魔法少女リリカルなのはStrikerS00(仮)−−02 再会−−
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導入部二話目。

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−−再会−−

 

新暦75年2月。

新部隊の正式な発足を約二ヵ月後に控え、関係各所では最後の調整が慌しく行われている。

私も打合せのため、ミッドチルダの管理局地上本部を訪れている。

新部隊【時空管理局本局遺失物管理部機動六課】。

四年前の空港火災の事件がきっかけで、はやてが思い描いた新部隊。

ミッド地上部隊の上層部の体質を変えたいと願った、その想いが籠った部隊。

試験運用のため活動期間は一年間。

たった一年であっても、活動するからには隅々まで調整を行う。

そして、成果を上げられれば……。

 

六課には、航空戦技教導隊に所属するなのはと。

次元航行部隊に所属する私もはやての部隊に出向として参加する。

はやて、なのは、私の三人は小学三年生からの付き合い。

一緒に仕事をするのはいつ振りかな。

「失礼します」

「久しぶりやな、フェイトちゃん。元気やったか?」

「うん。はやて」

地上本部の会議室に入ると、先に来ていたはやてが椅子から立ち上がって私の方に歩きながら挨拶する。

「フェイトさん。お久しぶりです〜」

「久しぶり、リイン」

「はいです」

銀髪の妖精のような小さな女の子が、顔の近くまで飛んできて元気よく挨拶をする。

「てっきり、なのはちゃんと一緒に来るんやと思ったんやけど」

「まぁ、職場が違うしね。私の方は、意外と早く終わったから」

「そっか〜」

 

「失礼します」

「なのは」

椅子に座ってはやてと少し話をしていると、教導隊の白い制服に身を包んだなのはがやって来た。

「よう来てくれたな〜。なのはちゃん」

「遅くなってごめんね」

「そんなことあらへんよ」

「私もさっき来たばかりだよ」

「お久しぶりです。なのはさん」

「久しぶりだね。リイン」

「そないなところに立ってないで、ホラ座って座って」

「うん」

 

今日の打合せは前線メンバーを中心に人員ついての確認。

「((FW|フォワード))はなのはちゃんのスターズとフェイトちゃんのライトニングによる二分隊。二人はそれぞれの隊長さんや」

「うん」

なのは快く引き受けたみたいだけど。

「ねぇ、はやて本当に私が隊長なの?」

「そうやよ。あ、因みにスターズの副隊長はヴィータで、ライトニングはシグナムな」

「ヴィータちゃんが副隊長なんだ〜」

「シ、シグナムが副隊長?な、なんだか……」

凄く複雑……というか、やりづらいというか。

「にゃはは、フェイトちゃんはちょっと気まずいかな?」

「う、う〜ん」

なのはが私の心を読んだみたいに代弁する。

「まぁ、シグナムもそんなに意地悪せぇへんやろ」

「ならいいんだけど」

今から気が重いなぁ〜。

 

「で、スターズのFW候補が……私が見つけてきた子たちやよ」

はやてがウインドを出すと、二人の女の子が映し出される。

スバル・ナカジマ二等陸士。魔導師ランクC。

ティアナ・ランスター二等陸士。魔導師ランクC。

「来月、私がヴィータちゃんと一緒に二人の所属する陸士部隊に行く予定だよ」

ウインドを見ながら、なのはがはやてに言う。

「ほな。フェイトちゃんライトニングの方はどうや?」

「ライトニングは……」

「決まってないの?」

「決まってないわけじゃないんだけど……ただ」

「何か思うところがあるんやね?」

「うん。ごめんね」

ライトニングの候補は、私が良く知る子たち。

なのはもはやても知ってる。

あの子たちが私の目の届く場所に来てくれるのは嬉しいけど、あの子たちを危険に晒したくはない。

 

「医療班はシャマルが中心になって機材や人員の確保に動いてる」

「皆のデバイスのメンテナスは、私の補佐官、シャーリーが担当するよ」

「通信主任も兼任だっけ?」

「うん」

「ザフィーラは?」

「主に私やシャマルのボディーガードやな。前線に出てもらうこともあると思うよ」

「そっか」

「皆を運んでくれるヘリのパイロットは、ヴァイス陸曹が担当してくれるです」

「来月からは隊舎への荷物の搬入も始まるんだよね?」

「いよいよやね」

「そうだね」

「私達の新部隊」

「……今日はこれくらいにしとこか」

「うん」

「それじゃ、またあとで」

「お二人ともお疲れさまでした〜」

 

会議室を出てなのはと駐車場へ向かう。

「なのは、今日はこの後は?」

「今日はお仕事はもうないから帰ろうかな。フェイトちゃんは?」

「私も今日はお仕事おしまい」

「なら、久しぶりに家に来る?」

「うん。そうする」

「じゃあ、晩御飯はちょっと奮発しちゃおうかな」

「ふふ。私も手伝うよ、なのは」

なのははミッドのマンションに少し大きめな部屋を借りて暮らしている。

私は、次元航行艦の居住区画にある部屋が基本で、あとは現地へ赴いた時にホテルに泊まったりする。

だから、偶に時間が合うとご馳走を用意してくれる。

「フェイトちゃん、途中お買い物して行こう?」

「うん。そうだね」

 

ミッドチルダの首都クラナガンは、様々な管理世界の文化が存在している。

特に食文化は豊富。

初めて来た時は、その多さに驚いたけど、一番驚いたのは管理外世界の食文化、地球のものまであること。

最近では、地球への転移もし易くなったから物資の流通がスムーズだけど、昔からあるというから驚きだ。

買い物を済ませて、マンションの駐車場に車を停めたところで、はやてから連絡が入った。

『なのはちゃん、フェイトちゃん』

「はやてちゃん?」

「はやて、どうかしたの?」

『二人とも一緒やったん?』

「うん」

「今日はもう仕事がないから、久しぶりに買い物したり、食事したりね」

『そうやったんや〜。って、悠長にしてる場合やない。さっき、カリムから連絡があったんや』

「カリムって、聖王教会の?」

『そや。クラナガンの郊外にある森林地帯で【レリック】らしき、ロストロギアの反応が確認されたって』

「本当!?」

はやてが頷きながら続ける。

『【ガジェット】も数体確認されてる。本来なら、六課が正式に発足してからなんやけど、そうも言ってられへん。二人にお願いしてもええ?』

「もちろんだよ!」

『私は、上にかけあってくるから、二人とも頼むな』

「まかせて!」

はやてが通信を切ったのを確認して、なのはと一緒にバリアジャケットを纏って空に上がる。

 

【レリック】

エネルギー結晶体の第一種捜索指定ロストロギア。

四年前の空港火災もこれが原因で起きた。

今回も、場合によっては大規模な森林火災……下手をすると一帯の消滅すらありえる。

 

十年前、私達の元を去った【彼】は今の((この世界|・・・・))を見たらどう思うだろう。

ロストロギアの密輸や違法研究。

平穏に暮らす人々を脅かす人間が確かに存在する。

どれだけ取り締まっても後を絶たない。

 

【彼】は私達が「自分の目指す姿」だと言った。

そして、別れ際の言葉。

 

――俺は【ソレスタルビーイング】の【ガンダムマイスター】。戦争根絶を目指す者。

 

【ソレスタルビーイング】も【ガンダムマイスター】のことも分からないけど、【戦争根絶】は分かる。

きっと、【彼】は平和な世界を望んでいる。

皆が手を取り合い、幸せに暮らせる平和な世界を。

でも、そんな平和な世界を目指す筈の管理局は……。

管理局は大きく二つに分かれている。

陸と呼ばれる地上本部。

海と呼ばれる本局。

上層部……特に地上は縄張り意識が強い。

そのため、同じ管理局であっても、なかなか上手く動けないことが多い。

だからこそ、はやては新部隊の設立に奔走した。

 

そんなことを考えてると森林地帯の上空に着いた。

「はやてちゃんの話だとこの付近だよね?」

「うん。でも、結構広いし二手に分かれて……」

そこまで、言うと森の中から光が発せられた。

一瞬、レリックによる最悪の事態が頭をよぎったけど、何も変化はなかった。

その変わり、いくつもの爆発音が響き渡り、煙が立ち上る。

なのはと頷きあって、警戒しながら地上に降りる。

 

「これ、ガジェットの残骸だよね」

「うん……7体……かな。いずれも、何かに切り裂かれた様な感じ。誰かが、ガジェットを倒したんだ」

なのはと周囲を警戒しながらガジェットの残骸を調べる。

「これ、ひょっとしてシグナムさんかな?」

確かにシグナムは剣士だけど、シグナムなら私達に連絡をくれるはず。

なら、誰が?

レリックを狙う人間?

思考の海に没頭していると再び爆発音が森の奥から聞こえてきた。

「フェイトちゃん!」

「うん!」

この先に、件の人物がいる。

 

木々の間を走り抜けると、少し開けた場所に出た。

そこには、2体のガジェットの残骸と最後のガジェットを切り裂いた人物。

瞬間、ガジェットが爆発し動かなくなる。

「……っ!」

その人物の後ろ姿を見て声が出ない。

青と白の鎧。

背中の小さな突起物から絶え間なく光が放出されるけど、((以前見た|・・・・))のとは違いその光はとても弱々しい。

そして……癖のある黒髪。

「あ、あれは……」

なのはが声を震えさせながら、やっと言葉を口にする。

無理もない。だって、私達の目の前にいる人は……。

私は、未だに声が出ない。

【彼】の鎧が光と共に消えていき、体が傾く。

私は弾かれるように飛び出し、【彼】に向かって駆け出す。

倒れる瞬間、【彼】の体を抱きとめる。

体に力が入らなくて、【彼】を支え切れずにゆっくりと腰を下ろして座る。

 

【彼】の顔を見る。

癖のある黒髪。

褐色の肌。

怪我したのか、血が流れた跡が一筋。

力強い光を宿しているであろうその瞳は、今は瞼が固く閉じられているため見ることはできない。

「フェイトちゃん」

なのはが駆け寄ってきた。

「なのは」

なのはの顔を見ると、目に涙を溜めて今にも零れ落ちそうだった。

もう一度、【彼】の顔を見る。

頬を伝っていた涙が、【彼】の顔に落ちる。

「刹那……」

腕に伝わる彼の温もりを確かめるように、抱きしめる力を強める。

-3ページ-

読了おつかれさまでした。

説明
再び魔法少女の世界へ降り立ったガンダムマイスター刹那・F・セイエイ。イノベイターへと変革した刹那に訪れる再会と新たなる出会い。魔法少女リリカルなのはA's00〜とある日常〜(仮)の設定を踏まえたクロスオーバー作品です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。コメント欄にはご自由にお書きください。
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魔法少女リリカルなのはStrikerS 機動戦士ガンダム00 クロスオーバー 刹那 フェイト なのは 

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