緋弾のアリア~調和の担い手~
[全1ページ]

 

 

「単刀直入に言いましょう。貴方、死なれたのですよ」

 

 

 

俺こと暮桜霧嗣が生前、死亡した時の記憶を思い出したのは彼女のその宣言の後だった。

 

まるでパズルのピースがハマる様に失われた記憶の空白が埋まって行く。

 

俺の死亡原因は何とも有り触れたモノであった。

信号無視をしたトラックが横断歩道に突っ込み、女の子を庇った事により死んだのだ。

 

“あの状態”の俺ならば、横断歩道までの距離が100mあったとしても、瞬時に女の子を庇い、トラックの魔の手から逃れる事も容易であった。

 

だが、その時はそうは行かなかった。

まるで重力に引かれる様に、その場から動じる事が出来なかった。

 

その結果トラックに轢かれて、助けるつもりが死亡してしまった。

 

 

「なぁ、神様」

 

「はい、何でしょうか?」

 

 

目の前の少女、“0”と名乗った“神様”に問い掛ける。

 

つい先程、説明を受けたが目の前の少女は神様候補生(自称)。

そして此処は生と死の狭間の境界らしい。

 

最初は信じていなかったが、自身が死んだ記憶を保有している為、半信半疑ながらも信じざる負えなかった。

 

 

「むぅ、自称じゃありませんよ。本当に神様候補なんです」

 

「自然に人の心の中を読むな。それで、質問いいか?」

 

「はい、大丈夫ですよ。」

 

 

俺は気になっていた事を言葉にする。

 

 

「俺の庇った女の子はどうなった?」

 

 

それが、今の現状よりも気掛かりだった。

あの女の子はどうなったのだろうか?

俺はあの子を助ける事が出来たのだろうか。

 

 

「それが、その……」

 

 

目の前の女神様はどこか言い辛そうに尻すぼむ。

まさか……。

 

 

「えっと…その前に、貴方に伝えておかなければならない事があるんです。」

 

「んっ、何だ?」

 

俺の質問を逸らし、彼女はこう切り出した。

 

 

「貴方には《転生》して貰います」

 

「……転生?」

 

 

生前、よく読んでいた二次創作の転生モノの導入と同じ様な事を女神様は口にした。

 

ああいうのって、神様が自らの不正や、暇つぶしの為に死んだ人間を別世界や二次創作の世界に転生させるんだったか。

 

この、目の前の女神様は一体どちらなのだろう?

 

 

「なぁ、もしかして。俺が死んだのってアンタが関わってたりしないか?」

 

「…あっ……えっと…そ、そんな事ないですよ!?」

 

 

俺の思考を読み取っていたのか、質問に動揺して返す女神様。

……黒だな。

この少女は余り隠し事が上手ではないらしい。

 

 

「正直に白状しなさい。今なら怒らないから」

 

「…あぅ、本当ですか?」

 

「まぁ、事と場合による」

 

 

そう俺が言うと、彼女は語り出した。

 

 

 

女神様曰く、正規の神様になる昇格試験の、死者を選別する実習の際に居眠りをして手違いを起こしてしまった。

 

それが俺らしい、本来は俺が死ぬ事もなく、庇った女の子と助かる筈であったと。

 

女神様曰く、間違えて死なせてしまった為に、天国や地獄に行き場がなく、事がバレると昇格試験に落第する。

 

女神様曰く、故に不正を隠す為に俺を転生させる。

 

 

らしい。

思いっきり前者だな。

 

 

 

「それよりも、じゃあ俺の助けた子は生きているのか?」

 

「…あっ、はい。貴方のおかげで掠り傷ひとつ負っていませんよ。」

 

 

それが聞けて一安心した。

先程、神様が意味深な発言をした為に。とりあえず、胸を撫で下ろす。

何もない俺でも、最後に誰かを助ける事が出来た。

 

 

「そのぉ…怒っていませんか?」

 

「いや、怒ってない。誰にでも間違えはあるしな。ただ、それを隠蔽しようとしたのは頂けないな。俺じゃなきゃ、キレられてるぞ」

 

「あぅ、すみません…」

 

 

まぁ、元の世界にあまり未練があった訳ではないしな。

生前の俺は少しばかり過去にトラウマを抱えた、至って“普通”の大学生だった。

それに、転生という名の転機が訪れたと考えれば良い。

 

 

「私が言うのはなんですが、貴方はとてもお優しい方なのですね。」

 

少々、物思いに浸っていると、目の前に座る女神様が優しげな笑みを浮かべていた。

 

 

「突然なにさ」

 

「いえ、自分の身より死して尚、庇った女の子の身を案じるのですから」

 

「確かに、うっかり人を殺す駄女神様には言われたくないな。」

 

「うぅ、…すみません」

 

 

シュン…と、小動物の様に小さくなる女神様。

それを少しかわいいと思った。

 

というか俺、相手仮にも神なのにこんな不遜な態度でいいんかな?

 

説明
神様の間違いで死した俺は、転生といった形で新たな生を受ける。
様々な特典を得て、永遠神剣第一位『調和』を担い、『緋弾のアリア』の世界に舞い降りる。
※この作品は永遠神剣シリーズとのクロスオーバー作品になります。
主人公ハーレムモノ、原作キャラの息子等のオリ設定が出てきます、そういうのを許せる方はどうぞ、よろしくお願いします。

作者は筆を執るのが久々でお見苦しい点なども出てくるとは思いますが、温かい目で見守って頂けると幸いです。

※この作品はにじファンにて連載していた小説です。
総閲覧数 閲覧ユーザー 支援
3440 3337 0
タグ
緋弾のアリア 聖なるかな 永遠のアセリア 永遠神剣シリーズ シュクレ ハイスクールD×D《オリジナル神器》 SAO アガレスト戦記 カンピオーネ! 

ライカさんの作品一覧

PC版
MY メニュー
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。


携帯アクセス解析
(c)2018 - tinamini.com