外史を行く喧嘩師 一幕
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目が覚めたら荒野だった・・・

 

って言ってみたい奴出てこい。俺と代わってやるよ。

 

「・・・」

 

狼鬼:「誰でもいいから言ってみてーって言ってくれーー!!」

 

俺の名前は神崎 狼鬼 (かんざき ろうき)。

こんな厳つい名前なのは、うちの親父とお袋が元暴走族だからだ。

 

親父はかなりデカイ族の頭やってて、お袋もレディースの頭。

何ども喧嘩してるうちに仲良くなってデキ婚。

二人とも日本の族の中でもかなり強かったらしく、

二百人の族が襲い掛かってきても、たった二人で全滅させたらしい。

 

 

そんで生まれたのが俺。

 

なんとも波乱万丈な人生だったよ。一歳で教えられた言葉が「なんじゃワレ!」だったな。

お袋に聞いたら、「だって私の子なのに甜められたら嫌でしょ。」

だそうだ。

 

五歳で喧嘩デビュー。相手は、親父だ。

かなり良い体している20代の男が五歳児の前で拳を握り締めている。

あん時はちびったね。そのまま恐怖でノックダウン。

後で両親に「情けない・・・」って言われた時は五歳にして家を出ようかと思ったぜ。

 

まぁそんな両親の英才教育(喧嘩のみ)を受けて育った俺は生まれてから両親以外に

喧嘩で負けたことの無い程強くなっていた。

つかもう両親にも普通に勝てるしな。

 

けど喧嘩は大好きだ。なんつうか、スカッとするっつーうか。

あの人をぶん殴った時の感触つーか・・・危ない人じゃないぜ。

 

そんな俺も学業もしっかりやってきた。今俺は高校二年だが、定期考査じゃ毎回

20番以内に入るように勉強はしている。それに興味を持ったことは何でも知ろうとした。

戦国時代に興味を持ったときは陣形、戦術など。

三国志に興味を持てば、武将や孫子など。どんな事でも調べた

 

最近はゆとり世代とやらで学校で多くを学べないからな。

それに喧嘩が強い奴も居ないし。

 

俺はもう大抵の事では取り乱す事はないと思っていた。

2歳で厳ついお兄さんと遊んだり。6歳で喧嘩相手に人質にされたり。

10歳でまたまた厳ついお兄さんと麻雀やったり。

13歳で俺のダチから何どもカツアゲしていた高校生五人組みを半殺しにしたら、

警察に補導されたり。

 

けど、

 

「いきなり朝起きたら荒野の真ん中でしたって。マジかよ・・・」

 

そう俺はいつの間にか荒野の真ん中で寝ていた。

 

服装を確認すると下は黒のジャージ、上は白のTシャツの上に俺の憧れの

某剣客アニメに出てくる喧嘩師の服の背中に書いてある惡の字が、黒で書いてある

赤いオーダーメイドのパーカーを着ている。

 

「こんなの着ているはずが無いんだが。またどっかの族に攫われたか?

    いや、俺に気配を悟られず近ずけるヤローなんていねぇ。

    取り敢えず状況確認だ。今は夜、そしてここは絶対に日本じゃ無いどこか。

    日本にこんな荒野があるわけない。となるとどっかの大陸なんだろうけど・・・

    あ〜もう!マジでここどこだよ。誰でもいいから教えてくれよ!」

 

「・・・」

 

マジでどうしよ。取り敢えずどこか人の居るところに行こう。

 

そう言って立ち上がると。

 

???:「きゃあああーーー!!」

 

狼鬼:「あ?・・・たくっ。こっちか!」

 

俺はあんまし面倒な事は嫌いなんだが、どうしても悲鳴やら助けてとか聞いちまうと

放っておけないんだよな。

まぁそのほうが気分も良いしいいんだけどさ

 

そんなことを考えながら悲鳴のした方に走り出す。

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<???サイド>

 

???:「きゃあああーーー!!」

 

賊A:「へっ、嬢ちゃん。こんな時間に助けなんてくると思ってんのか。」

賊B:「アニキ違いますよ。そういう事してもらいたいからこの時間に彷徨いてんすよ。」

賊C:「な、なるほどなんだな。」

 

(こんなことになるなら詠ちゃんに一言言ってくればよかった。

そうすればこんなことには・・・

詠ちゃんごめんなさい。)

 

 

なぜこの子がこんな時間に城の外に居るのかというと。

 

この子は、寝る前に夜空を眺めていた。

 

「今日はいつにも増して星が綺麗です。」

 

そんなことを思っていると、夜空に一筋の光が。

 

「あれは、流星?」

 

流星が流れてきた。その時ある事を思い出した。

 

(流星に乗りこの大陸へ訪れる者、それは天の御使い。その者はその武と智を

持ってこの大陸に平和をもたらすだろう。)

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そして、

 

「あれ、あの流星こっちに落ちてきてる。」

 

流星は少女の言うとおり落ちてきていた。そして落ちたかと思うと、

眩い程の光を放った。

数分もすればその光は静かに静まっていった。

 

もしかして、そう思った少女は居ても経っても居られず城を飛び出した。

 

少女はこの時知らなかった。この日賊が出たと自分の親友の元に知らせが来ていたことを。

 

賊A:「さて嬢ちゃん。楽しませてくれよ。」

 

そう言ってアニキと呼ばれる男が近づいて来る。

 

「いやぁ、来ないでください。」

 

(もう駄目)

 

そう思って目を瞑る。すると、

 

賊A:「ぐへっ!!」

賊B:「テメェ!アニキに何しやがる!」

 

見たことも無い服を着た、とても凛々しい男性が・・・

 

<狼鬼サイド>

 

賊B:「テメェ!アニキに何しやがる!」

 

狼鬼:「聞きなれた三下ヤローのセリフだな。もう何回聞いたかわかんね〜よ。」

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賊C:「ゆ、許さないんだな!」

 

そう言ったデブヤローが剣を抜く。

 

(おいおい、あの鈍い光。モノホンかよ、こりゃマジで日本じゃ無いなここ)

 

喧嘩相手によくナイフや日本刀持ってくる馬鹿がいるからよくわかる。

あれは本物だ。だが別段怖くは無い。こんな物でどうこう出来るほど軟弱に育てられてはいない。

それよりも、

 

「おい、大丈夫か?何もされなかったか?」

 

この少女が心配だ。悲鳴を聞いてすっ飛んできたが・・・

 

「・・・//っは。はい大丈夫です。」

 

・・・間が気になるが大丈夫そうだ。

 

「さて、男が寄って集って少女を襲うとは。テメェ等、覚悟は出来てんだろうな!」

 

そう言って殺気をぶつける。

 

え?殺す気なんてないよ。三分の四殺しにするだけだから。

 

賊BC:「ひぃぃーー!す、すいませんでした!」

 

二人は気を失っている奴を抱え、大急ぎで逃げってった。

 

やっぱ殺気って便利だよな。雑魚は逃げてくし、俺って無駄な争いは嫌いなんだよな。

 

「・・・あ、あの!」

 

「ん、どうかしたか?」

 

「あの、助けていただき有難うございます。なんてお礼を言えばよろしいのか・・・」

 

「ああ、気にすんな。たまたま通り掛かっただけだし。ああいう奴等は嫌いなもんでね。

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 ・・・礼をと思うなら少し聞きたいことがあんだけど。」

 

この子はここの人間のようだからここが何処だかわかるだろう。

 

「はい、私の答えられる事でしたら。

 あ、自己紹介がまだでした。性は董、名は卓。字は仲穎と申します。」

 

「what?」

 

「え、ほわっと?ですか」

 

「いや、何でもない。えっと董卓ちゃんでいいのかな?」

 

「はい。」

 

(・・・落ち着け俺。どんな時でも冷静でいろって親父が言っていただろ。

 

ふぅ。ふぅ。よし状況確認だ。

 

俺は目が覚めたら荒野にいた。そしてさっきの賊っぽい奴等が持っていたモノホンの剣。

このことからここが日本じゃ無いことが分かる。映画の撮影でもモノホンの剣使うなんて聞いたことがない。

そして目の前にいる儚げで可憐な少女が董卓って言うんだと・・・

 

無理だ、ありえねえ。この子が「酒池肉林だ〜」とか言うはずないもん。

なら。)

 

「董卓ちゃん今って漢王朝?」

 

俺がそう言うと董卓ちゃんは不思議そうな顔をし。

 

「そうですよ。皇帝陛下は劉宏様です。」

 

(なんてこったい。一番当たって欲しく無い予想が当たっちまったかもしれないぞ。)

 

「次いいかな?ここってどこ?」

 

「えっと、ここは西涼の近くにある天水って言うところです。」

 

(ああ、もうこりゃ詰みだな。ここ中国だ。1800年程前のしかもパラレルワールドって奴だ。だって董卓が女の子とか、ありえないし。それか夢落ちか。)

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「えっと、貴方は?」

 

「ああ、ワリィ。俺の名前は神崎 狼鬼って言うんだ。」

 

「性が神、名が崎。字が狼鬼ですか?」

 

「いや、性が神崎、名が狼鬼。字は無いんだ。」

 

(名が崎って、死の呪文みてぇだから嫌だな・・・)

 

「取り敢えず君の家まで送るよ。いつまでもここに居ても仕方がないしな。」

 

「あ、あの〜。」

 

「ん。どうした?」

 

「神崎様は天の御使い様なんですか?」

 

(天の御使いなにそれ?)

 

「なんなんだ、それ?」

 

それから董卓ちゃんが教えてくれたことをまとめると。

 

今この大陸は一つの噂が広がっていてそれは、流星に乗ってこの大陸に平和をもたらすために

天の御使いがやってくる、というものだそうだ。

 

で、董卓ちゃんは今日流星が落ちるのを見て、護衛の兵も付けずにすっ飛んで来たらしい。

 

「そしてそこに俺が居たと。」

 

なるほど。

 

「なあ、呂布、華雄、李儒。この中で知っている奴いるか?」

 

この時期に呂布は居ないが、もしかしたら。

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「恋さんと華雄さんを知っているんですか?」

 

「ん、恋さんっていうのは?」

 

「あ、すいません。恋さんって言うのは呂布さんの真名です。」

 

真名?なにそれ。ますます俺の知ってる歴史と違う感じがしてきたぞ。

 

「ワリィ。その真名ってのはなんなんだ?」

 

「はい、真名っていうのはこの大陸中の人が持っている本当の名。家族や親しい人にしか教えてはい けないし、呼ばせてはいけない神聖なものです・・・ですから御遣い様も安易に真名を呼んだりし ないように気をつけてください。」

と、董卓ちゃんが真剣な表情で言う。

つか御使い様って・・・

 

「分かった、気をつけるようにするよ。さて、そろそろ君は帰らないとだろう。

 黙ってきたんだろう。今頃大騒ぎだぞ。」

 

「あ、そうです。・・・折角ですから御使い様も一緒に来ませんか?

 お礼もしたいので。」

 

「・・・そうだな。行くところも無いし。少しばかり世話になるか。

 なら行くか。」

 

そう言って、座っている董卓ちゃんに手を差しのべる。

 

「へぅぅ//」

 

なぜここで赤面する。

 

そして俺の手を取り立ち上がった董卓ちゃんと城を目指した。

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あとがき

 

 

 

こんばんは荒紅です。

 

今回初の長編物に挑戦です。

 

拙い文ですが、読んでもらえると幸いです。

 

√は董卓です。原作で少し納得がいかなかったので・・・

 

 

 

それではご感想などコメしてもらえるとありがたいです。

 

んじゃ

説明
処女作品です。

オリ主で、オリキャラも出ます。

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コメント
アルヤ様:死なないように殺す。こんな感じだと思ってください(荒紅)
デーモン赤ペン様:武器、どうしましょうね。流石に武将相手に素手で喧嘩挑むのも・・・鎖か・・・そのアイディア貰ってもいいですか?(荒紅)
↓そのとおり。なぜならここにもいるからだ。それよりも三分の四殺しって死んでるよな。表記かえると4/3だし。(アルヤ)
ども、不良主人公モノですか。武器は鎖が安定なのか?と思うのは自分だけじゃないはず。続き待ってます(デーモン赤ペン)
タグ
真・恋姫†無双 オリ主 喧嘩師 董卓√ 狼鬼 

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