真・恋姫アナザー 〜二つの鈴の音〜 拠点 〜私が彼に夢中な訳〜
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「まぁこんな感じだ。」

 

「あぁ、あの時に会っていたのね。あの時はいつまでたっても帰ってこなかったから、どうしたのかと思っていたわよ。まぁ理由を聞けば納得できるけどね」

 

「ほう。冥琳もあいつを弟子に取ったか…お主が弟子を取るのは穏以来じゃの」

 

「そうなりますね。…じゃあ最後は雪蓮の番ね」

 

「そうじゃの。どうして一刀のことをしっておるのじゃ?」

 

「私?私の場合はね…」

 

 

 

 

 

 

〜雪蓮・出会い〜

 

「あ〜つまんないなぁ。何か面白いことでもないかしら…」

 

そう呟きながら私は町を歩く。”つまらないなら城に戻り政務をやればいいだけだ”とか冥琳なら言いそうだけど、それも気が乗らず、ぶらぶらと町を歩いていた。

そうやって歩いていると、いつのまにか私は、町の端まで歩いてきてしまったようだ。

ここには、私お気に入りの酒屋さんがあるんだけど、少し前に、そこの付けを冥琳に立て替えてもらったばかりなので、さすがに今はお酒を買う気にはならなかった。

 

「ん〜城のほうに戻ろうかしら」

 

背伸びをしながらそう呟き、城の方へと歩こうとしたのだが、そこに子供たちの元気な声が聞こえた。

その声が気になって、私はそっちに視線を移す。

するとそこには、子供たちの楽しそうな笑顔と、子供たちと一緒に遊んでいる青年の笑顔があった。

 

「わーい。次はお兄ちゃんが鬼ね」

 

「え〜もう鬼ごっこあきた。それよりもお兄ちゃんうた歌ってよ。」

 

「お話がききたーい」

 

子供たちは青年を囲んで楽しそうにねだっていた。

 

(ずいぶんなつかれているのね。それに皆楽しそう…)

 

それを見ていると、なんだか心が暖かくなっていき、気付かれないように子供達がいる方へ足を進めて行く。そして、子供達の中心にいた青年の笑顔に思わず見惚れてしまった。

 

「ん〜そんなにいっぺんには出来ないからどうしようか?」

 

そう言いながらその青年は困った顔をする。

 

「そうだな…どれか一つならいいよ。」

 

青年が言うと、子供たちは固まって相談をし始めた。

しばらくしてみんなの答えが一致したのか笑顔でこう応えた。

 

『じゃあお歌が聞きたーい』

 

そう言うと、子供達が出した答えが自分でもあまり予想してなかった答えだったのか、困った表情をしなから顔を赤めていた。

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(…困った顔もかわいいわね)

 

たぶん青年は考えていることが顔に出やすいに違いない。

だって少し離れて見ている私でも、心の中が手に取るように分かるのだから。

 

「…わかったよ。じゃあ皆近くに集まって、一回だけだからね」

 

どうやら青年は覚悟?を決めたらしく、子供達を自分の近くに呼び寄せてその丁度中心で座る。

そして、一呼吸ついた後、歌い出した。

 

「それじゃあいくよ……♪〜」

 

その歌は、まぁ…言ってみれば普通だった。

特にうまいわけでもなく、それでも下手とはいえない。

それなのに、聞いていると心が暖かくなるというか…とても穏やかな気持ちになった。

それは、青年の声がそんな気分にしてくれているのかもしれないし、もともと持っている雰囲気がそう感じさせてくれているのかもしれない。

ま、とにかく私はこの歌が気にいったし、子供達も気に入っているって事は確かだった。

 

「〜♪…はい、お終い。それじゃあ、そろそろ仕事だから、皆他のところで遊んできな」

 

青年がそう言って立ち上がると、案の定「え〜!!」っと言った不満の声が上がっていたが、子供達も邪魔したらいけないと分かっているのか、少し寂しそうな表情をしながら、手を振って街の中へと消えていった。

子供達が去った後、私はどうしても青年と話がしてみたくて、拍手をしながら近寄っていく。

私の拍手に気がついて、青年がこっちに顔を向けると、どうやらあっちは私の事を知っていたらしく驚いていた。

 

パチパチパチ

 

「ん?…て、えぇー!!孫策様!!」

 

「こんにちは。なかなか良かったわよ」

 

そう言うと、とても恥ずかしそうに顔を伏せる。

思った通り、この青年は考えている事がすぐに顔に出るらしい。

 

(////やっぱりかわいいわね)

 

「あなた、ここら辺の人?私この町の人は大体知ってたつもりだったんだけど…」

 

「はい。そこの酒屋の息子です。先日は大量のお酒お買い上げありがとうございました」

 

「あ、そうなの?こちらこそ美味しいお酒ありがとう♪」

 

そう言い合うと、私達はお互いに笑い合うのだった。

それから、私が少し話をしても良いか?と聞いたら、父親にその旨を伝えて、もう少し休憩を取らせてもらってくると言って、酒屋さんに走っていった。

しばらくして、どうやら許可を貰えたらしく、私達は近くに腰を下ろして話をする事にした。

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腰を下ろした私は、まず一番気になった事を聞いてみる事にする。

 

「それにしても、ずいぶん子供たちと仲が良いみたいだけど?」

 

「んーまぁそうですね。休憩の時は、ほとんど毎日遊んでますよ。」

 

「そうなの?それすごく大変じゃない?」

 

そう聞いてみると、彼はたしかに…と呟いた後、こちらを向いて笑顔で答えた。

 

「それでも子供たちが笑顔になるなら良いと思っています。ここは違いますが、他の町や村では、役人が重い税をかけて必要以上に民に負担をかけていると聞いています。それに、町を一歩外に出ると賊がいたりして、笑顔にはなかなかなりづらいと思うんです。」

 

少し悲しそうな表情しながら、彼は話しを続ける。

 

「だけど、子供たちはそのことをまだ良く分かっていません。私はそれで良いんだと思います。小さな頃に笑顔をいっぱいつくらないと、大人になって笑顔のつくり方を忘れてしまうかもしれません。それに、町の子供たちが笑顔で遊んでいるとそれをみた大人たちも自然と笑みがこぼれます。そうすれば皆が楽しく、そして幸せになると思うんです。そのことを考えたら大変でも良いと思います。」

 

彼はそこまで言い切ると、さっきの悲しそうな表情から、今度は少し照れながら、うぬぼれてるかもしれませんが…と最後に付け加えた。

 

「…あ〜あ、最後の一言がなかったらかっこよかったのにな…」

 

私は彼の話を聞いていたら、思わずそんな事を呟いてしまっていた。

すると、私の呟きが聞こえたのか、彼が言ってくる。

 

「じゃあ今から取り消しても良いですか?」

 

ニヤッと笑いながらそう彼が言ってくるもんだから、可笑しくなって笑ってしまった。

それを見て彼も笑い、二人しておなかが痛くなるまで笑い合っていた。

 

「あ〜笑った。貴方面白いわね。名前は?」

 

「私は姓は北、名は郷、字を江清といいます」

 

「江清か…ねぇもし貴方が王だったらこの国をどんな風にしたい?」

 

いつの間にか、私はそんな事を江清に聞いていた。

それは多分さっき、彼が私に話してくれた事が原因だと思う。

さっき青年が話してくれた事は、多分私が一番良く分かっている。だって私はこの町の太守だから。そういった情報はすぐ耳に入ってくる。その報告を聞いて、常々何とかしたいとは思っていても、実際私にはそれを変える力は今持っていない。

民達にそう言わせてしまっている自分が、悔しくて仕方が無い。

でも、江清はそれを少しでも良くしようと、一庶民でありながら行動に移している。私が力が無くて、嘆いている時も出来る限り何とかしようと…。

そんな江清の話を聞いていると、力がわいているく気がした。

だから、聞いてみたかった。江清だったらこの国をどうするのかを…。

 

「この国を…ですか?」

 

「そう、この国を。そんなに難しく考えなくても良いから教えて」

 

そう言うと、少し考えた後まっすく目を見て応え始めた。

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「そうですね…簡単に言うなら笑顔であふれる国ですかね。今、人として当たり前の幸せを得ることが難しくなっています。本来ならそんなこと無い筈なのに。当たり前のものが無いなんていうのはとても悲しいことだと思うから、それを与えれる国を作りたいですね。そうすれば皆笑顔になれると思いますから…」

 

「まるで夢みたいな国ね」

 

「ええ…たしかに現実味の無い話だと思います。現実は厳しいですからね…。だけど現実を見つめながらも、夢を追い駆ければそれに近づく事は出来ると思いますから。私が王なら辛くてもそれを目指したいです。」

 

そう応えた彼の目はやさしく、でもしっかりとした意思が感じられた。

 

(綺麗な目をしてる。それに今の応えている時ちょっとドキッとしちゃった)

 

「そっか…。よし!きめた。」

 

「へ?」

 

「江清って言ったわよね。あなたお城で働いてみる気無いかしら?貴方の考え、とても素敵だと思うし、私もそう言った国をつくりたいと思っているの。貴方のその思いをぜひ呉に役立てて欲しいんだけど…だめかな?」

 

そう伝えるとビックリした顔の後、江清は”あわわ…”と何処からか突っ込みがきそうな、取り乱し方をして、最後には考え込んでしまった。

 

「あわわ…え〜と。孫策様から直々にお誘いを受けるのはとても名誉なことだとは思うのですが、すみません。お断りさせていただきます。」

 

「あら…そっか。でも断る理由教えてくれない?」

 

そっけないように私は言ったが、内心はかなり落胆していた。

こうみえて私は、普通ならこんな短時間で、誰かを迎え入れたいと思った事は無い。

過去私は、母親から”王は簡単に人を信じてはいけない”と教えられている。

もちろん、最初からすべて疑っていけという意味ではないだろう。

ただ、王という立場を考えると、身の安全を第一に考えなくてはいけない為、常に心のどこかで冷静に相手を見ている自分をつくっておくべきなのだ。

流石に、そこまで丁寧に教えられた訳じゃないんだけど、私は母親の言葉…”江東の虎”である前王孫堅のが言った言葉をこう解釈している。

だからこそ、こうして会って間もないこの人間を、臣下に入れようなんて、多分過去にも先ににも彼

だけだろうと思う。

でも、だからといって強引に彼を引き込んだとしても、きっと彼はその真価を発揮できないだろう。

諦めるつもりは無いけど、ひとまず理由を聞いてそれから改めて彼を臣下に入れれるように考えようと思う。

 

しかしそんな事を考えていた私は、彼が説明してくれた理由によって、彼を臣下に入れるのはかなり難しい事だと思い知らされるのだった。

 

「本当の事を言うなら、働いてみたいとは思います。でも自分は、武官や文官に成れると自負するほど才に溢れていると思っていません。…最近私を見て、鍛えてくれている人が出来き、少しは自分の力を信じる事が出来そうですが、それでも将になどなれないと思っています。それに今は将として夢を叶えるより、民として夢を叶えたいという気持ちが強いのです。民の身分では、出来ることは限りなく少ないでしょう。ですが民の目線で物を見て、民の立場で行動しないと、出来ない事もあると思うのです。そういった気持ちが少しでもある以上、お城で働いてもきっと中途半端になってしまいます。なので今はお受けできません。…申し訳ありません。」

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「そっか…。でも、そう考えることが出来るから貴方を臣下にしたいんだけどね…」

 

「すみません」

 

「もう謝らなくても良いわよ。理由を聞いたらなんか納得しちゃった。…でも私は、江清の事かなり気に入ったから、これで諦めようとは思っていない。だから、貴方の気持ちがこちらに傾くように頑張るわ。」

 

「はぁ…そう言っていただけるのは、大変名誉の事だと思うのですが…。」

 

「ふふ…だって貴方のこと本当に気に入っちゃたんだもん♪仕方が無いじゃない。」

 

「もん…って孫策様」

 

「雪蓮よ。これからはそう呼んで」

 

「はっ?……ちょっとそんな簡単に真名を…」

 

「いいの♪江清のこと気に入ってるって言ったでしょ?それにあなたを、本当に私の臣下にしたいって言う証拠よ。あ、それと私に敬語はやめて。なんか肩こっちゃうし…」

 

「はぁ…もういいです、分かりました。でしたら私の真名も受け取ってください。私の真名は一刀といいます。」

 

「一刀ね。それと敬語はやめてってさっき言ったでしょ?」

 

「そんないきなりは、無理です。」

 

「そう?なら今はもう言わないけど、はやく敬語やめるようにしてね。あ…それで話は替わるんだけどさ…」

 

「なんですか?」

 

「お酒呑ましてくれない?」

 

「お金を払っていただけるならどうぞ?」

 

「え〜!!せっかく真名を許し合ったんだし、ちょこっと飲ましてよ〜」

 

「ダメです」

 

「ぶー、ケチ」

 

「ケチってなんですか!当たり前です」

 

そう言い合いながら、私と江清はお店の方へと向かっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…とまぁ、こんな感じなんだけど。」

 

「最後の方はどうかと思うけど…うん。やっぱり良い考えを持っているな一刀は。」

 

「そうじゃな。そこまで考えおるやつは、そう居ないだろう。」

 

「でしょ?だからどうしても将になって欲しいんだけどな…。しかも、祭と冥琳が認めてるって事は、武も智もかなり有望なんでしょ?もったいないと思うのよね〜。」

 

「そうだな…。でも、一刀の言って言っている事も分からなくは無い。何かきっかけがあれば、うまくいくかもしれんが…。」

 

「まぁ…そうあせっても仕方があるまい。ワシはそう遠くない未来に、共に仲間として呉に迎えれるような気がするぞ?」

 

「今すぐ来てくれると嬉しいんだけどね…。こればっかりは仕方がないっか。でも、二人ともそれとなく誘っておいてね。」

 

「まぁ、たしかにやらないよりは、マシね。」

 

「じゃな。…にしても贅沢な男じゃな一刀は。美女三人の誘いを断るとは…。」

 

「ほんとよね〜」

 

 

それからも、彼女達は一刀の話で色々盛り上がり、休憩時間を過ごしていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、色仕掛けなんでどう?」

 

「却下だ」

 

「なんじゃつまらん。案外コロッといくかもしれんぞ?」

 

「ね〜♪」

 

「はぁ…やれやれ」

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お疲れ様です。やっと投稿できました。

 

思:なかなか投稿できなかったみたいだな。だが、もう一つの方には先に投稿できたんだろ?

何故だ?

 

あー。簡単に申しますと、アレは会社で投稿したんですよ。わざわざUSBに作品を写して。

こっちでもそれは出来なくは無いんですけど、やっぱり手間がかかるんですよね。あっちはこぴって、貼り付けるだけですから…。それに”今日の思春ちゃん”のネタとか考える時間がなかなか取れなかったのも理由ですね。

 

思:それは確かにな…。たしか会社の休憩時間殆ど無いんだっけか?

 

無い訳じゃないですよ?ただ、前にも書きましたが、新入社員さん達が入ってきてまだ、ばたばたしていたので、話し合いとか、教える時間とか色々ありまして…。

そういうのって、仕事中には出来ませんからね。

仕事とめる訳にもいきませんし…。

 

思:なるほど。良く分かった。これからもそうなのか?

 

いや、どうでしょうか?例年通りなら、そろそろ一人の時間とかも取れると思うので、そう日数が空く事はないと思いますけどね。

こればっかりは、私にもよく分かりません。

 

思:そうか。でもまぁ…こんな作品でも待ってくれている人が居るのだから、なるべく頑張るように。

 

もちろんですとも!

さて、そんな感じで次回の話です。

次回からは、お話が進みます。

とうとうあの人も登場するので、楽しみにしていてください。

さて、そろそろお待ちかねの”今日の思春ちゃん”です。

 

今回は、家庭的な思春ちゃん〜朝の一幕編〜でお送りしたいと思います。

 

それでは次回まで、あでゅ〜ノシ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思「ん?おはよう○○。もうすぐ朝ご飯できるから、そこで新聞でも……。って、なんで後ろから抱きつく!!///////こ、こら!?変なとこ触るな!昨日の夜その……いっぱい私を愛してくれたばかりだろ!?それなのにまたなのか?……まったくお前は甘えん坊だな。…でもダメだ。ご飯を食べる時間がなくなるからな。だ、だから……チュッ!……/////今はこれで我慢しろ。…今日の夜も愛してくれていいから…な?」

 

 

あ、愛してくれたって…一体何を…!!!!

 

思「それは………秘密だ/////」

 

………グハァ……

 

 

 

 

 

説明
遅くなりましたが、拠点ラスト投稿しました。
おそらく明日また作品を投稿できるかと思います。

はぁ…やっと一息つけました。
私にとってゴールデンウィークとは残業が無い、普通の一週間みたいです。
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コメント
みなさん吐血しすぎですよww でもそんなノリのいいみなさんが大好きです!(秋華)
・・・グ・・・グハァ・・・・orz (裕樹)
・・・グ・・・グハァ・・・・orz(もち)
・・・グ・・・グヘァ・・・・orz(バズズ)
・・・グ・・・グハァ・・・・orz(萌香)
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恋姫†無双 真・恋姫 雪蓮 

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