IS レジェンドウォーズ 14話 後始末
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Side楯無

デジタマを回収し、パートナーのみんなをいったんDアークに戻した後、織斑先生たちがやってきた。なんで戦っているときに入ってこなかったのかというと虚ちゃんがデジモンがあまり人目につかないようにするためにアリーナに入った瞬間にロックしたみたい。

だから、私たちは、スカルグレイモンのことは話さずに妨害電波を発しながら有人機が襲撃してきた、それを何とか撃退することに成功した、その際、エネルギーが足りず苦戦したが虚ちゃんと本音が敵に対し電子攻撃をしてくれたので何とかなった。と嘘の報告をしたが、念のため学園長には後で本当のこと(デジモンについてくわしい話はせずに)を話した。そして、再会したみんなについてはあまり口外しないと約束してもらった。

ちなみに悠輝はいつの間にか姿を消していて、私の携帯に

 

『今は、まだやることがあるんだ。悪い。近いうちに埋め合わせする』

 

というメールが来ていた。まったく。

 

そして、寮に戻り、それぞれのパートナーと久しぶりの会話を楽しんだあと爆睡した。

 

 

はあ、久々に悠輝にしてほしかったな〜。

 

翌朝、生徒会室には大量の始末書や書類があった。

 

Side out

 

Side秋人

「篠ノ之、今から生徒指導室に来い」

 

「は、はい」

 

朝食の席で箒が突然姉さんに呼び出された。箒はすこし困惑しながらついて行った。

 

「どうしたのでしょうか?箒さん」

 

「ああ、何やったんだ?」

 

「そんなこと、わかってるだろ」

 

セシリアと話していると突然、近くで朝食を食べていた兄さんの声が聞こえてきた。

 

「どういうことよ?一夏」

 

鈴が聞き返す。

 

「昨日の襲撃の時、中継室に無断で侵入して馬鹿なことをしただろ。その罰だよ」

 

「馬鹿なことって、あの応援のこと」

 

「そうだ」

 

「でもあれは!」

 

僕が反論しようとすると、

 

「あなたなら、わかっているはず」

 

隣にいた更識さんに止められた。

 

「あれは、ただの善意の押しつけ行為。たまたまみんな無事だったけど、一歩間違えたら

彼女だけじゃなく、彼女に気絶させられた中継室にいた人やあなたたちが怪我を負ってい

たかもしれない、最悪死んでいたかもしれない。そのことを彼女は全く理解していなかっ

た。このままじゃまた同じことをするかもしれない」

 

更識さんの言葉に何も言えなくなる。そう僕もわかっている。あのときの箒の行動は褒め

られたものじゃない。

 

「ま、こってり絞られれば少しは自重するだろ」

 

最後にそういって二人は食堂を出て行った。

 

Side out

 

Side一夏

食堂から部屋に戻ると、

 

「一夏」

 

簪に、

 

「えい」

 

おもいっきり抱きつかれた。その瞬間、

 

「ぎゃあああああ」

 

全身に激痛が走った。

 

「一夏、がまんしてたでしょ?」

 

「うぉぉぉ」

 

そう。今のおれは全身が筋肉痛になっていて動くだけで痛みが走る。昨日のワンオフの二

回使用のせいだ。え?なんでそんな体で歩いて食堂に行ったんだって?HAHAHA。気合い

だよ。

 

「とにかく」

 

簪は俺に抱きついたままベットに倒れこんだ。そうすると当然俺も一緒にベットに倒れる。

その恰好は俺が簪を押し倒しているようだ。

 

「か、簪?」

 

「一夏」

 

その恰好のまま見つめあっていると、

 

「更識さーん。この間借りたノート返し…に..来た…よ?」

 

恐らく簪のクラスメートだろう子がドアを開けてかたまり、

 

「おじゃましました〜。ここに置いておきま〜す」

 

出て行った。

 

いろいろやっちゃったかな?いやでも、婚約者だってみんなに言っちゃったしね。今更か。

 

「い、い、一夏」

 

顔を真っ赤にしながら簪が話しかけてくる。

 

「きょ、今日は、ゆ、ゆ、ゆっくり、休もう?」

 

「う、うん」

 

そのまま俺たちは二人一緒に眠った。簪も昨日のワンオフ使用で疲れていたみたいだ。

 

Side out

 

Side楯無

「本音ちゃん。二人はどうしたの?」

 

「仲良く寝ていたよ〜」

 

私は本音の言葉に納得した。昨日一番頑張ったのは簪ちゃんと一夏だ。一夏のワンオフは

かなり肉体に負担がかかるし、簪ちゃんも白歌ちゃんが手伝ってくれるとは言ってもあの

数のオオカミちゃんたちを指揮するために脳の演算能力を結構使う。

 

「じゃあ今日は私たちで頑張りましょうか」

 

「私も頑張ります」

 

「うん。お願いね。ルナモン」

 

「はい♪」

 

私の言葉に元気よく返してくれるルナモン。やっぱりかわいいな〜♪

 

「あなたもよろしくおねがいします。レナモン」

 

「ああ」

 

虚ちゃんに答えたのは黒のスーツを着た二十代くらいの女性。実はこの人虚ちゃんのパー

トナーのレナモン。今はレナモンの変化の能力『狐変虚』で人間の姿になっている。この

姿のほうが仕事がしやすいかららしい。

 

「ふああ〜。わたしもねむねむだよ〜」

 

「ぼくも〜」

 

本音はテリアモンを頭の上に乗せて机にぐでーとなっている。みていてとても癒されるけ

れど早く起きないと虚ちゃんとレナモンに怒られるわよ?

 

「いつまでそうしているつもりですか?本音!」

 

「お前もだテリアモン。ルナモンの手伝いをするなり、働け!」

 

あらら。怒られちゃった。しぶしぶ本音は仕事を始め、テリアモンは書類の整理をしたり、

ゴミをかたずけたりしていたルナモンを手伝い始める。

 

それを横目に見ながら私も仕事を進めていく。

 

いつもなら、ふざけてボケを挟んだりするけど、昨日の襲撃に関する報告書や破壊された

アリーナ。もうすぐ入ってくる転校生に関することなど重要な案件ばかりなので真面目に

やらなければならない。

 

でも、やっぱり、

 

「簪ちゃんがいないとやる気が出ないし、ボケるのもだめってつらいよ〜!!」

 

「会長、静かにやってください」

 

「うう、は〜い」

 

更識楯無。どんな時でも彼女は変わらない。

 

Side out

 

Side悠輝

俺は今デジタルワールドにいる。ここに来たのは昨日のIS学園襲撃についてのため報告だ。

目的地でもある俺の姉貴、高月桜花の住んでいる家兼研究所に入る。

 

「姉貴、今戻ったぞ」

 

俺がそういうと、

 

「おっかえり〜!ゆうく〜ん!」

 

そう言いながら俺にむかって、ク○のプ○さんの着ぐるみの様なパジャマの上に白衣を着

て、なんかよくわからないけどいっぱい機能がついてそうなごついゴーグルを頭にかけた

俺と同じくらいの背丈をした人が飛び込んできた。

 

とりあえず俺はその人を受け止める。もしかわして落としたら一日中泣き続けるかもしれ

ないからな。

 

「で、で、どうだったみんな?いきなり来たからおどろいてた〜?」

 

「そのことで少し報告したいことがある」

 

俺は姉貴にリビングでIS学園襲撃について話した。

 

「う〜ん。その無人機ってやっぱり私のコアを基にしたのかな〜?ぶっちゃけ私のコアなら無人機だったらすぐ作れるんだよね〜。デジコアさえあればISコアの情報をインストールすればいいんだし〜。でも、そのデジコアは人工的に完全に造れない。ということは〜?」

 

「そうだな。あいつら、捕まえたデジモンたちからコアを抜き取ったんだろうな。あの研究所のデータにはデジコアをコピーする研究をしていたみたいだった」

 

もし、あの研究が完成したら無人機を大量生産できるようになる。

 

「正直、私はそんなガラクタのことよりもそのためにデジモンを殺したことに腹が立ってきた。もし見つけたら、ふふふ」

 

何をするつもりなんだ?

姉貴はこのデジタルワールド、そこに住むデジモンたちのことが大好きだ。だから、そんなことをした奴らに怒っているんだろうが、かなり怖い。

 

「そ、そういえば、あいつはどうしてるんだ?」

 

「くくく、ん?ゆうくんが拾ってきた女の子?」

 

「ああ」

 

「あの子なら今は出かけてるよ。輝一君と近くの湖で泳いでる。体中のナノマシンも完全になくなって自由になったんだからっていって輝一君が連れて行っちゃった」

 

「ほう」

 

ま、輝一は双子の兄弟がいるから似たような境遇のあいつが気になったのか。

 

「しかし、あのはねっかえりが大人しく連れてかれるとは、丸くなったな」

 

「まだまだ、戸惑ってるとは思うよ。でもそろそろ、会わせてもいいと私は思ってるな〜。一夏くんに会えば縛られているものから解放されると私は思っているからね」

 

そういって姉貴はどこからかミネラルウォーターのペットボトルを取り出して一口飲み、それをどこかにしまった。

そう、あいつはまだ囚われている。自分を作り出した組織から離れてもいままで一つの目的のために生きてきたからそれを変えられず、悩み続けている。

 

「で、あいつの専用機とパートナーは?」

 

「専用機はもうすぐできるけど、パートナーはまだだね」

 

「そうか」

 

だけど時間がない。最近、奴らの動きが活性化してきている。悠長に待ってられない。

 

「じつはね〜」

 

「な、なんだよ?」

 

俺が考えているといつの間にか姉貴が近づいてきていた。

 

「こんなのを用意しちゃいました〜!」

 

そういって紙をとりだす姉貴。俺はとりあえず、その紙を読むと、

 

「な、なんだこりゃあ!本気か?!」

 

思わず叫んでしまった。

 

「うんうん!本気も本気。もう準備も終わったよ。はねちゃんのおかげでね☆」

 

「なにしてんだよ」

 

目の前の姉貴と婚約者にそう呟いてしまった。

 

Side out

 

Side一夏

朝食を食べた後すぐに眠り、起きたのは夕方だった。

すぐ横には簪もいてまだ寝ていた。

 

『目が覚めたか主様』

 

「幽里か。今何時だ?」

 

『五時五十分。そろそろ、夕食の時間じゃ』

 

「じゃあ、簪を起こして夕食を食べに行くか」

 

『まってください』

 

「ん」

 

俺に声をかけたのは机の上に置いてある簪のアークの中にいるガブモンだった。

 

『一時間ほど前に楯無様たちがいらして夕食なら生徒会室に用意してあるので来るようにとおっしゃってました』

 

「そうか。そういえばお前たちもいるんだし生徒会室で食べたほうがいいよな」

 

『一夏〜僕おなか減ったからはやくいこう』

 

「わかったよアグモン」

 

相棒の言葉に苦笑しながらおれは簪をおこす。

 

「簪、簪」

 

「う、う〜ん」

 

「そろそろ、晩御飯の時間だから行こうぜ」

 

「ふぁ〜い」

 

まだ、寝ぼけてるな。

そのあと、寝ぼけた簪をおこし、着替えてから生徒会室にいった。

 

 

晩御飯のあとに待っていたのは地獄の書類作業だった。ちくしょう義姉さんおれたちに手伝わせるためにここに晩御飯を用意したな。

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織斑一夏 更識楯無 更識簪 布仏虚 布仏本音 デジモンフロンティア インフィニット・ストラトス デジモン IS 

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