テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー
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〜レオンSIDE〜

 

 

ウィンガルの奴、さりげなく俺のことも捕獲対象にしやがった!全く持って不愉快だぞ!?

 

 

俺達は走りながら門を目指している。

 

 

「作戦、大成功〜!」

 

 

「ティポを門番に預けたのは、脱出に備えてだったんだね」

 

 

「はい。なんといっても交渉するのはミラさんですから。ミラさんが意志を貫く時は……」

 

 

「はは。何か起こりそうな気がしちゃうね」

 

 

「予想どおりだったねー」

 

 

「知ってます!それってトラブルメーカーって言うんですよね」

 

 

4人ともミラに聞こえていないと思っているな……ミラ、聞こえているんだけど(汗)

 

 

「……ふむ」

 

 

聞こえていたミラはティポに近づいていた。

 

 

「ぎょえー!ミラ君!聞いてたの!?」

 

 

「否定できない話だがひとつ言わせてもらおう。ティポもトラブルメーカーに含まれるのではないか?」

 

 

ジュ・ロ「それは……」

 

 

ミラの言ったことに何も言えないジュードとローエン。

 

 

「えー!フォロー無し!?」

 

 

ブチッ!

 

 

「お前たち!話している暇があればキリキリ走れ!」

 

 

話しているみんなに俺は文句を言うと全員黙り、走って言った。

 

 

 

 

 

 

 

城の外に出た俺達は一旦は知るのをやめた。

 

 

「や、やっぱり……アルヴィンはウソつきです」

 

 

「事情があるのかとも思いましたが、今回はさすがに」

 

 

「アルヴィン君をダンザイしろー!引きずりだせー!」

 

 

アルヴィンを信じていたエリーゼは悲しい気持ちになっており、そのエリーゼの気持ちをティポが言う。エリーゼ、心の奥で断罪しろって……考えているのか。

 

 

「ミラ……アルヴィン君はどうして?」

 

 

「さすがに本心まではわからないが……」

 

 

「何が僕たちが信じてるのを知ってるだ。アルヴィンなんか……もう!」

 

 

……ハァ。

 

 

「お前ら!二度も同じことを言わせるな!兵士が追って来ているのにここで時間を喰っている暇があるか!それとジュード!お前もいい加減、素直に信じすぎるな!あいつは自分に利益のある方法を選んだだけだ!あいつは傭兵だ!自分に有利な条件を飲むに決まっているだろ!」

 

 

「……!?レオン、まさか、アルヴィンがまたこうすることを……」

 

 

「当り前だろ!いい加減に学習しろ。そもそも、何回も別行動をとったり、色々していれば疑う気持ちの方が大きいわ!」

 

 

俺がそう言うと黙る皆。そこへ、

 

 

カンカンカンカンカンカン!!!

 

 

城の鐘が鳴り響く。

 

 

「やつらは城外に出だぞっ!」

 

 

ガシャッ!

 

 

「マズ!?」

 

 

話しているあいだに門を閉ざされてしまったか!

 

 

「開かない!」

 

 

どうするかを考えているとローエンが何かを見つけて、俺たちにいってきた。

 

 

「5ヵ所の制御石を復帰させれば、ロックを解除できるかもしれせません。石にマナを注いでください。石が完全に赤く輝いたら、完了の合図です」

 

 

「ガンダラ要塞の時と同じですね」

 

 

エリーゼの言うことに頷くローエン。

 

 

「ただし、みなが近いタイミングで完了させなければ、ロックは解除できません」

 

 

「なら、マナを扱うことに長けている俺・ミラ・ジュード・エリーゼ・ローエンでやろう。レイア、すまないが、兵士たちがこちらに近づいてくるかを見張ってくれないか?」

 

 

「う、うん……わかった!」

 

 

俺達5人は制御石の前に立つ。

 

 

「いきますよ!」

 

 

ローエンの合図と共に俺達は同時に制御石にマナを注ぐ。

 

 

「終わったぜ」

 

 

「終わりました」

 

 

俺とローエンが先に終わる。

 

 

「もう!?」

 

 

見張っているレイアはそれを聞いて驚いている。

 

 

「こちらも完了だ」

 

 

「終わったよ!」

 

 

「できました……」

 

 

5人全員がマナを注ぐのを終えると、

 

 

ガシュン…ガッガッガ

 

 

門が開く。

 

 

「急ぐぞ!」

 

 

俺達はその場からすぐに離れて、モン高原方面の出口へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モン高原方面の出口に近づくと、プレザとウィンガルが待ち伏せていた。

 

 

「私を置いて先に行くなんて、そんなやつ滅多にいないわよ」

 

 

 

「プレザといったな。まさかガイアスの部下だったとは。イル・ファンを脱出した私たちを初めから狙われていたわけか」

 

 

「ニ・アケリアじゃ、アルが陛下にあなたたちの情報を売ったのよ」

 

 

「やっぱりか……」

 

 

やっぱり、あの時……ミラの社で一度別れた時か。

 

 

「さすがレオンね。気付いていたの?」

 

 

「まあな。まず、村人達は俺がいれば問題ないからアルヴィンに頼む必要はないし、バカイバルがそもそも、他人であるアルヴィンにミラのことを頼むわけはなかった」

 

 

「へぇ、初めから怪しいって気付いてたんだ。陛下があなたを部下にしたい気持ちがわかったわ。力は強く、頭の回転速度は早く、文武に長けているあなたを……ね」

 

 

「俺は何度も断っているがな。大方、ウィンガルが俺も捕獲対象にしたのはガイアスの道の力になると思ってのことだろ」

 

 

「さすがだな……」

 

 

黙って聞いていたウィンガルも俺の言うことには答える。

 

 

「じゃあ、アルヴィンは……最初からあなたたちの仲間だったんだね」

 

 

「いや、それはない」

 

 

俺がジュードの言うことを否定する。

 

 

「ええ、そんなことはないし、そんなこと言わないでくれる?あんな男……仲間でもなんでもないわ」

 

 

「…………?」

 

 

若干怒りの表情を見せるプレザを不思議に思っているジュード。

 

 

「……ふふ、私たちの関係はご想像にお任せするわ。けど、アルは組織を渡り歩く、根無し草の一匹オオカミよ。誰にも心を許さない。信じた方が悪いわ、ボーヤ」

 

 

「戦になればクルスニクの槍が、最たる脅威となるのは明白。それがわからぬマクスウェルとお前ではないだろう」

 

 

ウィンガルが俺とミラを見て言う。確かに、クルスニクの槍の力は戦になれば脅威になるが。

 

 

「お前たちの縄張り争いに手を貸すつもりもない。あれをお前たち人間が手にすれば、待っているのは悲惨な結末だけだ」

 

 

ミラはそう、言いきった。だが、その言い方が癪に障ったのか構えを取るプレザと刀を抜くウィンガル。

 

 

「ずいぶん、上から見られたものだな」

 

 

ミラも剣を抜こうとするが、ローエンに遮られる。

 

 

「おやめなさい。戦巧者と名高いあなたでも、その誉、剣で得たものではないでしょう。若さが見誤らせているのでは?」

 

 

ローエンの話を聞いたウィンガルは剣を向ける。

 

 

「イルベルト殿。それがあなたの限界。古い。……故に間違い」

 

 

「…………っ」

 

 

「……逃げ出す!はあああああっ!」

 

 

シュウゥゥゥゥゥ―――――バシュン!

 

 

声を上げるウィンガルの体を光が包み、光が消えると……髪の色が白くなったウィンガルが出てきた。

 

 

「な、なにあれ!?」

 

 

「マナが急激に……!?」

 

 

「増霊極(ブースター)……!」

 

 

「どうして……」

 

 

「なんだお前ーっ!」

 

 

急激に変わったウィンガルの雰囲気・マナの量に驚くミラ達。

 

 

(エリーゼ、誰に向かってそんな口をきいてる?先輩には敬意を払うものだ)

 

 

(ウィンガル、んなことをエリーゼに言ってもお前のことを知らないんだ。そんなことは言うなよ)

 

 

(っ!?レオン、お前、いつの間に……)

 

 

俺とウィンガルの喋っている言葉がわからないミラ達は驚きていた。

 

 

「言葉が……レオンの言葉も……」

 

 

「これはロンダウ語……!?レオンさんも何故しゃべれるんですか!?」

 

 

「んなことは後でいいだろ!」

 

 

ジュードとローエンは俺が何でウィンガルの部族のロンダウ語を話せるのかが不思議でならないみたいだ。

 

 

(マクスウェル、捕えるつもりだったが……殺した方が早そうだ)

 

 

(ほぉ?この俺を前にミラを殺す……ねえ。舐めてんじゃねえぞウィンガル。人の女を狙うなら容赦しねえぞ)

 

 

(お前、マクスウェルと恋仲なのか?面白い)

 

 

殺気立つ俺とウィンガル。

 

 

 

(殺す!)

 

 

(微塵に斬り刻んでやる!)

 

 

ここに、四象刃(フォーヴ)の4人の内、翼のウィンガルと爪のプレザとの戦闘を開始する。

 

 

 

 

 

 

 

「ふふっスプラッシュ!」

 

 

プレザの水の精霊術が俺の頭上に出現する。

 

 

「っと!あぶねえ。相変わらずの詠唱スピードだな」

 

 

「あなたも相変わらず早いわね……でも」

 

 

(俺がいるからな!)

 

 

ウィンガルが俺を斬りに来る。

 

 

「ちぃ!」

 

 

どうやら、先に厄介な俺を倒すと言う魂胆か。だが、

 

 

「ファイアーボール!」

 

 

「ブラックガイド!」

 

 

「フリーズランサー!」

 

 

ミラの火が、エリーゼの闇が、ローエンの氷の精霊術がプレザとウィンガルを襲う。

 

 

「くっ!」

 

 

(ちっ!)

 

 

それを避ける2人。だが、これは好都合!

 

 

俺はミラと共鳴(リンク)アーツをしようとするが、

 

 

(させるか!鳳凰天駆!)

 

 

避ける途中から空中に飛んで俺に向かって炎を纏って突っ込んでくるウィンガル。

 

 

「ちぃ!」

 

 

ガキィィィン!

 

 

俺はそれを剣で受けとめる。

 

 

(終わりにしてやる!)

 

 

その瞬間、俺はウィンガルに斬られ、雷でできた鎖に拘束された。

 

 

「しまっ!」

 

 

(ライトニングノヴァ!!)

 

 

「ぐはっ!」

 

 

攻撃が当たる瞬間に、雷のマナを纏ったおかげでダメージを軽減できた。

 

 

『レオン!』

 

 

皆が俺を見る。俺は大丈夫だと頷く。

 

 

「終わり?それはな……こっちのセリフだ!くらえ、バインド!」

 

 

カシュン!カシュン!

 

 

「なっ!?」

 

 

(これは!?)

 

 

俺はかつて、プレザがミラにしたようなバインド強化バージョンで2人を拘束した。

 

 

「ミラ、行くぞ!」

 

 

「あ、ああ!」

 

 

俺の傷を見て戸惑うミラだったが、俺の掛け声で正気に戻った。

 

 

「魔神剣の応用、いけるか!?」

 

「任せておけ、やってみせる!」

 

「「破邪十字星!!」」

 

俺とミラの剣を重ねるようにプレザとウィンガルに向けて振りかざすと十字の巨大な斬撃を放つ。

 

 

「あぁっ!」

 

 

(己ぇ!)

 

 

十字の巨大な斬撃に吹き飛ばされる2人にさらに、追い打ちを掛ける!

 

 

「剣よ、輝け!!」

 

「その輝きをもって、敵を滅っせよ!!」

 

 

俺とミラは一瞬で2人の背後に回って斬り上げると共に同時に空を跳び、目に見えない速さで敵を切り裂いく。

 

 

「「翔旺神影斬!!」」

 

 

最後は真上から二人同時に雷と一緒に剣を振り下ろす。

 

 

「ぐああああああ!」

 

 

(ぐおおおおおおお!)

 

 

ドサ

 

 

空中から落とされた2人は地面に倒れた。

 

 

「はぁはぁ……」

 

 

ポタ……ポタ……

 

 

やべえ、ウィンガルのライトニングノヴァを受けたせいで血が……回復はできるが失った血はすぐには……いや、確かあれがあったな。

 

 

俺が考えていると倒れていたプレザとウィンガルは何とかといった感じで立ち上がる。

 

 

「やってくれたな……」

 

 

剣を構えるミラ。 

 

 

「まだ……相手をしてくれるのかしら?」

 

 

「ミラ……」

 

 

俺はミラの前に手を出す。

 

 

「レオン、邪魔をするな」

 

 

「違う……この2人はただの時間稼ぎだ」

 

 

「なんだと?」

 

 

城の方から数名の兵士たちが出てくる。

 

 

「潮時というわけか」

 

 

俺達は逃げることにしてこの場から離れようと走り出す。

 

 

「また逃げるのか、イルベルト殿?」

 

 

逃げようとしているとウィンガルに言われ、立ち止まるローエン。

 

 

「あなたが逃げたから、ナハティガル王は……!」

 

 

「…………っ」

 

 

返す言葉のないローエンは何も言わず、走っていった。

 

 

俺もその後を追って走って言った。

 

 

 

 

 

 

説明
第38話 VS翼のウィンガル&爪のプレザ
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コメント
「城の外に出た俺達は一旦は知るのをやめた」は「走るのをやめた」ですね。(BLACK)
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