IS レジェンドウォーズ 10話 新しい日常とセカンド幼馴染
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Side秋人

昨日の騒動から一夜明けた。

あのあと、姉さんにこってり絞られ部屋に戻ったのが0時。そのまま眠った。

今思えばとても非常識な体験をしたな僕たち。

そして

 

「非常識だったな。生徒会長」

 

「いきなり何を言い出すのだ?おまえは」

 

「いや、昨日のことを思い出してな」

 

朝食の和食を食べながら思ったことをつぶやいてしまった僕の言葉に隣で同じく朝食を食べている箒が反応してきた。

 

「昨日の、あの怪獣たちには驚いたけど、それを倒した兄さんたちにはもっと驚いた」

 

「ええ、本当に驚きましたわ。更識さんたちは専用機の性能もあったのでしょうけれど、訓練機で一方的に倒してしまった生徒会長の実力。あれは、国家代表に匹敵しますわ」

 

箒の反対側で洋食の昼食を食べていたセシリアも同意する。

 

「ところで、なぜおまえがいるのだ」

 

「あら、秋人さんと朝食を食べるのにいちいち理由が入りますの?」

 

「なに〜」

 

また始まった。なぜかこの二人は仲が悪い。朝食くらい楽しくとりたいものである。

 

「かかかっ!朝からにぎやかじゃの〜。修羅場か?」

 

「ん?」

 

「なに!?」

 

「なんですの?」

 

ふとそんな声が聞こえたので声のするほうを見てみると

 

「くくくっ」

 

金髪に赤眼の少女がいた。半透明の体を宙に浮かせて。

 

「うわあああああああ!?」

 

「きゃああああああ!」

 

「ゆうれいいいいいい!?」

 

「いやあああああ!」

 

僕たちだけでなく食堂にいるみんなが絶叫した。

 

「あはははは!」

 

少女はそんな僕らの様子を見て、面白そうに笑っているが僕らは全然笑えない!とゆうかなんで朝から幽霊がいるんだよ!ふつう夜だろ!いや夜なら出てきてもいいわけじゃないけど!

 

僕がそんくだらないことを考え、箒はお経を唱え始め、セシリアは十字架の形をきり始め、他の生徒が混乱していると

 

「しずかにしろ!」

 

姉さんの声が響き渡った。

 

「更識、説明してやれ」

 

「はあ〜、え〜みんな驚かせてすまない。こいつは、半透明だし浮いているけど幽霊じゃない」

 

『え?』

 

兄さんの言葉にみんなが首をかしげる。ではなんなんだろうか?

 

「こいつの名前は幽里。おれのIS鎧輝龍のコア人格だ。挨拶とあやまれ、幽里」

 

「ふむ、しかたないの。儂の名はさっきも主様がいったとうり幽里とゆう。先ほどは驚かせて悪かったの〜。かかかっ」

 

兄さんと少女の説明にみんなが騒ぎ始める。

 

「コア人格!?」

 

「そんなことがありえるの?」

 

「幽霊じゃなかったんだよかった〜」

 

反応は様々だけどみんな驚いているようだ。

 

「謝る気零だろお前」

 

「しかしな主様よ。いくら昨日婚約したとはいえ朝からあの空気はなかなか耐えられるものではないぞ。目が覚めてすぐに口づけをするなど」

 

『ええええ!』

 

幽里さんの一言にみんながコア人格の時以上に反応する。よくみれば姉さんも驚いている。

 

「朝から口づけってどうゆうこと!?」

 

「確か更識君の同室の子って四組の更識簪さんよね?」

 

「前にのほほんさんがお嬢様って呼んでいて」

 

「そのとき、更識君も旦那様って呼ばれていたよね?」

 

「じゃあ二人は遂に」

 

『きゃああああああああ!!!』

 

更に収拾がつかなくなってしまった。

あのあと、食堂の混沌は、驚きから立ち直った姉さんによって物理的に鎮圧された。え?別に全員を出席簿で沈めたわけじゃないよ。ただ、そこら辺にあった壁を素手でへこませて一言

 

「だまれ」

 

と言っただけさ。

 

まあ、それはともかく。

今僕は教室にいる。姉さんと兄さん、幽里さん、あとから来た更識さんとコア人格の白歌さんは職員室へ向かった。たぶん兄さんと更識さんの婚約について話に行ったんだろう。

 

「織斑君、おはよー」

 

「ねえねえ、転校生の噂聞いたー?」

 

「いや聞いてない。というか朝はさっきのことで」

 

「ああ、たしかにね」

 

「あれは驚いたね」

 

「で、転校生だっけ。この時期に?」

 

「うん、なんでも中国の代表候補生なんだって」

 

「あら、わたくしの存在を危ぶんでの転入かしら」

 

「このクラスに転入してくるわけではないのだろう。騒ぐほどのことでもあるまい」

 

いつの間にか来ていたセシリアと箒がそう言う。にしても中国か。あいつを思い出すな。

 

「どんなやつなんだろう」

 

「気になるのか?」

 

「うん、まあな」

 

「お前にそんな余裕はないだろう?来月にはクラス対抗戦があるというのに」

 

「そう!そうですわ秋人さん!クラス対抗戦に向けてわたくしとより実践的な訓練をいたしましょう。なにせこのクラスで専用機を持っているのはわたくしと秋人さんと一夏さんだけなのですから」

 

そう、来月にはクラス代表同士によるリーグマッチがある。

 

「まあ、やれるだけやってみるよ」

 

「何を弱気になっているのだ。男子たるもの勝つつもりでいなければどうする」

 

「織斑君が勝つとクラスみんなが幸せになれるんだよ!」

 

ちなみに、この対抗戦で優勝したクラスには優勝賞品として学食デザートの半年フリーパスが配られる。だからみんな燃えているのだが

 

「織斑君がんばってね」

 

「フリーパスのためにも」

 

「今のところ専用機を持っているクラス代表って一組と四組だけだから余裕だよ」

 

「いえ、そうとは限りませんわ」

 

『え?』

 

みんなの言葉をセシリアがさえぎる。そうなんだよな。ぜんぜん余裕じゃない。

 

「昨日の事件の際、四組代表の簪さんのIS戦闘を見ました。はっきりいって今の秋人さんでは勝目はありませんわ」

 

『えええ!?』

 

「ちょっとまてセシリア、それはほんとうなのか!?」

 

セシリアの言葉にみんなが驚き、箒が聞き返す。

 

「ほんとうですわ。正直言ってわたくしが闘ってもミサイルでビットをすべて破壊され、撃ち抜かれる、もしくは、至近距離で斬られるしかありませんわ」

 

セシリアの言葉に全員が沈黙する。しかしそれを破る者がいた。

 

「ふ〜ん。四組の代表ってそんなに強いんだ」

 

『!!!』

 

全員が驚いて顔を向けると

 

「ひさしぶりね!秋人!」

 

ツインテールに小柄な体型をした、活発そうな女子がいた。

 

「鈴?お前鈴か?」

 

「そうよ。中国代表候補生、凰・鈴音(ファン・リンイン)!今日は宣戦布告に来たってわけ!」

 

「何かっこつけてんだ?すっごくに合わないぞ、鈴」

 

「んな!なんてこと言うのよ、あんたは!」

 

「おい」

 

「なによ!?」

 

バシン!

 

「もうSHR(ショートホームルーム)の時間だ。さっさと戻れ」

 

「ち、千冬さん・・・」

 

「織斑先生と呼べ。さっさとしろ」

 

「は、はい!また来るからね!逃げないでよ秋人!」

 

そう言い残して走り去る鈴。相変わらず元気なようだ。

 

「騒がしいがなにかあったのか?」

 

そう言いながら兄さんが入ってきてSHRが始まった。

 

Side out

 

Side一夏

「おまえのせいだ!」

 

「あなたのせいですわ!」

 

授業が終わった後、篠ノ之とセシリアが織斑に詰め寄っていた。この二人さっきの授業で何度も織斑先生の出席簿を食らっているのだ。なにしてんだか。

 

「さて、食堂に行くか」

 

教室を出てまず簪を迎えに四組に行く。

その途中みんなの視線が集中する。原因は

 

「ん?なんじゃ主様。儂はまだ何もしておらんぞ」

 

「別に何でもないが、その言い方はいつか何かするととらえていいのか?」

 

「くくく、さあどうじゃろうな〜」

 

そう言って空中を泳ぐように飛んでいく幽里。こいつが原因である。一応さっきのSHRのとき全学年に説明されたのでみんな知っているのだが、やはり珍しいからか注目の的になってしまう。

 

四組についてみると簪の周りにたくさんの女子が集まっていた。まあ、予想どうりだな。

 

「白歌ちゃんかわいい〜」

 

「ねえねえこっちむいて!」

 

「抱きしめたい!頬ずりしたい!食べちゃいたい!」

 

最後の奴は忘れよう。

 

「簪!食堂いくぞ!」

 

「かんちゃん、はやくいこ〜」

 

いつの間にいたんだ?本音。

 

「あ!一夏!」

 

こっちを向く簪。うん、いい笑顔だ。

見惚れていたらきづいたみんなが今度はこっちに来た。

 

「あ!更識君だ!」

 

「あ、あの!」

 

「簪さんとこ、婚約したって噂!」

 

『本当なの!?』

 

うお、やっぱりか。一限目の授業の後も一組のみんなに聞かれたが朝の食堂でのことが広まってるのか。

 

「ああ、俺は簪と結婚を約束した。悪いけどこれから簪と白歌と食堂に行きたいんだけどいいかな?」

 

『あ、どうぞどうぞ』

 

「いこうか、簪」

 

「うん」

 

簪の手をつないで食堂に向かった。

 

『なんかいいな〜』

 

『うん、憧れるねあんな関係』

 

『はあ、私も彼氏ほしいな〜』

 

「・・・わたし、空気?」

 

「気にするな白歌よ」

 

Side out

 

Side秋人

「待ってたわよ!秋人!」

 

僕たちが食堂につくと鈴がラーメンを持ちながら待ってた。

 

「とりあえずそこどいてくれないか。みんなの邪魔になるし」

 

「う、うるさいわね。わかってるわよ」

 

食券をおばちゃんに渡す。今日の日替わりランチはサバの塩焼きか。

 

「にしても久しぶり。元気だった?」

 

「元気だったわよ。あんたこそたまには怪我、病気しなさいよ」

 

「なんだその無茶苦茶な要望は」

 

「ンンッ!」

 

「秋人さん、注文の品で来てましてよ」

 

「おお、ありがとう」

 

とりあえず全員座れそうな席に座る。

 

「アンタ、なにIS動かしてるのよ。ニュースで見て驚いたじゃない。なにがあったの?」

 

「いや、高校の入試会場に行ったんだけど迷っちゃって。で、いつのまにかIS学園の入試会場に迷い込んじゃってな、そこに置いてあったISをさわってみたら」

 

「動かせたってわけ?なにやってんのよ」

 

僕と鈴が話してると

 

「秋人、いい加減説明してほしいのだが」

 

「そうですわ!秋人さん。まさかこちらの方とお付き合いしていますの!?」

 

「べ、べつにわたしは」

 

「なんじゃ、ここでもそんな話しかないのか?」

 

『!!!』

 

突然僕らのまえに幽里(呼び捨てでいいと言われた)が現れた。

 

「な、なによ!?あんた!ま、まさか幽霊」

 

「いや違うぞ鈴。彼女は幽里。ISのコア人格らしい」

 

「コア人格!?そういえば朝、そんなはなしを先生がしてたっけ。よく聞いてなかったけど、本当なの?」

 

「もちろん本当じゃ。儂はIS『鎧輝龍』のコア人格、幽里じゃ。よろしくの。ちんちくりん」

 

「だれがちんちくりんですって!」

 

「さっきから、りん、りん呼ばれておったからちんちくりんのりんかとおもっての〜」

 

「ちがうわよ!わたしは凰・鈴音!よく覚えなさい!」

 

「気が向いたらの〜ちんちくりんりん〜」

 

「うがー!だから、違うって言ってるでしょ!この!」

 

「かかかっ!儂を捕まえられるのなら捕まえて見せよ〜」

 

「この!この!この!」

 

浮いている幽里を捕まえようとするが、幽里は立体映像みたいなものなのですり抜けるし、浮いてるので捕まえられるわけがない。しかし、鈴はそんなこと関係ないとばかりに掴みかかっていく。そして、それを楽しそうに眺めながらいじる幽里。さすがに止めようとしたら。

 

「・・・やりすぎ」

 

「あいた!?」

 

いつの間にか来ていた白歌さんに幽里がチョップされた。さらにその後ろには兄さんたちがいた。

 

「お疲れ様白歌」

 

「・・・うん」

 

「幽里、人をからかうのもほどほどにしろと言っただろうが」

 

「ちぇ、せっかくおもしろかったのにの」

 

どうやら、おなじコア人格同士なら干渉できるようで、それで止めたようだ。

 

「お前も悪かったな。こいつはいたずら好きなんだ。あまりこんなことしないよう注意しておくからって何かたまってるんだ?」

 

「あ」

 

「あ?」

 

「秋人が二人いる?!?!!」

とりあえず事情を説明しよう。

「なるほどわかったわ。あんたは秋人じゃなくて、更識一夏っていうのね」

 

「ああ、そうだ。騒がせて悪かったな」

 

「べつにいいわよ。で、そっちが」

 

「四組の代表で日本の代表候補生の更識簪です」

 

「うん、よろしくね」

 

「よろしく」

 

「じゃあ俺たちは向こうの席でたべるわ」

 

「それじゃあ、また」

 

そう言って兄さんたちは行ってしまった。その瞬間

 

ガシッ

 

鈴に首をつかまれて

 

「どうゆうこと?あいつってあんたの兄さんの一夏よね」(ボソ)

 

「うん」(ボソ)

 

「みつかってたの?」(ボソ)

 

「じつは」(ボソ)

 

僕は箒に話したことと同じことを鈴にも話した。

 

「そうだったの」

 

「うん。鈴、このことは」(ボソ)

 

「わかってるわよ。こんな話、言いふらすわけないじゃない」(ボソ)

 

「ありがとう」

 

話し終えたその瞬間、

 

「おい。いつまで!」

 

「いつまで、くっついてますの!」

 

箒とセシリアに怒鳴られてしまった。

 

そのあと、鈴との関係や昔鈴の中華料理屋に行っていたことを説明したり、ISの訓練を見てあげようかと言われ、それに二人が反対したり、鈴が二人を挑発したりなどいろいろあった。

 

Side out

 

Side一夏

放課後、俺たちは生徒会室に来ていた。今日も書類作業だ。

昨日のことでかたづけなければならない書類は多い。

 

「会長、次はこの書類にハンコを」

 

「ふえ〜ん。虚ちゃんまだあるの〜?」

 

「頑張ってください。あれだけのことがあったのです。破壊された学園の修復、全校生徒への説明、これからの対策、ほかにもいろいろあります」

 

「虚さん。もう俺たちの書類は終わりました。あとはすべて会長のハンコのみです」

 

「そうですか。ではもうみんなは終わっていいですよ。会長は早くハンコをしてください」

 

「えええ!虚ちゃんのいじわる〜」

 

義姉さんの声を聴きながら俺と簪、本音は戻っていった。

部屋に戻る途中、簪と手をつないで歩いていると

 

「最っっっ低!女の子との大事な約束を忘れるなんて!犬に噛まれて死ね!」

 

そんな声がして

 

バタン!

 

織斑たちの部屋から凰が出てきた。

 

「一夏。ちょっと気になるから」

 

「わかった。じゃあ俺は織斑のところに行ってくる」

 

そういって簪は凰を追いかけて行った。

 

「さて、じゃあ俺も行きますか」

 

俺も織斑の部屋に入った。

 

「織斑、今度は何やらかしたんだ?簡潔かつ正確に教えてくれ篠ノ之」

 

「いやなんで箒に聞くんだよ!」

 

「お前より、状況を分かってそうだから」

 

「なんだそれ!?」

 

「で、何があったんだ?」

 

「こいつが凰の約束をわすれ、間違った解釈をしたのだ」

 

「ほう。まさか約束って、(付き合ってとかか?)」

 

「(ああ、そうだ。正確には、料理が上達したら毎日酢豚を食べてくれ、とゆうな)」

 

「とりあえず、織斑」

 

「ん?」

 

「誠心誠意謝れ」

 

「あ、ああそうするよ」

 

Side out

 

Side簪

「秋人のばかばかばか!ばああかあああ!!」

 

夜の屋上で凰さんが叫んでる。そんなことしてたら、寮長の織斑先生に見つかるよ?

 

「あの、凰さん?」

 

「ふー、ふー、ふー、ん?あんたはたしか四組の」

 

「更識簪。簪でいいよ。こっちは」

 

「・・・白歌。簪のISのコア人格」

 

「あ、うん。わたしも鈴でいいわよ」

 

「それで鈴。どうしたの?いきなり織斑君の部屋から泣きながら飛びだしてきたりして」

 

「・・・何かあったのなら、相談に乗る」

 

「うん実は」

 

とりあえず、鈴の話を聞き感想は

 

「女の敵」

 

「・・・死ぬべき」

 

「そうよね!そう思うわよね!」

 

「鈴、飲み物でも買ってきて私たちの部屋で飲もう。一夏もきっと愚痴を聞いてくれる」

 

「簪〜。ありがと〜」

 

そのあと、わたしたちは就寝時間ぎりぎりまで愚痴を聞いたり、たわいもない話をしたりしていた。鈴とは親友になれそう。

 

Side out

 

説明
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織斑一夏 更識簪 更識楯無 インフィニット・ストラトス デジモン IS 日常 

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