テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー
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〜レオンSIDE〜

 

 

ったく!ガイアスのやつ、いつの間にここまで強くなったんだ!?俺も結構やばかったぞ!

 

 

「レオン!大丈夫か!」

 

 

「今、回復しますね!」

 

 

ミラが俺の傍に駆け寄り、エリーゼは俺の傷を癒していく。

 

 

「おお、ミラ達か。ウィンガル達は倒したんだな」

 

 

「ああ。かなり時間を喰ったがな」

 

 

ミラを見ると所々傷ができている。

 

 

「はい、終わりました」

 

 

エリーゼの回復術を掛け終わった。うむ、痛くないな。

 

 

「サンキュ、エリーゼ」

 

 

「い……いえ……」

 

 

「てれるなーもう〜」

 

 

エリーゼは頬を紅くし、ティポも照れている。

 

 

「さて……」

 

 

俺はガイアスを見る。

 

 

「レオン。少し、やつと話をさせてくれないか?」

 

 

「……いいぞ。だが、今のガイアスには攻撃するなよ?かなり体力を消耗しているからな。そんな状態のガイアスを襲うのはさすがにな」

 

 

「……レオン。君が私をどういう風に見ているかがわかったよ」

 

 

ブスゥっとしてから俺を見るミラが可愛いト思ってしまった。

 

 

そして、ミラは俺の前に立つ。

 

 

「答えろガイアス。なぜクルスニクの槍を手に入れようとする?」

 

 

ミラの質問にガイアスは答える。

 

 

「すべての民を守るためだ。力はすべて、俺に集約させ管理する」

 

 

そんなガイアスの返答を聞いて、ミラは言う。

 

 

「それはただの独占にすぎない。結果、お前も、守るべき民も槍の力が災いし、身を滅ぼすだろう」

 

 

「俺は滅びぬ。弱きものを導くこの意志がある限りな」

 

 

ガイアスの揺るがない意志を聞いたミラはガイアスの意志を指摘する。

 

 

「……お前はひとつの重要な事実から目を背けている」

 

 

「なんだと?」

 

 

「お前がいくら力ある者であっても、いつかは必ず死ぬ。そのあとはどうなる?」

 

 

確かに……人はいつか必ず死ぬ。ガイアスもいくら覇王とも言われる王であっても、人だ。

 

 

「人の系譜の中でお前のような者がもう一度現れるのだろうか?」

 

 

「……!」

 

 

「遺された者たちは過ぎたる力をもてあまし、自らの身を滅ぼす選択をする……それが人だ。歴史がそれを証明している」

 

 

ミラが言い終えると、ガイアスはミラを見る。

 

 

「……ならば俺が、その歴史に新たな道を標そう」

 

 

「……ガイアス。やはりお前も人間だな」

 

 

「ふ、そうだ。人間だからこそ俺にはリーゼ・マクシア平定という野望がある。お前は、ただの欲望と捉えるだろうがな」

 

 

「最後だ、ガイアス。槍は渡さない。どうしても退かないか?」

 

 

……おい、ミラ。剣を抜こうとするな。

 

 

「退かぬ!」

 

 

そして、ガイアス。お前も剣を構えるな!

 

 

「はいはい。お前らいい加減にしろ。ミラ、お前もさっき言ったことを忘れるな。ガイアス。お前も俺との戦いで消耗だ。やめておけ」

 

 

それに……と言いながら俺は剣を構える。

 

 

「ここから槍を破壊すればいいだけのこと」

 

 

「させぬ!クルスニクの槍は必ず手に入れる!」

 

 

ガイアスはそういいながら体に覇気と闘気を纏う。

 

 

「おいおい……お前、マジで腕上げているな(汗)」

 

 

消耗しているはずなのにまだここまでとは……。

 

 

「さらばだ!」

 

 

ガイアスが一撃を繰り出そうとした、その時!

 

 

シュン!シュン!

 

 

剣がガイアスに向かって投げられてきた。ガイアスはそれを弾く。

 

 

「何者だ!」

 

 

ガイアスが上空を見る。上空を見ると、ワイバーンが一頭。

 

 

「とぉ!」

 

 

シュタ!

 

 

「そこまでだ!」

 

 

「イバル?何故ここに……まさか?!」

 

 

「そのまさか……かもしれないな」

 

 

ミラはここに来る前に俺が話したことを思い出したのか顔色を変える。

 

 

「ミラ様!本来のお力を取り戻し、その者を打ち倒してください!」

 

 

あのバカは懐から『カギ』を取り出しやがった!

 

 

「貴様!」

 

 

ガイアスはバカの持っているのが『カギ』だと察していた。

 

 

俺とミラは頭を抱えている。まさか本当にここに来てしまうとは……と。

 

 

「はははっ!どうだレオン!偽物!お前らとの違いを見せつけてやる!」

 

 

バカが槍の方を見る。

 

 

「バ、バカ野郎!?そんなことをしたら!」

 

 

俺の静止を聞こえているはずなのだがバカは止まらない。

 

 

「でえぇぇぇやあぁぁぁぁ!!!」

 

 

バシュン!

 

 

『カギ』を……装置にセットしやがった!

 

 

「こんのぉ、バカ野郎!!!」

 

 

キュウゥゥゥゥゥ――――――!

 

 

そして……クルスニクの槍が起動した。

 

 

ガシャン

 

 

槍が開く。

 

 

「ぐぅ!」

 

 

「どうだレオン!この俺が本物の巫子だっ!四大様のお力が、今よみがえる!」

 

 

「イバル……この大バカ者があああ!!!!」

 

 

ミラはあまりにもバカなことをしでかしたバカに大声でいう。

 

 

 

 

〜レオンSIDE OUT〜

 

 

 

 

 

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〜第三者SIDE〜

 

 

 

 

ゴオォォォォン!

 

 

雷が鳴り響く。

 

 

ギュウゥゥゥゥゥゥン

 

 

「あ、うぅ、ぐぅ!」

 

 

「ぐぅああ!」

 

 

「うぅ、ぐうぅああ!」

 

 

沼野にいたレオンたち・ガイアス・両国の兵士たちからマナを吸収するクルスニクの槍。

 

 

「ど、ちくしょうがあ!」

 

 

レオンはマナを吸収されながらも槍に向かって斬撃を放つ。

 

 

が、

 

 

ガキイィィィン!

 

 

槍に当たったが、破壊されなかった。

 

 

「やべえ、さっきの戦いで……」

 

 

レオンはガイアスとの戦いで大分消耗していたのか、いつも以上力が出ないようだ。

 

 

そして、

 

 

バシュウゥゥゥゥゥゥゥゥン!!!

 

 

槍はレオンたちから吸収したマナを空に放った。

 

 

バキィィィィィン!

 

 

マナを圧縮した槍の攻撃は空にあった何か″を壊す音がした。

 

 

沼野にいる全ての者たちが空を見上げる。

 

 

そして、空から突風が吹き荒れる。

 

 

「どう、なったの……?」

 

 

「おい……ミラ」

 

 

「そんな……破られてしまった」

 

 

何が起こったのかがわからない皆を余所にレオンとミラが顔色を変えて空を見上げていた。

 

 

「そうか……そういうことだったのか!」

 

 

「槍は兵器なんかじゃなかったんだ!」

 

 

「ミラ?レオン?」

 

 

ジュードは顔色の悪い2人を見て不思議がっている。

 

 

そうしていると、

 

 

ドカァァァァン!

 

 

「な、なに!?」

 

 

槍が開けた穴のから攻撃が振ってくる。

 

 

ドカァァァァン!ドカァァァン!

 

 

レオンたちの周りでは爆発音が響く。

 

 

その爆発音は戦場となっている沼野の各地からどんどん聞こえてくる。

 

 

そして、その穴からは……

 

 

「なっ……!どういうことだ……!」

 

 

アルヴィンは空から現れた物を見て、驚いていた。

 

 

 

 

 

〜第三者SIDE OUT〜

 

 

 

 

 

-3ページ-

 

 

〜レオンSIDE〜

 

 

「な、何あれ……」

 

 

「こわいよー!めっちゃこわいよー!」

 

 

「空を駆ける船だと……」

 

 

皆は空を駆けている船に驚いていると、

 

 

「ついにやった。くくくく……」

 

 

そこには、ラ・シュガル軍参謀副長であるジランドが、髪をオールバックにして、

 

 

「くはははは!」

 

 

笑っていた。

 

 

そんなジランドにアルヴィンが言う。

 

 

「ジランド!どうなってる」

 

 

「あれが、ジランド!?」

 

 

ミラ達はジランドの変わりように驚いていた。まあ、あんなに腰抜けそうな演技をしてたやつがいきなりこんなに様変わりすれば当り前だが……。

 

 

「ジランド……お前!」

 

 

アルヴィンがジランドに銃を向けると、

 

 

シュシュシュシュシュン!

 

 

氷の槍がアルヴィンの周りに突き刺さる。

 

 

「あっ!」

 

 

「おっ!」

 

 

ジュードとローエンはその氷の槍に見覚えがあった。そう、ナハティガルを重傷に追い込んだ氷の槍だ。

 

 

パリイィィィィン!

 

 

ガイアスもその氷の槍を見てジランドに聞く。

 

 

「ハ・ミルをやったのは貴様らか?」

 

 

ジランドはガイアスに聞かれて話す。

 

 

「そう俺の精霊、このセルシウスがな」

 

 

ジランドは匣のような入れ物を取り出すと、そこから氷のマナが急激に活発化し、そこから精霊……セルシウスが出てくる。

 

 

「精霊セルシウスだと……?そのような名、聞いたことも……いや、待て?レオン……確かお前は……」

 

 

ミラが俺を見る。

 

 

「そうだ。俺が昔、ミラに教えた今は亡き、四精霊の内の一人だ」

 

 

今、この世界では火・水・風・地の大精霊が存在する。だが、属性的に言えば俺が使う雷・氷・光・闇の精霊術の精霊がいる。そのことを知っているのはミラだけ。

 

 

「我が民を手にかけたこと……許しはせん」

 

 

ガイアスが再び、構えを取ると

 

 

バシュンバシュン!

 

 

船からの砲撃が始まる。

 

 

「くっ!」

 

 

ミラが砲撃を行う船を見ると、上から人……兵士が降りてくる。しかもかなりの数が。

 

 

「なんなの……この人たち……」

 

 

レイアはそんな奴らを見て、驚き、怖がっている。

 

 

「アルクノアのジランドさんですね?」

 

 

兵士の一人がジランドに話しかける。

 

 

「ああ、そうだ。あれが例の女だ」

 

 

「……アルクノアだと……?貴様がナハティガルに黒匣(ジン)を伝えたのか?」

 

 

「くくくく。その女は殺すなよ。台無しになる」

 

 

ジランドは自分を睨むミラを見ながら笑い、兵士たちに指示を出す。

 

 

「装甲機動兵、前へ!」

 

 

「はっ!」

 

 

兵士たちは地面をすべりながら俺たちに近づき、

 

 

バシュンバシュン!

 

 

手に持っていたマシンガンみたいなもので俺たちに攻撃してきた。

 

 

戸惑う俺たち。

 

 

「うわあ!」

 

 

「ミラ!」

 

 

ミラとジュード、エリーゼが敵の攻撃で吹き飛ばされたのが見えた。

 

 

ミラはその拍子で剣を手から離してしまった。

 

 

俺はミラに近寄る。

 

 

「聞いてなかったのか?勝手なことはさせねえぜ」

 

 

そうしているあいだにアルヴィンは片手を抑えているし、ジランドと睨み合っている。

 

 

俺とミラ、ローエンは武器を構えるが、

 

 

「エリーゼさん!」

 

 

「はっ!」

 

 

「なに!」

 

 

俺とミラはローエンの見ている方を見るとエリーゼが気絶していた。まずい!

 

 

「雷化!」

 

 

俺はすぐに雷を纏ってエリーゼに近寄る兵士を吹き飛ばす。

 

 

ミラも俺に近寄ろうとするが、

 

 

ドスッ!

 

 

「ガイ……アス……」

 

 

ガイアスがミラを気絶させた。

 

 

「……寝ていろ。事態が複雑になる」

 

 

「だ、な!」

 

 

俺はエリーゼとティポを両脇に抱えながらガイアスに攻撃しようとする兵士たちを蹴りで薙ぎ払う。

 

 

「ローエン!エリーゼとティポを!ジュード!お前はガイアスからミラを受け取ってくれ!」

 

 

俺はローエンにエリーゼとティポを預け、ガイアスはジュードにミラを預ける。

 

 

「お前らは先に逃げろ!ここは俺が時間を稼ぐ」

 

 

「なっ!そんなことよりもレオンがミラを!」

 

 

ジュードは俺にそう言ってくる。

 

 

「バカ野郎!こんなに船が空にあると守るべき者も守れんわ!……頼む」

 

 

俺はジュードを見る。ジュードも俺の意志が伝わったのか、わかってくれた。

 

 

「わかったよ。でも、ちゃんと無事に帰って来てよ?僕がミラに怒られるんだからね?」

 

 

「ああ……大丈夫だ。何たって俺は……不死身のレオンだから」

 

 

ニッコリと笑う俺を見て安心したのかジュードは皆を連れてこの場を離れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

皆を見送った俺はガイアスと背中合わせに戦っていた。

 

 

「陛下!」

 

 

そこへ、ジャオ・プレザ・ウィンガルが合流する。

 

 

「レオン……何故お前がここにいるのかは置いておこう」

 

 

「そうしてくれや」

 

 

ウィンガル達も周りにいる敵を倒していく。

 

 

「ハアァァァァァ!!」

 

 

バシュウゥゥゥゥゥゥゥン!

 

 

ガイアスは覇道滅封を放って敵を吹き飛ばす。

 

 

「ゼリャアアアアアアア!!!」

 

 

俺は雷化を維持しながら高速戦闘で敵を倒していく。

 

 

倒していくが無限に増えていく兵士たち。

 

 

そんな兵士たちを見たジャオは、ガイアスの目を見る。

 

 

ガイアスもジャオを見る。

 

 

「長年、世話になった」

 

 

「みなを頼みます」

 

 

ガイアスはジャオに背を向け、この場から去っていく。

 

 

ウィンガルとプレザは後退していきながらジャオにお辞儀をし、この場から去っていく。

 

 

「レオン……お主もここから離れるのじゃ」

 

 

ジャオは俺にまでを気を使ってきた。

 

 

だがな、

 

 

「断る」

 

 

「なぬぅ?」

 

 

ジャオは俺の返答に驚く。

 

 

「生憎、俺は自分の女と仲間を守るためにここに残ったんだ。今さら引けないな。それに……」

 

 

俺はジャオを見る。

 

 

「お前とは今度一緒に酒を飲もうって約束もあるし、お前はエリーゼに言うべきことがあるだろ?」

 

 

「……全く。お主にはかなわんのぅ」

 

 

ジャオは鎚を構え、俺は雷化をしながら再び剣を構える。

 

 

ジャオは地場にいる敵を、俺は空″にいる敵を倒す。俺は雷のマナで翼を作る。

 

 

バサッ

 

 

「お主、本当に規格外じゃの」

 

 

ジャオは空を飛んでいる俺にそう言う。

 

 

「ハッ!俺の規格外は今に始まったことじゃねえさ」

 

 

バシュウゥゥゥン!

 

 

ジャオのいるところに攻撃が当たる。

 

 

が、不動の異名を持つジャオはそこから一歩も動いてなかった。

 

 

俺は剣に雷のマナを溜め、

 

 

「「霊力野(ゲート)……全っ開!!」」

 

 

俺とジャオは同時に地上と上空に己の力いっぱいの攻撃を繰り出す。

 

 

シュドオォォォォォン!バキュゥゥゥゥン!

 

 

ジャオの一撃は地上にいた兵士たちを吹き飛ばす。

 

 

俺の一撃は空を駆ける船を何隻か破壊した。

 

 

俺は翼を消してジャオの隣に立つ。

 

 

ジャオは己の力に耐えられなかった鎚を捨てる。

 

 

ガシャン!

 

 

船が俺たちに砲撃を向ける。

 

 

「まずい!」

 

 

俺はジャオの手を掴み、

 

 

「間に合えよ!」

 

 

もう一つの手を地面にかざす。

 

 

「――――――――!!」

 

 

俺があることを言うのと同時に砲撃された。

 

 

 

〜レオンSIDE OUT〜

 

 

 

 

 

 

 

〜第三者SIDE〜

 

 

ドカアァァァァン!

 

 

『っ!?』

 

 

ジュード達は自分達が逃げてきた方からの爆発に目を向ける。

 

 

だが、それが命取りになった。

 

 

レオンに破壊されなかった船からの砲撃でパーティーを分断された。

 

 

「うわあああああ!!」

 

 

「きゃあああああ!!」

 

 

ジュード・アルヴィン・エリーゼとミラ・ローエン・レイアに分断される。

 

 

「レイア!レイアアア!!」

 

 

「ジュードオォ!!!」

 

 

ドカアァァァァァァン!

 

 

2人の声は爆発音によって聞こえなくなっていった。

 

 

〜第三者SIDE OUT〜

 

 

 

説明
第46話 クルスニクの槍……起動
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コメント
今気づきましたが「どうだレオン!偽物!」ここ、「偽者」が「偽物」になってたんですね。もしかしたら前の作品でも・・・。(BLACK)
やはりジャオを助けようとするか。まあ俺も同じような考えと言いますか、オリジナルが入るとやはり救済したくなるもんなんですね。(BLACK)
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