ハイスクールD×D〜はぐれの惑星龍とはぐれの黒猫〜
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「はぁ…はぁ…はぁ…」

 逃げる、自分の為に。少年は必死で逃走する。

 後ろからは、百名以上の悪魔達が俺を捕まえる為に追いかけている。

 この悪魔の社会において、少年はやってはいけない事をした。

 そう…少年は、

 自分の主を…この手で殺害したのだから…!

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふわぁ……ねみぃ……」

 深みのある黒髪の青年――輝(かがやき)宇宙(そら)今日はずいぶんと昔の事

 を思い出していた。俺は、駒王学園の教師で、主を殺害した

 はぐれ悪魔だ。

 この学園には魔王の妹が二人ほどいる。あの二人は、そろそろ俺の正体に

 気づくだろう。

 だが、未だにあの二人には普通の人間にしか見えないだろう。

「さて、今日は飛鳥時代について勉強しようか」

 宇宙は、二年B組の担任で日本史を担当している。

 因みに、教員免許は実力で取得した。

 キーンコーンカーンコーン…。

「はい、授業はここまでだ。ちゃんと今日の授業内容を復習しておくように」

 

 

 

 

 

 

 自宅への帰り道、宇宙はいつも通っている公園に入っていく。

 だが、今日は何かが違っていた。

 この公園に俺と同じ悪魔と、敵である堕天使がいる。

 その内、悪魔の方がこっちへ走ってくる。よく見るとあいつは…

 学園で"エロの権化"として有名な兵藤じゃないか! あいつも悪魔になったのか

 兵藤は俺に気づき、助けを求めてきた。

「せ、先生っ! た、助けてくださいっ! 変な男に追われているんです!」

「そうか。――兵藤、下がってろ。追っ手がやってきたらしいぞ?」

 前を向くと、そこには黒い翼を生やした男性が飛んでいた。

「お前もこのはぐれの仲間か…? なら、お前も殺してやろう」

 男性は、光の槍を造り、兵藤と俺に目掛けて投げた。

 

 俺は兵藤の目の前へ行き、それを片手で掴み、握りつぶした。

「なっ…!? 馬鹿なっ! 悪魔が光の槍を掴み、潰せるはずは…!」

 堕天使が黙った。それは俺が殺気を放っているからだ。

「お前は、大事な生徒に危害を加えた。万死に値する。お前は跡形もなく

 消してやるよ」

 ――ユニ、いけるな?

『まっかせなさい!』

 ――それじゃあ、いくぞ!

「『惑星龍(プラネット)の爪牙(クロー)』ッ! モード『太陽龍(プロミネンスドラゴン)』ッ!」

 俺の両手には、宇宙のような深い闇色の爪が現れ、その爪が太陽のように輝いていた。

「くっ…! 撤退する…!」

 堕天使は逃げようとするが、さっきとはくらべものにならないぐらいの速さで

 捕まえる。

「逃がすかよ…! 俺の生徒に危害を加えた罪はデカイぜ?」

 俺は爪から掌へ太陽の力を集め、小さい太陽ができた。

 大きさは、直径4m。万が一、町に当たったのなら、一瞬で消えるほどの規模だ。

「『太陽球(サン・フレア)』ッ!」

 小さな太陽は堕天使に直撃。

「がっぁぁあぁっぁあぁぁぁあっぁっぁああッッッ!!!!」

 叫びながら、跡形もなく消えた。

 

「フン、俺の生徒に手を出したから悪いんだ」

 兵藤の方へ向くと、俺を怯えた瞳で見ていた。それも、そうだろうな。

 学校の先生が実は異能持ちでしたって、誰が信じるか。

「せ、先生、助けてくれてありがとうございます」

「い、いや、いいんだ。生徒を守るのは、先生の役目だ―――で、お前か?

 兵藤を悪魔にしたのは」

 悪魔の気配のするほうへ視線を向けると、そこには、紅髪の美女――

 リアス・グレモリーとその他の眷属と思われる悪魔がいた。

「ええ、そうよ。ごきげんよう、宇宙先生。私的には、その『神滅具(ロンギヌス)』

 の力を見てみたかったのだけれども」

「悪かったな、グレモリー。俺には、秘密が多いのだよ。お前は俺にじゃなくて、

 兵藤に用があるんだろ? ――それと、言い忘れていたが」

 俺は振り向くと同時に言った。

「夜10時以降はのお前達高校生は、補導の対象だ。今日は見逃してやるから、もう

 徘徊なんてするじゃあねぇぞ」

説明
輝 宇宙は主を殺害したはぐれ悪魔だ。はぐれでありながら、駒王学園に教師として働いている。昔、知り合った黒歌と一緒に禍の団へ所属しながら、陰で一誠たちを助ける物語。
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