真恋姫†夢想 弓史に一生 第二章 第八話 とある外史の軍事戦略
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〜聖side〜

 

 

…なんかアニメが始まりそうだな…。

 

俺は今、寿春の城の近くに拠点を置く賊の討伐に向かっていた。

 

同行しているのは芽衣でも奏でも蓮音様でも雪蓮でも祭さんでもない…。何故か諸葛瑾さんである。しかも、将は二人だけ…。

 

蓮音様曰く、「子瑜の文官の力は相当なことが分かったんだけど、戦略面での力も見たいから、ちょっと一緒に行って見定めてきてくれない?」とのことだった。

 

なんでそんな大事なことを俺に任せるのか聞いたら、「だって今城で暇なのあなたぐらいだもん。」だそうだ…。

 

そりゃあ客将だし、文官の力はそんなに高くは無いって分かってますけど!! それでも暇って言われると…。悲しいじゃないか!!!!

 

ふぅ…落ちつけ…。平常心、平常心…。

 

馬首を並べて、諸葛瑾さんと賊の拠点に近付いていく。

 

 

「諸葛瑾さん、賊の規模はどれくらいなの?」

 

「賊の規模は大体二千と聞いているのです。それに対して我が軍は三千!! 負けるはずがないのです。」

 

「確かにね。兵法に乗っ取り、相手よりも多くの兵を集めているし、こちらは精兵、向こうは雑兵だし…。」

 

「それに私の策もあるのです!! 負ける要素がないのです!!」

 

 

諸葛瑾さんは、その豊かな胸を張って自慢げに言う。

 

まぁ確かに、孫呉の精兵が三千いるんだから、二千の雑兵に負けるはずはないだろうが…何か嫌な予感がするな…。

 

「ところで、策ってやつを聞いてもいいかい?」

 

「聞きたいですか? まぁ、教えてやるのです!! まずは三千の兵を二つに分けるのです。そして二千の兵で、賊の拠点にしている城の前に行き、一当たりするのです。相手がその部隊に釣られて全軍出てくるようなら、そのまま引き付けながら後退するのです。賊共は、我が軍が敗走したと勘違いして、そのまま追撃を仕掛けてくるはずなのです。なので、その後背から残りの千の兵で挟撃の形をとるのです。そうすれば相手の陣は瓦解必死。我が軍の完全勝利が決まるのです。」

 

「成程…。兵の割り振り方といい、詳細まで確り考えられた良い策だね!!」

 

「当然なのです!! 私の策に落ち度はないのです。」

 

 

そう言って再び胸を張る諸葛瑾さん。それにつられて揺れる豊かな胸……なんて怖ろしい攻撃だ!!! この攻撃は精神面に非常に大きなダメージが…見てはいけないと思っているのについつい目が…目が〜〜〜!!! おぉ〜神よ!! 私にこの誘惑に耐えろとでも言うのか!!!

 

しばらく落ち着くための時間が欲しい俺だった。

 

 

〜諸葛瑾side〜

 

 

今日は机仕事ではなく賊の討伐に向かっている。

 

なんでも蓮音様曰く、「あなたの戦略面での力が見たいの。誰か一人つけるから行ってきてくれない?」とのことだった。

 

正直自分ひとりで討伐を言われたらどうすることもできないと思っていたが、誰か一人ついてきてくれるなら安心できそうだ。

 

…出来るならあの天の御使いとか言われていた徳種とか言う男が良いな…はっ!! 私は何を考えているのですか!! 

 

何であの男と一緒が良いとか、そんな血迷ったことを考えているのです!! …私はもう人を簡単に信用するのは止めたのです…。特に男は嘘をつくから信用できないのです!! 

 

あの男だってきっと…。

 

しかし、運命のいたずらと言うものだろうか…。相手は当の本人だった…。内心嬉しくもあり戸惑いありの複雑な心境…。

 

 

敵の拠点へと向かう行軍中。私は、先ほど自分が何故この男が良いと考えたのか、について思案していた…。

 

すると、

 

「諸葛瑾さん、賊の規模はどれくらい?」

 

 

急に話しかけるな!! なのです…。

 

…ちょっと吃驚したのです…。とにかく落ち着くのです…。

 

「賊の規模は大体二千と聞いているのです。それに対して我が軍は三千!! 負けるはずがないのです。」

 

「確かにね。兵法に乗っ取り、相手よりも多くの兵を集めているし、こちらは精兵、向こうは雑兵だし…。」

 

「それに私の策もあるのです!! 負ける要素がないのです!!」

 

質問に自慢げに答える私。

 

まさにこの男の言う通りなのです。たかが農民上がりの賊が、正規軍の精兵に挑むこと自体無謀なことなのです。

 

それに向こうには軍師がいないのです。突撃してくるだけの雑兵ほど手に取りやすいやつらはいないのです。

 

 

「ところで、策ってやつを聞いてもいいかい?」

 

「聞きたいですか? まぁ、教えてやるのです!! まずは三千の兵を二つに分けるのです。そして二千の兵で、賊の拠点にしている城の前に行き、一当たりするのです。相手がその部隊に釣られて全軍出てくるようなら、そのまま引き付けながら後退するのです。賊共は、我が軍が敗走したと勘違いして、そのまま追撃を仕掛けてくるはずなのです。なので、その後背から残りの千の兵で挟撃の形をとるのです。そうすれば相手の陣は瓦解必死。我が軍の完全勝利が決まるのです。」

 

「成程…。兵の割り振り方といい、詳細まで確り考えられた良い策だね!!」

 

「当然なのです!! 私の策に落ち度はないのです。」

 

これでも水鏡塾出身の私です。これぐらいなら朝飯前なのです。

 

…なんだか初めての戦のわりには簡単に終わりそうなのです。まぁその方が楽なのでいいのですが…。

 

しかし、私はこの時の自分の驕りを後になって後悔するのでした。

 

 

〜聖side〜

 

「伝令!!諸葛瑾様の軍の前線が崩壊寸前!!」

 

「分かった。皆急ぐぞ!!」

 

「「「応っ!!!」」」

 

「頼むぞ。もう少し耐えててくれ!!」

 

 

それは一刻ほど前に遡る。

 

俺たちは作戦通り隊を二つに分け、囮側を諸葛瑾さんが、伏兵側を俺が受け持つ事となった。

 

俺たちの予想通りならば、この戦いは数刻も経たないぐらいで終わるだろう。まぁ、兵を数少ない被害で済ませたいのは山々だけどな…。

 

しかし、予想とは外れやすいもの。情報がこれほど大切だと思った日は中々ないね。

 

 

計画通り諸葛瑾さんは賊の前に展開し、賊をおびき出す。

 

賊共は俺たちの考えどおりに動いてくれて、拠点から次々と兵が出てくる。

 

しかし、なにやら賊が多くないか??あの人数が二千のはずがない…。人数的には俺たちの倍近く…。まずいな…情報に穴があったか…。このままだと諸葛瑾さんが危ない…。

 

俺はふと、衛星視点でこの戦場を見やる。

 

…あそこは…使えるか!!

 

「おいっ!!誰かある!!」

 

「はっ!!」

 

「良いか!! 五百の兵で今から言うものを集めておけ!! 

 集めたらあそこで待機!! 俺が合図したらそれらを落とせ!!

 そして、その後弓を射掛けろ!! 良いな!! 

 そして、残りの五百人!! 俺と一緒に諸葛瑾将軍を助けに行くぞ!! 付いて来い!!」

 

「「「「応っ!!」」」」

 

こうして今に至るのであった。

 

 

〜諸葛瑾side〜

 

「伝令!! 前線が崩壊寸前!!」

 

「後曲の兵を追加して前線を持ちこたえさせるのです!!」

 

「伝令!! 左翼苦戦!! 至急増援を!!」

 

「伝令!! 右翼苦戦!! 増援を!!」

 

まさかこんなことになるなんて思ってもなかった…。

 

予想以上に賊の兵が多く、その数約六千…。私たちの倍の数。

 

三千の兵でも受け止めれるか分からないのに、二千の兵で受け止めれるはずもない。もうすぐこの戦線は頓挫する。

 

前線が崩壊すれば私も…。

 

 

「諸葛瑾様!!前線崩壊!!ここ本陣まで敵兵が来ます!!」

 

「!!!」

 

「お早めにお逃げ、ぐわっ!!」

 

「へっへっへっ。将らしき人発見!!! 覚悟しろ〜!!!」

 

男の刃が私に迫る。

 

私は腰に佩いた太刀を抜き、男を切り伏せる。

 

「お前らのような賊なんかに負けるかです!! 皆頑張るです!! たかが相手は農民上がりの賊なのです!! 私達、孫家の兵にとったら相手ではないのです!!」

 

「「「応っ!!!」」」

 

私は太刀を振り、賊共を切り伏せていく。

 

しかし、文官仕事ばかりで鍛錬をしていなかったのが響き、すぐに体力が底を向かえる。

 

「へへっ。ね〜ちゃん、さっきまでの威勢はどうした!? こないならこっちから行くぞ!!」

 

「くぅ!!!」

 

何とか一撃は防ぐが、返す刀で切りつけてくる。

 

刃は私の右頬を掠め、頬からは血が流れる。

 

何とか体勢を整え、その男を切り伏せるが…満身創痍の体では、別の男の一撃を防ぐことは間に合いそうになかった。

 

 

「やっぱり私は不幸なのです…。ようやく…せっかく孫堅様に仕えれたのに…。私の人生、良いことないのです。」

 

 

私は目を閉じて、痛みに備える。

 

 

「そんな悲しい事…言うなっ…て!!」

 

「ごぶっ!!!」

 

 

目の前に迫っていた男は宙を舞い、墜ち際に脇腹を思いっきり蹴られて少し先まで飛んで行った。

 

「大丈夫か!! うっ!!! 頬に傷が…。ごめんな、もっと早く来れれば良かったのに。」

 

「…なんで…。なんであなたがここに居るのですか…?」

 

「なんでって…。助けに来たに決まってるだろ!? とりあえず一度退いて体勢を立て直そう!!」

 

「ひぐっ…えぐっ…。」

 

ギュッ!!!

 

私はその男に抱きしめられた。

 

暖かくて安心できて…なんとも落ち着く…。

 

「もう大丈夫だ。傍には俺がいるから安心してくれ。 な?だから…今は泣き止んでくれよ。」

 

「ぐすっ…はいです…。」

 

「よし、良い子だ。じゃあ一旦この戦線を治めよう!! 諸葛瑾さんは兵を纏めておいて!! 俺は前線を持ち直しに行く!!」

 

「分かりました…。 …あのっ!!」

 

「うん?」

 

「…死なないでください…。」

 

「あぁ!! 任せろ!!」

 

 

そう言って去っていく、その背中を見ていると何故か寂しくて…胸が締め付けられるのだった。

 

 

〜聖side〜

 

 

俺は、諸葛瑾さんと合流した後、前線の取り纏めをするために前線に向かう。

 

前線は賊によってボロボロ。残る兵は少なく、しかも囲まれている。これではいつやられてもおかしくはない。

 

 

「よしっ、助けに行くか!! 待ってろ〜皆〜!!!! 『武○錬金』!!」

 

核○が刀へと変わり、その刀を右手で持ちながら、目の高さで構え、左手を刀の切っ先に添える。

 

「エネルギー全開!! 貫け!!俺の武○錬金!! 『GA☆TO☆TSU!!!!』」

 

俺は、賊の囲いにそのまま突進していく。

 

俺の突撃により、賊共は宙を舞う。しかもかなりの数…。賊の囲いには一筋の通り道が出来、俺は中の兵たちのところに到着する。

 

 

「皆、一度退くぞ!!! 体勢を立て直し、すぐにでも反撃に転じる!! 良いか、俺について来い!!」

 

「「「おっ…応っ!!!」」」

 

俺は一度出来た道が閉じないうちに先陣切って駆けて行く。

 

何とか俺は、兵を連れて本陣の位置にまで戻ることが出来た。賊たちは先の光景に度肝を抜かれたのか…攻勢が一時的に停止した。

 

諸葛瑾さんと合流後、今後のことを話し合う。

 

「とりあえず、一度あのあたりまで後退しよう!!」

 

「えっ?? 後退ならもっと先まで下がるのではないのですか?」

 

「まぁ俺にちょっと作戦があってね。」

 

「はぁ…。じゃあ任せるのです。」

 

「任された!! よしっ、皆聞いてくれ!! 俺たちは今からあの峡間の先まで下がるぞ!! 皆隊列を乱さず退け!!」

 

俺がそう言うと、兵は皆そこに向けて退いていく。

 

流石に孫呉の兵は統率がなってるね…。

 

さて、後は仕上げだけなんだがな…。

 

 

俺たちがその峡間に退いていると、賊共は、残り全軍で俺たちに襲いかかってきた。

 

しかし、俺が殿を勤めながら、兵たちに指揮を出した結果、戦線は膠着状態となっていた。

 

「えぇ〜い何をやっている!! さっさと討ち滅ぼさぬか!! 相手はわしらより寡兵!! 負けるはずなんてないのだぞ!!」

 

「「「はい、程遠志様!!」」」

 

あれが相手の親玉か??ふんっ、いい気になっていられるのもそれまでだ。直ぐにその顔を真っ青に染めてやんよ!!!

 

戦線を維持したまま、俺たちは、指定した位置へと下がった。それについづいして、賊共が峡間に入ってくる。

 

 

「よし…今だ!!!」

 

 

俺は火矢を空に打ち上げる。

 

 

すると、谷の上から大きな石がゴロゴロと賊達の後方に落ちていく。石の下敷きになる奴もいれば、前線部隊と分断される奴らもいる。

 

 

「よしっ、放て!!!!!」

 

 

谷の上から俺たちの兵が現れ、矢を射掛ける。賊どもは四方を囲まれ、逃げ場なく次々と射殺されていく。

 

 

「策は成った!!今だ、先ほどの借りを倍以上にして返してやれ!!!!!」

 

 

「「「応!!!!!」」」

 

「ばっばかな!!こんなことが・・・。」

 

「お前が大将だな!?俺は孫家の客将、徳種聖。いざ覚悟!!」

 

「くっ…くそ!!最後に一矢くらい報いてやるわ!!」

 

程遠志と呼ばれた男は俺に切りかかってくるが…。

 

「足りない!! 足りないぞ!! お前に足りないもの、それは、情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さ、」

 

俺は刀で程遠志を肩から脇腹にかけて切り伏せ、

 

「そして何より、速さが足りない!!!」

 

「くっ…くそ…。」

 

程遠志は血を噴出しながら、地面に崩れ落ちた。

 

「敵将程遠志!! 天の御使い、徳種聖が討ち取った!!!」

 

「「「うぉおおおお〜〜〜!!!!!」」」

 

その後、大将を失った賊共は霧散していき、此度の戦いは俺達の勝ちとなった。

 

 

今回の被害を考え、追撃を行うことをせず、寿春へと帰路につく俺達。

 

 

城に帰ると、報告を諸葛瑾さんに任せて部屋へと戻る。

 

生体エネルギーを使用した分、疲れがどっと出てきた…やばい、眠い…。しばらく寝ようかな…。

 

 俺は寝台の上で横になり、そのまま睡魔に身を委ねることにした。

 

今日の活躍は直ぐに知れ渡り、この日を境に、孫呉の兵の皆から、羨望の眼差しで見られるようになった聖なのであった。

 

説明
どうも、作者のkikkomanです。

前話は、とある作品をネタとして盛り込みながら書いてみました。

一応伏字にしてますが・・・まぁ、分かりますよね・・・。


さて、新たな武器を得た聖。これでどの距離でも死角が無くなったわけですが・・・何故刀が欲しいの?と聞かれると作者も困ります・・・。

まぁ、伏線は考えてますが、刀である必要性はあまりありません・・・。まぁ副装備くらいに考えてもらえればよろしいかと思います。

今話なんですが…タイトルがとあるアニメに似ていますが…私は知りません(笑) たまたまです!!


しかし、なんとも物語が進まないですね…。この調子だと、全部で100話超えるかもしれません…。皆さん読んでくれますかね??




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