魔法少女リリカルなのはStrikerS00(仮)−−13 伝えるべきこと−−
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本編五話目。

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−−伝えるべきこと−−

 

互いにジャケットを解いて、見物席である海沿いの道路へ歩いて行く。

「二人ともお疲れさま」

なのはが労いの言葉とともに出迎える。

「まさか、シグナムが剣を弾かれるとはな〜」

「初めて見たかも」

ヴィータとフェイトがそれぞれ感想を述べる。

「惜しかったな〜。シグナム」

「セイエイの((砲撃|・・))に完全に意表を突かれました。動揺した結果、手元が緩みました」

はやての言葉にシグナムが答える。

「あれって、なのはさんのディバイン・バスターなんですか?」

スバルの質問は尤もだ。

光の色と砲撃。

まさしく、なのはの((砲撃魔法|ディバイン・バスター))と言える。

「……似たようなものだな」

「私は教えていないのに……刹那君どうやって」

「((切り札|・・・))を使った」

「「切り札?」」

FW4人が揃えて口にする。

「カートリッジと同じく、自身の魔力を上げるものだと思ってくれ」

「カートリッジと同じくって、刹那さんはカートリッジを組んでいないんですか?」

リインが刹那に質問する。

「ああ」

「カートリッジ以外の魔力上昇って……」

ティアナが考え込みながら口にする。

だが、いくら考えても答えは出てこないようだ。

それは当然だろう。

((TRANS−AM|トランザム))は俺の世界の技術だからな。

「でも、切り札を使った様子は見えなかったよ?」

「1秒だけだし、瓦礫と煙で俺の姿は隠れていたからな」

「1秒だけ?」

「ああ。長く使うとシグナムに気づかれるからな」

あれ以上の威力が出るのを抑えるためというのもあるが。

「そうなんや。でも、シグナムが追撃してきたらどうしたんや?」

「それはないな」

「なんで?」

「ここに居る連中の殆どに言えることだが、シグナムの様なタイプは姿が確認出来ない相手に無闇に仕掛けたりはしない。ましてや、ビルの中となると行動が制限されるからな。辺りを破壊して視界の妨げになるような真似もしたくはないだろう」

「そ、そこまで読んでいたんですか……」

エリオが感嘆の声を上げる。

「ふっ……してやられたな」

口の端を上げて笑みを見せる。

「しかし、俺には手を抜くなと言っておきながら、お前は全力ではなかったな」

「「え?」」

FW4人が驚きの声を上げる。

「気づいたか」

「ああ」

「刹那君やFWのみんなには言ってなかったね。私達にはリミッターがかけられているんだよ」

なのはが思い出したように説明を始める。

「リミッター?」

「うん。隊長陣はデバイスと自身にリミッターがかけられているんだ」

「部隊の総計規模が決まっているので、それに収まるようにリミッターをかけているんですぅ」

フェイトとリインフォースがなのはの言葉を引き継ぐ。

「なのはさんをはじめ前線の隊長副隊長は、はやてちゃんの許可が必要ですぅ」

「私はクロノ提督か騎士カリムの許可が必要やけど、滅多なことでは許可はもらえへん」

「そういう事か」

クロノの六課への誘い。

単純なデバイス許可のためかと思ったが、そういった事情もあったのか。

過剰戦力と思われる六課隊長陣は制限付き。

だから、俺を入れたのか。

「俺にはいいのか?」

「刹那君は管理局員じゃないし、魔導師ランク非保有だから大丈夫だよ」

「そうか」

「せやから、刹那君には期待してるでー」

ポン、とはやてが軽く肩を叩く。

「刹那さん」

「なんだ?」

「刹那さんは左腕にも何か武器があるのですか?」

キャロが質問をした。

「そうだ、私も聞きたかったんだ」

フェイト……というかその場に居る全員がこちらを向く。

「エクシア」

《はい》

左腕だけ装甲が現れる。

左腕をやや上に向けると、手の甲の方の手首から数発の光弾が放たれる。

「あ」

それを見たエリオが短く声を上げる。

「GNソードのライフルモードより威力は落ちるが、速度があり連射がきく」

「これをシグナムに?」

フェイトが左手を注視する。

「ああ」

左腕を下ろして装甲を消す。

「GNバルカンだ。右手首にもある」

「両手に……」

「GNソードがあるから殆ど使わないがな。ともあれ、約束は果たしたぞ」

「ああ。だが、またいずれ……」

「あ、シグナムずるい! 刹那、私も!」

「お前は既に3回も模擬戦をしているではないか。私が先だ」

「ええ〜!?」

「……」

「バトルマニアの相手は大変だな。刹那」

ヴィータが呆れたようにシグナムとフェイトを見る。

FW4人は苦笑いをしていた。

 

「さて、シグナム副隊長と刹那君の模擬戦も終わったし、一旦寮に戻ろうか」

「「はい」」

「私はお出掛けや」

「どこへ?」

はやての行き先の確認を取るなのは。

「聖王教会。騎士カリムと会談や」

「そう」

「私が転送ポートまで車で送るよ」

「ありがとうなー」

「気にしないで」

はやての礼に笑顔で答えるフェイト。

 

FWの4人は、早朝訓練の汗を流すために寮へ戻った。

エリオは早く終わったため、階段に腰掛けフリードと一緒に女性陣を待っていた。

「エリオ」

「あ、刹那さん」

刹那の姿を確認したエリオが勢いよく立ち上がる。

「座ったままで構わない」

「い、いえ」

「なのは達はまだか?」

「はい」

「そうか」

「あの……刹那さんはどうしてここに?」

「なのはに言われてな。お前達に新しいデバイスを渡すそうだな?」

「はい。僕とキャロは同じデバイスですけど、スバルさんとティアさんは新しいデバイスだそうです」

「お前とキャロはそのままなのか?」

「はい。でも、シャーリーさんに預けましたから、何かあるかもしれません」

「エリオ、お待たせ〜。って、刹那さん!」

刹那さんと話をしていたら、スバルさんの姿が見えて、こちらに手を振って向かってきた。

でも、刹那さんの姿を確認して急に背筋を伸ばす。

「俺と話をするのにわざわざ姿勢を正す必要はないぞ」

「い、いえ!」

刹那さんはああ言っているけど……なんとなく改まっちゃうんですよね。

わかります。スバルさん。

「皆、揃ってるね」

「なのはさん」

キャロがなのはさんの傍に歩いていく。

僕達もそれに倣って、なのはさんの方に歩いていく。

「それじゃあ、デバイスルームに行こうか」

「「はい」」

 

デバイスルームに入ると中はやや薄暗かった。

本局でエクシアを修理した時もそうだったが、どこもこんな感じなのだろうか?

部屋にはリインフォースとシャリオが居た。

「これがスバルとティアナの新デバイスだよ」

青いクリスタルのネックレスと白いカード。

「マッハキャリバーとクロスミラージュだよ」

「これが……」

「私達の新しいデバイス」

スバルとティアナが恐る恐る手に取る。

「僕達のは変化はなさそうですね」

「そうでもないよ」

エリオの言葉を否定するシャリオ。

「エリオとキャロには慣れてもらうために、今までは最低限の能力しか設定してなかったの」

「え!?」

「あれで、最低限だったんですか!?」

エリオとキャロが驚愕の声を上げる。

「今後も皆の成長に合わせて、徐々に解除していくですよ」

リインフォースが補足する。

まぁ、いきなり使いこなすのは無理があるか。

「大事に……でも思いっきり使ってあげてね」

なのはがFW4人にゆっくりと、言葉を紡ぐ。

その言葉を聞いたFW4人は、自分のデバイスを見つめる。

「刹那君から何か言うことはある?」

「何故、俺に意見を求める」

「ん〜。何となく……」

笑顔を向けるなのは。

FW4人の方を見ると、真剣な顔をして俺の言葉を待っていた。

「……なのはも言ったことだが、大事にしてやれ。それは、お前達の半身だ」

「私達の……半身?」

「お前達が何かを成すために必要不可欠な((存在|もの))だ」

《……マスター》

何か思うところがあるのか、エクシアが静かに呟いた。

「刹那君にとって、エクシアは自分の半身ってこと?」

「当然だ」

なのはの言葉に即答する。

ガンダムエクシア。

戦争根絶を体現する((機体|もの))。

歪みを断ち切る((剣|もの))。

俺にとって、無くてはならい((存在|もの))。

それは、どこへ行こうと変わらない。

「お前達が何を求め、何を成し得たいのかは俺にはわからない。だが、そのデバイスは必ず必要になる。だから、なのはの言ったとおり、大事に……そして、力の限り存分にふるってやれ」

 

「部隊の方はどう? 順調?」

「おかげさまで順調や、カリム」

聖王教会、騎士カリム・グラシア。

はやてにとっては姉の様な存在であり、機動六課設立の協力者にして後見人でもある。

時空管理局とは別に次元世界を見守り、((古代遺失物|ロストロギア))の保守・管理を行っている聖王教会。

別といっても対立しているわけではなく、むしろ協力体制を取っている。

カリムが機動六課の後見人という立場にあるということが、はやてと個人的な繋がりがあるということを抜きにしても、教会と管理局が組織として良好な関係を築いている証拠でもある。

「それにしても、急にどうしたん?」

「会って話がしたかったのよ」

そう言うと、カリムはカーテンを閉めて、薄暗くなった部屋にいくつかのデータを出す。

「これ……ガジェット?」

カプセル型のガジェットドローンと同じ様な配色のものが二つ。

一つは、航空機の様な形をしたもの。

もう一つは、丸い形をしたもの。

しかも、かなり大きい。

比較として出ている成人の身長をゆうに超える。

そして、

「レリック?」

「おそらくね」

急遽入ったカリムからの話とは、これのことやったんや。

「どう判断するか。どう対処するか。正直、迷ってるのよ」

思い詰めたようなカリムの横顔を見て、はやては空間パネルを叩いてカーテンを開ける。

「はやて?」

「大丈夫やよ。カリムのおかげで、部隊はちゃんと動かせる。隊長副隊長はもちろん、新人4人も訓練を重ねて、実戦に出せる状態や」

「はやて」

「それに、((切り札|・・・))も((居|お))ることやしね」

「切り札……」

カリムが再びデータを出す。

「刹那・F・セイエイさんのことね?」

「うん」

「第97番管理外世界【地球】出身。【ジュエルシード事件】及び【闇の書事件】を解決に導いた功労者の一人。局内でも非公式扱いの【闇の欠片事件】と【砕け得ぬ闇事件】でも協力……と」

カリムが刹那君のデータを読み上げる。

本来、刹那君に関することはあまり公開したくはないところだけど、六課の後見人であるカリムに伝えないわけにはいかない。

「私は詳しくは知らないけど、かなり凄い人なんですって?」

データから視線を外して、私に笑顔を見せる。

「凄いどころの話じゃあらへんよ。戦闘能力やったら、おそらく六課で敵う人はおらへんと思うよ。下手をすると、管理局にも聖王教会にもおらへんかも」

「そこまで?」

「今朝、シグナムと模擬戦したんやけど、シグナムが剣を弾き飛ばされたんや」

「あのシグナムが?」

「うん。いくらリミッターがかけられているとはいっても、シグナムから剣を弾き飛ばすなんて芸当、なかなかできへんよ?」

「……そうね」

「魔導師試験にも同行してもらったんやけど、試験内容を聞いただけで、試験の目的も言い当てたし、受験者を正当に評価する目もある。管理局に誘いたいところや」

「そこまで言うなら誘えばいいじゃない」

「できへんのや」

出来たら苦労はしない。

刹那君が管理局員になったらみんな喜ぶし、色々力になってくれそうやから頼もしい限りや。

でも、それは出来ないこと。

「どうして?」

悲しそうな表情を浮かべ、俯くはやてにカリムが尋ねる。

「はやてと同じ地球出身で、魔導師適性もあるんでしょ?」

「同じじゃないんよ」

「え?」

「データ上は地球出身やけど、刹那君は違うんよ」

「どういうこと?」

「平行世界。……私達とは違う地球から来たんや」

「平行世界!?」

「そう。といっても、私も刹那君から詳しくは聞いてないんやけどなー」

紅茶を一口飲んで、喉を潤す。

「刹那君も話したがらないから……多分、何かあるんやろうなー」

「何かって?」

「わからへん。だから、刹那君から話してくれるまで待とうって皆で決めたんや」

「そう」

「ごめんな、カリム」

「はやてが謝ることじゃないわ」

と、空間モニターが開き女性が映し出される。

『お話し中失礼します。騎士カリム』

「シャッハ。どうかしたの?」

『調査部から緊急連絡が入っています』

「直ぐに繋いで」

『はい』

 

「さて、午後の訓練から新デバイスを使ってみようか?」

「「はい!」」

新デバイスの受領を終え、午後の訓練方針が決まった時だった。

「この((警報音|アラート))は……」

警報音ともに赤く明滅するデバイスルーム。

室内に備え付けられているモニターにはやてとグリフィス、フェイトが映し出される。

「はやてちゃん!」

『教会騎士団の調査部がレリックらしき物を見つけた』

「本当!?」

はやてが肯きなのはの言葉に肯定する。

『対象は山岳リニアレールで移動中や』

「移動中!?」

「制御を取られたな」

なのはが驚きの声を上げるが、刹那が冷静に判断する。

『刹那君の言うとおりや。ガジェットによって、リニアレールの制御が奪われとる』

「そんな……」

キャロが沈痛な面持ちで呟くが、はやては状況確認を続ける。

『車内に侵入したガジェットは30体程。未確認やけど、新型も出てくる可能性もある。いきりなり、厳しい実戦になってもうたけど、なのはちゃん行けるか?』

「私は大丈夫」

『フェイトちゃんは?』

『私も大丈夫。少し遅れるかもしれないけど、直ぐに合流するよ』

『スバル、ティアナ、エリオ、キャロ。みんなはどうや?』

はやての言葉に4人は肯きあって、

「「大丈夫です」」

『いいお返事や』

4人の言葉に満足したのか、やや表情を崩すはやて。

『刹那君』

「なんだ?」

と、再び真剣な表情に変わり、遠慮がちに刹那に問いかける。

『お願いしてもええ?』

「そのために六課へ誘ったのだろう? ならば遠慮するな」

『おおきに。……現地まではヴァイス君がヘリで皆を運んでくれる』

「うん!」

『グリフィス君。私が戻るまで、指揮の方をお願いな』

「お任せください」

『機動六課((FW|フォワード))部隊出動!』

「「はい!」」

 

六課のヘリポートまで走って行くと、既に離陸準備が整っていた。

「全員乗った?」

なのはの言葉にティアナが視線を走らせFWメンバーを確認する。

「はい!」

普段から他のメンバーに指示を出していることもあって、ティアナの行動は迅速だ。

指揮官タイプだな。

「ヴァイス君、お願い」

「了解!」

機体が上昇し、目的地である山岳地帯へ向かい始める。

なのはとリンフォースは現地での対処について話し合っている。

FWの4人は緊張しているのか、椅子に座って俯いている。

スバルとティアナは、新しいデバイスを握りしめて、ジッと見つめている。

その様子を見て、エクシアが念話で話しかけてくる。

(皆さん緊張していますね)

(当然だ。何しろ初めての実戦だからな。緊張するだろう。スバルとティアナは災害救助という現場に出たことがあっても、命を賭した戦いは初めてだろう)

無論、災害救助も【自らの命と他者の命】を賭けた現場であることは戦場と変わらないが、その意味合いは大きく違う。

これから向かうのは【戦場】。

(相手が機械といえども、こちらの命を奪うために攻撃をして来るんだ。それは、あいつらだって理解している。だからこその緊張感だろう)

エクシアとの念話を終えて、コックピットへ向かう。

「ヴァイス、目的地までどれくらいだ?」

「おう刹那。早けりゃ、あと5分で着くぜ」

「そうか」

「シグナム姐さんから1本取るほどの実力……期待してるぜ」

「シグナムとは知り合いなのか?」

「なのはさん程じゃねぇけどな。部隊の中では付き合いが長い方だと思うぜ」

視線は正面を向けたままだが、明るい口調で答えるヴァイス。

これから戦場へ赴くというのに、やけに落ち着いている。

意外と戦闘経験でもあるのか?

「はやて、聞こえるか?」

後部へ戻り、はやてに通信を試みる。

確認しておかなければならないことがある。

『どうしたん?』

「先程、新型がどうとか言っていたな。もう少し情報をくれ」

『……確認されたのは二つ。一つは航空機タイプ。もう一つは、球体の大型や』

「それが出てくる可能性があるということか」

『そや』

「わかった」

『もうええの?』

「ああ」

『ほな、よろしくな』

はやてとの通信を終えた時だった。

《センサーに反応あり、航空機タイプのガジェットと思われます。数は50》

「シャーリー確認して!」

『は、はい!』

エクシアの報告に、なのはが直ぐに指示を出す。

『エクシアの言うとおり、ガジェット反応あり。航空型です!』

シャーリーの言葉により一層顔が強張るFW4人。

「俺が先行して空のヤツらを叩く。ヴァイス、ハッチを開けてくれ」

「おう!」

ヘリの後部ハッチが開き、風が入り込んでくる。

「私も一緒に行くよ! フェイトちゃんが合流するまで、まだ少し時間がかかる。刹那君一人で50機は無理があるよ」

風で揺れる髪を抑えながら、なのはが共に出ることを提案する。

「しかし、4人は……」

「私がサポートします! 任せてください!」

刹那の言葉にリインフォースが名乗りを挙げる。

「わかった」

「皆、ちょっと出てくるね」

「「は、はい!」」

「そんなに緊張しないで、ピンチの時はちゃんとフォローするから」

「「はい」」

緊張している4人に笑顔を見せるなのは。

その笑顔と言葉にいくらか安堵するスバル達。

だが……。

「怖いか?」

「え?」

緊張した面持ちが抜けないキャロに刹那が言葉をかけた。

「恥じることはない。素直に言ってみろ」

「……怖いです」

俯いて、フリードを抱きしめて答えるキャロ。

「それは、戦いがか?」

「はい……」

「初めての実戦だ。恐怖を感じるのは当然だ」

「……」

「それだけか?」

キャロがハッと顔を上げる。

「お前は自身の力にも恐れている……違うか?」

「わたしは……」

再び俯くキャロ。

刹那とキャロのやりとりを、なのは達は静かに見守っていた。

「……怖いです」

「ならば、大丈夫だ」

「え?」

刹那の言葉にキャロが顔を上げる。

「自分の力に恐怖を感じるのであれば、お前は【破壊者】になったりはしない」

「……」

「今日までの訓練を思い出せ。お前は、どんな力の使い方をしてきた? 全てを破壊することにその力を使ったか?」

刹那の言葉に無言で頭を横に振る。

「お前の力は護るための力だ。破壊者の力ではない」

「護る……力」

「【破壊】は俺に任せておけばいい」

伝えるべきことは伝えた。

あとは、キャロ自身の心の問題。

背を向けてハッチ付近に立つ。

「刹那君の言うとおりだよ」

「なのはさん」

なのはがキャロに歩み寄って、両手で優しく頬を包み込む。

「キャロの力は、誰かを守る暖かくて優しい力」

「……」

「だから、大丈夫。……ね?」

「はい」

なのはがキャロから離れ、横に並び立つ。

「エクシア」

「レイジングハート」

《セット・アップ》

二人がバリアジャケットを纏う。

(エリオ)

(は、はい!)

突然の念話の所為か、エリオから緊張したような声が返ってきた。

(降下の時は、キャロと一緒に降りてやれ。いいな)

(はい!)

「皆、しっかりね」

「リニアの方は頼んだぞ」

なのはと共に振り返って、4人に言葉をかける。

「「はい!」」

先程までとは違う、覇気のある声にいくらか安堵する。

「ガンダムエクシア、刹那・F・セイエイ。目標を駆逐する!」

「スターズ01、高町なのは。行きます!」

視界に映るのは澄んだ青い空に、ガジェットの群れ。

目を細め、標的を見据える。

 

武力介入を開始する!

-3ページ-

読了おつかれさまでした。

ようやく、出撃の話まで来ました。

我ながら……遅い(−−;

再放送のStSはまもなく終了で、来月にはA's劇場公開だというのに、この小説はいつ終わるのだろうか?

そして、相変わらず刹那がらしくないことを言ってる気がする。

それでは、また次回に。

 

追伸

TINAMIさんで活動をさせていただいてから二ヶ月が経ちました。

駄文を読んでくださる方や、支援を押してくださる方のおかげで、

更新が遅いですが何とか頑張れてます。

へぼ作者ですが、今後もよろしくお願いします。

 

ここまで閲覧数(総数ではないです)順位を発表。

1位:刹那・F・セイエイ(710)

2位:初仕事(603)

3位:決意(586)

4位:新しい住まい(551)

5位:集いし者(511)

 

一番初めに投稿した「刹那」の閲覧数が多いのは、わからなくないですが……。

最近投稿した「初仕事」が2位って……。

何故?

他にStSOOの物が多いですが……。

内容を考えると……微妙にふざけた要素が入っているのが好まれている?

いや、でも「決意」は全般的に真面目な話だし。

う〜む。

説明
再び魔法少女の世界へ降り立ったガンダムマイスター刹那・F・セイエイ。はやてが部隊長を務める機動六課がついに活動を開始する。魔法少女リリカルなのはA's00〜とある日常〜(仮)の設定を踏まえたクロスオーバー作品です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。
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コメント
>量産型第一次強化式骸骨さん。はじめまして。誤字報告ありがとうございます。修正いたしました。お恥ずかしい限り(汗)(ケイ)
初めまして、楽しく読ませて頂いております。2p「以外と戦闘経験でもあるのか?」→「意外と戦闘経験でもあるのか?」では?(量産型第一次強化式骸骨)
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