孤高の御遣い Brave Fencer北郷伝52
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華琳「・・・・・どう?一刀は寝た?」

 

雫「はい・・・・・お休みになられました」

 

百合「とてもこれから自分自身と戦いに行く人とは思えない寝顔でした・・・・・」

 

時雨「旦那様は・・・・・もう受け入れているんです・・・・・ご自分の死を」

 

小蓮「っ!!??そんなの駄目だよ!!!」

 

純夏「そうよ!!何で一刀が死ななきゃならないの!!??」

 

泰山への道のりの途中、一同は一泊するために許昌の都に寄っていた

 

一刀を寝かしつけた後、一同は玉座の間にてこれからのことについて話し合う

 

葵「一刀だけに戦わせるわけにはいかないな」

 

翠「当たり前だ!ご主人様だけが傷付くなんてことあたしは認めないからな!」

 

蒲公英「でも、ご主人様は絶対に許さないと思うよ」

 

雪蓮「もちろん言うはずがないわ!」

 

嵐「そうだ、わたし達も加勢すると言ったところで、あの大馬鹿者は跳ね除けるに決まっている」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

音々音「恋殿ぉ、大丈夫ですかぁ?・・・・・」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

葵「恋・・・・・お前の気持も分かる、また一刀と戦うなんてお前にとってはこれ以上ない苦痛だろう」

 

恋「・・・・・・・・・・」

 

葵「だがな、恋・・・・・このままいけば、俺達は一刀を永遠に失っちまうことになる、それでもいいのか?」

 

恋「っ!!!??(フルフルフルフル!!)そんなの嫌!!」

 

葵「なら、戦えるな」

 

恋「・・・・・・・・・・・・(コク)・・・・・恋、戦う」

 

葵「よし、これで戦力は揃った・・・・・正直俺一人じゃあの一刀に勝つには足りないと思っているからな」

 

春蘭「葵殿でもあの一刀に勝てないというのか!?」

 

葵「一刀が言っていたように、あいつの実力は総合的に見れば一刀以上だ・・・・・以前の涼州での試合のようにはいかないさ」

 

春蘭「・・・・・・・・・」

 

葵「しかし、一番違う点は、あいつは一刀以外殺す気はないということだ」

 

明命「なるほど、そこに付け入れば・・・・・」

 

思春「勝つ目が見える・・・・・か・・・・・」

 

焔耶「卑怯だな・・・・・」

 

祭「武人としてはいささか気が引けるのう・・・・・」

 

沙和「でも、この際贅沢は言っていられないと思うの〜」

 

真桜「せや!そないな意地捨てんと!隊長が死んでからじゃ全てが手遅れなんやで!」

 

焔耶「わ、分かっている・・・・・」

 

祭「う、うむ・・・・・」

 

朱里「では、まずは相手のことを知らなければなりません」

 

雛里「でも、ご主人様を起こすわけにもいきませんし・・・・・」

 

星「この中で北郷流に一番精通しているのは・・・・・凪だな」

 

凪「・・・・・・・・・・」

 

桔梗「凪よ、北郷流の決定的な弱点を知ってはいないか?」

 

凪「・・・・・わたくしも、北郷流のことを1から10まで知っているわけではありません・・・・・しかし、一番注意しなければならないのは、縮地法闇歩ですね」

 

秋蘭「ああ、わたし達も何度も見ているが、未だにあの歩法の原理がわからん」

 

星「ああ、あの歩法だけはどう足掻いても破ることが出来ない」

 

悠「正直あれを使われたらどうしようもないぞ」

 

凪「いいえ、闇歩は皆さんが思っているほどやっかいな歩法というわけでもないんです」

 

斗詩「どういうことなんですか?」

 

凪「あの歩法は、気配を探る能力に長けた相手であるほど効果を発揮するんです」

 

猪々子「つまり?」

 

凪「はい・・・・・達人であればある程惑わされるんです」

 

星「達人であればある程・・・・・」

 

思春「惑わされる・・・・・か・・・・・」

 

葵「そうか、だから最初に見た時俺は後れを取ったんだな」

 

凪「そうです・・・・・実際、武術の素人である百合さんや時雨さんや村長さんは隊長と葵様が試合をなさった時、隊長を見失わなかったでしょう」

 

百合「はい〜、わたくしはあの時一刀君は葵様から普通に距離を取っているようにしか見えませんでしたよ〜」

 

時雨「わたくしもあの時は、皆さんが何を言っているのか分かりませんでした」

 

村長「ワシも、一刀殿は普通に移動しているようにしか見えませんでした」

 

徐栄「はい、わたくしもちらちらと見えていました」

 

張済「自分も」

 

凪「ようするに、相手の動きを体で感じようとするから術中に嵌ってしまうんです、自分の目でしっかりと見ればあの歩法は防ぐことは出来ます」

 

焔耶「そうか・・・・・達人の癖を逆手に取った歩法だったのか」

 

星「ああ、我々は武の頂を目指すあまり、相手の動きを体で感じ取ることに意識を向け過ぎているからな」

 

翠「つまり、初心に帰れということだな」

 

彩「そうと分かれば怖くないな♪」

 

凪「もう一つ気をつけなければならないのは、縮地法の混同技です」

 

柊「なんですか?それは」

 

雛罌粟「僕達も凪先輩やご主人様から縮地法のことはいろいろ教わっていますが・・・・・初めて聞きます」

 

凪「当たり前だ、なんせ縮地法の混同技は隊長でもまだ出来ないんだから」

 

柊「ええ!!?」

 

雛罌粟「ご主人様でも出来ないんですか!!?」

 

凪「ああ・・・・・しかし、あの裏の隊長は使えます」

 

季衣「ええ!!?」

 

流琉「裏の兄様は使えるんですか!!?」

 

凪「ええ・・・・・実際、皆さんと戦っている時でもあの人は当たり前のように使っていました・・・・・隊長は言っていました・・・・・縮地法の混同技は、12の歩法を組み合わせていけば無限に広がっていくと」

 

葵「・・・・・つまり、普段試合をしている一刀とは勝手が違うということだな」

 

凪「はい、我々にとっては完全に未知の相手です」

 

葵「それが分かっただけでも大収穫だ・・・・・後は・・・・・」

 

冥琳「ええ、具体的な策を練らねばならなりません」

 

雛里「しかし、ご主人様が一人で相手にすると言い張っていましたので、兵士さんは一人も連れていけません」

 

風「あの裏のお兄さんに物量が通じるとも思えませんけど〜」

 

稟「ええ、最悪三国の兵士達を全て犠牲にする覚悟が必要でしょう」

 

桂花「そんなの問題外よ!!」

 

穏「あくまで、ここに居る将だけでやらねばならないということですね〜・・・・・」

 

思春「ならば、ここは奇襲を掛けましょう」

 

明命「はい、わたし達の出番です」

 

凪「・・・・・止めておいた方がいいです」

 

思春「?・・・・・どういうことだ?」

 

凪「あの人には、隊長と同じで不意打ちの類は一切通用しないでしょう」

 

桔梗「それはそうであろう、相手は別人とはいえお館様には違い無いのだからな・・・・・」

 

凪「戦力を分散する戦法を取れば、各個撃破は必至です」

 

葵「ということは、あくまで正面からやるしかないということだな」

 

凪「・・・・・はい」

 

華陀「なら、俺と柊と雛罌粟は医療を担当しよう、死なない限りどんな怪我でも治して見せるぜ!」

 

柊「はい!皆さん!お任せ下さい!」

 

雛罌粟「僕達がついていますよ!ゴォーーーッドヴェイドーーーーー!!!」

 

葵「ああ、お前達が居ればこっちは無限に兵がいるのと同じだ・・・・・なら、俺と恋が前衛を務める、凪と嵐がその次、他はその後に続くこと・・・・・いいな」

 

雫「はい!わたくしも微力ながら加勢します!葵様!」

 

そう言いながら、雫は自らの腰のずんぐりした剣の鞘を握りこんだ

 

朱里「はわわ!!?まさか雫ちゃん!!?」

 

雛里「あわわ!?」

 

亜莎「え!?雫さんって、武芸の心得があったんですか!?」

 

穏「そんな重そうな剣、雫さんが振るえるんですか〜?」

 

朱里「はい!雫ちゃんはもともと撃剣の使い手で、水鏡塾でもよく稽古をしていました!」

 

霞「おいおい!初耳やで!」

 

菖蒲「わたしも長年雫さんと行動を共にしてきましたが、剣を振るっているところなんて見たことがありません」

 

嵐「わたしもだ」

 

雛里「ある時を境に剣の道を捨てて学問に専念するようになったはずですが・・・・・」

 

雫「大丈夫です、一刀様と共に天角に赴いた時から密かに修練を積んでいましたから」

 

葵「・・・・・まぁ、自分の身を守る術があるだけましか・・・・・それと・・・・・」

 

桃香「・・・・・・・・・・」

 

愛紗「・・・・・・・・・・」

 

鈴々「・・・・・・・・・・」

 

蓮華「・・・・・・・・・・」

 

葵「・・・・・桃香、愛紗、鈴々、蓮華・・・・・いつまで項垂れているつもりだ?」

 

会議をしている一同の外に表情を暗くし俯いている4人が居た

 

桃香「・・・・・みんな・・・・・凄いね・・・・・」

 

葵「・・・・・なに?」

 

桃香「あんなこと聞いた後なのに・・・・・もう行動しようとしている・・・・・」

 

愛紗「わたしも・・・・・皆さんの芯の強さが・・・・・羨ましいです・・・・・」

 

鈴々「鈴々も・・・・・もうどうしたらいいのか・・・・・分からないのだ・・・・・」

 

季衣「おいちびっ子!何言ってるんだよ!!?」

 

流琉「そうです!!鈴々さんらしくないです!!」

 

鈴々「・・・・・・・・・・」

 

小蓮「・・・・・お姉ちゃん、大丈夫?」

 

思春「蓮華様、いかがいたしました?」

 

蓮華「・・・・・ねぇ思春、小蓮・・・・・わたしは・・・・・どうしたらいいの?・・・・・」

 

思春「蓮華様・・・・・」

 

小蓮「お姉ちゃん・・・・・」

 

蓮華「わたしは今まで・・・・・お母様の夢を叶えようと・・・・・孫呉の誇りを守ろうと戦ってきたつもりだった・・・・・」

 

思春「・・・・・・・・・・」

 

蓮華「でも・・・・・その結果わたしが作り上げたのは・・・・・果ての見えない地獄でしかなかった・・・・・」

 

小蓮「・・・・・・・・・・」

 

蓮華「わたしは・・・・・自分が何のために戦ってきたのか・・・・・分からなくなってしまったわ・・・・・」

 

桃香「わたしも、わたしが蜀なんて国を創っていなきゃ・・・・・乱世は400年も続かなかったんじゃないかな・・・・・」

 

愛紗「わたし達がこれからご主人様を助けることでさえ・・・・・これから先、ご主人様の仰っていた400年に渡る戦乱に繋がってしまうんじゃないかと思うと・・・・・体に力が入りません・・・・・」

 

鈴々「鈴々達が何をしても・・・・・意味がないように・・・・・思えてくるのだ・・・・・」

 

葵「劉備玄徳!!!!孫権仲謀!!!!関羽雲長!!!!張飛益徳!!!!」

 

桃香&蓮華&愛紗&鈴々「「「「!!!!!?????」」」」

 

葵「なんて情け無い奴らだ!!!人の言うことにいちいち左右されやがって!!!それでも三国の王、および将なのか!!!?恥を知れ!!!」

 

桃香「・・・・・でも・・・・・わたし達のせいで・・・・・」

 

蓮華「・・・・・はい・・・・・乱世が400年も・・・・・」

 

葵「だから情け無いと言っているんだ!!!よ〜〜〜〜く思い出してみろ!!!あの裏の一刀の言っていたことを!!!」

 

愛紗「・・・・・どういう・・・・・意味なんでしょう?・・・・・」

 

鈴々「・・・・・裏のお兄ちゃんの・・・・・言ってたこと?・・・・・」

 

葵「あいつは何て言っていた!!!?乱世が400年続いたのはあくまであいつと一刀の知っている歴史の話だ!!!」

 

桃香「・・・・・それって・・・・・どういうこと?」

 

葵「あいつらの知っている歴史と俺達が暮らしているこの大陸は、違うところが多すぎると言っているんだ!!!」

 

風「そうですね〜、風達が男の子でしたらそうなってもおかしくないでしょうけど、風達は見ての通り女の子ですからね〜」

 

稟「そうですとも桃香殿!!蓮華殿!!この大陸が一刀殿達の知っている歴史と同じ末路を辿ったとは言い切れないのです!!」

 

桃香「・・・・・そう・・・・・なのかなぁ・・・・・」

 

蓮華「・・・・・・・・・・」

 

葵「だ〜〜〜〜〜!!!!ウダウダ考えてもしょうがないだろう!!!それともお前達はこのまま一刀が殺されるの何もせず指を咥えて見ているって言うのか!!!?」

 

桃香「それは・・・・・嫌だけど・・・・・」

 

愛紗「・・・・・わたしも、ご主人様が殺されるのを黙ってみているなんてこと・・・・・できません・・・・・」

 

葵「ならやることは決まっているはずだよな!!!」

 

蓮華「・・・・・はい」

 

鈴々「分かったのだ・・・・・」

 

葵「(・・・・・本当に分かってるのか?)」

 

天和「ね〜〜みんな、わたし達も行っちゃいけないの?」

 

地和「そうよ!ちぃを除け者にしようなんて許さないわよ!」

 

人和「わたし達も行かせてください!」

 

みい「そうだにゃ〜〜!なんでみい達も連れて行ってくれないにゃ〜〜!?」

 

ミケ「そうにゃそうにゃ〜〜!」

 

トラ「にいにいに恩返しがしたいにゃ〜〜!」

 

シャム「にいしゃま・・・・・」

 

璃々「お母さん〜〜、璃々も行きたいよ〜〜〜・・・・・」

 

秋蘭「・・・・・すまないが、今度ばかりはお前達を連れ行くわけにはいかん」

 

祭「そうじゃ・・・・・言っては悪いが、お主達が来たところで足手まといにしかならん」

 

星「今度の敵は、誰かを守りながら戦えるような甘い相手ではないからな・・・・・」

 

紫苑「璃々・・・・・ごめんなさいね・・・・・璃々の気持ちも嬉しいけど今回ばかりは駄目なのよ・・・・・」

 

「・・・・・・・・・・」

 

華琳「月、百合、美羽、聖様、時雨、村長・・・・・あなた達もここに居なさい」

 

月「っ!!??華琳さん!!?」

 

百合「そんな!!?嫌です!!華琳さん!!」

 

美羽「どうしてなのじゃ!!?華琳!!」

 

聖「なぜなの!!?華琳!!」

 

時雨「華琳様!!?」

 

村長「ワシも行きますぞ!!華琳殿!!」

 

華琳「それでは聞きますけど・・・・・あなた達は何かできることがあるの?」

 

「・・・・・・・・・・」

 

村長「それでも・・・・・それでもワシは行きますぞ!!!華琳殿!!!」

 

華琳「っ!!?村長!!?」

 

村長「この老いぼれ!!戦では役には立てませんが、一刀殿の盾くらいにはなって見せましょうぞ!!!」

 

月「わたしも行かせてください!!!華琳さん!!!葵様!!!」

 

時雨「この時雨!!!旦那様の危機を黙って待っているなんて出来ません!!!」

 

百合「わたし達を舐めないで下さい!!!華琳さん!!!」

 

美羽「わらわも絶対行くのじゃ!!!」

 

聖「わたしは堕ちたとは言っても漢の帝よ!!!華琳!!!葵!!!」

 

天和「わたしも絶対行くんだから〜〜〜!!!」

 

地和「ちぃを除け者にするなんて1000年早いんだから!!!」

 

人和「華琳様!!!連れて行ってください!!!」

 

みい「絶対行くにゃ〜〜〜〜〜!!!」

 

ミケ「大王様に続くにゃ〜〜〜〜!!!」

 

トラ「にゃ〜〜〜〜〜!!!」

 

シャム「にゃ〜〜〜〜」

 

璃々「お母さん!!!璃々も行く〜〜〜!!!」

 

紫苑「・・・・・璃々、なんて子なの・・・・・あなたは・・・・・」

 

七乃「美羽様・・・・・いつのまにかこんなに成長なされて・・・・・七乃は嬉しいですぅ」

 

この場に居る全員が、決意の固まった目で葵と華琳を見据えた

 

華琳「・・・・・分かったわ、そこまでの覚悟なら止める権利はないわね」

 

葵「そうだな・・・・・それじゃ全員今夜は早く寝ること、明日は早いぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、闇一刀に対しての作戦は決定した

 

はっきり言ってこれは作戦とは言えないものである

 

これは麗羽の『雄雄しく、勇ましく、華麗に前進』、と同レベルである

 

しかし、一同には他の作戦は思い当たらない

 

後は当たって砕けろ

 

そして、運命の瞬間を迎える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇一刀「北郷一刀は、ここで死ぬ!!!!!はああああああああああああ!!!!!」

 

シュビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビビ!!

 

ゴヲワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!

 

開始早々物凄い気合とともに闇一刀が全身に邪気を纏ったと思うと、指先に邪気を灯し素早く動かしながら自分の周りの空間に梵字を浮かべていく

 

そして、それと同時に闇一刀の後ろに7つの邪気の柱が立つ

 

その邪気の柱は、一本を中心に置き6本の柱がその一本の柱を取り囲むようにそびえ立っていた

 

雪蓮「何!!?あいつ何をしてるの!!?」

 

凪「なんて巨大な氣の渦なんだ!!!」

 

華陀「こんな邪気、一生に一度拝めるかも怪しいぜ・・・・・」

 

一刀「あれは・・・・・まさか・・・・・」

 

葵「なんだか知らないが、嫌な雰囲気だ・・・・・作戦通り俺と恋が先行する!!!後は臨機応変に対処しろ!!!」

 

恋「(コク!)・・・・・行く!」

 

葵「そりゃあああああああああ!!!!」

 

恋「んっ!!!」

 

恋と葵が攻撃を仕掛けるも

 

バチィーーーーーーーーーーン!!!  バキャアアアアアアアアアン!!!

 

恋「うっ!!?」

 

葵「くっ!!?」

 

この二人の攻撃は嶽歩によって防がれる

 

嵐「行くぞ凪!!!」

 

凪「はい!!!嵐さん!!!」

 

嵐「うおおおおおおおおおおお!!!!!!」

 

凪「はああああああああああ!!!!!猛虎翔天就!!!!」

 

嵐は金剛爆斧を渾身の力を込めて振り下ろし、凪は全身に氣を纏い縮地法蔦歩の勢いを利用し闇一刀に上から蹴りを浴びせる

 

ドガアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!     バッチィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

 

嵐「ぐっ!!!??」

 

凪「うおおおおおおおおお!!!?」

 

しかし、この二人の渾身の連携も嶽歩に遮られる

 

思春「行くぞ明命!!!」

 

明命「はい!行きます!!」

 

悠「させるかよ!!!」

 

霞「どりゃああああああああ!!!!」

 

思春、明命、悠、霞が闇一刀に突貫する

 

しかし

 

ブヲオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!

 

ガキガキガキガキ!!!

 

思春「ぬっ!!?」

 

明命「はうあ!!?」

 

悠「なに!!?」

 

霞「ぐっ!!?」

 

この四人の攻撃も届かなかった

 

闇一刀「おああああああああああああああああ!!!!」

 

ブヲアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!

 

一刀「っ!!」

 

愛紗「うわああ!!!!」

 

桃香「きゃああああああああああああああああ!!!!!」

 

蒲公英「なななな何!!!?」

 

突然後ろの7つの邪気柱から無数の梵字が浮かび上がったと思うと、柱から膨大な邪気が飛び出し一同を押しのけていった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「・・・・・これは・・・・・成功・・・・・したのか?」

 

一刀が目を開けると、その景色は赤茶色の世界に変わっていた

 

闇一刀「ふぅ〜〜〜〜〜・・・・・その通り、こいつは北郷流操氣術奥義の一つ、千刀戮功だ」

 

一刀「まさか、こんなものまで出来るのかよ・・・・・こいつは操氣術奥義の中でも超超超高等技だってのに・・・・・」

 

闇一刀「昔、お前が北郷流の書簡を盗み見した時に書いてあった、奥義の一つだ」

 

一刀「俺も生涯こいつだけは出来そうに無いと諦めていた・・・・・それ以前に習得する必要がないと思っていたんだけどな・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「っ!・・・・・何が起こったんだ?」

 

純夏「いきなり吹っ飛ばされたことは分かるけど・・・・・」

 

鈴々「にゃにゃっ!!?なんなのだ!!?あれ!!?」

 

星「これは・・・・・」

 

一同が見たのは泰山の麓一面に広がる半透明で赤茶色のドーム状の球体だった

 

そのドームは直径が1000メートルはあり、その中には一刀と闇一刀しかいない

 

時雨「旦那様!!!」

 

一刀の傍へ駆けつけようと時雨がそのドーム上の球体に入ろうとするが

 

バチイイイイイイイイイ!!

 

時雨「きゃあああああああ!!!」

 

そのドームに触れると同時に弾かれてしまった

 

愛紗「せりゃああああああああああ!!!!!」

 

星「はあああああああああああ!!!!!」

 

恋「んっ!!!」

 

ガキガキガキン!!!

 

愛紗「なっ!!?」

 

星「ぐっ!!」

 

恋「っ!?・・・・・きか・・・・・ない・・・・・」

 

ドーム状の球体は、この三人の攻撃をまったく受け付けなかった

 

一刀「みんな!!無駄だ!!」

 

愛紗「ご主人様!!?」

 

一刀「この結界は破ることは出来ない!!こいつは、北郷流操氣術奥義の一つだ!!」

 

闇一刀「そうだ、この奥義は使用した術者が自分の意思で解くか死なない限り解けることは無い」

 

一刀「もともとこいつは北郷流同士のガチの勝負をする時に使用するものなんだ!!」

 

葵「どういうことなんだ!!?」

 

闇一刀「つまり、この空間内で回天丹田同士が衝突しようがこの世のものとも思えない破壊工作が行われようが、全てはなかったことになる・・・・・ただし、勝負をする者達は別だがな」

 

一刀「北郷流の文献を見たことがあるけど、過去に回天丹田同士が衝突したことがあって、それで町一つが消し飛んだって事例があるからな」

 

葵「そうか・・・・・だからあの時一刀は回天丹田を使わなかったのか・・・・・」

 

闇一刀「そして、外に出ることも出来ないがな・・・・・さて、おしゃべりはここまでだ、覚悟はいいな・・・・・俺・・・・・」

 

一刀「っ!!」

 

そして、闇一刀から溢れんばかりの殺気が放たれ、一刀は忠久を抜き闇一刀と向かい合う

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桃香「ご主人様!!!」

 

翠「おい!!なんとかこの壁を突破できないのかよ!!」

 

純夏「はああああああああああああああ!!!!」

 

ゴアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!

 

純夏は紅蓮槍にありったけの焔を宿し結界に突撃するが

 

ガオオオオオオオン!!!

 

純夏「くっ!!なによこれ!!びくともしないわ!!」

 

桔梗「ええい!!!どけい!!!」

 

純夏「桔梗!!?」

 

桔梗「はああああああああああああああ!!!!」

 

ズドンズドンズドン!!!!

 

桔梗は結界に向かって豪天砲を乱射する

 

しかし

 

バゴンガオンガギン!!!!

 

桔梗「なに!!?」

 

豪天砲の弾はあっさりと跳ね返させる

 

凪「はあああああああああああああああ!!!!」

 

シュバババ!!   ズドンッ!!!

 

凪も結界に向かって雷針砲を放つが

 

バシュン!!

 

凪「なっ!!?」

 

当たり前のように掻き消されてしまう

 

凪「くっ!!猛虎蹴撃!!!」

 

一番得意の氣弾を見舞うも

 

バシュンッ!!

 

これも強固な氣の壁に掻き消された

 

凪「・・・・・これは、普通に破ろうとしていては絶対に破れない」

 

沙和「そんな!!それじゃあこのまま見ているしかないの!!?」

 

小蓮「冗談じゃないよそんなの!!」

 

真桜「せや!!隊長が殺されるのを黙ってみているなんてできるかい!!」

 

春蘭「ええいどけい!!!!」

 

小蓮「春蘭!!?」

 

真桜「春蘭様!!?」

 

春蘭「はああああああああああああ!!!!!」

 

コオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!

 

春蘭は、七星餓狼にありったけの闘気を込め

 

春蘭「チェーーーーストーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

 

ゴガアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!

 

そのまま直にドームに叩き付けた

 

しかし

 

春蘭「なにぃっ!!?」

 

やはりドームには傷一つ付かない

 

一刀「止めろ!!!みんな!!!」

 

雪蓮「一刀!!?」

 

一刀「さっきこいつも言っていただろう!!!この奥義は術者が自分で解くか死なない限り解けることは無いって!!!」

 

月「そんな・・・・・そんな・・・・・」

 

霞「うそやろ・・・・・ウチら・・・・・何も出来ないんか・・・・・」

 

冥琳「くっ!・・・・・あいつは、わたし達が一刀に加勢することまで見越していたか!」

 

杏奈「流石に裏のご主人様だけあります・・・・・」

 

亜莎「あの裏の一刀様もわたし達のことを見ていたみたいですし・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

闇一刀「ふっ!!」

 

一刀「っ!!!」

 

ギィン!!!

 

闇一刀は右で忠久を抜き、岩の上から蔦歩で一気に一刀との距離を縮めた

 

ギイン!!ガアン!!バチッ!!キイン!!ガアン!!ゴキン!!カアン!!キイン!!ギイン!!ガアン!!!!

 

ガキン!!バチン!!ギュイン!!ギャガン!!!ギュギン!!ガイン!!ガアアアン!!バギャン!!ギイン!!ガイン!!

 

バチン!!ガキイイン!!キイン!!ガカアン!!!ギュイイン!!!キイイン!!ガキャン!!バチイン!!ガキイイン!!

 

日本刀同士の斬撃がぶつかり合い一刀は闇一刀に押されていく

 

一刀の忠久の青白い氣の軌跡と闇一刀の忠久の黒い軌跡が交じり合い、刃通しがぶつかる度に眩い閃光が走る

 

ギュギィッ!!!   ギャリギャリギャリ!!!

 

闇一刀は鍔迫り合いから刀を滑らせ一刀の首を落としに掛かるが

 

ギャギッ!!!  ギュリギュリ!!!

 

一刀「ぐっ!!ちっ!!」

 

そうはさせまいと一刀も闇一刀の忠久を抑える

 

ドンッ!

 

一刀「ぐっ!!」

 

間合いがゼロになりお互いが肩で押し合う中、闇一刀の前蹴りが一刀の腹部に決まるが

 

一刀「くっ!」

 

後方に一回転し一刀は体勢を整える

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雫「一刀様!!!はぁっ!!!」

 

南海覇王より二回り太く、剣先を毀した剣、降御雷(ふるみかずち)

 

斬撃と打撃を兼ね備えたその剣を遠心力を利用して赤茶色のドームに振り下ろす雫

 

雫「せいっ!!!やあっ!!!」

 

バチイイイイイイイイ!!!   バアアアアアアアン!!!

 

しかし、いくらやっても暖簾に腕押しにしかならず、雫の両手には血が滲むばかりだった

 

秋蘭「止めろ雫!!!」

 

桔梗「そうじゃ!!!止めんか雫!!!」

 

雫「離してください!!!秋蘭さん!!!桔梗さん!!!このままでは一刀様が!!!一刀様が!!!」

 

秋蘭「分かっている!!!しかし、今のわたし達ではどうにもならん!!!」

 

桔梗「その通りじゃ!!!悔しいが、お館様を信じることしか出来ん!!!」

 

雫「く・・・・・ぅぅ・・・・・うぁぁぁ・・・・・」

 

降御雷を地面に落とし顔に手を当て泣き出す雫は、己の力の無さを恨んでいた

 

時雨「そんな・・・・・旦那様ぁ・・・・・」

 

村長「くぅ・・・・・ワシは、一刀殿の盾にすらなれないのか・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「ぬっ!!くっ!!」

 

闇一刀「しっ!!はっ!!」

 

闇一刀の猛攻に一刀は押されていき狭い岩と岩の谷の間へと入っていく

 

ガキイーーーーーン!!ギュイン!!カアーーーーーーーーン!!バチイイーーーーーーン!!ギャリンッ!!バチイイン!!ガリガリガリガリ!!

 

ガキーーーーン!!キイーーーーン!!ガガガガ!!カアーーーーン!!カアーーーン!!ギャリギャリ!!キイーーーン!!カアン!!キイーーーン!!!!

 

しかし、そんな狭い空間でも関係無しに二人の攻防は止まらない

 

刃物の中では最高の完成度を誇る日本刀の斬撃は、二人を挟む岩の壁を切り裂きながら二人を谷の奥へ導く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪蓮「・・・・・なんてことなの・・・・・」

 

愛紗「あのような狭い空間で、あれほど自由自在に剣を振るえるとは・・・・・」

 

春蘭「むむむむ〜〜〜、やはりあいつは一刀なのだな〜〜〜・・・・・」

 

真桜「あれは腕だけやない、あの忠久の性能がなければできへん芸当やで・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バッチイイイイーーーーーーーーーイイイン!!!!

 

一刀「ぐおおおおおおおおおおお!!!!」

 

闇一刀の斬撃に吹っ飛ばされ谷から吹っ飛ばされる一刀

 

一刀「くっ!!」

 

闇一刀「はっ!!」

 

ズバンっ!!!

 

何とか着地するが、そこに闇一刀の邪気の斬撃が襲い来る

 

その斬撃をかわすが地面は見事に真っ二つになる

 

一刀「(くっ!!なんとか地の利を生かさないと!!)」

 

縮地法午の型筍歩で駆け出す一刀

 

そして

 

一刀「(っ!!あれは!!)」

 

走る一刀は視界に大きな水溜りを発見した

 

否、それは水溜りではない、この巨大なドームに巻き込まれた川だった

 

この川を使って目くらましをしようと縮地法亥の型仙歩で水上を走る一刀

 

しかし

 

シュバッ!!!

 

一刀「なっ!!?」

 

バシャーーーーーーーーーーーン!!!!!

 

闇一刀の邪気の斬撃が川を見事に真っ二つする

 

一刀「ぐっ、なんて威力だ」

 

そのあまりの威力に、水底が丸見えになり魚達が跳ねる

 

ギイイイイイイイイン!!!!カキイイーーーーーーーイン!!!!キイイイイイイイン!!!!ガキイイイイイイイイイイン!!!!

 

ギイーーーーーーン!!カアーーーーーーン!!ガキイーーーーーーン!!ギイーーーーーーーーーーーーーーン!!!!!

 

水底での攻防が続くが、斬撃によって割れた水が再び元に戻る

 

一刀「くっ!!」

 

蔦歩でこの場を飛び出し、それと同時に走り出す一刀

 

元の岩場に戻ってきた一刀は大岩の間に走り込む

 

一刀「(ここの地の利を利用して・・・・・)はっ!?」

 

シュビッ!!

 

一刀「くっ!!」

 

シュバンッ!!!  ズバババババン!!!!

 

闇一刀の斬撃は一刀が背にしていた大岩をバラバラに切り崩す

 

シュギンッ!!シュギャア!!ギャリギャリギャリ!!!ギャリャア!!!

 

一刀「うおっ!!?」

 

太刀音と共に一刀の周りの大岩が切り崩され、それが一刀に襲い掛かる

 

一刀「はっ!!!」

 

ズパン!!!

 

襲い来る岩を一刀両断にし、何とか闇一刀の攻撃をかいくぐる

 

一刀「くっ!!(物陰に隠れるのは帰って危ないな!!)」

 

闇一刀「はっ!!」

 

一刀「っ!!」

 

闇一刀は全身に邪気を纏い蔦歩で一刀に急降下した

 

怒轟御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御御音!!!!!!!

 

この衝撃により辺りに粉塵が発生し、大地を構成していた石や岩が宙を舞う

 

一刀「しっ!!はっ!!」

 

この宙に舞った数々の大岩を一刀は北郷流忍術の身軽さと素早さを駆使し駆け上がり、飛び移っていく

 

これまで数々の修羅場をたった一人でかいくぐり、何度も死にそうな目に合いながらも培ってきた身体能力

 

ブヲッ!!

 

しかし、そんな一刀の努力を嘲笑うかのように、粉塵を斬り開き闇一刀が突貫してくる

 

闇一刀は一刀の分身と言っていい、一刀が培ってきたものは当然闇一刀に反映される

 

ゴガアアアアアアアアアアアアアン!!!

 

一刀はこの闇一刀の一撃を避けるが、立っていた岩場を粉砕される

 

ギャガン!!!ギュギン!!ガイン!!ガアアアン!!キイン!!ガアン!!ゴキン!!カアン!!キイン!!

 

キイイン!!ガキャン!!バチイン!!ガキイイン!!バチン!!ガキイイン!!キイン!!ガカアン!!!ギュイイン!!!

 

お互い空中に浮いた岩に飛び移りながら攻防を繰り広げる

 

並みの者なら落下する浮遊感と戦いながらこのようなことをすれば確実に平衡感覚がいかれてしまうだろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思春「・・・・・なんという・・・・・戦いだ・・・・・」

 

霞「なあ悠、あんたあれと同じ事出来るか?」

 

悠「・・・・・できる・・・・・と言いたいが、やってみないとわからん・・・・・」

 

明命「はうあ〜〜〜、わたくしもあそこまで極めてみたいです〜〜〜」

 

純夏「あれは、一刀が今まで積み上げてきた場数の賜物ね・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドッゴオオオオオオオオオオオオオン!!!!!

 

一刀「っ!!」

 

闇一刀「っ!!」

 

そして、二人が着地したのは泰山の急斜面だった

 

そこに闇一刀が巻き上げた岩達が振ってくる

 

一刀「はっ!!」

 

ズバン!!

 

闇一刀「ふっ!!」

 

ズバシ!!

 

頭上から襲い来る岩岩を一刀と闇一刀は真っ二つにしていく

 

その時

 

ガラガラガラガラガラガラガラガラ!!!!

 

一刀「うおっ!!?」

 

闇一刀「ぬっ!!?」

 

二人の足元が崩れ、土砂崩れが発生する

 

一刀「しっ!!」

 

闇一刀「はっ!!」

 

転がり落ちる瓦礫と共に二人は泰山を駆け下る

 

一刀「しいいいいいいいいいいい!!!!」

 

闇一刀「ぬううううううううううううん!!!」

 

ガキイイーーーーーーインン!!!!バッチイイイイーーーーーーイイイン!!!ガキイイーーーーーーーインン!!!

 

ギイイイイイイイイイン!!!ガキイイイイイイイイン!!!ギリギギリギリ!!!キイイイイイイイン!!!

 

そして、滑り落ちる二つの大岩に飛び乗り足を踏みしめお互いに忠久を振るう

 

こんな最悪な状況でも戦えるのは、北郷一刀流というバランスのいいスタイルだからこそここまでの攻防が可能なのであろう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋蘭「凄いものだ・・・・・」

 

紫苑「なんて戦いなの・・・・・」

 

桔梗「お館様同士だと、このような戦いが再現されるとは・・・・・」

 

祭「回天丹田を使わなくともこの結界は必要な気がするが・・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!

 

そして、二人は泰山の根元まで落ちてきた

 

一刀「ぐっ!!(こいつには地の利なんて関係ないな!!)」

 

土砂崩れの中から離脱した一刀は闇一刀を見る

 

闇一刀「・・・・・・・・・・」

 

まだ土砂崩れの中にいるが、泰山から滑り落ちてくる岩の間を縫いながら闇一刀は確実に此方に歩を進めてくる

 

一刀「(・・・・・闇に染まった俺も、こんな風に無表情だったのかな)」

 

此方に歩を進める闇一刀の顔は常に無表情で、殺気がひしひしと伝わってくる

 

まさに自分を殺すためだけの存在、否が応でもこの自分が自分自身の罪の意識の塊なんだと思い知らされる

 

一刀「(・・・・・でも、俺もただでくたばってやるほど人間出来てないぞ)」

 

忠久を正眼に構え闇一刀と向かい合う一刀

 

その時

 

ガランガランガランガランガランガランガランガラン!!!!

 

一際大きい大岩が闇一刀に向かって横から転がってくる

 

闇一刀「・・・・・・・・・・」

 

一刀「・・・・・・・・・・」

 

闇一刀は黙って一刀に歩を進め、一刀は心を無にし闇一刀の一挙手一投足を見据える

 

闇一刀「はぁっ!!!」

 

ズバアアアアアアアアアアアアアアアアン!!!!!!

 

忠久に思い切り邪気を込め、その大岩に邪気の斬撃を放ち真っ二つにする

 

いくら闇一刀といえども、これだけ巨大な岩を何の挙動も無しに破壊するのは至難の業だったようだ

 

一刀「ふっ!!!」

 

その隙を突き一刀が縮地法巳の型回歩で後ろを取る

 

一刀「(取った!!!)」

 

下段から上段にかけての左切り上げだったために闇一刀の背後はがら空き

 

一刀は闇一刀の金剛刀の無い左肩に向けて逆袈裟に忠久を振り下ろした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ザクウウウウウウウ!!!

 

一刀「(斬った!!!)」

 

忠久から伝わってくるのは、紛れも無い人を斬った時の嫌な手応えだった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうもseigouです

 

中途半端な上に、メッチャ遅いと思っている皆々様、申し訳ありません

 

ここまで遅いのはそれ相応の理由があります

 

それはこの北郷伝の最後の方を先に書いていたためにここまで遅くなってしまったんです

 

その最後の方も書き終わり、実質上あと二話も書けば終りなんです

 

すでに別サイトの『小説家になろう』に予約投稿していまして、時期が来れば自動的に投稿されるようになっています

 

次に投稿する時には一気に投稿できると思います、それまでもう暫らくお待ち下さい

 

それと自分の描いている理想の一刀がとうとう絵になりました♪

 

郁さんには本当に感謝感謝です♪

 

では・・・・・待て!!!次回!!!

説明





一刀VS闇一刀




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コメント
なにげに出番のある村長ww(タケダム)
ハーデスさんへ、大変長らくお待たせしました!続きはもうちょっと早く投稿できると思いますので、もう暫くお待ちください!(Seigou)
やっとキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ !!!!!って感じです。いや本当待ちました。正直最初の話忘れちゃったので最初から読みなおしました。(ハーデス)
一刀ガンバレッスーー!! 続き楽しみにしてるッス!(鬼神)
ハリマエさんとバズズさんへ、あくまで書かなければならないのがあと二話で、残りの話があと二話というわけではありませんよ、実際にはあと7話くらいありますよ (Seigou)
ヤシロさんへ、誤字指摘ありがとうございます(Seigou)
下段から冗談にかけての左切り上げ→下段から上段にかけての左切り上げ ですか?(ヤシロ)
アルヤさんへ、誤字指摘ありがとうございます(Seigou)
最終戦争でもここまでいかないかもしれませんね…。闇一刀もまだやられてはいないはず…、続きが楽しみすぎます!(本郷 刃)
残り二話で一刀はどうなるのか・・・ すげー気になります!(バズズ)
闇一刀の邪気の斬撃が皮を見事に真っ二つする→闇一刀の邪気の斬撃が川を見事に真っ二つにする ですね。(アルヤ)
残り二話かあ・・・・早いようなぁ短かったようなぁかんじだなぁ・・・・・最後期待しています。(黄昏☆ハリマエ)
次の投稿を楽しみにしています。出来れば続編や次回作の情報もあれば教えて下さい。     ps 絵、確かにカッコよかったですねぇ〜。 (rin)
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