IS 二人目
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「ねぇ、あの子誰?」

 

「織斑君じゃないよね?」

 

「でも彼も何かカッコいい!」

 

「もしかして、二人目の男の子!?」

 

「キャ〜〜〜〜〜〜!!!」

 

 

 

 

「・・・・・・・・・・」

 

そんな女子の黄色い声を無視して、一人の生徒はとある学校の職員室へと向かった。

 

 

 

「失礼します」

 

「あっ、は〜い!」

 

元々ISは女性にしか使えない。従って今俺がここにいるIS学園は本来女子高、男子禁制のうれし恥ずかし女の園・・・だった筈なのだが・・・

 

時期的には半年ほど前、まさかまさかの世界初の「ISを動かす事の出来る男子」が出現したのである。その少年の名は織斑一夏。かつて第1回IS大会世界大会、通称モンド・グロッソの総合及び格闘部門の優勝者で、「ブリュンヒルデ」と呼ばれ敬われ、ISに関連している人物なら必ず名を知っている織斑千冬の弟だ。

 

彼の名は恐らく姉と同様、IS界で知らない者はいないだろう。何しろ女尊男卑の現世にイレギュラー中のイレギュラーが出てきたんだから。

 

物事の理に例外があるなんてのは別段珍しい事ではない。化学式であろうとも、生物の進化においても、政治の仕組みにおいても。

 

が、予想外のイレギュラーというものは時に世界まで震撼させるものである。

 

そう、この僕が。二人目の男のIS操縦者が発見されたのである。

 

といってもこの情報は極秘の極秘の更に極秘。噂というのはいいものも悪いものも風に乗って自然に流れてしまうものだったが、今回は相当な厳重管理で知る者は一握りならぬ一撮みの人しか知らない。

 

だからIS学園ですら、学園長や担任となる教師以外その情報を知らない。

 

学園外の女子の反応に、「もしかして彼が噂の・・・」というのが無かったのはそのためだ。

 

 

 

「あぁ、漸く来ましたね」

 

「初めまして」

 

「まさか本当にいるとは思いませんでした。二人目の男のIS操縦者が現れるなんて」

 

「あはは・・・」

 

「じゃあ教室に案内しますね。SHR(ショートホームルーム)始まるのでそこで自己紹介もして下さいね」

 

「あぁ、はい」

 

そこへ、

 

「山田先生。来ましたか?」

 

スラリとした体格の中にもしっかりとした厳格さを持ち合わせた女性、織斑千冬が後ろにいた。

 

「あぁ、はい!彼です」

 

「お、織斑千冬さ・・・」

 

バシン!と名簿を叩き付けてきた。しかも縦で。ストレートに痛い。

 

「最初に言っておくぞ。この学校では織斑先生と呼ぶように。いいな」

 

「・・・はい。申し訳ありません」

 

名簿が降り降ろされた頭を擦りながら詫びる。

 

「分かればいい。では教室に向かうぞ」

 

 

それが始まりだった。良くも悪くもはじめの一歩だった。

説明
織斑一夏に続く二人目にして最後の男のIS操縦者。

暗き残酷な過去と運命を背負った彼はIS学園で彼等と交わり、どう変わるのか
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IS 残酷 過去 運命 学園 

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