新たなるEXA第9話・ホテルアグスタ(下)
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TEANA・LANSTER

 

「うおおおおおおおお!!!!」

 

接近するガジェットの集団の一部にマッハキャリバーのリボルバースパイクが炸裂する。破壊すれば次を叩き、時にはローラーを使い、蹴り飛ばす。

 

「ウイングロード!」

 

囲まれた際は、ウイングロードで道を作り、レーザー攻撃を避け追ってきたところまた潰し始める。強引な力押しに見えてしまうが、その戦い方はストライクアーツと呼ばれるミッドチルダ独特の格闘戦による完成された技法である。

 

「これでいきます!!」

 

エリオのデバイス、ストラーダの槍の刃の部分から柄に入る部分の横にあるブースターが起動する。支えである自信の力を抜き、相手に向かうための力へと変換する。貫通し、さらにUターンをして一気になぎ払う。直進時の貫通力だけでいば、新人フォワード4人の中ではまず間違いなく、最強の攻撃力である。

 

「フリード!ブラストフレア!」

 

フリードは既に巨大な飛龍となり、火球の一撃は大地と、そして小さな敵を焼いていく。が、キャロとフリードは全員の後方で支援をしながら攻撃をしている。理由は2つ。1つは、キャロの戦闘スタイル。キャロ自身はそれほど火力があるわけではない。しかし、防御魔法と召喚魔法など、支援に回るとその実力は最高である。

 

「ここでこれ!!」

 

チェーンバインドの召喚これにより敵の動きを止める。もう1つはフリードの攻撃によってこの辺りが大火災になるのを防ぐためでもある。これらから見ても、キャロはチームでの防衛にはうってつけである。スバルの防御力には及ばないが防衛という一点では、最高だろう

 

「クロスファイアーシュート!」

 

無数の魔力弾を周りに展開させ、それを一斉に発射する。大きな敵は数発当たって爆散していいるが、小型のものなら一撃で破壊する前衛のスバルとエリオが突貫し、砲撃準備をしたティアナが撃ち、そこから漏れたものをキャロが破壊する。現状で見ると、ティアナが一番敵を倒しているが、そんなものを数える余裕などもちろんない。

 

(くっ、このままじゃ、抜けられる…もう限界かも……いやまだまだ!!)

 

諦めと言う言葉が頭をよぎるがそれだけはすぐに変えた。

 

「あんたたち!ここが正念場よ!絶対に抜かせないで!!」

 

「おう!」

「「はい!」」

 

(そうだ、これは望んだ展開!ここで力を出して、私は、証明する。証明してみせる!!ランスターの弾丸はどんなものでも撃ち抜くものなんだってことを!)

 

考えはともかくとしても、この状況はまずいのは変わらない。そこにシャマルからの念話が入ってくる。

 

[防衛部隊!もう少しだけ持ち堪えて!いま、零二君とサクラちゃんが向かってる!なんとか敵を引き付けながら防衛して!]

 

「っ!守ってばかりじゃ息詰まります!ちゃんと全部落とします!」

 

<ちょっとティアナ!今回はあまりにも敵が多すぎ!無理はしないで!>

 

「このままでも壊滅です!それに、毎日練習してきたんですから!!」

 

ティアナはカートリッジを入れ込む

 

「スバル!クロシフトをDからAに変更!エリオとキャロは下がって、最終防衛ラインを守って!!」

 

「おう!」

「「了解」」

 

 スバルはウイングロードを使いガジェットの密集している上空を移動する。それにつられる様にガジェットはスバル追い、攻撃を仕掛けるが、すべて紙一重でかわされるか、防御される。

 

(証明する。してみせる)

 

二丁拳銃のモードになっているクロスミラージュからそれぞれ2発、計4発のカートリッジの薬莢が装填される。

 

<ティアナ!4発ロードなんて無茶だよ!それじゃ、ティアナもクロスミラージュも!>

 

「撃てます!」

 

カートリッジシステム

それは薬莢にチャージされた魔力と、自身の魔力を合せ、一時的に限界を超えた力を発揮する。だが、それは自身の体に負担をかける行為でもある。高すぎる魔力に体がついていけず、最悪自滅してしまうかもしれない諸刃の剣なのだ。

 

「クロスファイアー…!!」

 

バケツ一杯にたまった水にさらに水を入れ零れるように、ティアナの周りからバチバチと音をたて、魔力が漏れ出す。そして、複数の高純度の魔力弾が展開され、溜まりきった水を一気に流すかのごとく、エネルギーを放出する

 

「シュ―――ト!!」

 

放たれた複数の魔力の塊はどんどん敵を撃ち抜く。一体を破壊すれば、次の一体に、そうしてどんどんと数が減りだすだが、これを実現するには本人の忍耐力や集中力、基本的な体力もなどもあって操作できる。それが少しでも掛けるとコントロールはできない

 

「しまっ…!!」

 

気がついてももう遅いティアナの放った魔力弾の1つがウイングロードで今も敵をおびき寄せているスバルに向かっていた。スバルもそれに気付くが手遅れだった。

 

その攻撃は味方であるスバルに誤射……する前にスバルが消えた

 

「……え?」

 

一瞬のことでティアナは硬直し、先のミスもあってか攻撃が止まる。

 

「な、なんとか、間に合ったな」

 

と、後ろから最近聞きなれた声がし振り返ると、蒼い不思議な魔方陣を展開した零二と、先程まで上空にいたスバルがそこから現れていた

 

SIDE・END

REIZI・YOSINO

 

「な、なんとか、間に合ったな」

 

 

ギリギリ、紙一重、首の皮一枚。まさにそれであった。エリオとキャロの報告を聞き、急ぎ前に出た時、ちょうどティアナの魔力弾が暴発し誤射しかけた時だった。

 

「俺に守る力があんなら、無理やりにでも、ひきだしてやらぁ!!」

 

全神経と魔力を集中させ《((復元する世界|ダ・カーポ))》の24時間以内に出会った人物を呼び戻す力を使った。もちろん今の自分の状況でできる保証はなかった。だが方法はこれしかなく、時間もなかった。それはもう、反射に近い判断だっただろう

 

 

そして見事に成功した。が、

 

「ぐはぁ!ぜぇ、ぜぇ、こんなにも俺の能力が弱体してるとはな……たった1回でこのざまかよ…こんな調子のままじゃ((神討つ拳狼の蒼槍|フェンリス・ヴォルフ))をちょっと全力で一発撃つだけで倒れそうだ」

 

そうたったの1回でもう零二には戦う気力も魔力もなかった。

 

「マスター!大丈夫!?」

 

「よ、芳乃さん!?だいじょうぶなんですか!?と言うより、今のは…」

 

「説明は後回しだ!!…ティアナも、さっきのことはいただけねーが、いまはいい」

 

「!!…………………」

 

「あの、芳乃さん実はあれもさくせ…」

 

「その先を言うのなら、俺はお前たちを本気で許さないぞ」

 

「「!!」」

 

その疲れきった顔から出てきたとは思えない殺気に2人は何も言えなくなった。

 

「つっても、無理に能力使って、俺ももう限界だ…まだいるぜったく」

 

零二が言う方向を見るとそこにはまだまだ向かってくるガジェットの群れだった。

 

「「芳乃さん!」」

 

と後ろから零二が呼んだキャロとエリオが来る。

 

「来たな。スバル、ティアナ、キャロ、エリオ悪いがもう少しだけ耐えてくれ。その間に、俺も少し準備をする」

 

「じゅ、準備って?」

 

スバルが聞く。

 

「ちょっとした許可をもらうのさ。ともかく、たのむ必ず打開できる」

 

「「「「は、はい」」」」

 

4人は零二の自信のある言葉を理解したのか、4人は前へ防衛攻撃にでた

 

「さて………はやてさん聞こえますか?そっちの様子は」

 

<依然としてでれんままやな。いくつか芳乃君の時と同じようなワープ空間?みたいなところはあるみたいやけど、つながる場所は建物内のどこかばかりで…>

 

「こっちもいつ防衛ラインが突破されてもおかしくありません」

 

<……万事休すやな>

 

はやてはもちろん諦めているわけではない。が、打つ手がなかった。

 

「1つだけ方法があります」

 

<ほんまに!?>

 

さすがのはやても疑問と同時に驚きが出た。

 

「はい。ただそのためにはいくつか確認と、はやてさんの許可が必要なんです」

 

<…言ってみて>

 

「1つは、サクラに着けたロストロギアの反応を抑えるブレスレットあれを外させて戦わせて下さい」

 

<でも、そんなことしたら、一斉にサクラちゃんの方に…!>

 

「わかってますそれが作戦なんです。敵をサクラにひきつけ、ホテルから離すんです」

 

<たとえできたとしてもその後は!?確かに囮にしたその方法なら少しは何とかなるけどその後は……>

 

どうする?そう聞く前に零二は話す

 

「まだこの作戦には続きがあります。もう1つは、前線で停滞しているメンバーやホテルの人達から距離を取るのが本当の目的です。そして……もう1つの許可が欲しいんです」

 

<もう1つの、許可?>

 

「はい。シャマルさん現在の前線にいる霧崎たちの位置情報教えてください」

 

<わかったわ……このマップ上の青い点が現在位置よ。何らかの現象が起こって、みんなずっとこの地点から動かないんだけど…赤い点は全てガジェットよ。何百機もの数がホテルアグスタ近辺に密集してるわ。芳乃君の言うとおり、突破されるのも時間の問題ね>

 

と零二はそのマップをよく見て

 

「はやてさん、ここの味方のいない広い位置なんですけど…ここから先、特に町とか、人がいたりするところはありませんか?」

 

<え………今調べたけど、ないな。それどころか、生物がいるかも怪しいとこやこの先は。そこが、どないしたん?>

 

はやての疑問に静かに答える

 

「ここからさきを、焦土にしてもいいですか」

 

この会話は念話ではなく、通信なので司令室のロングアーチやなのは達にも聞こえている

 

?…………………………はぁ!!??

 

彼らの言葉は最もだろう。

 

「言いたいことは分かります。でも、もう時間がありません。…あとは、はやてさん自身で決めてください」

 

<……………………………………………………………………>

 

はやてこの短時間で頭の中をフル回転させ、考えていた。

 

<……芳乃君が何をするのかはわからん。けど、もうそれ以外打つ手はないな>

 

「いいんですか?」

 

<私達がもっと守るべきものはお宝やロストロギアや、まして私達のメンツやない。人命や>

 

「!」

 

<今ここで大量のガジェットに突破され、たら、フル動員でも、犠牲者が出る。そんなことになるくらいよりは、100倍ましや…みんな、ごめんな。こんな勝手な部隊長で。せやから、この一件は私がすべて責任を持ちます。芳乃君…思いっきり頼むで!>

 

「……はやてさん。ありがとうございます」

 

感謝だけで済む問題ではないだが、感謝の言葉自然に出たのだった。零二は通信を切り、その切り札を持つ者、

 

「たのんだぜ…サクラ!!」

 

彼のもつ((魔術兵器|マホウ))、こんな状況をも打ち砕く力を持った者、サクラに声をかけた

 

SIDE・END

KEISUKE・SANADA

 

零二が援軍に向かう20分前

 

そこはホテルアグスタの地下倉庫の1つ。そこに一台のトラックと、見張りの警備員が数名立っていた。

 

「ぐっ!!………あっ」

 

ばたりと1人の警備員が倒れる。

 

「おい、どうしたしっか…ぐぁ!」

 

「なんだ、何が…ぐっ!」

 

『がっ!!』

 

つぎつぎと警備員に何かが刺さる。

 

「な、なにが、これは、トラン、プ?」

 

それが何かを確認した瞬間、彼の意識はなくなっていた。

 

「………」

 

サングラスから冷たい視線を送りながら彼、真田慶介は倒れた警備員達を見る。

 

「おまえ、いったい……」

 

「………」

 

意識のあった警備員に彼は冷たい表情のまま自身の持つ((戦略破壊魔術兵器|マホウ))、《ミスティルテイン》というトランプ型の武器を投げる

 

「ぐぁ!」

 

カードとは思えない切れ味で警備員の心臓近くに刺さる。そして、

 

「―――((傷だらけの忠誠心|ストームブレディンガー))―――」

 

「あ、あぁ、あぁぁぁぁぁ!」

 

警備員は魂が抜かれように意識を失い、刺さったカードが真田の元へ戻る。しかしそこには先ほどの傷などなかった。

 

これが彼の魔法の能力、《((傷だらけの忠誠心|ストームブレディンガー))》である

 

カードに触れた者の生命力を奪い取る力。そして、奪った生命力は自身、あるいは任意の者の生命力に上乗せし、自然治癒力を活性化することが出来る。

 

「……これか」

 

スカリエッティからの通信でここにある密輸品の1つを奪って来て欲しいというものがあった。これに対し、ゼストは断った。が、スカリエッティがルーテシアに聞くとOKを出した。

 

最初はルーテシアの力だけということだったが、真田自らが自分が行くと言ったのだ。その理由は生命力を奪うためでもあった

 

「これで、少しはもつな………ルーお嬢、終わりました」

 

通信をつなげ、ルーテシアに言う

 

<うん。……………真田>

 

「なんでしょう」

 

そう聞くとルーテシアは少しだけ黙っていたが、静かに気持ちを伝える

 

<ありがとう>

 

「……………はい」

 

それだけ言って通信を切る。面と向かって言わなかったのは彼女の恥ずかしさと、まだどう接すれば良いか分かっていないためでもある。

 

「……感謝など、いりませんよ」

 

男は暗闇へと進む。いずれ、先にある光すらも、再び捨てる覚悟で

 

SIDE・END

REIZI・YOSINO

 

「サクラ後は頼んだぜ。お前たちは、サクラを追わなかった奴らを叩いてくれ。……絶対にこれ以上前に出んな。死にたくなかったらな」

 

「「「「は、はい!」」」」

 

作戦通り、ガジェットを誘導し、距離も開けた。

 

「でもどうするんですか!こんな数さすがに!!」

 

「そうですよ!芳乃さんももう限界で攻撃もできないのにサクラさんだけで…」

 

スバルとキャロが言う。だが、

 

「お前ら、今日の夕食は何にするか、考えてるか?」

 

「「「「はぁ!?」」」」

 

といきなり場違いなことを零二は聞き出した。

 

「なんでそれを今言う必要があるんですか!!」

 

「いや、こんだけの戦闘の後だ。みんな疲れてるだろうし、腹もすくだろうからな」

 

「いや、だから…!!攻撃が!」

 

ティアナ達は零二の頭がパニック状態になったのかと思っただが違う。ガジェットが放った攻撃は届くことはなく、光の壁に遮られた

 

「光の、かべ?」

 

「なんだったら、俺の特性カレーをつくってやるぜ。バイトしてた時の腕は衰えてねーからな。最高にうまいぜ」

 

「えー私、マスターのカレーはいやだな〜」

 

その言葉にサクラが反応する。光の壁はサクラの前から出てくる

 

「ばーか。それはお前の舌が、辛口を受け付けねー子供舌なだけだろ」

 

「あー!酷いんだよ!それにエリオ君やキャロちゃんもいるでしょー!」

 

「おまえら、辛口のは平気か?」

 

「「えっ……はい」」

 

わけがわからない状況だが問いに答える

 

「つーわけで多数決な。心配しなくても、お前用に甘口用意してやるよ」

 

「ほ、ほんとに!」

 

「あぁ。……だから、一気にやっちまえサクラ!!」

 

「了解なんだよ。マスター!」

 

と、ここでさらにサクラの魔力が跳ね上がる。この光の壁は障壁などではない。これはたんなるサクラから出た((魔力粒子|エーテル))にすぎない。たったそれだけで、すべての攻撃を退けるほどの魔力が流れているのだ

 

「「「「!!」」」」

 

そうして、4人は気がついた。先ほどのあまりにも場違いな会話と思われていたもの。それはパニックになったわけではない。もう彼らには圧倒的な数の敵ですら、すでに存在していないのと同じだったのだから

 

「――――――」

 

サクラの前に出し、構えた両手の中心に小さく、だがけして低くない魔力を持ったエネルギー体が現れる。その力はどんどんと上がる。加えて、サクラは日光の精霊。日輪が昇っているいまこそが、最大限に戦える状況なのである。

 

「これが、私の力!!」

 

どんな逆境も、絶望も、暗黒も、すべてを消し去り、マスターに希望を与える一撃。その名は

 

「――――――――――((穢れなき桜光の聖剣|レーヴァテイン))―――――――――!!!!」

 

放たれた超魔力エネルギー体はまっすぐに敵に向かう。すべてのガジェットがAMFを発動するだがそんなものは初めからないに等しい。

 

なぜなら、その力はかつて9つある世界の1つを破壊したと言われる伝説の一撃を持った強大な神話魔術魔導砲。たかが人が作り出した兵器など、神の一撃ともいえる砲撃にいくら束になろうと勝てるはずもないのだ。

 

一瞬にしてサクラの一撃は前方に見えるものを((無|ゼロ))に変えた。

 

?「「「「……………」」」」?

 

これを見た6課の全員が、ただ起こった事態を把握するのに間がかかった。

 

<ガ、ガジェット部隊。………全機、消滅>

 

ただ、その言葉だけが静かに流れた

 

SIDE・END

JAIL・SCAGLIETTI

 

「な、なんという…」

 

声に出したのはウェーブがかった薄紫の長髪をし、胸元にはTと言うマーク付いている女性で、ウーノという。スカリエッティの補佐をおこなっている。

 

「すば、らしい……」

 

「ドクター?」

 

ウーノはスカリエッティの言葉に気付き、声をかける。

 

「ふ、ふふ、ふふふ、あはははははははははははははははは!!!!最高だ!!最高に素晴らしい!!」

 

「楽しそうですね。ドクター」

 

「あぁ!!そうだ、そうだとも!!あんなにも素晴らしいものを見れたんだ!!破壊されたガジェットでもまだお釣りがくるよ!!」

 

「テュール様の作戦はうまくいきましたね」

 

「あぁ……これがいかなる戦略も破壊する力、マホウ!素晴らしいよ!」

 

スカリエッティの興奮はまったく収まらない。

 

<こちらグレイブ、今の見たけど、ありゃ凄いね〜まともに正面から受けたら消滅間違いなしの一撃だな…ともかく、俺もテュールもそっちに戻るわ。詳しくはそこでって、聞いてるか〜>

 

「申し訳ありませんグレイブ様。どうやらドクターは今興奮気味で、聞こえていないようです」

 

<あぁ、そう…まぁ、伝えたからな>

 

苦笑しながら、うんざりした顔をしてグレイブは通信を切った。ウーノはいまだに興奮が冷めず、高笑いをしている男を、嬉しそうではあるがやれやれと言った感じで見つめていた。

 

SIDE・END

REIZI・YOSINO

 

あの後の話をしよう。霧埼達もようやく動けるようになり、ホテル内の怪奇現象もなくなった。それと同時に、ヴィータは速攻でシグナムの所に向かった。シグナムは外傷は見られなかったが、つかれで一歩も動けない状況だった。彼女いわく、何か鋭利なものに包まれ、喋ることすらもできない状況だったという。

 

 

そして現在、ホテル内部

 

「芳乃く…」

 

「言いたいことは、分かります。あれが、俺の((兵器|マホウ))の、サクラの真の力です。隠していたことも、こんなことになったことも、謝ります」

 

零二は後悔などしていなかった。しかし、自分の責任はしっかりと謝罪した

 

「……こうなることも、分かった上で、私は許可を出したんや。それに、隠す理由もなんとなく分かるし。それに、思ったほど被害は少なくて済んだしな」

 

「すいません…ご迷惑をおかけして」

 

「さっきもいったけど、私はここと、こにいる人達を守れたことが嬉しい。やから、謝らんといて。それと、ありがとう。ただし、あとでちゃんと説明してもらうから、そのつもりでな」

 

「見せてしまったいじょう、隠す必要もありません。わかりました」

 

と言いつつも、教える限りではあるがとは口にださなかった。

 

「ん。幸い、オークションは無事行われるし、被害もなし。ガジェットも殲滅できたやし、芳乃くんは、しばらく休んどいたらええよ。一応、オークションが終わるまでは、みんな警備に当たるけどな」

 

「はい。それじゃ……」

 

と、言ってその場を後にしようとした時であった。

 

「その前に、君には伝えたいことがあるだけどね。芳乃零二くん」

 

「!」

 

「アコース査察官…また仕事さぼってあそんでるとちゃいますか?」

 

「うわっ、ひどいなーこっちも仕事で来てたのに」

 

と、緑髪の長髪の青年にはやてはまるで仲の良い兄妹のような会話している。

 

「あの、はやてさんこちらは…」

 

「あぁ、ごめんごめん。こちらは、時空管理局・本局査察部所属のヴェロッサ・アコース査察官。私のお兄さん分みたいなひとや」

 

「はじめまして。君の名前は、はやてから聞いてるよ」

 

「はぁ。それで、俺に話したいことって?」

 

「うん。君のことを探している女の子を、つい最近とある人が保護してね。偶然僕もそこにいたから知り合ったんだ。で、その子も今ここに来てる」

 

「!本当ですか」

 

零二は久々に会う仲間が無事なことを知り、安堵した

 

「で、そいつはいまどこに?」

 

「じつは、トイレに行ったきり戻ってこないらしいんだよ。たぶん迷子になってると思う」

 

「………そいつ、鈴白なぎさって名前ですよね?」

 

迷子=鈴白なぎさという考えは本人がこの場にいたらまず間違いなく、怒るか、泣いていただろう。

 

「いや、確か……」

 

とアコースが名前を口にしようとした時だった。

 

 

外から何かが爆発する音が聞こえてきたのだ

 

「な、なんだ!」

 

「シャーリー何があったん報告を!」

 

<ホテルの裏手に新たなロストロギア反応!!…!どうやら、ティアナが戦闘中のようです!>

 

「なんだって!…アコースさん、そいつの名前は」

 

「え、えーと確か里村、紅葉だったな」

 

SIDE・END

TEANA・LANSTER

 

少女は、ティアナ・ランスターは一人泣いていた。先ほどまではスバルもいたがティアナは自分の涙を見せたくなかったのか、つい大きな声で突き離してしまった

 

「ほんと、なにやってんだろあたし…」

 

自分のミスで仲間を傷つけるところだった。

 

(スバルは何も悪くはない。一番悪いのは、私が未熟なせいだ…)

 

と、どんどん下向きになっているとき

 

「あのー、そこのひとーすみませ〜ん」

 

「!」

 

誰か近くにいることも気付かないほど落ち込んでいたのか少しだけ慌てる

 

「ここ、どこ…なのかおしえて」

 

「ください」と言うつもりだったがその女性、里村紅葉の目つきが変わる。

 

「………………」

「………………」

 

ティアナの目つきもいきなり変わる。そして、この時2人が思っていることは一致していた

 

((なんだろう。なんかムカつく))

 

数秒にらみ合いが続いていたが、

 

「はっ!」

 

「っ!何がおかしいんですか!?」

 

「べっつに〜ただ、泣いてたてあとじゃ、にらまれても怖くもなんともないな〜って思っただけ」

 

「ぐっ!!」

 

目元を見て気付いた紅葉は、小馬鹿にした感じで言う。

 

「まっ、どうでもいいけど。それで、ここどこ?なかに((戻る|・・))入口探してんだけど?」

 

「……現在、ホテル外は警備のため、出入りは規制しています」

 

「はぁ?」

 

ティアナは紅葉の言葉の戻る入口と言うのを聞き、先程まで中にいたのだと確信する。

 

「つまり、ここに出てくるということは普通できない。……何かしらの事情がある。というわけなので、事情聴取をさせていただきます」

 

「…なにそれ、ふざけんなって話。こっちは中に戻りたいだけなんだから、ちゃっちゃっと案内すりゃいいでしょこの泣き虫」

 

「!!………では、強制的にさせていだきますよ?」

 

「へぇ…………」

 

「!!?」

 

瞬間、空気ががらりと変わる。先ほどまでの冷たい感じがさらに冷え、絶対零度の冷たい目線でティアナを見る。

 

「そう。そっちがそうなら……――――――((魔術兵装|ゲート・オープン))――――――」

 

光に一瞬包まれ、晴れた先には7色のひし形で、大きめの結晶のような物が、円を描き、翼のように紅葉の後ろに現れる。

 

「こっちも、売られたケンカは買うわよ」

 

黄色い結晶から、閃光が文字通り光の速さで放たれた

説明
前線部隊も動けず、なのは達隊長陣もうごけない
だがガジェットはどんどん迫ってくる

そんなとき、零二はある提案と決断をする
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