ハイスクールD×D〜最強の戦車と最強の兵士(予定)〜
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第一章

第三話「人間(悪魔だけど)は過ちは繰り返す事で成長するんです」

 

 

 

「オ〜シズオ!アケノ!ヒサシブリヨ〜!寿司クイネ〜?」

 

「あらあら、お久しぶりねサイモンさん。シー君、お寿司でも食べていきましょうか?」

 

「っていうより、何でこんな時間までやってんだ?もう深夜だぜ?」

 

深夜、街に殆ど明かりが消えた時間にも関わらず、一店の寿司屋『露西亜寿司』の店員でロシア系の黒人『サイモン・ブレジネフ』が二人の学生、静雄と朱乃を店の中に迎え入れた。そして、店に入る前に口にした静雄の疑問には誰も答えなかった。

 

 

 

 

あの後、イッセーを迎え入れた静雄達は少し雑談を交わし、そのまま解散になった。

 

「それにしても・・・・」

 

「?どうしたの、シー君?」

寿司を食べながら静雄は先ほどの事を思い出し苦笑した。そんな静雄に朱乃は不思議になって訪ねてみると、

 

「いやよ・・・あの時言った兵藤の言葉がな・・・」

 

「あらあら」

 

静雄の言葉に朱乃はなるほどと言った様に微笑した。

 

「ふふ、確かハーレム王だったかしら?うふふふ、可愛いじゃない?」

 

「ハッそうか?俺からしたら止めた方がいいと思うがな」

 

「どうして?」

 

「どうしてって・・・」

 

静雄はそこで言葉を止めると、呆れたように朱乃を見た。

 

「お前やリアスみたいな性格の女が何人もいたら胃に穴があいて死んじまうよ・・・」

 

「あらあら、シー君?」

 

静雄の言葉に朱乃はニッコリと擬音が付く位の笑顔を見せるが、目が全然笑っていなかった・・・。

 

「あー・・・・なんだ。その・・・・」

 

流石の静雄も朱乃の雰囲気と自分の失言に気付き、バツの悪い顔をして頭を掻き

 

「悪かった。言いすぎたよ・・・」

 

「うふふ、よろしいですわ」

 

「ハッハッハ!相変わらず朱乃ちゃんには頭が上がらないみたいだな静雄」

 

笑いながらイクラを二人の前に置いたのはこの『露西亜寿司』の店主兼板前の『デニス』。サイモンとは違い日本語が達者だ。

 

「チッ!うっせーよデニス」

 

「うふふ、ありがとうございますわ。デニスさん」

 

静雄はそんなデニスの舌打ちをしながらも出されたイクラを食べ始め、朱乃はそんなデニスに礼を述べた。

 

「さてそろそろ店を閉めてぇんだが、二人ともいいかい?」

 

「ん?もうそんな時間か・・・」

 

「あらあら、仕方ありませんわね。それではそろそろお暇いたしましょう」

 

店に備え付けてある時計を見て、デニスはそろそろ店じまいをする事を二人に言うと二人は帰り支度をして席を立った。

 

「それじゃあ、御馳走さん」

 

「御馳走様ですわ。また来ますね?」

 

「おう、毎度」

 

「毎度オカイアゲアリガトネ〜!マタクルヨ〜!!」

 

 

 

 

 

 

「さて、朱乃。ワリイが先に帰っててくんねぇか?」

 

「どうして?」

 

サイモンとデニスに別れを告げ、自宅に帰る途中、静雄が唐突にそう言ってきた。

 

「なに、まだ堕天使の奴らがこの街にいないとも限らねえからな。少し街を見てくる」

 

「・・・・・」

 

静雄の言葉に朱乃は少し唖然とするが直ぐに意味がわかったのかクスリと微笑した。

 

「うふふ、分かりましたわ。途中でイッセー君にあったらよろしくね?」

 

「・・・・・ああ」

 

そして、静雄はその場を後にした。

 

 

 

朱乃と別れた俺は一軒の屋根の上に立ち、遠目で自転車で爆走している男を遠目で確認すると、懐にしまってある犬笛を取りだし吹くと、一匹の黒い犬が屋根から昇ってきた。

 

「朱里、悪いが彼処にいる奴を暫く見張っててくんねぇか?」

 

俺の言葉に黒い毛皮に赤い目をした犬、『朱里』は不思議そうに首を傾げた。この朱里と呼ばれた黒い犬は俺の使い魔だ。

 

「ああ、確かにあいつは俺とおんなじ兼属だがよ、アイツは俺と同じように堕天使に殺されてる。それにこの街からは堕天使の匂いがプンプンしやがるからな。まだこの街にいるかもしれねぇえから見張っといてくんねぇか?」

 

俺がそういうと朱里はワンッ!と一吠えするとそのまま屋根を飛び降りていった。

シュボッ!

 

「フーッ・・・ったくガラじゃねえよなぁこんなの・・・」

 

制服のポケットから煙草を取り出しライターで火をつけ一服する。肺の中にたまる紫煙を吐きだしながら俺はそうぼやいた。

 

 

 

 

 

アレから数日、兵藤がチラシ配りを一通り終えて、今日は初契約をするらしい。

ここ数日、どうやら朱乃達は兵藤と親しくなったらしく、互いに名前で呼ぶようになったいた。ただ、祐斗にたいしては変わらず、俺に至ってはさん付けだ。

その事を朱乃に愚痴ると何故か苦笑された。

 

「入りまーす」

 

気の抜けた兵藤の声が聞こえるが俺は小猫と将棋を指しているため、一瞥すると直ぐに盤上に視線を戻した。

 

「王手」

 

「・・・・・・」

 

小猫の言葉に俺は唖然として盤上を凝視する。

 

「まっ「待ったはなしです」ぐぅ!」

 

小猫の無慈悲なひと言に俺は唸る事しかできない。

 

「静雄、小猫。これからイッセーの契約取りだから聞きなさい」

 

「ん、おう。そうだな、そういう訳で小猫、この勝負はまたな」

 

「ずるいです」

 

恨めしそうに睨む小猫に俺は慰めるように手を子猫の頭におきあやす様に撫で、

 

「ちゃんと菓子奢ってやるから拗ねんな」

 

「・・・はい」

 

「それじゃあ、小猫の機嫌も治ったことだし改めて説明に入るわね?」

 

リアスは機嫌の治った子猫を確認すると兵藤に向き直り契約取りの話を始めた。

 

「おお!遂に俺も契約取りですか!」

 

「ええ、そうよ。もちろん、初めてだから、レベルの低い契約内容だけれど。子猫と静雄に予約契約が二

件ずつ入ってしまったの。流石に静雄の契約はモノによっては下手したら死にかねないから、小猫の方の片方をあなたに任せるわ」

 

「死にかねないんですか!?」

 

「よろしくお願いします」

 

ペコリと頭を下げる子猫に兵藤は死にかねるの一言に驚愕していた。

 

「まぁ見た所、兵藤は気が小さそうだからな。よくて廃人じゃないのか?」

 

「静雄君。それは全然安心できないよ」

 

「?そうか??」

 

「うん。ほら」

 

祐斗が指さす方を向くと兵藤が顔を真っ青にして震えていた。

 

「大丈夫よ、イッセー。今からやるのは静雄の契約じゃなくて小猫の契約なんだから」

 

リアスが安心させるように怯える兵藤をあやし、朱乃に視線を送ると朱乃は詠唱を始めた。

 

「あ、あの・・・」

 

「黙っていて、イッセー。朱乃は、今あなたの刻印を魔法陣に読み込ませている所なの」

 

この魔法陣は眷属悪魔にとって家紋の様なものだ。つまり、召喚する者、契約を結びたい者にとって、これが俺達を表す記号になる。魔力などの発動もこの魔法陣を絡めたものになる。俺達リアスの眷属悪魔は体の大小各所にこの魔法陣が刻まれていて、この魔法陣の発動と共に機能しだす。

最初の契約か・・・俺も始めは・・・・いや、思い出すのはやめとくか・・・

 

「イッセー、掌をこちらに出してちょうだい」

 

兵藤が左手をリアスに向けるとリアスは兵藤の掌に魔法陣を指で描き始めた。

 

「これは転移用の魔法陣を通って依頼者の元へ瞬間移動するためのものよ。そして、契約が終わるとこの部屋に戻ってくるわ」

 

リアスは説明し終わると朱乃に視線を向け、

 

「朱乃、準備はいい?」

 

「はい、部長」

 

朱乃が魔法陣の中央から身を引き、代わりに兵藤を魔法陣の中央に立たせると、魔王陣がいっそう輝きだした。

 

「魔法陣が依頼者に反応しているわ。これからその場所に飛ぶの。到着後のマニュアルも大丈夫よね?」

 

「はい!」

 

「いい返事ね。じゃあ、行ってきなさい!」

 

そして、最大級の光が兵藤を包み込み、瞬間移動を、

移動を・・・・・??

 

「は?」

 

部室内に俺の声が響き渡った。

部室には兵藤が困惑した顔であたりを見回している。

 

「あらあら」

 

朱乃の残念そうな声と祐斗のため息が聞こえどうやら失敗したみたいだな。

 

「イッセー」

 

「はい」

 

「残念だけど、あなた、魔法陣を介して依頼者の元へジャンプできないみたいなの」

 

あ?んな事あんのか?

 

「魔法陣は一定の魔力が必要なわけだけど・・・・。これはそんなに高い魔力を有するものではないわ。いいえ、むしろ悪魔ならだれでもできるはず。現に同じ転生悪魔の静雄でも出来たのだから、それに子供でもできるわ。魔法陣ジャンプなんて初歩の初歩だもの」

 

つーことは・・・

 

「つまり、イッセー、あなたの魔力が子供以下。いえ、低レベルすぎて、魔法陣が反応しないのよ。イッセーの魔力があまりにも低すぎるもの」

 

「な、なんじゃそりゃああああああ!!?」

 

兵藤の絶叫が部室内に響き渡った。

 

「・・・無様」

 

随分と痛烈だな小猫。

 

「あらあら。困りましたわねぇ。どうします、部長」

 

朱乃も困り顔でリアスに尋ねた。

そりゃあ、前代未聞だろうな魔法陣でジャンプできない悪魔なんてよぉ。

 

「依頼者がいる以上、待たせるわけにはいかないわ。イッセー」

 

「はい!」

 

「前代未聞だけれど足で直接現場に向かってちょうだい」

 

「足!?」

 

「ええ、チラシ配りと同様に移動して、依頼者宅へ赴くのよ。仕方ないわ。魔力がないんだもの。足りな

いものは他の部分で補いなさい」

 

「チャリですか!?チャリでお宅訪問ですか!?そんな悪魔存在するんですか!?」

 

ビシッ!!

 

俺と小猫が同時に兵藤を指さすと兵藤は泣きそうな顔で落ち込んだ。

 

「ほら、行きなさい!契約を取るのが悪魔の仕事!人間を待たせてはだめよ!」

 

「う、うわぁぁぁぁん!がんばりますぅぅ!」

 

兵藤は泣きながら部室を後にした。

 

 

 

 

「ったく、情けねぇ奴だな・・・」

 

兵藤が部室を出ていったのを確認すると俺は席を立ち魔法陣の方へ歩いていった。

 

「祐斗、悪いが契約を手伝ってくんねぇか?」

 

「うん、いいよ」

 

俺の頼みに祐斗は嫌な顔をせずに承諾し席を立った。

 

「つーかよぉ、リアス。アイツ本当に使えんのか?子供以下の魔力じゃあ足手まといになるだろう」

 

「あら、やけに気にかけるじゃない静雄?」

 

「馬鹿か、んなんじゃねぇよ!」

 

「それに無用な心配だわ」

 

「?何でだよ?」

 

俺の問いにリアスは自信満々に胸を張り、

 

「この私が見つけた子よ?弱いはずないじゃない」

 

「・・・・・」

 

一瞬、コイツの言ってる事が理解できなかったが、同時になるほどと思ってしまう。

 

「フッ・・・そうかよ」

 

そういうと俺はサングラスをかけ依頼者の元へジャンプした。

 

 

 

 

 

因みに深夜、イッセーがチャリを漕いで依頼者の元へ向かってる道中、突然の轟音と共に自動販売機が宙を舞ったところを目撃し大いに驚いたそうだ。

 

 

 

 

〜オマケ・次の日の放課後〜

その日、リアス・グレモリーは怒っていた。理由となるのはオカルト研究部に所属する二人の男子部員だ。

一人は新しく入部してきた兵藤一誠。彼はまぁいい、契約は破断したが依頼者と良好な関係を築いていたし、また契約したいとアンケートで答えてきたのだ。流石にこんな事は初めてだったので、彼女は困惑したがイッセーに事情を訊いて怒りを納めた。

そして、彼女の怒りの最大の要因。それは・・・

 

「静雄、またなの?」

 

「シー君・・・」

 

「・・・・・・」

 

彼、平和島静雄にある。現在彼はリアスと朱乃の両方に挟まれて正座していた。

静雄はバツの悪そうな顔で目を背けた。

 

「ちゃんとこっちを向きなさい(て)」

 

『駒王学園最強の男』に正座させて説教するなんて、本当の最強は彼女達なのではないだろうか?

 

「契約者に暴力を働いて病院送り・・・コレで何度目かしら?」

 

「計九回目ですわ、部長」

 

「・・・・・チッ」

 

「・・・・」「・・・・・」

 

「・・・悪かったよ」

 

不機嫌そうに舌打ちする静雄に二人が睨みを利かせると静雄は途端に素直に謝った。

 

「ハァ、もうこれっきりにしてよね」

 

「・・・・ああ」

 

リアスは疲れたようにため息を吐くとこの話は終わりと言わんばかりに自分の席に戻っていった。

 

「シー君」

 

「・・・分かってる。もうしねぇよ」

 

「うふふっ。ええ、約束、ね?」

 

約束と言う言葉に微妙に含みをもたせ、朱乃は嬉しそうに笑うと紅茶を用意するためにその場を後にした。

そして静雄は仏頂面のまま煙草を取り出し部屋から出ていった。

 

 

 

 

「・・・・なんだかものすごいものを見た」

 

「何時もこんな感じだよ?」

 

「うそぉ!?」

 

その光景を見ていたイッセーはそんな感想を漏らし、祐斗の一言に驚愕した。

 

 

 

 

説明
平和島静雄の肉体に悪魔の駒の『戦車』の能力をプラスしたら?という妄想で書いた小説です。
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タグ
肉体がチート 戦車 悪魔 平和島静雄 メインヒロインは朱乃 ハイスクールD×D デュラララ!!キャラは結構出る デュラララ!! fateシリーズ(宝具のみ) 

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