IS~音撃の織斑 三の巻:望まぬ異動
[全1ページ]

三の巻:望まぬ異動

 

Side 一夏

 

結果から言おう。俺は負けた。師匠は相変わらず強い。でも今回は師匠の計略を見破れなかった俺の落ち度もある。まさか音撃斬((爆雷土濤|ばくらいどとう))を発動した瞬間に影武者の術を使うとはな・・・・いきなり後ろから音撃管で撃たれるんだからびっくりしたぜ。そして負けてしまった以上従わなければならない。だから俺は現在藍越学園の入学試験会場の入り口に立っている。

 

「さてと・・・・」

 

俺は会場の中に足を踏み入れて歩き回ったが、予想以上に道が入り組んでいた。まるで現代版のコダマの森だな。マジで迷ってしまった。とりあえず道を聞こう。自分の現在地が分からん限り何も出来ない。適当に選んだ扉を開いた先にあったのは、沢山の精密機械が鎮座した薄暗い部屋だった。そして部屋の中心にあったのは・・・・

 

「IS・・・・か?」

 

そう、待機状態のISだった。この世界を狂わせてしまったモノが、俺の目の前にあった。ISの参考書などは暇潰しとばかりに呼んでいた事はある。たまたま師匠の家に置いてあった物を読んだんだ。

 

「何故こんな所にISがあるんだ?」

 

それに触れると、突如俺の頭の中に情報が流れ込んで来た。何だ?何故俺に・・・これの使い方が分かるんだ?!

 

「君!こんな所で何をしているの?!早く・・・・嘘・・・・?!起動している・・・・?!」

 

研究者と思しき女性が現れて驚いていた。そう、ISが、男に動かせない筈の欠陥機が、俺によって起動されたのだ。何が起こったのか訳が分からず、俺はその部屋を飛び出して、師匠の家に着くまで俺は足を止めずに走った。

 

「し、師匠・・・・!!」

 

「イバラキ・・・どうした、何があった?!」

 

side out

 

 

Side 石動鬼

 

たちばなから帰ってゆっくりしていたその時、俺の弟子が息せき切って飛び込んで来た。その目に見たのは、焦燥、恐れだった。

 

「落ち着け。何があった。」

 

「し、師匠・・・・俺に、俺は・・・・ISを起動する事が出来たみたいです・・・・」

 

おいおいおい、何の冗談だ・・・・男がISを動かせただと?

 

「そうか・・・ゆっくりしていろ。遅かれ早かれ、マスコミがお前だと言う事を嗅ぎ付ける。そして恐らく、お前はIS学園に入学する事になる。望む望まざるに拘らず。」

 

「何故ですか?!この世界を腐敗させて、女尊男卑の代名詞になった所に行くなんて・・・・俺は嫌ですよ!!」

 

俺は思わず一夏の胸ぐらを掴んだ。恐らく今の俺の顔は恐ろしい事になっているのだろう。

 

「当たり前だ!!お前だけが嫌だと思うな!!だがな・・・・これは・・・・これはお前の家族を守る唯一の手立てだ。お前は後ろ盾には何も無い。そんなお前がどこかの政府に拉致られてみろ。死ぬまで実験を繰り返されて死して尚脳味噌を弄くり回される。そして、もし偶然鬼の力が何なのか発見されてしまえば、どうなるかお前も分かるだろう。」

 

「猛士の存在も・・・・いずれ露見する・・・・」

 

「お前だけが辛いと思うな。お前は、俺の最高の弟子だ。そんなお前が女ばかりいるIS学園に行くなど、落ち落ち眠っていられない。」

 

「・・・・・分かり・・・・ました。俺、荷造りしてきます。」

 

一夏は俺から離れて静かに部屋に戻った。

 

「済まない。お前にこんな重い十字架を背負わせるなんて。」

 

side out

 

 

 

Side 一夏

 

信じられなかった。俺に・・・・よりによって俺にISが起動出来るだなんて・・・・全く信じられない。それに・・・・恐らくはあいつも((学園|あそこ))にいる。織斑千冬が!!あんな掃き溜めに行く位なら・・・・でも・・・・もし((地獄|そこ))に行く事で、おやっさんも、師匠も、猛士の皆を守る事が出来るなら・・・・構いはしない!!

 

「師匠、皆さん、ありがとうございました。行ってきます。」

 

俺は関東支部皆で撮った写真に礼をし、のろのろと始めていた荷造りのスピードを速めた。こんな所でくじけていちゃあ、男の名折れ、師匠にも面目が立たねえんだよ!!

 

Side out

 

説明
姉に捨てられ、魔化魍と戦う猛士の鬼、石動鬼に拾われた織斑一夏。鬼としての修行を積み、彼は何を見る? ISと響鬼のクロスです
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
7251 6966 5
タグ
仮面ライダー響鬼 インフィニット・ストラトス 

i-pod男さんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com