご期待!?>

 

 

「―――なにこれ?」

 

 

 白亜は震えていた。この瓦版には自分の事など一切書かれてはおらず、『双月妖魔』のみについて書かれていた。これなら、陳留に帰っても自分に御咎めはないであろう。

 

 紲に視線を移せば、『悪人の笑み』からニヤニヤとした厭らし…ゴホンッ、『悪戯っ子の笑み』に代わっていた。

 

 

「なに。その非公式瓦版部とやらに交渉しただけだ。『『双月妖魔』の情報を一番にやる代わりにお前に事は書くな』とな」

 

 

 紲は本当に意地悪な人間で有る。最初からこれを出せば良いのに敢えて出さずに、相手を苛める。

 

 

「本当に、『人として最低で』…、『人間として最高な』“俺様”ですね」

 

「ふん。貶すか褒めるかどっちかにしろ」

 

 

 涙を、嬉しい涙を流しながら白亜は言った。それを見ていた紲は思う。「同じ涙でも、嬉しい時流す涙は人を輝かせる」と。

 

 

「(まぁ、こんな恥ずかしい科白を言って似合うのは誑し光魔と“一坊(かーぼう)”位だがな)」

 

 

 紲は明後日の方向をみて、何気なく溜息を吐いてみる。

 

 そんな彼を見て、彼女は微笑む。何か其れが紲の気に触れた。

 

 故にちょっと白亜が忘れている問題点を口にしてみる。

 

 

「俺には道でも良い事なのだが、結局帰る場所は有るのか?」

 

「―――あっ。………」

 

 

 やはり、忘れていた。違う小説の話だが、『司馬』と名が付く者は全員に“赤い悪魔”の様に『うっかりスキル』でも付いているのだろうか?

 

それは兎も角、白亜が考えているので紲は有る事を提案する。

 

 

「はぁー、司馬徽。お前さ、字の読み書き出来るよな?」

 

「え?えぇ、まぁ。自慢にはなりませんが」

 

「勉強…兵法とかは?」

 

「それは、一通り。人に教えれる程度には」

 

「よし。お前、先生に任命」

 

「はあ。…はぁ?」

 

 

 適当に返答していた白亜。しかし、相手は選ばなければいけない。相手は比喩的に表現されているとはいえ、“悪魔”なのである。

 

 くどいようだが、悪人でもある。そして一ヶ月も一緒に居たらな、学習してなければならなかった。

 

 

“悪人は口が上手い”

 

 

 それは本当に学ばなければいけなかった。

 

 

「ちょ、待って!?」

 

「待ちません。確かに聞きました。拒否権ありません。諦・め・ろ(笑)」

 

 

「クッ、この、鬼!悪魔!人で無し!」

 

「はっはっ。そうだ。俺は飽く迄(あくまで)、悪魔で、人で無し!そして、鬼は光魔」

 

「う、上手い事なんか言って無いからね!?と言いうか、人の話を聞け〜!!!」

 

「『俺は他人を気にせず』、『やりたい事をやり』『行きたい所に行く』、『故に悪!』」

 

「括弧つけんなっーーー!」

 

 

 

 白亜の抵抗も空しく、紲はどんどん進めていく。

 

 そして、諦めた。彼ら付き合って初めて悟った事は『諦めが肝心である』。

 

 

 

 

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「そう言えば、先生って結局何するの?」

 

「んぁ?あぁ、俺たちって、名が有名なだけで顔が割れて無くてな。少し、離れている所に宿があるんだ。そこに餓鬼が住み着いているのだが…」

 

「なにか訳あり?」

 

「人間…いや、あれは大人を信頼していない眼であったな。捨てられた子供が住み着いていたのだ。まぁ、俺と光魔が相手を、生活を見ていたら其れは無くなったのだがな…」

 

「良い事じゃない」

 

 

 『妖月双魔』と畏れられている青年たちが、子供の面倒を看ているとは、割とシュールである。しかし、紲の顔は一向に浮かばない。

 

 

「―――今は良いさ。楽しければ、嫌な事の忘れる。しかし、其れはいつまでだ?大人になれば、いつまでもこのままで居れる訳が無い。何より、自分の世界に篭もらず、外の世界に羽ばたいてほしい」

 

 

 その横顔は人を殺したり、自称悪人の顔では無い。

 

 白亜から見てその顔は、子供の将来を心配する親。

 

 

「(違うかな?親っていうより、育て方が解らず、戸惑っている兄?)」

 

 

 そんな兄は、要は白亜に子供たちの勉強を見てほしいらしい。それなら、自分だって吝かではない。

 

 それに。

 

 

「―――いいですよ。子供たちの勉強を見て上げましょう」

 

「―――いいのか?」

 

 

 少し、驚いた顔で聞きなおす。本当に強制でやらせようとした悪人の科白では無い。

 

 

「全く。貴方達だけでは将来有望な子供たちに、悪影響およぼしかねませんし、それに―――住居も進呈してくれるのでしょう?」

 

 

 さっき、紲は『宿に住み着いてる』と言った。極端論になるが子供に勉強を教えると言う事は少なくとも『住み込み』になるはずである。

 

 その予想は的を射ており、紲は首を縦に振るう。

 

 白亜は微笑みながら空を見上げる。

 

 その空は晴天であり、鳥が氣持ちよさそうに飛んでいた。

 

 

―――今の私には帰る場所も居場所も無い。

 

 ―――だから、紲は子供の勉強…ううん、世話を頼んだのだろ。『そこを居場所にしろ』と言う意味を込めて…。

 

  ―――悪人故に素直では無い?違うかな、あれは、そう。人として、素直でない。

 

   ―――そんな彼にお礼を言っても、きっと、否定するか逃げるか、かな?

 

    ―――でも、何時か言わせてね?

 

 

「おい、いつまで眺めている。案内するからついてこい」

 

「はいはい、今行くから待ちなさいよ」

 

 

 後ろから声を掛けられて、空から視線を逸らして紲に向ける。心なしか彼の口元は緩んでいた。

 

 そんな彼の後を追いつつ、白亜は心で呟く。

 

 

―――ありがとう。って。

 

 

 

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「そう言えば、紲はいつもここに居ない時は、その宿に居るの?」

 

「あぁ、大抵はな。仕事の時は俺と光魔が交代で。二人で仕事する時…、お前に会った時のような場合は、出来る限り近場であるか、一、二日で帰れる場所」

 

 

 白亜は足の長い紲に歩幅を合わせる為に、早歩きしながら尋ねる。そして、ある疑問が浮かんだ。

 

 

「―――気のせいかな。ここって陳留から結構離れている気がするのだけど…」

 

 

 長年同じ場所に留まると、土地勘と言う物が付く。故に彼女はここに来た際、すぐに違和感に襲われた事覚えていた。

 

 その彼女が彼を見ると、凄い勢いで目を逸らした。

 

 

「―――気合いと根性があれば、子供を尋ねて○○里」

 

 

 もう、突っ込む事に疲れた。

 

「…そ、それは置いておいて、その宿って名前有るの?」

 

「ある。そして、お前…、司馬徽にはその名をこれから名乗って貰う。訳は言うまでも無いな?」

 

「…私が生きている事が陳留で知られると不味い、って事よね?」

 

 

 紲はコクリと頷いた。白亜も別に名を、真名を捨てる訳でもない。増して自分の命がかかっている為に素直に頷いておく。

 

 

「あ、でも変な名前なら改名させてもらうからね?」

 

 

 彼女も女の子。そこら辺は割り切れないようであった。

 

 紲も好きにしろ、と言い前を見る。

 

 白亜も其れに続き、昼ごろだろうか。太陽がてっぺんに登った頃、前方に石で出来た階段が見えた。そして、二人で階段を上ると木造の門が二人を出迎えた。

 

 

「この先に私の居場所が…」

 

「そうだな、ここからは司馬徽ではない。お前は―――」

 

 

 紲が門を開く。その門が開かれて飛びこんできたのは。

 

 

 男二人が住んでいるとは、思えないほど小奇麗な宿…、いや、屋敷であった。それに澄んだ水が張られた池。そして、どこからか聴こえる子供たちの笑い声。

 

 白亜が呆けている間に、紲が先に入り、白亜に向かい合い。普段見せない“純粋な笑顔”でこう“出迎えた”。

 

 

 

 

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―――ようこそ、水鏡塾【すいきょうじゅく】へ。歓迎いたします、“水鏡先生”!

 

 

 

真・恋姫†乱舞 第二話

 

〜水鏡先生〜

 

 

 

 

 

 

 

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〜おまけ〜

 

その1【その時、蒼月の悪鬼は】

 

 

「あれ、そう言えば光魔さんは?」

 

「あいつは川へ司馬狩りに…」

 

「ちょっと、字の変換が違う!つうか、川に芝を刈るって!?」

 

「冗談。一々ツッコミ、乙」

 

「あぁ、もう!」

 

「アイツはちょっと、野暮用だ」

 

「野暮用?」

 

「―――(そう、“狩り”に行った。魂を“刈り”に)」

 

 

 

 

 

 

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その2【そう仮に駆り立てて、その時に賊を狩って、故に魂を刈る、そして、最後に魂を3つぼど拾う】

 

 

―――鬼さんこちら、

 

 

 

「く、来るなッ!うぁー!」

 

 

斬ッ。

 

 

 首が廻る、宙を廻る、空に舞わる。

 

 

 

 ―――手の鳴る方へ。

 

 

 

「助けてくれ、俺たちは!」

 

 

蹴ッ。

 

 

―――肌色(躯)が茶色(地)を転げる、茶色(地)を赫(血)が染め上げる。そしてボクの赫(血)が黒(闇)に染まる。

 

 

 

「クソッ!なんだ、これは!何者だよ、餓鬼!?」

 

 

 暗い森。昼くらいだけど、陽の光が届かないほど、ここは木が茂っている。

 

 

 そこに居るのは躯が、赫に染まった死体が二つ。そして、死体の赫を浴びて大人のくせに失禁した男。

 

 この三人は年齢も体格も使う武器も違う。共通点が有るとすれば、男で目的を同じとして、そして…これから同じ道を辿ろうとしている。目の前の青年によって。

 

 短く切りそろえた銀髪の青年…いや、彼はまだ十四歳、数えで十五歳である為に少年であろうか?その彼は蒼い外套を羽織って、この大陸には無い武器…刀を振るい、脚で蹴り飛ばして男たちを生きた躯(むくろ)から亡くなった骸(むくろ)と変貌させた。

 

 その少年は、妙に長い前髪の間から鮮血と同じ色をした赫い瞳で敵を見据えて、口を開いた。

 

 

「―――『双月妖魔』の片月、『蒼月の悪鬼』」

 

「『蒼月の悪鬼』…だと!?『蒼炎銀鬼』って云われている奴が餓鬼だって、いうのかよ!?」

 

 

―――また、新しい異名が付いたようですが関係ありません。

 

 

 彼が刀を男に向ける。

 

 その光景は奇妙で、異様である。故にであろう、男が腰を抜かして後ずさっていく。

 

 

「ちょっと待てよ!?俺たちがお前に何かしたか、してないよな!?」

 

 

 男が発狂したかのように大声で叫ぶ。しかし、男が言う事も正論であった。

 

確かに男は何もしていない。

 

 そんな男に光魔は口を開いた。

 

 

「―――えぇ。していませんね」

 

「じゃあ、なんで!」

 

 

 男の狂声ともいえる様ない声が木霊するが、その声は光魔にしか届かない。

 

 そして、その光魔はと言うと、感情が篭もっていない声でこう言った。

 

 

「―――“まだ”していないだけでしょ?」

 

「―――!!?」

 

 

 男は驚き、声が上手く出せない。そんな男の代わりに光魔が代弁する。

 

 

「貴方達の目的は、この先の屋敷にいると思われる子供たちを捕まえる事では?」

 

「な、なんで、知って!―――あっ」

 

「ふっ。他愛も無い」

 

 

 光魔は視線も逸らしもせずに、溜息を吐く。

 

 そんな、彼に男は莫迦にされた事に憤慨を覚えて光魔に切りかかった。

 

 

「だったら、なんだよ!?」

 

 

 その太刀を光魔はヒラリと避ける。

 

 なおも男が振るう太刀を避けながら、光魔が言葉を紡ぐ。

 

 

「その子供を捕まえ、売買する気ですね?」

 

 

 男もヤケクソ気味に言葉を荒上げた。

 

 

「あぁ、そうだよ!?俺たちだって生活が掛かっているんだよ!?何が悪いんだよ、他人だろ!?どうなったて―――」

 

 

 

 

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「―――良い分け無いでしょうッ!!!!」

 

 

 

 

 無感情と思われていた光魔が、声を荒上げると共に男が吹き飛んだ。

 

 

「ッ!?なんだ、何が?」

 

 

 男が吃驚して起き上がり、再び光魔を見る。そして、二、三回ほど手で目を擦り再度光魔を見る。

 

 そこには信じられない光景が広がっていた。

 

 彼の周りには火の玉が…、蒼い火の玉が浮かんでいた。それだけでは無い。彼自身からも蒼い氣〔オーラ〕が漂っていた。

 

 

「ひ、火玉【ひとだま】だ。死者の魂!!???」

 

 

 再び尻もちを付き、更に腰まで抜かしてしまった為に、後ずさることも、逃げる事すらも出来ない。

 

 そんな男を光魔は睨みつけたまま、独白する。話しかけるように、語るように。聞かせるように。

 

 

「―――他人だから?子供だから?身寄りがないから」

 

 

 光魔が男に向かい、一歩進む。共に火玉も付き添うように進む。

 

 

「―――身寄りが無いのは、貴様ら大人が!大人の勝手で!都合で、殺したり、捨てたりするからでしょう」

 

 

 平常心を装うとするが、怒りが滲み出てしまい、語尾が強くなる。

 

 そして、また一歩進む。しかし、今度は火玉が姿を帰る。丸から四足歩行の獣に。二足歩行の人形に。

 

 

「そんな子供たちが集まり、身を寄せ合い寒さを凌ぎ、励まし合う姿を見た事がありますか?他者に憎しみ眼で、見られ向けられた事が有りますか?ボクおろか、紲…『紅月の悪魔』すら動けなかったのですよッ」

 

 

 一歩。また、一歩進む。火は強くなり炎へ。獣は獅子に、虎に、狐に。人形は骸骨に、そして鬼に…姿を変えていった。

 

 

 最早、男には恐怖しかない。言葉を発しようにも、何が切っ掛けで襲い掛かってくるかも分からない為に、どうにもできない。

 

 そんな彼に、光魔は容赦なく、躊躇なく近づく。

 

 

「そんな子供たちが、やっと、やっと笑顔になった。どれだけ嬉しかったかッ!解りますか!?他愛も無い事で笑い、転んで泣いて、ちょっと出かけるだけだと言っても悲しい顔をする子供たち。これだけの表情を引き出す為にどれだけの時間を有したと思いますか!?傷つけるのは一瞬。しかし、その一瞬で全てが失われる事もボクたちは知った。だから、護るのです。身体だけでは無く、心を!!」

 

 

 男の前に付く。男はもう如何していいのか分からず、戸惑っていた。

 

 

「奪えると、思うなら奪っていいですよ?ただし、覚悟しなさい。“死ぬ覚悟”では無いです。ボクは『鬼』。鬼は“魂すらも喰らいつくす”。再びこの地に再生出来ると思いなさるな!」

 

 

 赫い眼が男を射抜く。呼応するように獣たちが、人形たちが吼える。

 

 

「!!!?なんで、なんで、他人の為に!!!?」

 

 

 男は最後と云わんばかりに言った。いや、それはもう、吼えたと言っても過言ではないであろう。

 

 光魔は一端、目を瞑り静かに言った。

 

 

 

―――他人ではない。

 

 

「―――人を思い、想い合える事が出来れば、家族だ」

 

 

―――かつて、紲と“一君(かずくん)”が言ってくれた言葉。今度はボクが言う事になるとは…。

 

 

 

 男は唖然と成った。そして、こう言う。

 

 

「お前はいったい?」

 

 

 そう、訊かれたならこう答えるしかない。

 

 

「『常識外れの狂者。『蒼月の悪鬼』』ですよ」

 

 

 笑顔でいった。それも儚い笑顔で。

 

 

「そうそう、さっきから人の事を『餓鬼』と言ってましたが…」

 

「―――!?済まない、この通り謝るから赦して―――」

 

 

 男が土下座するが、光魔は微笑みながら言う。

 

 

「謝る必要ななど無いです。貴方の言う通り『餓鬼』ですので」

 

「えっ?」

 

 

 その笑顔を見て『もしかして』と思うが、その後の言葉を聞いて絶望した。

 

 

 

―――そう、『餓えた鬼』ですので…。

 

 

 

 その言の葉と共に、蒼い炎が雄叫び上げて男に襲いかかる。

 

 陽の光すら届かなこの場所が、蒼く灯った。

 

 誰にも届かない男の絶叫が、この森に木霊した。

 

 

 

 

 暫くして、近くの川で光魔が血塗れの外套を洗い、干す。そして、そのまま、自分の顔を布で拭う。

 

 

「ぷはっ。…全く、最近は賊が多い。討伐は良いですが、金にならない。いや、別に刀とこの身体が有れば問題ないですが…。では、無く。いつ、子供たちに知られる事やら…」

 

 

 先ほどの男たち。身成りからして賊であった。それも、人を売って商売しようとする最低な部類の。

 

 

「―――人を売って商売する人手無し。そして、人を殺すボク【鬼】。…ふっ、どっちが人で無しやら」

 

 

 川を覗き込むと、そこには血塗れ顔をした自分が写る。常人なら、きっと葛藤するのであろう。だが、

 

 

「ふっふっ、残念ながらボクは、割り切っていますので、ラノベやSSのオリキャラみたいに葛藤はしないのでした、っと」

 

 

 水を掬い、顔を洗う。そして、再び顔を拭う。

 

 

「ふう。さてと、コート(外套)も乾いたようだし―――」

 

 

 光魔は外套がある方へ歩みながら、呟くように言った。

 

 

 

―――出ておいでよ。じゃないと『鬼』が捕まえにいっちゃうよ?

 

 

 

―――ガサッ。

 

 

 その言葉に近くの茂みが揺れた。

 

 光魔は気にする様子も無く、外套を羽織った。それと同時に茂みから薄汚れた外套に身を包んだ者達が現れた。

 

 者達、というのは仰々しい言い方であった。何故なら…。

 

 

「十歳くらいの女の子が三人…か。如何したのかな、迷子?」

 

 

 一人はボーッとしたような感じがある“鴇色の髪”の女の子。そして、何か言いたげ眼をした“青竹色の髪”の女の子。そして、目が悪いのか、時折眼を細める“菖蒲色の髪”をした女の子。

 

 この三人の共通点は同じような顔をしている(姉妹であるのか?)こと。そして、

 

 

「(やれやれ、またこの眼をした子供か…。他者を信頼しない眼)」

 

 

 そんな事を考えている光魔に、鴇色の髪をした女の子が近づく。

 

 

「!?てんほーお姉ちゃん」

 

「(おねーちゃん、ね。一番年上って事かな)」

 

 

少女は光魔の前に立ち、じっと眼を見る。

 

光魔も腰を落とし、視線の高さを合わせる。

 

 

 そして、しばらくして“てんほー”と呼ばれた娘が口を開いた。

 

 

―――ねぇー、子供たちが集まるっていう、“すいきょうじゅく”って知りませんか?

 

 

 何処で其れを知ったのか、そこへ往って何をする気なのか…、それを聞くよりも先に光魔は天を仰ぐ。

 

 

「(そう言えば、今日か。紲が白亜ちゃんを“水鏡塾”に連れていく日は。初日から大変そうだね、頑張れ。“新任先生”)」

 

 

 

 

 

 

-11ページ-

 

 

 

その3【我ら、非公式瓦版部】

 

 

 

 陳留の裏街。そこにポツリと立っている一軒家。

 

そこ中に何人かの人が集まっていた。

 

その中心人物が先ずは一声。

 

 

「我ら、非公式瓦版部はこれまでに数多くの記事を書いていた。しかし、この度、とんでもない事になった」

 

 

 周りがどよめく中、その人物は尚も続けた。そう、目をこう、『くわッ』っと効果音が付くように見開き。

 

 

「何と!先日、『双月妖魔』の片月である『紅月の悪魔』が接触していた!!」

 

 

 

―――ザワザワッ。

 

 

 

 更にどよめいた。それもそうだ。今や、誰もが知っている噂の本人が接触してきたのだから。

 

 そして、勇気ある者が挙手して質問した。

 

 

「ぶ、『部長』!奴は何が目的で接触を!?」

 

「ふむ。良い質問だぞ、板g…ゴホン、記者壱よ」

 

「別に言い換えなくても…」

 

「うるさいぞ、朝くr…『面倒臭い』よ」

 

「(名前ですらねぇよ。まぁ、いいけど)」

 

 

最初の一声を発したのは『部長』と言われているらしい。そのほかは記者“壱”、もう一人は取り敢えず“弐”としておこう。

 

 部長は場を仕切りなおす為、大きく咳き込む。

 

 

「ゴホン。奴の目的は今回の記事を書く事。それをする事でアイツに独占取材が出来るのだ!」

 

 

 

―――おーーっ!

 

 

 周りから驚きの声が上がる。

 

 そして部長が、今回仕入れた情報を記者たちに報告した。其れは…。

 

 

 

―――『双月妖魔』の片月、『蒼月の悪鬼』は………炉莉魂である!

 

 

 

「―――部長、“炉莉魂”ってなんすか?」

 

「うむ。紅月殿(紅月の悪魔)によると、幼女趣味らしい。飽くまでも愛でるだけの…な」

 

 

「これ、凄い情報ですが…」

 

「記事にしたら殺されるんじゃね?」

 

 

「―――今回は見送ろう」

 

「賛成―っす」

 

「かったるい」

 

 

 

次号、待て!!!!

 

 

 

〜その頃、どこかの川辺で。

 

 

「はっ!」

 

 

銀髪の少年の髪の一部が逆立つ。

 

 

「今、とんでもない窮地に立たされていたような…」

 

 

 難しい顔をしている光魔の裾をくぃくぃと引っ張る“てんほー”。

 

 

「どうしたの“おじさん”」

 

「はっはっ、なんでもないですよ。あと、君。この部分だけ読むと僕が君を誘拐しているように見えるからね。あと、君と参、四歳しか離れていないからね?」

 

 

 

 

 

 次回、続くのかな?

 

 

 

-12ページ-

 

 

〜〜後書き〜〜

 

 

 いや、本気でお久しぶりです。ここに戻ってきました。

 

 全く、小説を書いていない為にリハビリも込めてこっちの方を進めて見ましたので、結構拙い文になっていると思います。

 

 誤字などがありましたら、報告・指摘をお願いします。

 

 因みに「真・恋姫†乱舞」はもう一つの小説に繋げれるように、構築中です。

 

 

 あと、最後に今後もこのようにかなりの時期が開く事があると思いますので先に謝罪しておきます。

 

 申し訳ありません。

 

 そして、誠に勝手ながらこれからもご愛読をお願いいたします。

 

 

 覇炎より。

 

 

 

 

 

説明
久しぶりに帰ってきました。

待っていた皆様済みませんでした〜!
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コメント
あれ更新いつの間にか更新されてる!物語は俺が書くも続けてください(兎)
続き待ってます!頑張って下さい!(たこきむち@ちぇりおの伝道師)
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真・恋姫†乱舞 恋姫†無双 真・恋姫 

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