エースコンバット5 とある艦の物語 壊滅
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ユークトバリアの宣戦同時攻撃によるオーシアの損害は決して少なくなかった。特に、ユークとオーシアは海を挟んでいる以上、戦闘の最前線は俺達海軍と空軍。空軍の損害はたいしてなかったものの、海軍の損害は大きく、さらに、宣戦同時攻撃はセントヒューレト軍港以外にも、他の軍港と海上に展開していた艦隊の攻撃を受け、軍港にいたっては出航できずに沈んだ艦は数知れず。だが、幸いなことに、全ての空母は無事だった。そのため、第三艦隊の空母を中心とした艦隊を内海に移動させ、再編成を行うことに決まり、俺達もケストレルと共に再編成を行う場所、イーグリン海峡へ進路をとった。幸いなことに敵の攻撃はなくイーグリン海峡に入ろうとしていた。

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『オルフェウス艦橋(CIC)』

「艦長、あの橋を越えればイーグリン海峡です。」

「スミス、わかった。現進路を維持せよ。」

「了解。」

「ホークス、警戒を弱めてもいいぞ、もうじき敵の攻撃圏外だ。」

「了解です艦長。しかし、あの橋を越えるまでは警戒をそのままにします。」

「わかった。しかし、よくこんなにも集めたな。」

前には先にイーグリン海峡に入った、空母バーザド、ヴァルチャーの艦隊、そして上空には護衛機が空を覆い尽くしていた。その護衛機の中には、先日のセントヒューレット軍港の脱出を支援してくれたウォードック隊の姿もあった。彼らはセントヒューレット軍港の支援してくれたあと、彼らの基地、サンド島が空襲を受けたが、彼らはその敵部隊を見事に撃退したのだ。今じゃウォードック隊が最もこの戦争を戦い抜いた部隊だった。

「は〜〜〜、せっかくの国内の安全な海なのに、この悪天候な天気はいやだな〜〜」

「ホワイトはリッラクスしているな。ホークスとは正反対だな。」

「あっ、すいません。艦長。」

艦橋(CIC)にいる全員が笑ったが、実際、俺自身も国内に入ってから少しリッラクスしている。確かに、この悪天候は残念だったが、海上を移動する俺達の艦隊にしてみれば、空を覆う雲がバリケートの役目を果たす。

「これは、何だ?」

ホークスの顔つきが変わった。

「どうした、ホークス。」

「一瞬だがレーダーに反応があった。」

「レーダーに反応があったのか?」

「わからん、レーダーの故障かもしれん。」

だが、答えはすぐにでた。空母バーザドの右舷を航行していた駆逐艦が突然爆発したのだ。

「右舷に対艦ミサイル命中、さらに対艦ミサイル接近、二発です。」

「くそ、ファラクス、撃ち方始め!」

「ダメです、直撃、来ます、衝げ・・・」

通信は途中で途絶えて、同時に二発の対艦ミサイルが艦橋に直撃し、弾薬庫に引火したのか、大爆発を起こし轟沈した。さっきのレーダーの反応は正しかったんだ。そしてミサイルがきた方向を見ると、垂直に上昇していく敵機、AV-8Bがいた。

「敵襲、敵襲だ。敵はVTOLだ。全軍、敵の動きが止まったところを狙え!」

「ホワイト、あの垂直上昇してる奴をやる、

対空ミサイル発射!」

「りょ、了解、ガレ艦長。対空ミサイル発射します!」

本艦から放たれた対空ミサイルは、AV-8Bの主翼に命中した。

「メーデ、メーデ、キャノピーが飛ばない。うあぁぁぁ・・・・」

混線した通信に、対空ミサイルが命中した、AV-8Bの断末魔が入ってきた。しかし、こいつら一体どこから侵入して来たんだ。このイーグリン海峡は、狭い海峡のため、回避もできない、その上この悪天候。こうなると、敵のほうが有利になる。

「艦長、この海峡では、ほぼ回避は不能です。」

「スミス、わっかている。回避不能だったら迎撃するだけだ。ホワイト、頼むぞ。」

「や、やってみます。」

「ホワイト、自信をもって。君ならやれるはずだ。」

「はい!」

そうしている間にも、敵のAV-8B隊は襲って来る。だが護衛機の援護がよく、なにより艦隊が実戦に慣れてきた為、敵は空母だけではなく、艦隊にも近寄ることもできなかった。だが敵もしつこく襲って来る。敵の攻撃は第8波まで来たものの、損害は最初の攻撃によって轟沈した駆逐艦のみだった。

「よくこんなにも、来るな。いったいどっから飛んで来るんだ?」

「確かにそうだな。彼らの機体では、本土までの飛行は難しいはず。」

「サンダーヘッドから全軍へ。艦隊前方に新たな敵編隊を確認。どうやらこの編隊が本命みたいだ。恐らく長距離からの攻撃が可能の奴らだ。しかもステルス機だ。」

「了解、サンダーヘッド。俺達で迎撃する。」

ウォードック隊は、トライアングルを組んで敵編隊を撃破にいく。彼らの腕なら直に撃破するだろう。だが、ホークスの顔つきがまた変わった。

「やられた、新たな敵編隊を確認。くそ、こいつらもステルス機だ!確認が遅れた、もう近くまで来ている。艦隊の右舷、数3!」

右舷側を映しているモニターを見ると、そこには最新鋭の垂直離着陸戦闘機、F-35の姿があった。こんな物まで投入してくるとは。しかもステルス機のため、艦隊はまだ気づいていない。早く艦隊に知らせなければ。俺は通信用のマイクを持って、叫んだ。

「全艦へ。艦隊右舷に敵機接近中、迎撃!」

この通信を聞いた艦隊は、ようやく敵の存在に気づき、、各艦のファランクスが一斉に火を吹く。既にホバリングして、攻撃態勢を取っていたF-35は、突然の攻撃で対処できず、1機はバランスを崩し、海面に激突し水柱を上がる。もう1機はコクピットに直撃を受け操縦不能になり墜落。3機目は攻撃を回避し再度、攻撃態勢を取ろうとして、ホバリングしているところに、スノー大尉から放たれたミサイルが命中し、空中で爆発し敵奇襲部隊は全滅した。そして同じ頃。ウォードック隊が撃破に向かった、敵長距離攻撃部隊もウォードック隊により、全滅した。敵増援部隊も来る気配もなく、海は元の静けさを取り戻したのだった。

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「弾道ミサイル、接近!」

「なっ!」

艦前方を映しているモニターを見ると、光が急速に迫ってくるのが見えた。その光は海面に落ちる前に上空で数個に分かれさらに大きくなった。まずい、と思い、おれはとっさに叫んだ。

「総員、衝撃に備えろ!」

その刹那、激しい轟音と衝撃波が艦を襲い激しく揺れる、海面は大爆発に包まれた。

「くっ、全員、無事か!」

「なんとか。」

「艦長、空母バーザドの艦隊が!」

弾道ミサイルは、空母ヴァルチャーの艦隊の前にいた空母バザードの艦隊の上空に弾着し、バザードの周辺にいた艦は、すべてが轟沈。バザードは甲板から炎を上げながら海に沈んでいく。

「第二波接近。航空機は5000フィート以上まで上昇せよ。」

航空機は一斉に5000フィートまで上がって行く。

「総員、第二波来るぞ、衝撃に備えろ!」

だが俺達、海軍は回避は出来ない。今出来ることは、弾着時の衝撃波の揺れに備えることしかなかった。

「着弾まで10,9,8,7,6,5,4,3,着弾、今!」

再び、激しい轟音と衝撃波が艦を襲う。艦は激しく揺れ、海面は大爆発に包まれた。どうやら近くに弾着したらしく、艦の揺れは最初の弾着より激しく揺れた。俺もさすがに倒れてしまった。他の乗組員も頭を強打したり、倒れてしまった人もいる。

「各ブロック、被害情況は。」

「こちら機関室。被害はないが、怪我人多数!。」

「こちら第4ブロック。怪我人多数!」

「こちら居住区。こちらにも怪我人多数!」

「ホークス、艦隊の損害は。」

「ヴァルチャーの艦隊が全て轟沈します!」

俺はなんとか立ち上がって、モニターを見て外の情況を確かめた。今度はヴァルチャーの周りの艦が轟沈。ヴァルチャーは弾薬庫に直撃を受け、大爆発を起こし、真中からへし折れて爆沈した。

「こちらケストレル。生き残った者は報告せよ。」

「こちら、オルフェウス。怪我人が多数出たものの、艦は無傷だ。」

「スノー大尉だ。なんとか生き残った。ウォードック隊も生き残ったようだ。」

上空にはスノー大尉とスノー大尉の部下が数機とウォードック隊と他数機の護衛機が残った。この護衛作戦に参加していた空軍はほぼ壊滅。海軍は空母バザードが轟沈。空母ヴァルチャーは爆沈。及び、空母バザード、ヴァルチャーの艦隊が壊滅した。

「こちらケストレル艦長、アンダーセンだ。敵の第3波の攻撃があるかも知れん。いまは弾着点より前に進むしかない。全艦機関最大全速前進。」

俺達の艦と他の艦はケストレルの周りを固めて前に進んで行くのだあった。敵潜水艦は、第三艦隊を八割を沈めて満足したのか。それとも航空兵力を壊滅で満足したのか。その後、第三波はなかった。

「艦隊が沈んでいく。」

「くそ!」

俺は思わず言ってしまった。たった二発の弾道ミサイルに何にもできず、第三艦隊の八割艦が沈んだことが、俺達の屈辱であった 。

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その後の解析で、第三艦隊を攻撃したのは敵潜水艦『シンファクシ』であることが分かった。第三艦隊の生き残りは、ほとんどが哨戒任務となった。俺達もケストレルと共に哨戒任務になった。だが俺達はまだ知らない。この哨戒任務のおかげで戦争の裏側に気づくことになるとは。

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第3話
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戦争 フリゲート艦 エースコンバット5 エースコンバット 

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