かつて、欲深き王がいた。王は自身の国だけでは満足できず、世界全てを欲した。王はそのために国中から選りすぐりの錬金術師たちを集め、世界を支配する力を作らせた。

……だが、その力を王が使うことはなかった。

かつて、無欲な青年がいた。彼は万人に慕われていた。彼はある日、錬金術師の実験場で起きた事故に遭遇した。彼は巻き込まれた人たちを助けるために実験場に入った。

そこで彼は生まれたばかりの力の化身たちと出会った。

青年は人々のため、力の化身たちのために力を使い、共に戦った。

王は、さらなる力を錬金術師たちに作らせ青年と対峙した。

……王は暴走した。その結果、国は滅びの運命をたどり多くの人命が失われた。

青年は王と戦い、負けてしまった。王の強大な力の前になすすべなく倒れたのだ。

化身たちも、勝つことはできなかった。そして、青年は……

自身の生命を投げ売り、王を封じ込めた。

しかし、王はその封印に化身たちを巻き込んだ。そして、彼らは眠りにつく寸前に青年の持つものを求めた。

ある者は、青年の持つ雄雄しく猛々しい力を。

ある者は、青年の持つ他を信じる清き心を。

ある者は、青年の持つ子供のような探求心を。

ある者は、青年の持つ海のように深く優しい愛情を。

そして、ある者は………親友を失い、絶望した。

民衆たちは青年を英雄とし、王を暴君とし後の世に残す。

青年の名は、エイジス・ヴァルティード

王の名は、ジェリディス・ロージェンス

そして、この伝説の発端となった力の名は…

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