ありがとう〜第一話〜
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「んんっ・・・」

 

 

 

朝の目覚めは最悪だった。

 

ここ何か月間、ずっと体調がすぐれてはいなかったが、最近はさらにひどく、熱も出ていた。

 

しかし、今日は熱も下がり、気分もいつもよりは全然いい。

 

 

なぜ最悪なのか・・・

 

 

 

 

 

「起きたか、ツナ。」

 

 

 

「リボーン!おはよう。」

 

 

ツナは笑顔でリボーンにあいさつした。

でもその笑顔はどこか悲しそうだった。

 

 

「?何かあったか、ツナ?」

 

 

 

 

「・・・はは。さすがだね、リボーン(苦笑)」

 

 

 

 

「・・・・・・・今日なのか?」

 

 

 

 

「そうみたい。」

 

 

 

部屋に沈黙が走る。

 

 

 

「ねぇ、リボーン。」

 

 

ツナのほうを見る。

 

「俺がいなくなったら、みんなのことよろしくね。」

 

 

 

 

「みんなには言わないのか?」

 

 

 

「言わない。いや・・・言えないよ。これ以上心配かけられないから。」

 

 

 

 

「分かった。そういえば獄寺が朝飯の用意をしていたぞ。」

 

 

 

「ほんと?今日はみんなで一緒に食べられるかな?」

 

 

 

嬉しそうに笑って、ベッドから起き上がろうとする。

その時に一瞬辛そうな顔をしたが、気づかないふりをした。

 

「(どうしてツナが・・・。確かに何をしてもダメダメだが、仲間のためには本気で何事にも立ち向かういいやつだ。神に嫌われるようなこともこいつはしてねぇ。なのになんで、病気はこいつを・・・。)」

 

 

 

 

 

 

「リボーン?朝ご飯食べに行こう。」

 

 

 

 

「・・・。あぁ。」

 

 

 

「そんな悲しい顔しないでよ。こっちまで悲しくなる。」

 

 

 

 

「俺はそんな顔してねぇぞ!」

 

ツナに蹴りを食らわす。

 

 

「いたっ!一応病人なんだけど!」

 

 

「そんなことは関係ねえ。行くぞ、ツナ。」

 

 

「そんなぁ。」

 

 

 

といいつつ、リボーンに笑って答える。

 

 

「(こいつはいつものツナだ。いつも通りにせっすりゃぁいいじゃねぇか。)」

 

 

 

そう思いながら、ツナと一緒に階段を下りていくのだった。

 

説明
『ありがとう』の第一話です。
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タグ
リボーン 沢田綱吉 ツナ 不治の病 悲劇 

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