仮面ライダークロス 第三十四話 始まりのA/破滅へのカウントダウン
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「…照井刑事ぃ…」

ブロリーはベッドの上で寝ている照井に、小さく声をかけた。彼は照井のお見舞いに来ていたため、ユートピアの襲撃を免れたのだ。ちなみに、パラガスも(パトロールに出ていたため)無事である。

 

と、

 

 

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謎の擬音から何かのテーマBGMが流れ、ピッコロが現れた。

「ムシケラ…」

ピッコロに対しても静かに声をかけるブロリー。すると、

「仙豆だ。食え」

ピッコロは照井に仙豆を食わせた。とたんに全身の怪我が回復し、照井は飛び起きる。

「俺は…?」

「照井刑事ぃ。」

「ブロリー刑事。左達は?」

「園咲若菜を助けに行きました。」

「なんだと!?なら、俺も…」

照井も翔太郎達の手伝いに行きかけるが、照井は若菜がどこにいるか知らない。そこへ、

「心配することはない!」

パラガスが来た。科学者と一緒に。

「私は、科学者に、園咲若菜を捜し出す装置を作らせた。」

「コンピューターが弾き出したデータによりますと、ここですじゃ。」

地図を見せて場所を教える科学者。

「ここか…」

「俺も一緒に行きたいです。」

「よし、では手を貸してくれ。」

「はい。」

照井はブロリーを、ついでにパラガスと科学者も連れて、若菜の奪還に向かった。

 

 

ちなみに、

 

 

 

 

 

 

行く直前に、ブロリーがピッコロを蹴り飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

研究所内部。

突入した翔太郎と井坂は、加頭と対面した。すぐ近くには、逃げたものの捕まってしまい、装置に縛りつけられて苦しむ若菜がいる。

「またですか。しかも助っ人まで連れて…」

「大事な相棒の姉貴だ。返してもらうぜ!」

「ふっ…」

 

〈UTOPIA!〉

 

ユートピアに変身する加頭。

「では、始めましょうか。」

 

〈WEATHER!〉

 

井坂もBウェザーに変身。若菜を見て、ウェザーは翔太郎に言う。

「彼の相手は私が務めます。その間に!」

「ああ。頼むぜ、井坂!」

駆け出す翔太郎。ユートピアはそれを見て、理想の杖で翔太郎の動きを止める。

「はっ!!」

そこですかさず、ウェザーが重力衝撃波でユートピアを攻撃。ユートピアは理想の杖で重力衝撃波を止め、手からエネルギー弾を撃つ。対するウェザーはバリアでエネルギー弾を防ぎ、バリアを纏ったまま超高速で突撃し、ユートピアを吹き飛ばす。

「今です!」

「ああ!」

ユートピアの注意が完全に反れ、翔太郎は若菜を解放しに向かう。

 

 

 

ユートピアの弱点。それは一度に吸収できるメモリのパワーが、一つだけだということ。井坂は以前からユートピアメモリがどこかに存在することを知っており、加頭がそれを使ってくることも予想がついていた。だからこそ、井坂は対ユートピア戦に備えて、いくつものメモリのパワーを吸収していたのだ。この数ヵ月の間に吸収したのは、超高速移動を可能にするダッシュメモリ。怪力を発揮できるパワーメモリ。重力を自在に操れるようになるグラビティーメモリ。バリアを展開するバリアメモリ。様々な技を使用できるようになるスキルメモリ。等々、かなりの数だ。まだある。しかもそれらのメモリとウェザーメモリのパワーを、スカリエッティが開発したメモリのパワーを増幅するメモリ、エフェクトメモリを吸収することによって数倍以上に高めている。そして、その相乗効果が、ウェザーの戦闘力を数十倍の領域に強化した、Bウェザーへの進化を可能にしたのだ。

 

話が反れたが、とにかく今のウェザーは多くのメモリのパワーを吸収しており、攻撃の際、それらを一度に発動することによって、ユートピアメモリのパワー吸収を防いでいるのだ。拳を叩き込む時にパワーメモリとダッシュメモリとグラビティーメモリのパワーを同時に発動する、という具合に。

 

 

 

「井坂!!」

「!!」

声をかけられて、ウェザーは見る。そこには、若菜を救出した翔太郎の姿が。

 

それを見て頷いたウェザーは、一度ユートピアのみぞおちに拳を食らわせて吹き飛ばし、両手に自分が吸収した全てのメモリのパワーを集束。前に突き出し、

「カタストロフラッシャー!!!」

巨大な光線を放った。

「ぐあああああああああああああ!!!!」

ユートピアはさらに吹き飛ばされ、背後にあった装置に激突。装置が大爆発を起こし、研究所も爆発を始める。ウェザーは素早く翔太郎と合流し、二人で若菜を担ぎながら、研究所を脱出した。

 

 

 

 

 

 

「まさか、あんたを味方につけるとこうも頼りになるとはな。」

「今まで力を蓄え続けていたのです。その分は期待してくださって構いませんよ」

安全な場所まで若菜を担ぐ二人。そこへ、フィリップと冴子が来た。

「フィリップ!」

「冴子君!なぜここに!?」

驚く二人。冴子は避難した場所で偶然フィリップと出会い、ここまで来たのだ。フィリップについては、最後の変身を行う決意が決まったからである。ちなみに、井坂の件は、冴子から聞いていた。

「井坂深紅郎…まさか本当に生きていたとは…」

「ええ、生きていましたよ。」

フィリップの驚愕に返すウェザー。翔太郎な尋ねる。

「それで、あんたはこれからどうするつもりなんだ?」

「…罪を償います。私の罪は、決して軽いものではありません。ですが、それを償う努力はしたいのですよ。」

「先生。私も一緒に…」

「…そうですね。一緒に罪を償いましょう」

互いに自首の意思を見せるウェザーと冴子。

 

その時、

 

「こんなことで、私の計画が止まるとでも!?」

爆発する研究所の中から、ユートピアが出てきた。それを見て、フィリップは翔太郎に言う。

「翔太郎。ここで変身しなくても、僕は近いうちに必ず消える。なら、僕は君と一緒に戦ってから消えたいんだ。わかってくれるね?」

「…ああ。それがお前の決めたことなら、俺は止めない。」

翔太郎は、フェイトが自分に話してくれたことを思い出していた。

 

 

『光輝の彼女なら、彼氏の意見は何よりも尊重します。光輝が絶対にやりたいことなら、私は止めません。』

 

 

ウェザーは二人に訊く。

「加勢は?」

「必要ねぇよ。」

翔太郎の即答。

「ならば、見せてもらいましょう。」

ウェザーは変身を解除。

「あなた方二人の生き様を。」

井坂に戻ってから言った。翔太郎とフィリップはユートピアに言い放つ。

「財団X加頭順!」

「「さぁ、お前の罪を数えろ!!」」

いつもの決め台詞を。

「行くよ、翔太郎!最後の…」

「ああ!最後の!」

 

 

「「変身!!」」

 

 

 

 

〈CYCLONE!〉

〈JOKER!〉

 

メモリを起動して駆け出す二人。

 

〈XTREAM!〉

 

走りながら、二人はWサイクロンジョーカーエクストリームに直接変身。若菜は井坂達に預けてあるので、気兼ねなく戦える。

 

ぶつかり合うWとユートピア。ユートピアはWに拳を放ち、Wはそれを受け止めた。それをチャンスと見たユートピアはエクストリームメモリのパワーを吸収し始める。

「相手の感情が強いほど、それを吸い取れるユートピアが勝るはず!!うおおおおおおおおおお!!!」

しかし、吸い切れず、メモリのパワーが逆流を起こす。

「私の身体に、収まらない!?」

「このWには、フィリップの最後の想いが込められてんだ。てめえなんかに食い切れる量じゃねぇんだ!!」

Wはユートピアを蹴り飛ばす。ユートピアの腕は、逆流の影響で皮膚が裂けていた。

「これが、W…まだだ!!まだだぁ!!!うおおおおおおおオオオオ!!!!」

ユートピアはメモリのパワーを極限まで解放する。

「奴に最も有効な攻撃だ。」

 

〈PRISM・MAXIMUM DRIVE!〉

 

Wはプリズムメモリをベルト左腰のマキシマムスロットに装填。

「オオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!」

ユートピアはエネルギーを纏いながら浮かび上がっていき、飛び蹴りを放つ。

 

〈XTREAM・MAXIMUM DRIVE!〉

 

Wはエクストリームメモリを開き、ユートピアに合わせて飛び蹴りを繰り出す。

「「ダブルプリズムエクストリーム!!!」」

結果、ユートピアのパワーに押し勝ったWはユートピアに両足蹴りを連続で叩き込んでいく。そして、ユートピアはメモリブレイクされた。

 

ゆっくりと立ち上がる加頭。その身体は、マキシマムに敗れたために塵となりつつある。

「貴様ら…もう許さん…」

加頭は目に怒りをみなぎらせ、Aと書かれた白いメモリを出した。

「まだテストも済んでいなかったが、構うものか…!!」

怒りに我を見失っている加頭は、そのメモリに秘められた記憶を呼び起こす。

 

〈ANCESTER!〉

 

それは、祖先の記憶。

 

 

全ての始まりの記憶。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおおおおおおおオオオオオオオオアアアアア!!!!」

加頭はユートピアと同じ姿をした純白のドーパント、アンセスター・ドーパントに変身した。

「何!?」

驚く翔太郎。アンセスターは告げる。

「どうやら、うまくいったようです。無限の使徒の戦闘データを元に開発した、アンセスターメモリ。これで私も、無限を手にした!!」

いつの間にか穏やかな口調を取り戻しているアンセスター。フィリップはアンセスターの発する強烈な波動を感じ、あることに気付いた。

「これは…アンリミテッドフォース!?」

「少し違います。これは『アンセスターフォース』といって、アンリミテッドフォースと同じ、無限の力なのですよ。もっともアンリミテッドフォースと違って、こちらはより原初の力。独自の意思などはありませんが」

「なんだと!?無限の力は、無限の使徒じゃねぇと使えないんじゃなかったのかよ!?」

驚愕の翔太郎に、アンセスターはさらなる驚愕を与える。

「言い忘れていました。私も彼同様、無限の使徒なのです。」

「なっ!?」

「覚醒はしていませんでしたがね。アンセスターメモリには、未覚醒な無限の使徒を覚醒させる機能もあるんです。」

「まさか…こんなことが…!?」

「さて、おしゃべりはここまでです。あなた方を跡形もなく消し去ってあげましょう!!」

アンセスターはWに攻撃を仕掛けた。これまでは優勢だったWだが、形勢は完全に逆転してしまっている。

「素晴らしい!もはや園咲若菜など必要ない。私一人の手で、ガイアインパクトを達成します!!」

「させるかよそんなこと!!」

全力で挑むW。しかし、力の差はあまりにも離れすぎている。

「これはまずいですね…冴子君。彼女をお願いしますよ!」

「先生!」

 

〈WEATHER!〉

 

井坂は冴子が止めるのも聞かず、Bウェザーに変身してWに加勢した。だが、状況は変わらない。

 

そこへ、異変を察知したフェイト、一真、ダンテ、バージルが来た。フェイトはなのは、はやて、シグナム、ヴィータ、照山にも協力を頼んだらしく、彼女達も来ている。

「こ、これは!?」

「どんな状況だよ!?」

いろいろと訊きたいことがありすぎて混乱する一真と照山。Wが言う。

「今詳しいことを説明している暇はない。」

「とにかくあの白いのを倒せ!!」

「白いのを倒せばいいんだな!?」

「よし!」

ヴィータとシグナムが言い、一同は変身。ブレイドとソウガは強化変身もする。アンセスターに一斉攻撃をかける魔導師達。だが、アンセスターはアンセスターフォースによって防御力を高めているため、まるで通用しない。

「ウェーイッ!!」

ジョーカーソードで斬りかかるブレイド。しかし、アンセスターは白い大剣、始祖の剣(つるぎ)で受け止める。

「あなたも無限の力を使えるようですが、断片だけですね。無限の力全てを扱える私の敵ではない!」

「ぐあっ!!」

ブレイドはアンセスターが手から出した衝撃波に吹き飛ばされた。

「奴も無限の力を使えるようになったのか!」

「チッ!無限同士じゃケリがつかねぇ!!」

代わりにぶつかるソウガ。

「ですが、あなた方は無限を扱い切れていない!」

しかし、ソウガパンデモニウムが誇る膨大すぎる魔力すら、アンセスターはやすやすと上回ってみせる。

「無限だなんて…軽々しく口にするな!!」

怒りのフェイトはアンセスターに挑むが、アンセスターは素手でバルディッシュの魔力刃を止めた。

「あなたの彼氏のことを思い出しているのですか?可哀想に…あなたを守っていた神は、もう助けてくれませんよ!」

「きゃあっ!!」

エネルギー弾を零距離から受けて倒れるフェイト。

「フェイトちゃん!このぉ!!」

はやては魔法をぶつけるが、アンセスターは避けようともせずに受け止め、またダメージも負わない。なのはにおいては、無限の力と自分の力の差を、光輝の戦いを見続けたことによって嫌というほど思い知らされているので、

「もうダメ…勝てるわけがない…」

ヘタレモードに、というか、ベジータモードになっていた。

 

そんなことをやっていると、アクセルトライアルがブロリーを連れて合流してきた。

「照井竜!」

「その声…井坂!?やはりあの時感じた気配は気のせいではなかったか!」

「落ち着け照井!今の井坂は味方だ!」

アクセルを説得しに入る翔太郎。

「だが奴は!!」

「いいんですよ、左翔太郎君。」

「井坂…」

「私はしかるべき裁きを必ず受けます。ですが、それは彼を倒したあとです。」

「…俺はお前を信用しない。だが、今だけは手を貸してもらう!」

「…感謝します!」

アクセルはウェザーの参戦を認め、共闘する。

 

ブロリーはアンセスターと戦うが、いかに伝説の超サイヤ人といえど、無限の力を操る存在に勝てるわけがない。

「な、なんてやつだ…!」

怯むブロリー。

「まさか、ブロリーが敵わないというのか…!」

「うわへへ!怖いですじゃ!」

いつの間にか来ていたパラガスと科学者は、アンセスターの圧倒的なパワーに危機感を抱いている。

「このままじゃ、オラ達は全員まとめて奴に殺される…」

同じくいつの間にか来て共闘していた悟空は、完全に息が上がっていた。で、当然のことながらベジータも来ているわけだが、

「「もうダメだ…おしまいだ…!」」

なのはと一緒になってヘタレていた。そこにピッコロが現れ、うなだれている二人の髪を掴んで顔を上げさせる。

「何を寝言いってる!ふてくされる暇があったら戦え!」

しかし、そう言ったピッコロは、アンセスターのエネルギー弾を顔面に受けて、

「ぐわあっ!!」

吹き飛ばされた。

「ピッコロさん…何のために来たんだ?がはっ!!」

呟くトランクス。そんな彼も、アンセスターに蹴り飛ばされてしまうのだった。

「お前もです…」

静かにツッコミを入れたのは、ブロリーだ。

 

 

 

 

 

 

あまりにも強すぎるアンセスター。ライダー達は次々と倒されていく。

「まさか…こんなことが…!」

驚く冴子。

「あなた達、弱すぎますよ。やはり、白宮光輝がいなければ張り合いがありませんねぇ…」

余裕のアンセスター。

「くっ…バケモンが…!!」

「あ、悪魔だ…」

悪態をつく翔太郎と、またいつの間にか来ていて戦慄する悟飯。

「では、そろそろ消えていただきましょうか。」

全てを消滅させるべく、アンセスターフォースを右手に集中させるアンセスター。

 

次の瞬間、

 

 

 

 

 

 

 

 

アンセスターの背後に、ドアが現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あまりに突然な出来事に、思わずそのドアを凝視する一同。と、

「がはっ!?」

唐突にドアが開いてはね飛ばされるアンセスター。当然攻撃も中断させられる。

 

そして、ドアの中から、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ?なんか当たった?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光輝が出てきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光輝が出てきたあと、ドアは消える。

「…光…輝…?」

我が目を疑い、フェイトは思わず声をかけた。光輝は笑顔で言う。

「ただいま。フェイト」

その言葉を聞いたフェイトは素早く立ち上がり、わき目もふらず、光輝に飛びつく。

「光輝ぃっ!!!」

「うわっと!」

光輝はバランスを崩しかけた。

「光輝……光輝ぃ……!!」

「ははは、よしよし。心配かけちゃったね」

フェイトの頭をなでる光輝。照山は訊いた。

「お前…本当に光輝なのか?」

「うん。僕だよ」

「しかし、お前はもう帰ってこれないはずでは?」

次に尋ねたのはシグナム。

「実は…」

光輝は説明を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今から三日前、光輝は全てが真っ白な、何もない広大な空間で目を覚ました。

「ここが…神の国…」

呟く光輝。彼は、神帝となってしまった。彼の役目は、神以外の誰とも接触することなく、永遠に世界を観測し続けること。もはや光輝が知る者には誰も彼の姿が見えず、声すら届かない。

(フェイト…僕、これからはこんな世界で生きるみたいだ)

思った光輝は、歩き始める。とりあえずは、神達と接触しなければならないからだ。

 

と、彼に声をかける者がいた。

 

「あーちょっとちょっと。君が白宮光輝?」

それは、スーツを着込んだ男性だ。

「そうですけど…あなたは?」

「こういう者です。」

男性は名刺を出し、光輝は受け取る。名刺には、『弁護士 北岡秀一』と書いてあった。

「弁護士?」

「そう。俺は君の友達から、弁護を頼まれたんだ。」

「友達?一体誰から?」

「ドナルド・マクドナルドって言えばわかるかな?」

「ドナルド!?」

「うん。今から君のことで裁判があるから、ちょっと来て。」

光輝は突然の出来事に目を白黒させながらも、北岡についていった。

「あの、裁判って?」

「もちろん、無限の使徒のことでだよ。大体、俺も前々からおかしいとは思ってたんだよね。神帝は不老不死であるにも関わらず、何で人間の中から新しい神帝を選ぶ必要があるのか…」

「はぁ…」

光輝は考える。そういえば、ドナルドはこの夏休みの間、あんまり遊びに付き合ったりしなかった。AtoZ事件の時協力してもらった程度だ。

(もしかしたら、裁判の手続きとかで忙しかったから?ドナルドはこうなることを知ってたのか?)

「それで、その裁判で僕が無罪になったら、どうなるんですか?」

「人間世界に帰される。つまり、君はまた友達と一緒に、楽しいスクールライフを送れるってわけさ。」

「本当ですか!?」

「ウソ教えてどうすんのよ。」

思わぬ話に目を輝かせる光輝。そうこうしているうちに、二人は一つの扉にたどり着く。

「まぁ、その点は心配しないでよ。何せ俺は…」

北岡はネクタイを締めた。

「スーパー弁護士ですから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

それから間もなくして裁判が始まり、光輝には理解できないような議論の応酬が続いて、そして三日後。光輝は無罪放免となり、人間世界への帰還が許された。

「というわけ。」

「お前、すごい体験してるなぁ…」

呆れるヴィータ。と、

「私を無視して話をするとは、いい度胸ですね…!!」

アンセスターが怒りを隠さずに言った。

「お前は…」

次の瞬間、光輝の頭の中に、大量の情報が流れ込んできた。いつもと同じ、アンリミテッドフォースによって起きる現象だ。

「なるほど、そういうことか。」

全てを理解した光輝はクロスドライバーを装着。

 

〈CROSS!〉

 

「変身」

 

〈CROSS!〉

 

クロスに変身し、クロスアンリミテッドに強化変身する。今の彼はエターナルメモリとインフィニティーメモリを使わなくても、アンリミテッドフォースを完璧に使える。だが、彼としてはこっちの方がしっくりくるのだ。

「まずは…」

Wに触れるクロス。するとWの全身が緑色に発光し、収まった。

「データを再構築しました。これで大丈夫です。それから…」

フィリップを消滅から救ったクロスは、若菜にもアンリミテッドフォースを飛ばし、クレイドールメモリを排出させ、若菜を目覚めさせる。

「私…?」

「若菜!」

「お姉様!」

再会する若菜と冴子。

「最後に!」

クロスは全員のダメージをアンリミテッドフォースで回復させた。

「相変わらず、やることがでかいね。」

ブレイドは笑う。

「これくらいできなきゃ、神帝は名乗れないよ。」

胸を張るクロス。

「だから私を無視するなと…!!」

怒りのアンセスター。クロスはアンセスターに言う。

「道を違えた無限の使徒を討つのも、僕の仕事だ。」

その言葉には、一切のためらいがない。そして、

「さぁ、暗黒に沈め!」

無限の使徒と無限の使徒の戦いが、ついに始まった。

 

 

 

 

 

 

 

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次回、

仮面ライダークロス!!最終回!!

 

永遠のC/最強の守護神

 

これが最後だ!!

 

 

アンセスター・ドーパント

 

加頭がアンセスターメモリを使って変身する、ユートピアと同じ姿の純白のドーパント。無限の力、アンセスターフォースを自在に操り、始祖の剣という白い大剣を振るう。

 

必殺技は、全身にアンセスターフォースを纏って突撃する『リスタートオブワールド』。

 

 

アンセスターフォース

 

アンリミテッドフォースと同質の無限の力。アンリミテッドフォースと同じく、あらゆる事象に干渉できる。だが、こちらはより原初の力なので、アンリミテッドフォースのように意思を持っていたりはしない。

 

 

アンセスターメモリ

 

『祖先の記憶』を宿したガイアメモリ。財団Xがクロスの戦闘データを解析して生み出したメモリで、使用した者をアンセスター・ドーパントへと変身させる。アンセスターフォースを操れるようになるほか、未覚醒の無限の使徒を覚醒させる機能がある。

説明
もうシリアスなのかギャグなのか、自分でも判別ができません。では、どうぞ。
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