超次元ゲイム ネプテューヌmk2 〜Blue Wind〜(〜awakening evil spirit〜)
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ここはバーチャフォレスト最深部。

 

先程ネプギア達がスライヌを退治したあの草原からもうちょっと先へ進んだところである。

ここは森というよりも湿地帯と言った方が的確かもしれない。

辺り一面の水が張っており、その上に誰かが作ったのだろう複数の人工的な放射状の橋の通路が出来ていた。

水面の至る所からまるで神木の如く大きな木が生えておりその葉が空を茂っていた。

葉の間から差し込む太陽の日差しが美しく優しい青色の光となり、その光が辺り一面を優しい青で染めた。

 

まるで気の遠くなりそうな美しさだった―――。

 

 

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「ハァ……恥ずかしかった……。」

最深部へ来るや否やネプギアが溜息をつく。

その頬は未だに紅潮していた。

あの後ギルドを後にし最深部へ目指そうとしたのは良いものの、プラネテューヌを歩いている時に通行人がこちらをチラチラ見てくるため(あの格好では仕方が無いが)一度プラネタワーに戻り、コンパが三人の破れた服を縫ったのだ。

そしてようやくここまで来ることが出来たのである。

「ここがバーチャフォレスト最深部ですか?」

「ええ。ここに『ゲイムキャラ』が居るらしいわね。多分ここにもモンスターは居るから皆油断しちゃ駄目よ。」

「さっさと行こうぜ!」

一足早くソニックが歩き出す。

それと同時に一同は歩き出した。

 

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「ゲイムキャラさん……何処に居るんでしょう?」

コンパが周りを見回し呟く。

歩き出してから30分程経つが未だに見つからない。

道中スライヌのような雑魚モンスターもチラホラだったがまぁわざわざ文章で表現してもつまらない戦闘だったので省略し(ry)

「なんか凄そうな存在らしいからそこら辺じゃなくってなんか神秘的な場所にでも居るんじゃないかしら?」

あはは……とネプギアが苦笑する。

「め、目の前に広がる光景がすでに神秘的ですけどね……」

「それもそうね……」

「…………」

一同で最も静かだったソニックは何故か橋上から水面を見下ろしていた。

「どうかしたんですか?ソニックさん。」

「………まさか水の中とかそういうパターンじゃないよな……?」

若干ビクビクしがちでソニックは言う。

「水の中は……流石に居ないと思いますよ?」

ふぅ、とソニックは安堵したように息を吐く。

「………?」

ネプギアは首を傾げる。

 

その時だった――――

 

ガンッ!ガンッ!!

 

まるで工事現場のような鈍い音が鳴り響いた。

「「「「!?」」」」

その音に一同が顔を上げる。

 

何か嫌な予感がする―――

 

その思いは皆同じだった。

「皆さん、行きましょう!」

ネプギアが言うと一同は走り出した。

 

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「チッ、なかなか壊れねぇな……」

彼女は舌打ちをする。

手に持っていた鉄パイプで殴りつけてもコイツは壊れなかった。

「な、何してるですか!?」

突如背後から聞こえた声。

彼女はそのまま言葉を続ける。

「ああん?見て分かんねぇのか。壊してんだよ!」

「壊してるって何をですか?」

「『ゲイムキャラ』だよ!」

 

むんずッ!

 

彼女の着ていたパーカーのフードが掴まれる。

「てめ、何しやが―――」

 

ブンッ!

 

そしてそのまま彼女の体が吹っ飛ぶ。

「なッ!?」

 

トッ

 

一瞬彼女は狼狽したがすぐに我に帰り体勢を整えて着地する。

着地する否や彼女は顔を上げる。

「て、てめぇ……!」

どうやら自分を放り投げたのは腕を上げている青い姿のあいつ。

しかもその姿には見覚えがあった。

「久しぶりだな、リンダ。」

青い姿の奴が構えながら言う。

 

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「てめぇら……あん時邪魔してきた奴らか。」

「アイエフさん、ソニックさん。あの人は誰ですか?」

「私も知らないですぅ……」

ネプギアとコンパの問いにアイエフとソニックが答える。

 

「犯罪組織の構成員。下っ端だ。(よ。)」」

 

「だ〜か〜ら〜ッ!俺は下っ端じゃねえっつってんだろうが!!」

かんかんになりながらリンダは地団駄を踏む。

「下っ端……さんですか。」

「てめぇもその名で呼ぶんじゃねえぇェッ!!」

「アンタに『ゲイムキャラ』は壊させないわ。今なら見逃してあげるわ。さっさと消えなさい。」

「消える?ハッ!それはてめぇらじゃねぇのか?丁度いい。あん時のリベンジさせてもらおうじゃねぇか!!」

リンダは叫ぶと鉄パイプを構える。

「ネプギア!」

「はい?」

「お前の力を見せてやれよ!」

「私の……力?」

ソニックは親指を立てる。

「あの時……ギョウカイ墓場で俺を助けてくれた時みたいに女神化してあいつを倒すんだ!」

「女神……化……」

彼女の表情が一変した。

その言葉にネプギアは悪寒に襲われる。

 

 

――ヘタッ

 

 

そして膝をつき自分の胸を押さえ震えだした。

「お、おい!」

ソニックが歩み寄りひざまずくとそっとその背に手を乗せる。

「女神化……嫌……怖い……!!」

女神化―――その言葉を聞くとあの光景が脳裏に浮かぶ。

 

―――目の前で倒れた姉、その仲間達

 

―――そして、自分に歩み寄ってくるあの赤髪の女性

 

思い出すだけで寒気がした。

いや、最早寒気というレベルではなかった。

「うぅぅ……!!」

ネプギアの様子は尋常ではなかった。

「こりゃマズイな……アイエフ、コンパ!お前達はあいつを頼む!」

「分かったわ!」

「はいですぅ!」

 

バッ!

 

ソニックはネプギアを抱き抱え跳躍しその場を離れた。

「さてと、行くわよコンパ!」

カタールを構えたアイエフに大きな注射器を構えたコンパが答える。

「行きますです!」

 

バッ!

 

先に先手を取ったのはリンダ。

こちらに向かって疾走してきた。

「オラアァァァッ!!」

 

ガキッ!!

 

そして渾身の力を込めて鉄パイプを振り下ろす。

それをアイエフのカタールが受け止める。

「ハッ!」

 

バッ!

 

アイエフはもう片方のカタールでリンダに攻撃を試みた。

「喰らうかッ!」

 

バッ!

 

リンダは跳躍しカタールをかわすと上空で鉄パイプを振り上げる。

「あいちゃんッ!」

 

ドドドドドドッ!!!

 

叫んだコンパの注射器からマシンガンの如く弾丸の様な凝固したピンク色の液体が放たれる。

 

「なッ、ぐぁッ!」

その弾は見事リンダにヒットし吹っ飛ばされる。

 

ズザザザザザザァァァッ!

 

なんとか体勢を整えアイエフとコンパを睨みつける。

「―――上等だ!やってやろうじゃねえかッ!!」

 

バッ!

 

ババババババババババッ!!

 

リンダが鉄パイプを一振りすると鉄パイプが電流を纏った。

「……前とは一味違うって事ね。」

「そういうこった。行くぜ!」

 

バッ!

 

リンダが再び跳躍する。

「まずはてめぇだ!」

そう叫ぶとリンダは鉄パイプを再び振り上げコンパめがけて急降下した。

「え〜い!です!!」

 

ドドドドドドッ!!!

 

コンパは上空のリンダめがけて再び注射器を向けて弾を放つ。

 

ヒュンッ!!ヒュンッ!!

 

しかしリンダは空中だと言うのに軽やかに動き回り弾を避ける。

「へッ!そんなもんあたんねぇよ!!覚悟しやがれ!!」

コンパに肉薄したリンダは鉄パイプを勢いよく振り下ろす。

「キャァッ!?」

思わずコンパは叫び目を閉じる。

 

バリバリバリバリッ!!

 

しかし、なんとも無い。

疑問に感じたコンパは目を開ける。

「く、くく……ッ!!」

アイエフが二本のカタールでリンダの鉄パイプを受け止めていたのだ。

「ほぉ……?」

「く……!コンパには手出しさせないわッ!!」

歯を食い縛り叫ぶ。

手が痺れて痛い。

ホントは放してしまいたい。

けど、コンパを―――大事な親友を傷つけたくなかった。

「へッ!いつまで持つかなぁッ!?」

 

ババババババババッ!!

 

激しく電流が飛び散りその一部がアイエフの服に触れる。

「キャアァッ!!!」

その苦痛に思わずアイエフは叫ぶ。

「あいちゃんッ!!」

コンパの叫びにアイエフはカッと目を見開いた。

「ハァッ!!」

 

バッ!

 

そして強引にリンダの体を投げ飛ばした。

 

ズザザザザザザザァァァァッ!!!

 

リンダは少し離れたところで着地した。

その口の端が少し上がっていた。

「あいちゃん、大丈夫ですか!?」

「ええ……なんとか平気よ。」

そう答えるもののダメージが大きかったらしくアイエフは片腕を押さえていた。

 

―――強い!

 

リンダはとてつもなく強かった。

とても構成員とは思えなかった。

しかし負けるわけにはいかない。

「―――コンパ、久しぶりにあの技をやるわよ。」

「あの技……ですか?」

「前にねぷ子と遊んだ時に偶然あみ出したあの技よ。」

「……分かりましたです。」

「あいつに私達のコンビネーションを見せてあげましょう。」

 

ザッ―――

 

アイエフとコンパは再び構える。

「さあどうしたどうした!?もう終わりか?」

リンダは高笑いをあげる。

「行きますよあいちゃん……。」

「えぇ……よーい……」

 

「「ドンッ!!!」」

 

シュンッ!!

 

「!?」

二人がそう叫ぶとアイエフの姿が消える。

「いっくでーす!!!」

 

ドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!

 

そしてコンパが再びリンダめがけて弾を発射する。

 

バッ!

 

しかしリンダは跳躍し弾丸をかわす。

「そんなもん何度やっても無駄だぜ!!」

そう叫ぶとリンダは再びコンパめがけて急降下を試みた。

 

バッ!

 

「HITですッ!!」

しかしコンパは突如何かの合図をするかのようにその腕をリンダにむけて振る。

「!?」

その合図と同時に周囲に気配を感じる。

 

ザザザザザザザザザザザザザザザンッ!!!!!

 

「ぐあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!!!!?」

そして目にも見えぬスピードで移動しながらアイエフがリンダを切りつける。

「今ですッ!」

 

ドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!!

 

コンパは身動きが取れないリンダに注射器を向けて弾を発射した。

「ああああああああああああッ!!!!!」

さらに弾を喰らったリンダは叫ぶ。

 

バッ!!

 

いつの間にかリンダの近くから離れていたアイエフがコンパの隣へ降り立つ。

 

バリバリバリバリバリッ!!

 

リンダの体に電流が奔る。

 

ドガーーーーーーン!!!!

 

そして大爆発を起こした。

アイエフとコンパは顔を見合わせると親指を立てる。

 

ヒュウウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥ―――――

 

ドガ――――ン!!!!!

 

リンダは勢いよく落下した。

「チッ……!どうなって…やがる……!何だあのコンビネーションは……!?」

リンダはよろよろと上体を起こす。

 

スタッ!

 

コンパの隣にネプギアを抱き抱えたソニックが着地する。

「見てたぜ!すんごい技じゃん!」

「えへへ、ありがとうございますですぅ!」

 

チャッ――

 

リンダの顔にカタールが突きつけられる。

「ハァ……ハァ……」

リンダをアイエフが息を切らしつつ見下ろす。

「さぁ、どうするのかしら?まだやる気なの?」

「ち、畜生……!!」

リンダは悔しそうにギリギリと歯軋りをした。

 

ヒュンッ!

 

バチッ!

 

「きゃッ!?」

アイエフのカタールを何かが弾いた。

クルクルとカタールが宙を舞う。

 

ザクッ!

 

「おわッ!?」

そのカタールはソニックの足元に突き刺さった。

 

ババッ!

 

危険を察したアイエフは大きくバックステップし一本だけとなったカタールを構える。

「誰ッ!?」

アイエフは周りを見渡す。

しかし、下っ端と仲間達の姿以外は美しい光景が広がっているだけで怪しい姿は無かった。

 

だが――――

 

 

フッ――

 

「!?」

突如リンダの斜め前に禍々しい姿が現れた。

「なッ……!?」

リンダは驚きを隠せない。

「嘘ッ……!?」

だが、それはリンダだけではない。

アイエフやコンパ、そしてソニックでさえも驚きを隠せなかった。

 

「――――ソニック……?」

 

説明
ソニックはいつものようにエッグマンの計画を阻止しようとしていた。だがそれはエッグマンの罠だったのだ。カオスエメラルドの力で別世界へと飛ばされてしまったソニック。そこはゲイムギョウ界と呼ばれた異世界だった。そしてその世界でネプギアと言う名の少女に出会い―――……ネプギアは姉を助け出すことは出来るのか?ソニックは元の世界へ帰れるのか?これは、ネプテューヌmk2にソニックが居たら――のもしもの物語である。――――
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コメント
>ミヤウエ様(……でいいのかな?) おぉっ!詳しいですねwさぁ……どうでしょう?作者もあのハリネズミの正体が気になります!(笑)コメントありがとうございました!(´∀`*)(こた)
>ツバキ様 アイエフ「コメありがとう」ソニック「ネプギアがあんなんになった時は焦ったぜ……」コンパ「あのソニックさんの偽物……何だかとても強そうですぅ!」ネプギア「……(無言で震える)」ソニック「オレもそいつの正体が気になるぜ!次回もよろしくなッ!」(こた)
>クリケット様 コンパ「コメントありがとうございますですぅ!」アイエフ「低レベルで悪かったわね」ソニック「結局お前もくらいついてるじゃねぇかッ!」ネプギア「………(無言で泣く)」ソニック「お、おいネプギア!?ま、まぁ次回もよろしく頼むぜ!」(こた)
元々カオスコントロールが使える彼がきたか!?それともちょっと捻り加えて闇の帳のあいつか!? それと、蛇足ですが、コメントにbyロージュとかロージュの名前がない限りは私ミヤウエの方がコメントをしておりますゆえ、今後ともよろしくお願いします。(柏中ロージュ&ミヤウエ)
ヴァイス「女神化が怖い、か…」 アリス「ヴァイスさん?」 ヴァイス「分かってる、不用意なネタバレはしない」 フウ「…ソニックの偽物…? いや、あの人(?)の可能性も…」 アリス「もしその予想が当たってたとしても、どうしてこの世界にいるのか、ですよねぇ…」 ヴァイス「…次回が楽しみ」(風音ツバキ)
氷室「低レベルな戦闘だ。」 はい、一々毒づかない! エスター「事実でさ。女神候補生……そうか、怖いのか…(サディストモードON!)」 げっ、こいつがこの表情をするときは…… エスター「ほらほら、目の前で大好きな姉やその仲間が死んでいくぜ? 赤髪の女が女神化したお前の前で鎌を振りかぶって―――ザクッ!(黒笑)」 こいつのドSっぷりには手がつけられん……。(クリケット)
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