Fate/Zero おじさんは恋の修羅場に巻き込まれました 中編
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おじさんは恋の修羅場に巻き込まれました 中編

 

 

前回のあらすじ

 

 

「Tiro Finale(雁夜さんのようなステキなナイトにエスコートして頂けて幸せです)」

「Tiro Finale!!(全力でお守り致しますっ!!)」

 

 おじさんはソラウお姉さんという綺麗なお姉さんと知り合いになってとても舞い上がりました。

 ソラウお姉さんも幼い少女ばっかり出ているアニメばかり見ているケイネス先生に愛想を尽かしておじさんとの火遊びに夢中です。

 

「雁夜くん。私という未来の妻がありながら浮気は許さないわよ。でも、その前にあの淫乱泥棒猫を始末してあげなくちゃ。クスクスクス。クスクスクス」

「あの女。私の男に手を出そうとはいい度胸じゃないの。考えられる限り最も残虐な方法で無慈悲に時間を掛けて生まれて来たことを後悔させながら殺してあげるわよ。クスクスクスクス」

「…………クスクス笑ってゴーゴー。クスクス笑ってゴーゴー」

 

 一方で葵お母さん、凛ちゃん、桜ちゃんはデレデレ顔のおじさんを見ながらとてもお怒りなのでした。

 

 果たしておじさんとソラウお姉さんは生き残ることができるでしょうか?

 

 

 

 

 おじさんがソラウお姉さんと知り合ってから3日が過ぎました。

 おじさんの人生は今最高潮に上り坂です。

 

「ようやく俺にも遅い春が来たぁ〜〜〜〜っ!」

 

 鏡に向かって叫んでしまうぐらいに絶好調です。

 ソラウお姉さんはワイルドな格好が好きということで赤いアロハシャツを着てしまうぐらいの浮かれっぷりです。全く似あっていないとかもう関係ありません。

 

「今日辺り、いよいよソラウさんとキスするのも夢じゃないかもしれないな。あっはっはっはっはっは」

 

 鏡に向かって妄想を垂れ流しながら笑い出すぐらいの壊れっぷりです。

 そうです。おじさんは今、人生で初めて大人の女性と良い雰囲気になりつつあります。

 しかも相手は凄い美人です。

 おじさんが浮かれてしまうのも仕方がありません。

 でもおじさんは浮かれすぎて周りが見えなくなっていました。

 それはおじさんにとって命の危機をもたらすものだったのです。

 

「おじさん……今日もまた、あの淫魔に会いに行くの?」

 

 おじさんは浮かれていて気付きませんでした。

 部屋の扉の外から幼い少女がジッと覗いていることを。

 その少女の瞳が病んでしまっていることに。

 

「浮気は……死ぬしかなくなっちゃうんだよ」

 

 おじさんは人生の春が来たどころか、幕が下ろされる冬直前に陥っていることにまだ気付いていませんでした。

 

 

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「お母様。ビッチ魔女がいつもの集合場所に到着しましたわ」

「そう。今日で3日連続の密会。あの泥棒猫はどうしても死にたいらしいわね」

 

 双眼鏡を使って川原沿いの遊歩道のベンチを覗く凛ちゃんから報告が葵お母さんに入りました。

 一方で葵お母さんは最新のスマートフォンを駆使しながら桜ちゃんとのコンタクトを試みます。

 魔力を使った念話よりも科学の方が楽というのが葵お母さんの結論でした。だから葵お母さんはインデックスよりレールガンが好きなのです。

 そして葵お母さんにとって魔力はDeathの為に使うことが正しいのです。Death以外に使うことは間違いなのです。

 

「桜、そっちの様子はどう?」

『うん。おじさんは今日もあの淫魔に会いに行くみたい。後、3分ぐらいでいつもの場所に着くと思う』

「そう。わかったわ」

 

 葵お母さんは桜ちゃんとの通話を切りました。

 

「残念ながら雁夜くんがここに向かっているそうよ」

 

 葵お母さんは大きく溜め息を吐きました。

 

「それはとても残念です」

 

 凛ちゃんも大きく溜め息を吐きました。

 

「一度だけなら日本の地理と言葉に不慣れな外国の方を案内するということで、私たちも何とか自分を抑えることができた」

「二度目の逢瀬も、他に適当な案内役がいなかったからとお母様も私も自分を必死に必死に抑えることができました」

「でも、3度目はダメね」

「ダメですね」

 

 2人は揃って大きく息を吐き出しました。とても悲しそうな表情です。

 

「実は私、聖杯戦争に参加する筈だったマスター候補の男性がドイツに帰国する際に置いていった武器を譲り受けたのよ」

 

 葵お母さんはそう言って足元に置いていたやたら精巧そうで、でもごっつい狙撃銃を凛ちゃんに見せました。その他にも爆弾だの拳銃だのがゴロゴロ地面に転がっています。

 

「奇遇ですね。実は私も、聖杯戦争に参加する筈だったマーボー神父から人を殺せる辛さのマーボーの作り方を習って今日ここに持ってきたんですよ」

 

 凛ちゃんはそう言ってお鍋を取り出して葵お母さんに見せました。グツグツと煮立ったそれは真っ赤を通り越して真っ火で、食べれば確かに死ねそうな一品でした。

 

「せっかく持っている武器は使ってみたいと思うのが人間の心よね。まったく人間って自分を御せない悲しい生き物よね」

「せっかく作った料理は食べてもらいたいと思うのが人間の心ですよね。まったく人間とは自分を御せない悲しい生き物ですよね」

 

 2人はベンチに座って髪を弄っているソラウお姉さんを見てクスっと笑いました。

 一体2人は何を考えているのでしょうか?

 その答えがいよいよ明らかになろうとしたその時でした。

 

「雁夜くん。本当に来ちゃったのね……」

「後1分遅く来てくれればもう誰も悩んだり浮かれたりせずに済むようになっていたのに」

 

 2人は到着したおじさんを見て小さく舌打ちをしました。そして、手にもっていたライフルと鍋を地面に下ろしました。

 代わりにおじさんの様子をつぶさに観察し始めます。

 

「おじさん……私に挨拶もなく出掛けちゃったの」

 

 桜ちゃんが葵お母さんたちに合流しました。桜ちゃんは可愛い唇を尖らせてとても不機嫌そうです。

 

「これから自分の娘になる桜に挨拶しないのは良くないわね、雁夜くん。未来の妻として恥ずかしいわ」

「そうだよね。未来のお嫁さんのわたしに声を掛けないのはおかしいよね」

「現在は姪であり、未来の義理の妹に礼儀を果たさないなんて、雁夜おじさんには後でお説教が必要ね」

「「「チッ!」」」

 

 3人はヤバい瞳で睨み合いながら激しく火花を散らします。

 おじさんとソラウお姉さんが今日まで生き残っているのは、3人の連携が良くないことも非常に大きく影響していました。

 

「あっ、おじさんが淫魔に声を掛けたっ!」

「「何ですって!?」」

 

 3人は視線だけで人を殺せそうな争いを止めて一斉におじさんとソラウお姉さんの方を見ます。

 すると確かにおじさんとソラウお姉さんは楽しそうに談笑を始めていたのです。

 

「何て言っているのか聞こえないよう」

「さすがにここからじゃ声が聞こえませんよ、お母様」

 

 桜ちゃんと凛ちゃんは悔しそうにおじさんたちを見ています。

 確かに今桜ちゃんたちがいる場所はおじさんたちから50m近く離れています。声を拾うのは不可能なことでした。近付かなくてはなりません。

 でも、おじさんはともかくソラウお姉さんは割と鋭くしかも魔術の心得があるようでした。これ以上近付くことも魔術を行使することも不可能でした。

 

「大丈夫よ。凛、桜」

 

 一方で葵お母さんは自信満々です。

 一体、葵お母さんにはどんな秘策があるのでしょうか?

 

「私はこう見えても昔、読唇術を習ったことがあるの。ここからでも2人の会話の内容を把握することが出来るわ」

 

 葵お母さんはドヤ顔をしてみせました。

 

「お母様、凄いっ!」

「これであの泥棒猫が雁夜おじさんに何を吹き込もうとしているのか全部わかりますね」

 

 桜ちゃんたちは目を輝かせて葵お母さんを褒め称えます。

 

「それじゃあ早速2人の会話を読みとってみるわ」

「「はいっ」」

 

 葵お母さんは瞳を細めながらおじさんたちの口の動きを熱心に観察します。

 そしてすぐに首を捻りながら顔をしかめ始めました。

 

「あれ? えっと……」

 

 葵お母さんの顔が滲み始めます。

 

「日本語にあんな口の動き方があったかしら?」

 

 葵お母さんの疑問は深まっていくばかりです。

 葵お母さんは知りませんでしたが、おじさんたちはソラウお姉さんに合わせて英語で会話しています。

 だから日本語用の読唇術を試みた所で意味はなかったのです。

 

「お母様、まだ?」

「勿体ぶらずに教えて教えて下さいよ」

 

 一方で2人の娘たちはキラキラした瞳を葵お母さんに向けてきます。

 その期待を裏切ることは葵お母さんには出来ませんでした。

 葵お母さんは自分の勘を頼りに読唇を始めました。

 

「え〜と、葵さんは世界で一番美しい女性です。今すぐ結婚したいです。かな?」

 

 葵お母さんが頼りにしたのは勘ではなく欲望でした。

 

「「お母様っ!!」」

 

 2人の娘から冷たい視線が突き刺さります。凄く痛いです。母親としての権威を失ってしまいそうです。葵お母さんは慌てて取り繕いました。

 

「い、今のはほんのちょっとした冗談よ。これからお母さんの本気を見せてあげるわ」

 

 葵お母さんは再び熱心に2人を眺めました。

 

「え〜と……これからはちゃんと勉強するから今度だけ助けて……暗記パンを使おう。ノートにくっつける。写る。食べる。それで、そのページに書いてあることは、すっかり覚えたよ。……助かるなあ……と思ったら肝心のページが抜けてる。……何やってんだっ!!」

 

 喋る度に葵お母さんの額に吹き出ていく汗の量は増えていきます。

 

「さすがにしずかちゃんのノートは綺麗だ。これをちょっと覚えちゃおう。……そんな簡単にいくなら苦労しないわ。クラスで一番忘れぼのあなたが? ……漫画を見て、食べてばかりいて、勉強しないの? ……少しお腹を減らさないとダメだ。悪いけど、ノート貸して……」

 

 汗の量が限界を超えて、葵お母さんは読唇を止めました。

 そして、2人の娘の様子を見ました。

 

「桜にはね、お母様がいないの」

 

 とても遠い瞳をしながら桜ちゃんは語りました。とても悲しそうです。心が折れてしまっているようでした。

 

「お母様っ! ふざけないで下さいっ! 何で2人の会話がドラえもんの漫画みたいな内容なんですかっ!」

 

 対して凛ちゃんはとても怒っていました。

 この辺りに姉妹の対応の差が出ています。それは2人の性格の差でもあります。

 

「お姉ちゃんっ」

「大丈夫よ、桜。これからは姉妹2人だけで力を合わせて強く生きていきましょう」

 

 堅く抱き合う幼い姉妹。

 ちなみに父親である筈の綺麗な時臣お父さんは最初から存在を無視されています。まあ、綺麗な時臣お父さんですから仕方がありません。だって綺麗な時臣お父さんですから。

 

「凛、桜」

 

 一方で強い危機感を覚えたのが葵お母さんでした。

 このままでは綺麗な時臣お父さんと同じ階級にまで落とされてしまいます。蟲と同等です。それだけは母親として、人間として許容できませんでした。

 こうなった以上、葵お母さんは自身の尊厳を取り戻す為にも他の行動に出るしかありませんでした。

 そして行動に出るに足る蛮行が葵お母さんの前で展開されたのです。

 

「「「あっ!?」」」

 

 なんとおじさんとソラウお姉さんは手を繋いだのです。

 それは葵お母さんを夜叉に替えるのに十分なエネルギーを注ぎ込んだのです。

 

「現時刻をもって雁夜くんとビッチ魔女を武力介入対象と認定するわ。即刻排除に掛かるわよ」

 

 葵お母さんは狙撃銃を天に向かって掲げながら宣言しました。

 浮気者には死を。葵お母さんの表情はそう雄弁に物語っていました。

 

「「はいっ!」」

 

 凛ちゃんと桜ちゃんはキラキラした瞳で葵お母さんに呼応しました。

 凛ちゃんは一撃必殺の鍋を持ちながら。桜ちゃんは背後にうねうねした黒いタコさんウィンナーみたいな物体を実体化させながら。

 

 おじさんとソラウお姉さんの命は今風前の灯火と化していたのです。

 

 

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 おじさんは赤いアロハシャツ姿でソラウお姉さんの元へとやって来ました。

 今日こそはキスしたいという小学生みたいな欲望でいっぱいです。

 

「Hey, won’t you help me? See how much trouble I’m in? If I take the test like this, it’s certain I’ll get a zero(やあ、ソラウさん。今日もお綺麗ですね)」

 

 ちょっと調子に乗った挨拶をしながらソラウお姉さんに近付いていきます。

 

「Alright. This fan,,, If we blew the school away, you couldn’t take the tests(雁夜さんは今日もワイルドで素敵ですわ)」

 

 ソラウお姉さんも恋する乙女の表情で答えます。

 

「Then, we’ll change the teacher into a gorilla by using this “Doubutsu Light”(……今日こそは雁夜さんと手を繋いじゃおうかしら。いえ、思い切ってキスも。でも、キスなんてしたら妊娠しちゃうかも)」

 

 ソラウお姉さんは幼い頃体があまり丈夫ではなく、学校も休みがちでした。

だから女子だけが集まって習う特別な授業も、保健体育の授業も聞いていませんでした。

 そしてソラウお姉さんは天才魔術師ケイネス先生のことは頭から完全に忘れ去っています。

 ここ3日はホテルに戻っても他の部屋に泊まってケイネス先生と顔を合わせていません。自分の幸せを崩す顔を見ていたくありませんでした。

 そんなソラウお姉さんをケイネス先生が探しに来ることもありませんでした。ケイネス先生は自分の研究(幼い少女が沢山出るアニメ鑑賞)に夢中だったのです。

 

「Will you be serious?(えっと、今、何と仰いましたか? 声が小さくてよく聞き取れなくて)」 

「It’s your fault for not studying every day(いえ、今日も良い天気で絶好の行楽日和だなと思っただけです)」

 

 非常に初々しい雰囲気を2人は放っています。

 その50m離れた所では同じ世界とは思えないほどにドロドロした恐ろしい雰囲気に包まれていますが。

 

「I promise you, from now on I’ll study every day. Help me just this once(今日はどこかご希望の見学先はありますか?)」

「Let’s use “Anki-Pan” . Put it on a note-book. Copy the page on it. Eat it. Now, you’ve memorized the whole page(何でもこの付近に味皇海原雄三の営業する美味しいケーキ屋さんがあるそうです。そこのティラミスを一度食べてみたいなと思いまして)」

「This really helps,,, but some important pages are missing(ソラウさんはケーキがお好きなんですね)」

「Oh, what were you doing!!(恥ずかしながら、子供みたいに甘いものに目がありません)」

 

 2人はとても良い雰囲気です。

 雰囲気が良くなるに従って少し離れた場所の雰囲気が険悪になっていきます。ですが、2人は自分たちだけの世界に浸っているので気付きません。死は確実に迫ってきているというのにです。

 

「Shizu-chan’s notebook is beautiful. I’ll memorize it quickly(そのケーキ屋さんなら俺も聞いたことがあります。早速行ってみましょうか?)」

「You’re doing it so easily. You’re the most forgetful in the class!(はい。お願いします)」

 

 ソラウお姉さんがおじさんに向かって手を伸ばしました。

 

「You do nothing but read comic books and eat. Don’t you study?(あの、迷子にならないように手を繋いで頂けますか?)」

 

 ソラウお姉さんは勝負に出ました。

 

「I have to let my stomach empty a little. Sorry, but let me your note-book, okay?(も、勿論です。ソラウさんを苦しめる原因は全て俺が排除しますよ)」

 

 おじさんはドキドキしながらソラウお姉さんの手を握りました。

 大人の女の人の手を握ったのは初めてのことでした。

 ソラウお姉さんの手はおじさんよりも小さいものでした。でも、とても温かくて柔らかくて。

 おじさんはとても感動しています。このまま死んでも良いと思ったぐらいです。

 そしておじさんには実際に死が迫っていたのです。

 3人の美女と美少女による絶対の死が。

 

 おじさんとソラウお姉さんはまだその危険に気付いていませんでした。

 

 

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 みなさんは鬼というのがどんな存在か知っていますか?

 

「雁夜くん。クスクスクス。浮気者は。クスクスクス。死ぬしかないのよ」

「雁夜おじさん。クスクスクス。幾ら私が常に優雅な淑女とはいえ。クスクスクス。忍耐には限度があるんですよ」

「クスクス笑ってゴーゴー。クスクス笑ってゴーゴー」

 

 今、おじさんとソラウお姉さんに向かって近付きつつある3人の美女と美少女がそうです。こう言えば具体的で分かり易いと思います。

 3人は必殺の気をまといながらおじさんたちの後方からゆっくりと近付いていきます。

 

 鬼はとても強大な力を有しています。

 人間ではまるで歯が立ちません。

 そんな強大な鬼に立ち向かえる存在と言えば、おとぎ話の主人公か鬼の怖さを知らないお馬鹿さんだけです。

 

「待ちなさい。葵っ、凛っ、桜っ!」

 

 綺麗な時臣お父さんが3人の前に立ちはだかりました。

 ちなみにこの物語において綺麗な時臣お父さんは主人公じゃありません。

 

「何、あなた?」

「ひぃいいいいぃっ!?」

 

 葵お母さんが鬼の表情で綺麗な時臣お父さんを睨み付けます。

 綺麗な時臣お父さんは優雅をログアウトして漏らしてしまいそうにビビりました。

 でも、遠坂家の頭首として自分を奮い起こして綺麗な時臣お父さんは背筋を伸ばし返します。

 

「間桐雁夜にもようやく遅い春が来たのだ。邪魔をするんじゃない」

 

 綺麗な時臣お父さんが凛とした声で述べました。

 

「お父様が雁夜おじさんを応援するなんておかしいですね」

 

 凛ちゃんが鬼の表情で綺麗な時臣お父さんを疑わしく見ています。

 綺麗な時臣お父さんは3歩ムーンウォークをしながら後ずさります。怪しさ100%です。

 でも、綺麗な時臣お父さんは今度も負けませんでした。

 

「何を言っているのかな? 私はこれっぽっちも間桐雁夜があのお嬢さんとくっ付けば凛や桜にもう手出ししなくなるからヒャッホーなんて少しも考えていないぞ。あくまで友情の為だ」

 

 綺麗な時臣お父さんは気持ちで負けたくないだけでした。実態がまるで伴っていません。でも、綺麗な時臣お父さんなので仕方ありません。だって綺麗な時臣お父さんですから。

 

「ふーん。遠坂のおじさんは桜とおじさんを引き離すつもりなんだね」

 

 そして移動した綺麗な時臣お父さんの前に立っていたのは鬼を通り越した何かでした。

 

「ヒィイイイイイイっ!?」

 

 綺麗な時臣お父さんの瞳は、桜ちゃんの髪が真っ白に変色して頬から血管が浮き出ているような錯覚を見ました。やたら黒っぽい感じがしました。

 優雅さをログアウトして、父親の威厳とかもう何も関係なく逃げようと思いました。

 でも、逃げられませんでした。

 

「凛、桜。あなたたちのお父様は立派に聖杯戦争を戦い抜き、そして散ったわ」

 

 葵お母さんが綺麗な時臣お父さんの襟をガッチリと掴んで離さないからです。

 葵お母さんはその綺麗な両目からボロボロと涙を流していました。

 

「お母様。私、お父様がいなくても一流の魔術師になってみせますっ!」

「桜も、お父様がいなくても負けないもんっ!」

 

 凛ちゃんも桜ちゃんも涙を流しながら葵お母さんに誓います。

 美しい親子愛が見えるワンシーンです。

 

「ちょっと待てぇっ! 私はまだこうしてピンピン生きているぞ。大体、聖杯戦争は聖杯の消失により永遠に中止になっただろうがぁっ!」

 

 空気の読めない綺麗な時臣お父さんがKYなツッコミを入れました。

 

「ううん。あなたは死ぬわ」

 

 葵お母さんは涙ながらに綺麗な時臣お父さんに反論しました。

 

「何故だっ!?」

「私が殺すから」

 

 葵お母さんは淡々と述べました。

 

「凛、桜。ここは私に任せて先に行って頂戴。遠坂家頭首、遠坂綺麗な時臣の相手は私が引き受けるわ」

 

 葵お母さんは決意を秘めた瞳で娘2人を見ます。

 

「「お母様っ!」」

 

 凛ちゃんと桜ちゃんも感極まった声で葵お母さんを見ます。

 麗しい親子愛再びです。

 

「だから何故私が葵に殺されるという前提で話が進んでい……ア〜〜っ!?」

 

 綺麗な時臣お父さんは話している最中に葵お母さんにひょいっと肩の上へと担ぎ上げられてしまいました。

 

「何故、雁夜くんが手出しする対象に私が含まれていないのかしら?」

「何を言っているのだ? 葵は私の妻なのだから対象に含まれる筈がなかろう」

「それはつまり、私がおばさんと言いたいわけね? 雁夜くんが相手にする筈がないおばさんだとあなたは言いたいのね? 婆さんは用済みとあなたは断言するわけね!」

「全く意味がわからない〜〜っ!」

 

 葵お母さんの戦闘力が際限なく高まっていきます。

 

「わかったわ。これは決闘ではなく誅罰ね」

「さっきから一体何を言っているのだ、お前は!?」

 

 この期に及んで自分の立場がわかっていないお馬鹿さんはトンチンカンなことを言っています。

 

「凛、桜。私の理性が残っている内に早く行きなさい」

 

 葵お母さんが最終決戦に臨む主人公さながら桜ちゃんたちに待避を促します。

 

「お母様。泥棒猫は私たちが必ず討ち果たしますから」

「おじさんは絶対に桜たちが取り戻すから。たとえ物言わぬ姿になっていても」

 

 凛ちゃんと桜ちゃんは涙を拭きもせずにおじさんたちの元へと向かって走り始めました。

 後に残されたのは葵お母さんと綺麗な時臣お父さんの2人だけです。

 

「良かったわ。凛と桜に残虐とは何かを身をもって知らさずに済んで」

 

 葵お母さんは安堵の息を吐き出しました。

 

「ええい。いい加減に訳のわからない遊びは止めて早く私を下ろすんだ。私は間桐雁夜とあのお嬢さんが結ばれる手助けをしてやらないとならんのでな」

「そう。あなたはあくまでも死亡フラグを貫く所存なのね。わかったわ。そこまで決意が固いのならお望み通りに殺してあげるわ」

 

 みなさんは残虐という言葉がどんな意味であるか知っていますか?

 

「でも、楽には殺してあげないわ。肺と心臓だけを治癒で再生しながら、爪先からじっくり切り刻んであげる。悔やみながら、苦しみながら、絶望しながら死んでいきなさい」

 

 葵お母さんは持ってきた狙撃銃を振り上げました。銃というのは鈍器としても使用できるのです。

 

「何でだぁ〜〜〜〜っ!?」

 

 葵お母さんがこれから綺麗な時臣お父さんに行おうとしていること。

 それを残虐と呼びます。

 

 この日、綺麗な時臣お父さんの口から後悔と苦しみと絶望の声が絶えることはありませんでした。

 

 

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 葵お母さんは綺麗な時臣お父さんとの因縁にケリを付けるべく1人残りました。

 残された凛ちゃんと桜ちゃんはソラウお姉さんをSATSUGAIし、おじさんをお仕置きすべく必死に2人を追い掛けます。

 でも、そんな2人の前に着物姿のおじいちゃんが立ちはだかりました。

 

「ひょっひょっひょ。ようやくあの不肖の馬鹿息子にも結婚のチャンスが訪れたのじゃ。子供たちが邪魔するものではないぞ」

「おじいさま」

 

 桜ちゃんたちの前に立ちはだかった人物。それは桜ちゃんの現在のおじいちゃんに当たる間桐臓硯おじいちゃん、通称蟲おじいちゃんでした。

 桜ちゃんは臓硯おじいちゃんに逆らい難く無意識に後ずさりしてしまいます。

 桜ちゃん大ピンチでした。

 

「待って下さいっ!」

 

 代わって1歩前に踏み出したのがお姉さんの凛ちゃんでした。

 

「雁夜おじさんのお嫁さんにはこの私がなります。だから、あんな泥棒猫を相手にする必要は何もありません」

 

 凛ちゃんは胸を張りながら堂々と述べました。

 桜ちゃんは凛ちゃんの言葉にちょっと不満を感じましたが、臓硯おじいちゃんと戦ってくれているので黙っています。

 一方で臓硯おじいちゃんは首を傾げながら凛ちゃんを見ました。

 

「そうは言うが、お主。まだ子供じゃしのう。昨今は条例も厳しいので、ロリ嫁はお断りじゃ」

「私は雁夜おじさんと年齢的な釣り合いがとれた大人の女ですよ! 学校ではもう2年生。×8歳です!」

「×の部分がどうせ0じゃろう。それにその身長とその胸でそんなことを言われてものお。10年経っても貧相そうな胸をしておるし」

「失敬な。ペッタンコ騎士王よりは大きくなる自信ぐらいあります!」

「胸が全くないおなごと胸の大きさを比べてどうする? 遠野秋葉と比べて巨乳を語れるのか? 胸の大きさは戦力の絶対的差なのじゃぞ」

 

 凛ちゃんは臓硯おじいちゃんを相手に1歩も退きません。

 でも、その次のおじいちゃんの一言は眠っていた凛ちゃんの何かを激しく引き起こしたのでした。

 

「とにかく、雁夜の嫁はボンッキュッボンで大人エクスタシーなお色気ムンムンな未婚のお姉ちゃんでなければ認めん。ツインテールがあざといツルペタロリ娘はさっさと帰るのじゃ」

 

 おじいちゃんはその言葉を特に深い意味に篭めた訳ではありませんでした。

 でも、その言葉は確かに凛ちゃんの存在理由を深く傷つけたのでした。

 

「ツインテールがあざといですってぇ〜〜っ!」

 

 凛ちゃんがツインテールを貶されたことで伝説の超戦士として覚醒したのです。

 

「一体、何が起きたと言うのじゃあ〜〜っ!?」

 

 長く生き過ぎて滅多なことでは驚かない臓硯おじいちゃんが目を見開いて驚いています。お年寄りで緩いので大失禁中です。

 臓硯おじいちゃんを驚かせた凛ちゃんの変化。凛ちゃんは全身から黄金のオーラを解き放っています。

 

「ツインテールはね、この世の愛と正義の証なのよ〜〜〜〜っ! あざとい言うな〜〜っ!」

 

 凛ちゃんはツインテールの為に戦う、金髪ツインテールな美少女戦士、超マジカル凛ちゃんに覚醒を遂げたのです。

 

「桜。私の理性が残っている内に早く行きなさい」

 

 凛ちゃんは戦闘民族である葵お母さんの血を色濃く継いでいます。だから同じ台詞がスッと出て来たことも自然な成り行きだったのです。

 

「私たちの明るい未来を邪魔するこの蟲ジジイは私が片付けるわ。桜は雁夜おじさんたちを追って」

「うん。わかった」

 

 桜ちゃんは大きく頷くと臓硯おじいちゃんの脇をすり抜けながら2人の後を追い始めました。

 臓硯おじいちゃんは桜ちゃんを追いません。

 漫画的にパワーアップを果たした凛ちゃんを警戒しています。

 

「ひょっひょっひょ。ワシは3回変身することが出来るのじゃ。そして変身する度に強くなるのじゃ」

 

 臓硯おじいちゃんは少年漫画のような設定を持ち出してきました。でも、おじいちゃんは蟲の集合体なので姿を変えるぐらい何でもないのでした。

 

「なら、私はアンタが変身する前に毟り殺すだけよ」

「うぉおおおおおぉっ!?」

 

 凛ちゃんが臓硯おじいちゃんの頭を握って潰しに掛かりました。凛ちゃんには、敵が最強の状態になってから正々堂々と倒すなんていう少年漫画的思考様式はありません。

 できるだけ汗をかかず、危険を最小限にし、バクチをさけ、戦いの駒を一手一手動かす。それが凛ちゃんの考える真の戦闘でした。

 

「さあ、蟲ジジイ。私を雁夜おじさんのお嫁さんと認めなかった過ちをその命で補ってもらうわよ」

 

 凛ちゃんはおじいちゃんをアイアンクローで吊り上げながら恍惚とした笑みを浮かべます。

 みなさんは残虐という言葉がどんな意味であるか知っていますか?

 

「でも、楽には殺してあげないわよ。肺と心臓だけを治癒で再生しながら、爪先からじっくり切り刻んであげるわ。悔やみながら、苦しみながら、絶望しながら死んでいきなさい」

 

 凛ちゃんの指がおじいちゃんの顔にドンドン食い込んでいきます。更に凛ちゃんは臓硯おじいちゃんの頭に必殺のマーボーを垂らしていきます。

 

「後少しで魔力回路を持つ孫の顔が見られたのに……だが無念よ。いや、あと一歩だったのだがなあ」

 

 凛ちゃんが臓硯おじいちゃんに行おうとしていること。

 それを残虐と呼びます。

 

 この日、臓硯おじいちゃんの口から後悔と苦しみと絶望の声が絶えることはありませんでした。

 

 

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 遂に桜ちゃんは1人になってしまいました。

 葵お母さんも凛ちゃんも命を懸けて己の宿敵と対決中です。

 桜ちゃんもまた命を懸けて戦うべき時が迫っています。

 最強の敵、未婚の大人女性。

 今の桜ちゃんにはどうやっても届かないステータスを持っているその女性は名をソラウと言いました。

 ソラウお姉さんとの決戦の時は迫っている。

 桜ちゃんは緊張しながら、遂におじさんとソラウお姉さんにコンタクトを試みたのです。

 

「おじさ〜〜ん♪」

 

 桜ちゃんは自分とおじさんが親密な関係であることをアピールすべく甘い声を出しながら正面から抱きつきます。

 

「あっ、あれっ? 桜ちゃん?」

 

 おじさんはとても驚いた声を出しています。

 でも、桜ちゃんは離れません。恋のライバルにこの男の所有者が誰であるのか見せ付けるてやっているのです。

 

「えっと、雁夜さん……こちらの可愛いお嬢さんはどなた?」

 

 ソラウお姉さんは日本語でおじさんに尋ねました。

 日本語でわざわざ尋ねて来た所にソラウさんは桜ちゃんともコンタクトするつもりがある。幼いながら桜ちゃんはソラウお姉さんの挑戦の意思を感じ取りました。

 

「えっと、この子は桜ちゃんといって俺の姪に当たる女の子です」

 

 おじさんはちょっと照れながら答えました。

 

「……おじさん。その答えは60点」

 

 おじさんの回答には2人の背徳的な関係を示す含みがまったくありませんでした。

 2人の間に背徳的な関係は一切ないのですが。

 

「……せめて、義理の姪であることを強調して血縁のなさを訴えてくれなきゃダメだよ」

 

 桜ちゃんは小さく不満を呟きました。

 おじさんは今までモテたことがないのでそういう機微を察してくれません。

 桜ちゃんは抱きついて顔を埋めたまま溜め息を吐きました。2人が恋人同士、爛れた関係であることを見せ付けようとする作戦は失敗に終わりました。

 でも、まだ勝負は始まったばかりです。

 

「へぇ〜。この可愛い子は雁夜さんの姪っこさんなんですね」

 

 ソラウお姉さんが桜ちゃんに近付いてきました。

 

「……この淫魔、わたしを出汁にしておじさんにポイントを稼ごうとしている」

 

 桜ちゃんは直感しました。

 ソラウお姉さんは子供好き、世話好きな面を見せ付けておじさんにアピールしようとしているのだと。

 桜ちゃんがソラウお姉さんの立場にいれば同じことをするので間違いありません。

 なら、それを踏まえた上で桜ちゃんの打って出る行動はひとつでした。

 

「……いっぱいダメ出ししておじさんに嫌われちゃえ」

 

 ソラウお姉さんに靡かないことでおじさんの好感度を下げようというものです。

 熾烈な女の戦いが、静かに始まりました。

 

「桜ちゃんは今何歳かな?」

 

 ソラウお姉さんが桜ちゃんに年齢を尋ねてきました。腰を屈めて桜ちゃんと同じ目線の高さに合わせてです。

 これは子供に興味がある優しいお姉さんをアピールしているだけではありません。

 目線を合わせる動作を取り入れることで、単に子供が好きなだけでなく扱いにも慣れている実践派であることを示しているのです。

 いつでも子供O.K.というあざといアピール。桜ちゃんはそう捉えました。

 でも、あざといからこそ単純なおじさんには効果抜群な筈。桜ちゃんは危機感を感じながらおじさんを見上げました。

 

「いや〜ソラウさんは子供好きで扱いにも慣れているんですね〜」

 

 案の定、デレデレと締りのない顔をおじさんは見せていました。

 

「……これだから男って単純で嫌」

 

 桜ちゃんは心の中で舌打ちします。でも、予想した通りの反応をおじさんが示している以上桜ちゃんも細心の注意を払わないといけません。

 桜ちゃんは一発逆転の回答を探さなければなりませんでした。そして、臓硯おじいちゃんを見て学んだ頭の回転のさせ方で答えを探し出しました。

 

「おじさんは桜の誕生日がいつで何歳だか知っているよね?」

 

 桜ちゃんはおじさんにトスを放ったのです。

 桜ちゃんの作戦。それは、おじさんが桜ちゃんの全てを把握していることをソラウお姉さんに見せ付けることでした。

 

「えっと、桜ちゃんの誕生日は3月2日で、この間7歳になったんだよね」

「うん。正解♪」

 

 おじさんに笑顔を見せてからソラウお姉さんにドヤ顔を見せます。

 桜ちゃんの顔を見て、ソラウさんは数度まばたきを繰り返しました。どうやら桜ちゃんの態度に何か気が付いたようです。

 でも、ソラウお姉さんは桜ちゃんの戦いの意志に乗って来ませんでした。

 

「雁夜さんは姪っこ想いな優しい方なんですねえ」

 

 ソラウお姉さんは桜ちゃんを飛び越しておじさんに標的を狙い続けます。

 ソラウお姉さんは桜ちゃんを親が再婚して欲しくなくて反対する小さな子供のような位置づけに捉えたようでした。

 

「……この淫魔、手強い」

 

 葵お母さんや凛ちゃんが相手であればこれほどの挑発を行えば完璧に引っ掛かります。流血の惨事は避けられないでしょう。

 でも、ソラウお姉さんは大人の女の余裕を崩さないのです。

 

「……なら、もっと過激なお色気路線でいかないと」

 

 桜ちゃんは禁断の手段を用いることにしました。女を使って攻めることにしたのです。

 

「おじさん、今度また一緒にお風呂入ろう」

 

 桜ちゃんは、自分とおじさんが互いの全てを見知っているアダルトな関係であることをアピールします。

 

「そうだなあ。また一緒にお風呂入ろうか。はっはっはっは」

 

 ところがです。

 ソラウお姉さんとの出会いはおじさんにも大きな変化を引き起こしていました。

 以前、おじさんは桜ちゃんと一緒に入浴しようとするととても焦っていました。でも、今は違います。

 完全に子供に対する態度を取っています。桜ちゃんが女の子であるということが意識されていません。

 

「雁夜さんは子供の世話がお好きなんですね」

「ええ。パパになる練習は普段から積むようにしています。はっはっはっはっは」

 

 あまつさえ、おじさんはソラウお姉さんに自分をアピールしています。

 桜ちゃんは下唇を噛みました。

 でも、必死に戦っている葵お母さんと凛ちゃんの為にもここで引き下がる訳にはいきませんでした。

 

「おじさん……今夜も一緒に寝ていい?」

 

 桜ちゃんは最終手段に打って出ました。自分とおじさんがベッドを共にする関係であることをソラウお姉さんに流したのです。

 

「あの蟲屋敷は確かに不気味だからなあ。良いさ。桜ちゃんの気が済むまでおじさんが一緒に寝てあげるよ」

「雁夜さんはいつでもパパになれますわね」

「いやぁ〜。それほどでも。あっはっはっはっは」

 

 そしておじさんはまた笑い声を奏でたのでした。

 桜ちゃんの最終手段も遂におじさんを奪取するには至らなかったのです。

 

「…………こうなったらもう、おじさんと淫魔をクスクス笑ってゴーゴーするしか……」

 

 桜ちゃんの瞳から急速に光が抜け落ちていきます。

 それと共に桜ちゃんの付近で円状の黒い影が地面に浮かび上がって来ました。

 桜ちゃんは果たしておじさんをソラウお姉さんから取り戻せるのでしょうか?

 

 

 長くなりすぎたので後編に続きます。

 

 

説明
前回、中編をアップせずに後編をアップしたようなので。まあ一応掲載。

Fate/Zero
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http://www.tinami.com/view/331833 あの日見た僕(サーヴァント)の名前を俺達はまだ知らない。
http://www.tinami.com/view/343631 イスカンダル先生とウェイバーくん つぅ
http://www.tinami.com/view/347371 遠坂時臣は“常に余裕をもって優雅たれ”を心掛けている
http://www.tinami.com/view/350208 間桐雁夜は余裕が少ない
http://www.tinami.com/view/353938 間桐雁夜はCOOLが少ない
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コメント
tkさまへ アプリで250円も支払って頑張って書いた英語です。 ヒットマンさんはいずれ士郎と出会うことになると思います。娘を付けねらっている排除すべき敵として(枡久野恭(ますくのきょー))
英語の部分をきっちり書くというのは大変だったと思います。それにしても某ヒットマンは子煩悩一直線か。士郎君と出会う事はなさそうですね。(tk)
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