SAO〜黒を冠する戦士たち〜if ビーター エピローグ
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ifストーリー ビーター エピローグ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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アスナSide

 

ボスに勝利して周囲は歓喜に満ち溢れている。命を懸けて戦い、見事勝利できたのだから。

 

あとは……((最後の仕上げ|・・・・・・))だけだ。私はキリト君に話しかける。

 

「お疲れ様…」

 

「ああ…」

 

「見事な剣技だった、コングラッチュレーション。この勝利はあんたのものだ」

 

私が労いの言葉を掛けると彼が相槌をうった。

 

そして、エギルさんがそういうと他の人達も頷き、拍手を送る人などもいる。そんな中……。

 

「あんた……。あいつが使うカタナの技を知ってたんやろ!」

 

キバオウさんが悔しそうな声を上げた。始まった……((キリト君の作戦|・・・・・・・))が。

 

「ああ。それがどうかしたか…?」

 

「なんで……俺達には何も言わんかったんや! βテスターなんやろ!

 教えてくれても良かったんとちゃうんか!」

 

キバオウさんの言葉に、先ほどまで歓声を送っていた人達からも反論の声が上がり始めた。

 

エギルさんが皆を宥めようとした、そこでキリト君の様子が変化した。

 

「くふふふふ、はーはっはっはっはっは! 教えるわけ無いだろ…。

 俺は自分の利益を得る為にこのボス戦に参加したんだからな」

 

「「「「「っ!?」」」」」

 

皆が驚愕し、わたしとエギルさん、ディアベルさんとキバオウさんも驚く……ふりをした。

 

勿論、他のプレイヤー達は本当に驚いている。

 

「俺の目的は…モンスターへのLAB(ラストアタックボーナス)による、レアアイテムの入手だ。

 それに……、俺を他のテスター如きと一緒にしないでくれるか?」

 

「ど、どういう事だよ……」

 

一人の男性プレイヤーが訊ねた。彼はそれに声高に答える。

 

「βテスターとは言っても、大半の奴らがレべリングのやり方を知らない素人連中ばかりだよ…。

 いまのあんたらの方がマシさ」

 

彼は喋りながらキバオウさんの前へと歩いてくる。他のプレイヤー達は道を開けていく。

 

「だが…俺はあんな奴らとは違う。俺はテスト中に、俺と極一部の者達しか辿り着けなかった上の層まで上っている。

 カタナを使うモンスターとも散々戦ったさ。俺の持つ情報は、情報屋程度が問題にならないほどのものだ」

 

彼がその言葉を言い放つとキバオウさんは意を決したように喋った。

 

「な、なんやそれ…。っ、あんたは『βテスター』の『チーター』や! いや…『ビーター』や!」

 

キバオウさんの発言を皮切りに、他の人達も非難の言葉を浴びせるが…。

 

「ビーター……いい呼び名だな…それ」

 

そう言った彼に周囲は絶句した。彼が非難の呼び名を受け入れたからだ。

 

「そうだ、俺はビーターだ。これからは元テスター如きと一緒にするな…」

 

彼は装備のウインドウを操作していき、先ほどボスから手に入れたであろうアイテムを装備した。

 

それは……漆黒のコートだった。

 

「ふっ…」

 

キリト君は笑みを浮かべると、身を翻してから奥の扉へと歩いていった。

 

 

 

「……みんな。色々と思うところがあるだろうけど、今は戦いの疲れを休めてくれ。

 俺はこのまま次の街に向かうからついてきたい人達は一緒にきて構わない。

 休みたいと思う人は街に戻るんだ」

 

ディアベルさんがそういうと、わたしとエギルさんとキバオウさん以外は全員が帰った。

 

「……まさか、本当にこうなるとは…」

 

「ワイ、気付かれてへんよな…?」

 

「あの状態をみたら、大丈夫だと思う」

 

「………」

 

エギルさんは功を為したことに驚き、キバオウさんは上手くいったことに若干の不安を覚え、

ディアベルさんは安心したようだ。

 

私だけは沈黙を保っていた。私達四人は、キリト君が入っていった扉をくぐった。

 

 

 

そこにはキリト君が居た。正しくは私達を待っていたのだ。

 

「作戦成功……ありがとう。悪かったな、こんな事に付き合わせて…」

 

先程とは全然変わって人当たりのいいキリト君。そう、さっきまでのは演技だ。

 

「だが、良かったのかい? これで…」

 

「いいんだ…。テスターと非テスターとの諍いを減らすにはこれしかないからな…」

 

不安げに訊ねてくるディアベルさんに、キリト君は自嘲気味に苦笑しながら答えた。

 

つまり、さっきのはキリト君がわたし達に頼んでこれからの厄介事を少なくする為にとった芝居なのだ。

 

自らに汚名を着せてまで…。

 

「俺達『ビーター』には…これくらいの事しかできないからな。ディアベル、街の連中は頼むぞ。

 俺には……無理だからな」

 

「っ! わかった…」

 

「キバオウ。悪かったな…嫌な役をやらせて…」

 

「っ…キリトはん! ワイも、街の奴らを守るわ!」

 

キバオウさんのセリフにキリト君は嬉しそうに微笑んだ。そこに……。

 

「キリト…。俺は今すぐには追いつけないが…、必ずお前さんに追いつくからな」

 

「ああ。楽しみにしてるよ、エギル…」

 

キリト君とエギルさんは握手を交わした、ディアベルさんとキバオウさんとも。だから私は…。

 

「キリト君…」

 

「どうした?」

 

「お願い……私を、一緒に連れて行って。足手まといにはならないから」

 

「………」

 

彼は黙ってしまった。わたしは答えを待つ。三人も静かに彼の答えを待っている。

 

そして、

 

「……厳しいぞ。俺と一緒は…」

 

「っ、うん!」

 

キリト君の答えはOKだった。

 

「(クス)まったく…。それじゃ、とりあえず次の層までいくか?」

 

「「「「おう(ああ)(うん)」」」」

 

私達は次の街へと向かった。

 

 

 

翌日。

 

「みんな、世話になった」

 

「ありがとうございました」

 

キリト君と私は三人に言葉を告げた。

 

「いや、こちらこそだ」

 

「ああ。本当にありがとう」

 

「ほんまにありがとな!」

 

エギルさん、ディアベルさん、キバオウさんの順に答えていく。

 

キリト君と私は2層の主街区から移動する事になった。ここで三人とは一旦お別れだ。

 

「ボス戦については、また呼んでくれ」

 

「その時は是非頼むよ」

 

キリト君がボス戦への旨を伝えるとディアベルさんは快諾した。

 

昨日、わたし達は全員をフレンドリストに登録したから、用がある時はメッセージを送ればいい。

 

これで会いたいときに連絡を行える。

 

「それじゃあ、また会おう」

 

「さようなら」

 

「達者でな」

 

「またな!」

 

「元気でやるんやで!」

 

わたし達は……それぞれに動きだした。

 

アスナSide Out

 

 

 

〜二年後〜

 

「行けるか? アスナ」

 

『ビーター』を名乗る少年は【黒の聖魔剣士】の名を持ち、戦場を駆ける。

 

「はい! キリトくん!」

 

少年と共に行った少女は【閃光】の名を持って、剣士の隣で舞う。

 

「いらっしゃい。今日はどういった御用で?」

 

斧使いの男性は商人を兼任して、下層の者達の育成に励む。

 

「行こうか、キバオウさん」

 

勇敢な青年は『軍』の創設者の一人となって、弱き者を守る。

 

「了解や、ディアベルはん!」

 

果敢な男は青年と共に『軍』の創設者の一人となり、守ると誓う。

 

 

 

 

 

これはもしもの話し。

 

もしかしたらありえたかもしれない、幾つもある物語の一つ。

 

この先の未来にはなにがあるのか?

 

それを知るのは………あなた次第です。

 

 

 

 

 

END

 

 

 

 

 

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後書きです。

 

ifストーリーは以上でした。

 

楽しんでいただけてもらえていればいいですが。

 

最後の二年後に関してですが、

まず、アスナは『血盟騎士団』には入らずに『黒衣衆』となっています。

 

さらに、ディアベルとキバオウの2人は『ALF(アインクラッド解放軍)』の副リーダーとなって、

リーダーの『シンカー』を支えています。

 

最後に、この話はあくまでif・・・もしもの話しですので本編とは関係ありません。

 

よってキリトとキバオウは敵対とはいえませんが、仲は良くなく、ディアベルも死んでいます。

 

それではifを読んでくださってありがとうございました。

 

ふたたび本編をお楽しみに・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
ifストーリー最後の話しです。
お楽しみいただけていれば嬉しいです。

では・・・。
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コメント
lightcloss様へ そうですね、確証はできませんが少なくともディアベルがいればキバオウが暴走する確率は低い方にはなったと思いますよ(本郷 刃)
ディアベル生きてたらキバオウは暴走しないと私も思う。・・・セレス『さて、それはどうだろうか。ここのキバオウはともかくあちらは微妙なところだと思うぞ』・・・この場合の続編もやっぱり見たいなぁ。(lightcloss)
華?踰紅-かざゆく-様へ 取り敢えずは『黒戦』です・・・その後は、まだ考えてないですが・・・(本郷 刃)
やばい……『悠久の翼』も気になるし『黒戦シリーズ』も気になる……おまけにこの話の続編も希望してしまうとは……(華?踰紅-かざゆく-)
華?踰紅-かざゆく-様へ いまのところコレの続編の予定はないですね・・・まずは『黒戦』シリーズ完結を目指します(本郷 刃)
夢に見た物が此処に!!続編をお願いします!!(華?踰紅-かざゆく-)
アサシン様へ ま、キバオウのアレは演技ですから(この作品において)・・・軍の人達は後々、ねw(本郷 刃)
『軍』の人達暴走してる・・・・・・(アサシン)
ディアベルさん生きててよかった〜・・・・・あれ?牙王さんいい人になったけど(アサシン)
影のな物語様へ 初コメありがとうございます! アニメとの違いなどを是非、楽しんでいただければと思います。勉強も頑張ってくださいねw(本郷 刃)
はじめてコメントします。アニメとは違うストーリー面白いです!勉強捨てて、読みまくります!w(あ)
イッテツ様へ 何回も書こうと思った事はありますが・・・・・・設定は考え付いても、結構難しいんですよね〜(泣)(本郷 刃)
ifストーリー、面白かったです。こういう未来での二次小説も読んでみたいものですね。(イッテツ)
ふかやん様へ 初めまして。この作品でのキバオウに関しては今後の展開次第になります。どうなるかは明かせませんが楽しみに待っていてください。(本郷 刃)
初めまして、ふかやんと申します!アニメで見たのですが…やはりこうあって欲しかったですね。この作品でもキバオウとの和解がなってくれればと思っています…。(ふかやん)
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