仮面ライダークロス 第二十八話 来訪のD&E/巨悪、粉砕
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二つ目の部屋を突破したライダー達は、一路、要塞の最深部へ向かう。

どうやら関門はあの二つの部屋だけだったらしく、道中には他のバイオ戦士や凶暴戦士も出現しない。

『どうやらあの程度の戦力で我々を叩き潰すつもりだったらしいな。』

「フッ…舐められたものだ。」

とイーヴィル。しかし、ディロードは逆に警戒を強める。

「油断するな。最後の最後でとんでもない切り札が用意されてる、なんてことも考えられるぞ。」

彼の言うことは、確かに否定できない。相手の戦力があれだけとは限らないからだ。

そうこうしているうちに、三つ目の部屋に到着するライダー達。どうやらここが最深部のようだ。

「ふぇふぇふぇ!まさかここまでたどり着くとはな!」

コーチンの声が響き、暗い部屋がライトアップされる。部屋の中にはコーチンと、囚われたフェイト達が…。

「フェイトさん!なのはさん!はやてさん!」

「光輝!」

「来ちゃダメ!」

「逃げるんや!」

フェイト達はクロス達を逃がそうとする。ディルードはコーチンに言った。

「Dr.コーチン!Dr.ウィローが死んだってのに、今さら何をしようってんだ!?」

「何を言っておる。Dr.ウィローはいまだ健在!見るがいい!」

コーチンは、ウィローを指した。

「おいフィリップ。あれ、人間の脳だよな?」

『ああ。間違いない』

Wの推測から、ディルードは気付いた。

「まさか、脳だけで生きてたってのか!?」

「その通りだ。だがそんなことはどうでもいい」

ウィローは答え、そして言う。

「白宮光輝よ。わしは無限の使徒たるお前の身体がほしい」

「僕の身体を!?」

「Dr.ウィローは、光輝の身体に乗り移ろうとしているの!!」

なのはが説明した。

「まさか、アンリミテッドフォースを手に入れるために!?」

光輝はウィローの目的に気付く。

「そうだ。わしの全次元世界掌握という目的のために、無限の使徒だけが操れるアンリミテッドフォースが必要になる。」

コーチンが続ける。

「お前の低級な脳と、Dr.ウィローの高級な脳を交換するようなもんじゃ!」

「何を馬鹿なことを!!」

「白宮!こんなヤツの言うことを聞く必要はない!!」

猛反発するSHADOW RXとアクセル。クロスの答えは、

「無論です。僕の身体は、僕のものだ!!」

だ。しかし、ウィローは引き下がらない。

「そうはいかん!お前の身体は私のものだ!!」

ウィローがそう言うと、ウィローの脳が収まっている装置を頭部に、巨大なロボットが壁を突き破ってきた。なんとウィローの脳を保管する装置は、それそのものがウィローの肉体として利用できるものだったのだ。

「お前達にこの私が倒せるか!!」

言い放つウィロー。

「あんたこそ、この面子を相手に勝てるつもり!?」

ディガイドはディガイドライバーでウィローを撃つ。しかし、ウィローの装甲にダメージはない。

「なっ!?」

「愚か者が!!」

ウィローはハサミ状の二本のアームの内、一本を振って、ライダー達を攻撃した。ライダー達は薙ぎ払われる。

「お前の肉体を手に入れればこんな醜い身体に用はない。もうすぐ私は最強のそして、最も偉大な、生身のDr.ウィローとして復活するのだ!!」

ウィローは歓喜に震える。そこへ、

「光輝!」

フェイトが駆け寄ってきた。ウィローのボディーが壁を突き破って出現したため、フェイト達を拘束していた装置が破損し、脱出できたのだ。なのはとはやても、シグナムとヴィータのもとに行っている。

クロスは手を付きながらウィローに告げた。

「…お前はアンリミテッドフォースを万能の力だと思っているみたいだが、それは違う。」

「何だと?アンリミテッドフォースは無限の使徒の意思一つで、今ある世界を滅ぼすことも、新たな世界を創造することもできるのだぞ?万能と呼ばずして何と呼ぶ?」

「確かに、アンリミテッドフォースにできないことはない。でも、やってはいけないことはある!」

「やってはいけないことだと?」

クロスは教える。

「死者を復活させることと、相手の存在を否定することだ。」

死者を復活させることとは、読んで字のごとし。では存在の否定とは何か。これもまたそのままの意味である。相手の存在の全てを否定し、世界から抹消すること。

「この二つのうち一つでも破ると、無限の使徒は自分にとって大切なものを、一つ失うことになる。何を失うかは完全にランダムで、大切な人の記憶を失うか、大切な人そのものを失うか…一回で自分の命を失う可能性もある。」

これはクロスが覚醒した時、アンリミテッドフォースそのものに立てさせられた制約だ。ちなみに、クロスが両親を復活させられないのは、この制約が原因である。

「だが、それを差し引いてもアンリミテッドフォースは万能だ。私はお前の身体を手に入れて、その力も手に入れる!」

しかしウィローは、それでもクロスの身体を手に入れようとする。その時、ディロードが立ちはだかった。

「お前にアンリミテッドフォースを手に入れることはできない。」

「お前が私を倒すからか?その程度の力で私を倒すなど…」

「それもある。だが、アンリミテッドフォースは白宮光輝という人間が使ってこそ意味があるんだ。俺にはわかる。お前のような欲望の塊みたいなやつが、こいつの肉体だけ手に入れても、アンリミテッドフォースは絶対に応えてくれない!それは、こいつがその力を使うにふさわしい心の持ち主だからだ!!」

「知った風な口を…お前は何だというのだ!!」

問いかけるウィローに、ディロードは言い放つ。

「最強最悪の仮面ライダーだ!くたばっても覚えてろ!!」

 

〈FINAL KAMEN RIDE・DEROAD!〉

 

ディロードは最強コンプリートフォームに強化変身した。

『欲望の塊、か…』

「なら、その欲望は私が喰らってやろう!!」

 

〈WISE!〉

〈MAGICAL/WISE!〉

〈XCELION!〉

 

イーヴィルもマジカルワイズエクセリオンに強化変身。

「「さぁ、貴様の欲望を差し出せ!!」」

ウィローに向けて言い放つ。

「お前なんかに…この世界は渡さない!!」

 

〈ETERNAL!〉

〈INFINITY!〉

〈CROSS/ETERNAL/IFINITY!〉

〈UNLIMITED!〉

 

「さぁ、暗黒に沈め。」

クロスもクロスアンリミテッドに強化変身した。

『この世界を守るライダーは、クロスだけじゃない。』

「そういうことだ!」

 

〈XTREAM!〉

 

「「さぁ、お前の罪を数えろ!!」」

「俺もいるぞ!」

 

〈TRIAL!〉

 

「振り切るぜ!!」

Wとアクセルも、サイクロンジョーカーエクストリームとアクセルトライアルに強化変身。

 

〈PERFECT JOKER〉

 

「光輝は、俺が守る!!」

ブレイドもジョーカーフォームに強化変身する。

 

〈FINAL KAMEN RIDE・DI-GUIDE!〉

 

「アタシも混ぜなさいよ。」

「俺もだ!RX!ルナライダー!!」

ディガイド、SHADOW RXも、コンプリートフォームとルナライダーに強化変身した。

「どうやら、ここが正念場ってやつらしいな。」

「ああ、奴を生かしておいたら、世界は終わりだ。全力で食い止めるぞ!!」

二つの武器を構えるソウガ。

「よし、行くか!!」

ディルードもディルードライバーの切っ先をウィローに向ける。

「いいだろう。お前達を、このDr.ウィロー復活祭の生け贄にしてくれる!!」

ウィローは両方のアームを振り上げた。

「フェイトさん、下がって!!」

「くっ…私も戦いたいけど…」

「私らのデバイスが…」

フェイトとはやては悔しそうにコーチンを見る。三人のデバイスはコーチンに取り上げられているのだ。

「ふぇふぇふぇ!お前達のデバイスはここじゃ。ほれ、取ってみい!」

三人のデバイスを見せびらかすコーチン。その時、

 

ビュンッ!!

 

「ぬおっ!?」

鎖が伸びてきてコーチンの手からデバイスをはたき落とし、そのデバイスを三人に向けて弾き飛ばして戻っていった。デバイスをキャッチする三人。そこへ、

 

「だらしねぇな、お前ら!」

 

声がかかる。そこには、アームズベルセルクをアサシンモードに変形させたベルセルクがいた。

「木林影斗!!」

「テメエ、何しに来やがった!?」

驚くソウガ。ベルセルクは答える。

「お前らを手助けしにだよ。本当は戦いたかったが、あんな話聞かされたあとじゃ、そういうわけにもいかねぇだろ?」

普段はソウガと戦うためにしか現れないベルセルク。しかし、今回は協力するというのだ。ディロードは言う。

「誰だか知らないが、助かる!」

と。

「おのれ…行け、バイオ戦士達よ!!」

コーチンはバイオ戦士達を呼び出す。どうやら、残ったバイオ戦士は全員ここにいるらしい。

「なのは!」

「主はやて!」

「うん!」

「行くでぇ!」

三人もデバイスを起動させ、激闘を始める。

「はあああああっ!!!」

シュワルベフリーゲンでバイオ戦士を攻撃するヴィータと、アームズベルセルクをライフルモードに変形させて射撃するベルセルク。

「行くよ、フェイトちゃん、はやてちゃん!」

「うん!」

「よっしゃ!」

「ディバインバスター!!!」

「プラズマスマッシャー!!!」

「デアボリックエミッション!!!」

ウィローに向けて同時に砲撃するなのは、フェイト、はやて。

しかし、

「うおおおーっ!!!」

ウィローは何事もないように、砲撃の中を歩いて突き抜けてくる。ダメージも全くない。

「なんて頑丈なやつだ!!」

驚くSHADOW RX。

「食らえい!!」

ウィローは二本のアームから大量の光線を発射して攻撃してきた。

「させるか!!」

ブレイドはバリアを展開して光線を防ぐ。

「まだ終わらんぞ!!」

コーチンは何かのスイッチを取り出し、

「出でよ、アルティメットD!!マスターJ!!」

押した。すると、真上にあったカプセルが開き、アルティメットDとマスターJが降ってきた。

「こいつら…!!」

かつてディロードとイーヴィルを苦戦させた相手である。驚くディロードに、コーチンが説明した。

「お前達が倒したこの二体のデータを採取し、わしらの手で再現したのだ!!」

「チッ…面倒なことを…」

舌打ちするゼロに、コーチンは続ける。

「Dr.ウィローとわしの手にかかればたやすいこと…もはやわし達に不可能は何もない!!無限の使徒の肉体を手に入れることもな!!」

「甘く見るな。今の私達があの時のままだと思ったら大間違いだ!!」

リインフォースが言い、

「「ネクサスブレイブ!!」」

イーヴィルはネクサスブレイブを召喚。

 

〈NEXUS!〉

 

ネクサスメモリを装填し、ネクサスソードを抜いてマスターJを斬りつけた。

「翔太郎!こっちもだ!!」

「ああ!」

「「プリズムビッカー!!」」

 

〈PRISM!〉

 

Wもプリズムソードを抜刀して、アルティメットDを斬る。

「な、何と!!」

「お前の相手は俺だ!!」

コーチンに挑むアクセル。

「ちぃっ!!」

コーチンは手にしていた杖の蓋を開け、内蔵されていた銃口より光線を出すが、アクセルはトライアルのスピードでかわし、コーチンに殴りかかる。

「このっ!!」

実はサイボーグだったコーチンはアクセルの攻撃をかわし、片腕をガトリングに変形させてアクセルを撃った。

しかし、それすらかわされ、ウィローは逆にアクセルのマシンガンスパイクを受ける。そして、

 

〈TRIAL・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「9,6秒。それがお前の絶望までのタイムだ!!」

「ぐああああああああああ!!!ド、Dr…ウィロー…!!!」

コーチンは親愛なる科学者の名を呼びながら爆発した。

 

 

 

〈〈ATTACK RIDE・EXTRA SLASH!〉〉

〈ATTACK RIDE・EXTRA BLAST!〉

 

ディロードとディルードはウィローを斬りつけ、ディガイドはウィローを撃つが、ウィローにダメージはない。

すると、それを見かねたベルセルクが、ベルセルクメモリを抜いて右腰のスロットに装填。軽く叩く。

 

〈BERSERK・MAXIMUM DRIVE!〉

 

右足にエネルギーが収束し、ベルセルクは跳躍。

 

「ベルセルクストライカー!!!」

 

全力の右足蹴りを、ウィローに食らわせた。この攻撃はウィローの脳が収められている装置、つまり頭部のバイザー部分に直撃したのだが、相当頑丈なガラスらしく、ウィローはダメージを受けていない。ベルセルクを払いのけるウィロー。

「なんてやつだ…!!」

呟くSHADOW RXに、バイオ戦士が襲いかかる。

「ムーンライトパンチ!!」

SHADOW RXは必殺の拳でバイオ戦士を粉砕した。

 

 

イーヴィルが手をかざすとメモリが出現し、イーヴィルはネクサスブレイブのスロットにメモリを装填していく。

 

〈MAGICAL/EVIL/ZODIAC/NAIL/HOPPER/WISE・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「「ブレイブショックストライカー!!!」」

「ガアアアアアアッ!!!!」

イーヴィルはメモリの力を収束したネクサスソードでマスターJを斬り裂き、マスターJを倒した。

 

〈CYCLONE/HEAT/LUNA/JOKER・MAXIMUM DRIVE!〉

 

Wもまた、プリズムビッカーにメモリを装填。

「「ビッカーチャージブレイク!!!」」

「オオオアアアアアアアアッ!!!!」

メモリの力を収束したプリズムソードで、アルティメットDを両断した。

 

 

「飛竜一閃!!!」

シグナムはシュランゲフォルムのレヴァンティンでウィローを斬るも、やはりダメージがない。

 

〈ETERNAL・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「エターナルブロウクン!!!」

殴りかかるクロス。

「うおーっ!!!」

対抗してアームの拳を放つウィロー。

 

ドガァァァァンッ!!!

壮絶な轟音が響き渡る。

「おおっ!?」

威力強化したクロスの拳に押し負け、よろめくウィロー。

「今だ!撃てーっ!!」

ダンテが言い、なのは、フェイト、はやて、ヴィータは魔力弾で、ブレイドはサンダーディアーの電撃で、ソウガとディガイドは銃撃で、それぞれウィローに攻撃する。だが、それでもウィローにダメージはない。

「砕谷!あれをやるぞ!!」

「よし。堪えろよ…!!」

イーヴィルの意図を察したディロードは、あるカードを使う。

 

〈FINAL FORM RIDE・E E E EVIL!〉

 

ディロードはイーヴィルのセントラルパーティーションに手を入れ、開いた。これにより、イーヴィルは二人の戦士、イーヴィルマジカルマジカルエクセリオンと、イーヴィルワイズワイズエクセリオンに超絶変形する。

 

〈FINAL ATTACK RIDE・DE DE DE DEROAD!〉

 

「行くぞお前ら!!」

「「ああ!!」」

三人は跳躍し、

 

「「「アブソリュートエクセリオン!!!」」」

 

ウィローに蹴りを食らわせた。

「ぐおおおっ!!!」

ウィローは三人の新必殺技を右のアームで防ぐが、防ぎきれずにアームが崩壊してしまう。

「ぐっ…この程度で…」

「やれーーっ!!!」

別方向を向いて叫ぶディロード。

「何!?」

ウィローが驚いてそちらを見ると、

 

「「「ブレイカァァァァァァァーッ!!!」」」

「駆けよ隼!!!」

「ドレッドバースト!!!」

「ジャックポット!!!」

「月光神浄波!!!」

「ディメンションバースト!!!」

「ディメンションフラッシュ!!!」

「バーニングエリミネート!!!」

「ジョーカーロイヤルストレートフラッシュ!!!」

「「ビッカーファイナリュージョン!!!」」

「インフィニティーブレス!!!」

 

既に必殺技の準備を終えていた者達がいて、一斉にウィローを攻撃した。

「うおおおおおおおおおおーっ!!!!」

ウィローは攻撃を受けて要塞を突き破り、そのまま大気圏外まで飛んでいく。

「やったか!?」

尋ねるヴィータ。クロスは答える。

「いや、まだだ。奴の気配が消えてない!」

 

 

 

 

 

宇宙空間。

クロスが言った通り、ウィローは生きていた。装甲にはそれなりのダメージがあり、バイザーにもひびが入っている。だが、それでも撃破には至っていない。

「うぐぐ…やりおる…」

ウィローは考えた。このまま戦っても、クロスは肉体を明け渡しそうにないと。

「…こうなったら、私の造り出した全エネルギーをぶち込んで、地球もろとも吹っ飛ばしてくれるわーーーっ!!!!」

ウィローはチャージに入った。

 

 

 

 

 

「ならこいつでとどめを刺すぞ。」

ディロードは飛び出してきたカードを使用。

 

〈FINAL FORM RIDE・C C C CROSS!〉

 

「堪えろ。」

と言ってから、クロスの背に触れる。すると、クロスは粒子分解し、様々な色が混じった光になった。これぞまさしく、クロスアンリミテッドフォース。クロスはアンリミテッドフォースそのものになったのだ。

「おいおい!これ大丈夫か!?」

突然の出来事に驚くダンテ。まぁ、友人が粒子分解して光になったら驚くだろう。

「えーと…なんか大丈夫みたいだ。」

しかし、クロスはこんな姿になっても自我があり、言葉も話せた。

 

〈FINAL ATTACK RIDE・DE DE DE DEROAD!〉

 

「行くぞ。」

ディロードは跳躍。

「は、はい!」

クロスもディロードを追いかける。

 

 

 

 

 

「はぁぁぁーーっ!!!」

ウィローは両手両足を広げて、巨大な真紅の光線を放つ。

 

 

 

 

 

クロスアンリミテッドフォースは跳躍したディロードを包み、ディロードを強化。強化されたディロードはそのままウィロー目掛けて飛翔していく。

 

そして、

 

 

ディロードはウィローの光線とぶつかった。

 

 

 

しかし、クロスアンリミテッドフォースの力によって強化されたディロードを止めることはできず、ディロードは光線を貫き、ウィローに直撃する。

ディロードイグニッション。それがこの技の名だ。

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

光に包まれるウィロー。

「白宮…光輝…」

砕け散るバイザー。そして、

 

 

ズドガァァァァァァァァァァンッ!!!!!

 

 

ウィローは大爆発を起こして絶命した。

 

 

 

 

 

ディロードはクロスアンリミテッドフォースに包まれたまま地に降り立ち、同時クロスアンリミテッドフォースはディロードから分離してクロスに戻った。

「光輝!!」

クロスにしがみつくフェイト。

「フェイトさん…」

クロスは、ゆっくりとフェイトの頭をなでた。

「…今回ばかりは例を言わねばなるまい。」

バージルはベルセルクに言う。ベルセルクは、

「いらねぇよ。今回だけだし」

と言って姿を消した。

ディロードはあることに気付く。

「ん?ゼロはどこだ?」

そう、イーヴィルの姿が見当たらないのだ(ちなみに、元に戻っている)。アクセルが答えた。

「会いたい奴が近くにいるとか言っていたが…」

 

 

 

 

 

「Dr.ウィローを倒したか…」

状況を見て呟く鳴滝。

「だが、これでお前を倒す対象から外したわけではないぞクロス!私は必ず、お前を倒す!!」

鳴滝は意気込んだが、

 

「その前に、貴様にはやるべきことがあるぞ。」

 

直後に聞こえた声により、凍りつく。鳴滝が恐る恐る背後を見てみると、そこにはイビルトーチャラーを装備したイーヴィルが…。

「貴様がやるべきこと。それは私の調教を受けることだ」

「ま、待て!話せばわかる!!」

うろたえる鳴滝。リインフォースはゼロに言う。

「ゼロ。」

「何だ?」

「…ほどほどに。」

「任せろ。極上の欲望を食いそびれて、最悪の気分だからな♪」

そして、

「ぎゃあああああああああああああ!!!!!」

鳴滝の絶叫が響き渡った。

 

 

 

 

 

大激戦を制したライダー達。要塞も破壊して、やるべきことを全て終えた彼らに、別れの時が来た。

廻は光輝、翔太郎、フィリップ、照井、一真、ダンテ、バージルを並べて写真を撮る。光輝は廻に尋ねた。

「もう行っちゃうんですか?」

「ああ。旅を続けなくちゃならないからな」

「そうですか…」

光輝は残念そうな顔をする。

「そんな顔をするな。縁があったら、いつかまた会える。」

「…そうですね!」

光輝は笑顔になった。

「じゃあな、白宮光輝。この世界の仮面ライダー!」

「はい!お元気で!」

掘っ立て小屋に入っていく廻。それを見送る光輝。

「またいつか!」

「元気でな!」

信彦、了も入る。最後に流姫が、

「可愛い彼女さんとお幸せにね!」

と、ウインクしてから入り、掘っ立て小屋は世界の架け橋に包まれて消えた。

「…流姫さんまさか…僕とフェイトさんが付き合ってることに気付いて…?」

「/////」

真っ赤になる光輝とフェイト。と、

「ハハハハ!」

ゼロが笑い出した。

「誰でもわかるさ。あれだけのことをすれば、な。」

「「……あ。」」

ゼロに言われて、二人は思い出す。そういえば、フェイトは光輝に抱きつき、光輝はフェイトの頭をなでていた。

「「/////」」

二人して真っ赤になる。すると、その場に世界の架け橋が現れた。ゼロは言う。

「さて、私達も帰るか。」

「ゼロさん達も行っちゃうんですか?」

「ああ、あまり長く家を留守にするわけにもいかないのでな。」

リインフォースが言った。

「なぁ!」

はやてがリインフォースに訊く。

「また会えるんかな!?」

「…ええ、必ず。」

リインフォースは笑顔で返した。

「向こうの私によろしくな!」

「鍛練に励めと言っておいてくれ。」

「向こうの私にも!」

「…お願い。」

口々に言うヴィータ、シグナム、なのは、フェイト。

「…ええ!」

リインフォースは再び、強く笑った。ゼロは無言のまま元の世界に帰ろうとするが、足を止めて振り返る。

「そうそう、白宮。貴様をつけ狙っていた鳴滝という男だが、私が調教して諦めさせたから、もう安心していいぞ♪」

「えっ…調教って…」

光輝は、ゼロがキシーメにしたことを思い出して青くなった。

「戻ってきた時、なんか機嫌がよさそうだったと思ったらそういうことかよ…」

「…拷問狂か…」

思いっきり引くダンテとバージル。

「それは違う。私はただSなだけだ♪」

ゼロはバージルの発言を否定してから、元の世界に帰った。

「…充分問題だと思うけどなぁ…」

呟く一真。

「さらばだ、この世界の仮面ライダー…いや、守護神よ。」

リインフォースも世界の架け橋をくぐり、道は消えた。

「しっかし、わけのわかんねぇ連中だったな…」

「だが、気持ちのいい連中だった。」

「そうだね。結局彼らのことは検索できなかったが、わからないままの方がよかったかもしれない。」

翔太郎と照井、フィリップは、突如として来訪し、また突如として去っていった戦士達に、賞賛の言葉を送る。

「そう言やコウキ。直接お前の両親を生き返らせられないってんなら、過去に戻って二人を助けるって手段もあるんじゃねぇか?お前なら簡単だろ?」

ダンテが訊く。光輝は答えた。

「それだと、現在が無茶苦茶になってしまう。ちょっとしたきっかけでたくさんの未来ができるって話、知ってるだろ?それなのに、本来死ぬはずだった人を二人も助けたら、最悪今が全く違うものになってしまうかも…」

「そうか…そうだよな…」

ダンテは残念そうに呟いた。

と、光輝の脳裏に、ある過去が思い出された。

 

 

 

 

 

それは、父、隼人から聞かされた話。

『なぁ光輝。』

『何、父さん?』

『俺も母さんも、仮面ライダーだってことは知ってるな?』

『…うん。』

『…仮面ライダーに危険は付き物だ。いつか、俺や母さんが戦いに負けて、死ぬ時が来るかもしれない。』

『そんな…そんなの嫌だ!!』

『聞け。それで、もしその時が来ても、俺達を生き返らせようとは考えるな。』

『えっ…』

『人が死ねば、人はその瞬間に過去となる。過去は変えられない。変えてもいけない。全部、未来への大事な道しるべになるからだ。だから、過去を振り返るな。今を大切にしろ』

『…わかった。』

『…いい子だ。』

 

 

 

 

 

あの時、僕には父さんの言っていることの意味がよくわからなかった。でも、今になって考えてみたら、父さんは僕が無限の使徒だってことに、気付いていたのかもしれない…。

 

 

 

 

 

次の世界にたどり着いた廻は、現像した写真を見ていた。

「なかなかいい写真だな。」

その写真を見て感想を言う了。

「でも…」

しかし、信彦は顔を曇らせた。流姫がその理由を述べる。

「この二人は…?」

写真に写っていたのは、並び立つ光輝達の背後に浮かび上がるライダー達の姿。そして、そのさらに背後に浮かび上がる、男性の天使のような仮面を着けたライダーと、女性の天使のような仮面を着けたライダー。

廻は、ゆっくりとそのライダーの名を告げた。

 

 

 

 

 

「仮面ライダー、ファザー、マザー…」

 

 

 

 

 

 

************************************************

はい、これでコラボ長編は終了です。僕程度で廻やゼロの性格がうまく描写できたか非常に心配ですが、コラボして下さったラージさん。本当にありがとうございました!!

というわけで…

 

 

次回、

仮面ライダークロス!!

 

?「婆さんになっちまいな!!」

光輝「…あんまり変わってない?」

?「私は特別な存在なのだ。」

アクセル「俺は仮面ライダー…アクセルだ!!」

 

第二十九話

Oの連鎖/とある家族の愛憎劇

 

これが裁きだ!!

説明
これまでの、
仮面ライダークロス。

拉致されたなのは達を取り戻すため、ウィローの要塞に乗り込んだライダー達。襲い来るバイオ戦士達を蹴散らしながら進むライダー達は、凶暴戦士達をも打ち倒し、いよいよ、最後の部屋に進むのだった。
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