たとえ、世界を滅ぼしても 〜第4次聖杯戦争物語〜 主従契約(参戦理由)
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部屋に戻ると同時に、雁夜に何かが突進してきた。

 

「かりやおじさん・・・っ」

「え、桜ちゃん?どうしたの!?」

 

ぼすっ、と音を立てて引っ付いてくる少女に、雁夜は思わず目を見開く。(右目だけだが)

その声に、おずおずと顔を上げると、小さく少女は呟いた。

 

「あのね、起きたらおじさんがいなくて・・・少しビックリしちゃったの。

 おじさんが、いなくなっちゃったのかと思って・・・。」

「さ、桜ちゃん・・・!」

 

その時、雁夜の中では喜びが溢れていた。

 

(桜ちゃんが俺を心配してくれた!しかもちゃんと表情が、感情が出てるじゃないか・・・!

 どうしたんだろう?でもこれなら俺が聖杯さえ持ち帰ってくれば、

 葵さんや凛ちゃんに、桜ちゃんが笑顔で「ただいま」を言えるかもしれない・・・!)

 

それは、何よりも大事な事だった。

たとえ自分がその光景を見れなくても、すぐに死んでしまう命でも、

彼女達の幸せを願うなら、桜の感情が戻っているに越した事はないのだから。

 

ふと、雁夜は思う。

とりあえず、ずっとこの部屋にいたのだろう・・・だが、あの爺がそれをよく思うだろうか?

下手にあの蟲爺に桜を傷つける口実を与えるのは拙い、そう判断すると、優しく桜に笑いかけた。

 

「桜ちゃん、そろそろお部屋に戻らなきゃ。

 おじさんも少し休むし、一旦自分のお部屋でゆっくり休んでおいで。」

「おじさん休むの?ねぇ・・・おじさん、桜も一緒にいたらダメ?」

 

こてり、と首をかしげて見つめてくる少女の姿に、雁夜は思わず頷いてしまいそうになった。

だが、いや待てそれは拙い、と何とか思いとどまると、桜の頭を優しく撫でて謝っておいた。

 

「ごめんね桜ちゃん、おじさんは昨日の大事な儀式で少しだけ疲れちゃったんだ・・・。

 だから、ちょっとだけお部屋で待っててくれないかな?休んだらまたお部屋に会いに行くから。」

「うん・・・分かった・・・」

 

少し寂しそうに見えたのは気のせいだろうか?

桜は雁夜の手を少し名残惜しそうに見つめると、自分の部屋に帰って行った。

 

 

 

 

 

                          (おじさん、桜を・・・ないでね。)

 

 

 

 

「――――えっ?」

 

ふと、何か、聞き逃してはいけない言葉が聞こえたような――――――――

 

そうして、パタリと扉は閉まった。

 

 

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「・・・では、色々とお話ししたい事があります、カリヤ。」

「何だよ?これからの方針はもうしただろ?」

 

桜が出て行った後、霊体化していた筈のドラグーンがその姿を現した。

魔力不足の為に、現界するのも辛い筈なのに一体何だというのか。

 

「いいえ、私達は貴方の【願い】を知りません。一体何をもってこの戦争に参加するのか?

従者である身としては、やはり知っておかねばと思いまして。」

「あ――――」

 

そういえば、言っていなかった。

いや、何となく伝わっているんじゃないかと思っていたのだが、具体的な事は全く言ってはいない。

確かに、これでは呼び出した側としてもどうかと思うし、彼等の主人としては問題があるのかもしれない。

 

「わ、悪い・・・そういえば、言ってないよな・・・;」

「いえ、別に言えないというのであれば構わなかったですし、それでいいとも思っていました。

 それに・・・あの少女、明らかにこの家とは違う気配がしましたので。」

「!・・・分かるのか、お前。」

「生前、そういったモノには深く関わりがありました・・・呪いのような物には特に。」

「っはは・・・呪いか、成程な、ピッタリじゃないか。

 この家の人間の血筋は【呪い】みたいなモノなのか・・・っ!」

 

ぐっ、と拳を握り締める。

この家は呪われている、確かにそうだろう、あの蟲翁の妄執が染みついているのだから。

その血が流れているこの家の人間が、呪われていたとしても、雁夜は不思議に思えない。

 

「ああそうだ、桜ちゃんをこの家から解放して、元の家族の元に帰す。

 それが俺の願いだ・・・あの爺に聖杯を渡せば、彼女を実家に帰すとあの妖怪はそう言った!」

「成程、等価交換だという訳ですね。

 血筋の問題は魔術師には重要だと聞いた事はあります、その見返りに必要なのが聖杯・・・。」

「その為にお前達が必要だった、この戦争に参加しない事には、聖杯は手に入れられないからな。」

 

その言葉を聞くと、ドラグーンは何か考え出した。

少し眉間に皺が寄っている・・・このサーヴァントは、

何かと頭が回るようだが、今の話に納得してくれてないのだろうか・・・?

そう考えて不安になっていると、唐突に何かに気付いたような顔をして、戸惑った様に微笑んできた。

そうして――――――――

 

 

「・・・カリヤ?それで、勿論この事は彼女のご家族に伝えているのですね?

 彼女の家族は魔術の家系でしょう、なら力になってくれるのは前提の上での話で問題は無いですね?」

 

 

――――――――そんな、事を、言った。

 

 

「何、言ってるんだ・・・そんな訳ないだろ?桜ちゃんをこの家に養子として【売った】のは、

 あの子の父親で、遠坂時臣っていう魔術師の、クソ野郎なんだぞ・・・!」

「・・・カリヤ?」

「そうだ、アイツのせいだ!アイツがあの子を此処に、よりにもよって此処に養子になんてしたから!葵さんも凛ちゃんも!桜ちゃんもずっと泣き続けているんだ!」

 

 

突然の雁夜の変貌に、ドラグーンが【驚いたような】表情を見せた。

それがどういう事なのかを、理解する事もなく、雁夜はただその憎悪を吐き出していく。

まるで―――――――何かが憑りついたかのように。

 

 

「そうだ、葵さんが、彼女が笑ってくれていればそれで良かったのに!

俺は彼女を幸せに出来ないから、アイツならそれが出来ると信じてたから託したのに!

凛ちゃんや桜ちゃんも生まれて、ずっと幸せそうに笑ってて!・・・それだけで、それだけで良かったのに!」

「・・・理由は?聞いたんですか。」

「聞ける訳ないだろう!アイツは魔術の大成の前にはどんなこともどうせゴミ程度にしか見えてないんだ!

魔術師の名家に生まれ、周囲の期待に応える事が当然で、それ以外の幸せなんて存在しないと思ってる。

桜ちゃんを養子に出したのが証拠のような物だ!一緒に育てる事も出来た!魔術師として育てる必要なんて何処にあったんだ!?あの子は【家族】と!凛ちゃんと葵さんと笑えてたのに!!」

 

先程の寂しそうな桜の顔が、頭から離れない。

今日まで、感情を殺していた桜が、どんな形であれ感情を取り戻している。

だからこそ余計に怒りがこみ上げる。

 

「それをアイツが!時臣の奴が!桜ちゃんを間桐の家に売ったからだ!

 彼女の母親である葵さんも、姉妹である凛ちゃんも悲しませて!

 なのにそれが正しい事だと、平然と彼女達の【当たり前の幸せ】を踏みにじった!

 一緒に生きる事の幸せを・・・魔術師だから!?聖杯が欲しい!?根源に至る!?

 そんなモノの為に・・・ッ桜ちゃんは家族と引き離されて蟲に犯されるのが【当然】なのか!?

 桜ちゃんの父親のくせに、アイツはそれを魔術師という理由だけで、こんな家に売り払った・・・!」

 

その笑顔を壊した原因が、その涙が失われる事になった原因が、何をもって【桜の幸せ】を考えているのか!

 

「俺は時臣を殺す!そして聖杯を手に入れて桜ちゃんを開放する!

 彼女は葵さんと凛ちゃんとまた一緒に、【3人】で笑って暮らす事が出来るんだ!

 幸せそうに、当たり前の日々をもう一度・・・!取り戻す事が出来る!だから・・・!」

 

 

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「カリヤ、貴方の願いは【少し可笑しい】ですよ。ああ、いっそ笑えてしょうがない。

 彼女が父親に売り捨てられ、それを救う為に戦う、それが【理由】なら問題は無いでしょう。

 しかし、それならば何故――――――――それが、彼女の【父親殺し】に切り替わってしまうんですか?」

「えっ・・・?」

 

その言葉に、一瞬呆けた。

目の前の、静かに微笑んでいるサーヴァントの、水を差すような声に。

 

「はっ・・・お前、何・・・?」

「だから、分かりませんか?貴方の願いは壊れています、このままではあの少女は救えない。

 今のままなら・・・その結末はきっと【ろくでもないもの】になる。」

「っ!お前何が言いたいんだよ!俺は桜ちゃんを助けたいだけなんだぞ!?それが悪いって言うのか!!」

 

困ったように失笑して返された言葉に、雁夜は怒りのままに怒鳴りつける。

その姿に目を細めると、ドラグーンは雁夜に笑いかけて言い放つ。

 

 

「別に?人助けはいい事ですよ、それは【良い事】です、でも【手段】が可笑しい。

 貴方はそれを理解していない、いいえ、それに気付こうとしていない。

 貴方がしたいのは人殺しですか?貴方がしたいのは人妻の略奪ですか?それともあの少女の救済ですか?

だから可笑しい、貴方は自分の気持ちが【何処に】向かっているのかも、

その手段が、【何を引き起こす】のかも、全く理解出来ていないのだから。」

「黙れっ!そんなの大した事じゃないっ!何の問題もあるわけないだろう!?

 葵さん達がそれで笑える!もう泣かなくてもいいんだ・・・っ!?ぐっごほがっ!げほっ!」

 

ぼたぼた、と口から血が溢れだす。

確かに、興奮してしまったせいだろう、蟲が活性化して体の中を暴れまわる。

痛くて、痛くて、苦しくてたまらなくて、思わずベッドに倒れ伏してしまう。

その様子に、はっ、としたように顔色を変えると、笑顔を消したドラグーンが背中をさすってきた。

 

「っ!?・・・カリヤ!もういい、これ以上は喋るな、興奮しすぎて蟲が・・・!」

 

・・・ああ、こんな嫌な奴だったなんて、そんな奴に心配されるなんて、本当にイライラする。

こんなのでもマスターで俺が死んだら困るからか、今更案じるような事をされても腹が立つだけだ!

 

 

そう考えると、雁夜は背中に触れるドラグーンの手を払い飛ばし、血と蟲を吐きながらも絶叫する。

 

見たくなかった、これ以上このサーヴァントの顔を見ていたくなんてない。

何を言いたいかも分からない、何を考えているかも分からない、

その本心も真名も、何も語らないような奴は信用出来ない!

これなら何も言わないバーサーカーの方がずっと良い!

 

「煩い!お前には分からないだろう!?あの子が奪われたモノの大きさを!痛みも悲しも絶望も!

 あの子はこのままじゃ本当に壊れてしまう!俺みたいな体になってしまうかもしれない!

 幸せになれる筈のあの子が、家族と笑いあえる筈のあの子が、このまま地獄に居続けるなんて!

 そんなのおかしいだろう!悪いのはこの家から逃げ出した俺だ!悪いのはあの子を捨てた時臣の奴だ!人の命を喰って生き続けるクソ爺だ!あの子は・・・!桜ちゃんは・・・何も悪くないのに!!!」

「・・・カリヤ、それでも、その願いが正しくても、そのトキオミを殺せば必ず破綻する。

 自分で気付けなければ、多くのモノを犠牲にして巻き込んでお前は自爆するだろう。

 だから早く理解しろ、ソレが何を引き起こすのかを、でなければ・・・・・・・そう遠くない未来、((お前自身|マトウカリヤ))は破滅する。」

「煩い!もういいお前は桜ちゃんの傍にいてあの子を守れ!いくら弱くなっていてもそれぐらいは出来るだろう!?

俺にはバーサーカーがいるんだ!お前の助けなんて必要ない!早くこの部屋から出ていけっ!!!!!」

「そうか、分かった・・・確かに今は私はいない方がいいだろうな・・・」

 

少しだけ、小さく自嘲するように笑うと、ドラグーンはその背を向けた。

ふと、何故かそれが酷く悲しげに見えて、一瞬罪悪感が湧くがそれを無視する。

それももしかしたら嘘かもしれないのだ、自分の役に立てるというなら、桜を守る盾ぐらいになればいい。

そう、思った。

 

 

「・・・これだけは言っておく、私は【カリヤのサーヴァント】だ。

 カリヤに危険が迫った時は、何があっても何を犠牲にしても、必ず助けに行く。

 信頼なんていらない、信用何てしなくていい、ただそれだけを・・・忘れないでくれ。」

 

 

 

そう言い残すと、ドラグーンは部屋から廊下へと出て行った。

その姿を見送ると、雁夜はそのままベッドへ倒れこむ。

 

「っ俺は間違ってなんていない・・・時臣を殺して聖杯を手に入れれば!葵さんを、凛ちゃんを、桜ちゃんを救えるんだ・・・!」

 

・・・雁夜は気付いていない、そう呟いている自分自身が、何よりも不安そうな顔をしている事に。

今だ現界する事無く、傍にいるバーサーカーの気配が、少しだけ戸惑っている事に。

 

 

ただ握り締めたその右手で―――――――――――――金色の指輪が、悲しく光っていた。

 

 

 

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<SIDE/ドラグーン>

 

 

追い出された廊下で、ドラグーンは移動を開始する。

んな形であれ、命令を受けた以上『桜』を守らなくてはならない。

 

 

「『捨てられた痛みは、捨てられた者にしか分からない』・・・そうだろうな、それは事実だカリヤ。

捨てられた事の無い人間が、その痛みを理解するなんて、到底出来る事ではないだろう。

口先だけの慰めや勘違いの正論を向けたところで、それは所詮ソイツの勘違いと思い上がりに過ぎない。」

 

 

酷い事を、言った自覚はある。

だが矛盾は突きつけなければならない、中途半端な願いは、命と心を削るだけだ。

これから始まるのは、魔術師達の何一つ顧みない殺戮と絶望の戦い・・・だからこそ、それは命とりだ。

ただ、もっと傷つけないように言えなかったものかと、己のこの性格に吐き気がした。

 

・・・カリヤが言うのも最もだ、あの娘の父親はどんな理由があれ、自分の娘を地獄に売ったと言われてもしょうがない。

内側でこれだけ酷いのだから、一般人はともかく、この屋敷がおかしいのぐらい魔術師なら遠目に見ても気付く筈だ。

ましてやあの話を整理するなら、相手はこの土地の管理人であり責任者、自分の土地に住んでいる魔術師を把握出来ていない等、問題どころの話ではないのだ。

 

 

例えるならば、それは【一国の城主が、国に属する悪徳領主を野放しにする】のと同じだ。

 

狡猾な領主が、表では民を慈しんでいるかのように見せかけて、裏では恐怖と暴力で縛り上げ横暴しているのを、

それが原因にして国が亡ぶ一歩手前、手遅れになるまで何もしないのと同じようなモノ。

では、その場合の城主とはどんな存在だろうか?

 

―――――――――決まっている【横暴を容認している暴君】か、【建前と上辺に騙されている暗君】のどちらかだ。

 

 

(数代に及ぶ管理人という時点で、暴君の方かと思っていたんだが、それも怪しいな。

もし他の成すべき事をしっかりやれているのだとすれば・・・

恐らく、実の娘を引き渡す【家】を、碌に理解してなかった暗君だろうな。

500年という年月が【何も狂わせない】という保証がどこにある?

何を過信していたのかは知らないが、あの蟲爺を信用したのか?正気かその魔術師は?

多くの人を喰らい、慈しむべき大地に寄生すると共に瘴気で穢し、

たった一つしかない命の尊さを侮辱する、あの怪物を。

その結果が自分の娘の悲劇と絶望だと、気付いているのかどうなのかは知らないが、正直・・・気に食わない。)

 

そう、ドラグーン自身は、母娘を傷付けたのが赦せないと憤る雁夜の気持ちも、分からなくは無かった。

そこに矛盾があっても、そこに初恋の女への恋慕が隠れていたとしても、ソレを咎める権利は自分他人にはないから。

何より・・・・・・・自分とて、【たった一つの幸福】に焦がれ続け、最期まで間違い続けた存在なのだから。

 

 

 

しかし――――――――――だからこそ、雁夜は【桜の父親】を殺してはいけないのだ。

 

 

 

故に止めた、それが亀裂を生んでしまうと分かっていても。

己が((主人|マスター))が、どこかで間違っているというのなら、それを正すのも((従者|サーヴァント))の務めだろうと言い訳までして。

何より・・・ドラグーンは【間桐雁夜】を気に入ってしまったのだ、『叶うならどうか、その手を血で染めてくれるな』と思うぐらいには。

 

 

「・・・だが、自分自身を救えるのは、どれだけ頑張っても結局は『自分だけ』だ。

お前も悪かった、その父親も悪かった、蟲爺が最悪だなんてそんなの分かりきっていることだろう。

それでも―――父親に売られようと、母親に見捨てられようと、【その前に】どうしたいかを決めるのは【自分】なんだ。

人間は獣じゃない、叫ぶ事も泣く事も笑う事も祈る事も・・・その声で、その言葉で【伝える事が出来る】のが人間だ。

そう、その現実を言ってしまうなら、果たして((あの娘|サクラ))は、本当に何も悪くなかったのか・・・カリヤ。」

 

 

ぽつりと、そう呟くと瞬時に霊体化してその場から掻き消えたのだった。

 

 

 

 

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<SIDE/??????>

 

くるったこえによびだされて、じぶんはそのばにたっていた。

まわりはきもちわるいくうきがあふれている。

そして、めのまえにおとこがたおれていた。

しにそうになっている、しにかけのおとこ。

 

(これが、『ますたー』、か)

 

ちをはいて、まっかにしている

ちにむしがまじっている、だがどうすればいいのだろう

めいれいをくれなければなにをすればいいのか、めいれいがくるまでまっていればいいのか

そうかんがえているとしかいのはしに、『ぎんいろ』が、よぎった

 

 

                 【■■■■■】?

 

 

・・・ちがうアレは■■■■■じゃない

くるうおのれに、ざつねんがふえる。

いやくるっているのに、ざつねんがある。

なぜだなぜだこのみはくるっているはずなのに。

りかいできない、おとこにちかづいてふれてるアレはなんだ。

ああなにかいる、むしがいる、アレはよくないものだ。

しかしなにもしないすることはできない『ますたー』がめいれいをくれなければ。

ぎんいろがむしとなにかいっているわからない

ますたーがたおれているわからない

 

この『ぎんいろ』は、なんだ。

この『ますたー』は、なんだ。

 

 

 

 

・・・・・・・・ますたーのなまえがわかった・・・なまえはまとうかりや・・・かりや・・・・・・

 

 

 

 

かりやとぎんいろがなにかかいわしている、かりやがおこっているがぎんいろはわらっている。

 

(違う違う違うアレは笑ってなどいない)

 

かりやのねがいがおかしいとぎんいろがわらう、なにがおかしいとかりやがさけんでいる。

 

(アレは笑っている、表面だけが、中身は何か違うのか)

 

かりやはぎんいろをおいだしてしょうじょをまもれといっている、おれにはばーさーかーがいるといっている。

 

(バーサーカー、そうだ、私はバーサーカーだ)

 

 

そうだ、きかいだどうぐだそれでいい、ますたーのぶきで、ますたーのたてで、それだけでいいそれでこのみはいみをなすのだ、だからこれはまちがいじゃないおかしくないおかしいところなんてどこにもない、ぎんいろがますたーをみすてるならじぶんがそのぶんまもればいいだけ、そしてかならずせいはいをこのてにすればいいのだそうすれば、このねがいも、ますたーのねがいもかなうのだ。

 

 

・・・・なのにおもう、かりやのねがいがおかしいといったぎんいろが、

はやくきづかないと【こうかい】するぞといったこえが、わからない。

 

・・・・なにかおもう、ぎんいろのことばにおこるかりやが、

なにかに【せかされて】いるようにみえるのかが、わからない。

 

わからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからないわからない――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

   ・・・・・・・わからないのに、なぜか、なにかが、【もどかしかった】・・・・・・・・

 

 

 

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今回の話は、人それぞれの捉え方があるだろうと考えて書きました。

実際のところ、気に食わないという方が多かったと思います。

 

それをここで言うのは、言われる側の雁夜おじさんにはきっついですが、

言わないと気付かんだろアンタ、というドラグーンの意思も込めてのお話。

でも全部は教えてあげない、自分で気付かないと意味ないから、ヒントだけ出しておくよという感じです。

最後のバサカの思考は、狂いきれてない状態です。

本当に狂っている場合、そもそも雁夜おじさんやドラグーンに思考を向けるのはまず無理だろうと思います。

でも召喚事故の為に多少の単純な事は考えられますので、このような感じになりました。

・・・雁夜おじさんとドラグーンの会話に【何か】を感じていますが、決定的なソレには気付く事が出来ません。

もしもソレに気付けた時、どうなるのか・・・そこが気になるところですね。

 

それでは、ここから遠坂邸のアサシン事件に物語は移動していきます。

雁夜と仲違いをしたドラグーンは、ある程度の別行動をするようになります。

基本は桜の身の安全を優先するように命令を受けていますがはたして・・・・?

次回、「偽装工作」をお楽しみに。

ここまでの閲覧ありがとうございました!

 

現在、作者は話を書くのに合わせてBGMをイメージでつけています。

なんとなくこれからはそのタイトルを記載していきます。

いい曲ですよ!

 

今回のBGMは、【茨の海(鬼束ちひろ)】でした。

 

※感想・批評お待ちしております。

説明
※注意、こちらの小説にはオリジナルサーヴァントが原作に介入するご都合主義成分や、微妙な腐向け要素が見られますので、受け付けないという方は事前に回れ右をしていただければ幸いでございます。

それでも見てやろう!という心優しい方のみ、どうぞ閲覧してくださいませ。


今回は注意点があります!
ドラグーンが微妙に雁夜おじさんに冷たいです、ぶっちゃけ酷いです(精神面に)

もうやめて!おじさんのライフはもう0よ!な冷たさになりそうなので、
そんなの見れるかあああああああああああ!という人はここでどうかUターンをお願いします。
あと、バーサーカーの大まかな内面の声が最後に出ます。
狂ってるから平仮名表記が多いので、見づらいと思いますが、そこはどうかご了承くださいませm(__)m


ここまで読んで、それでも見たい!と言ってくださる方だけスクロールをお願いいたします。
前書き閲覧、ありがとうございました。
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