魔導師シャ・ノワール 原作前 第二話 プロローグという名の幼少期(原作前)2
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「くッ!」

 

自らの塒(ねぐら)にしている屋根も無い廃墟に戻り。

すぐに怪我をした頭と右腕に気つけ用に持っていた度数の高い酒を被るように掛けて。

比較的綺麗な布を巻きつけて応急手当をした。

 

頭は軽く地面にぶつけて切っただけだが。右腕は衝撃で焼けどや石の破片が刺さっていたようで。

手当てはしたが傷から血がすぐにあふれ出て包帯を赤く染める。

錆びた金属の針金で腕の根元をきつく縛り、動脈止血も行った。

幸い、骨には異常が無いがしばらくは使い物にならない。戦闘など論外だ。

 

 

「逃げないと・・・」

 

 

血をできる限り落とさないように逃げて。しかも複雑な道を使って塒に戻ったので。

すぐには追いかけてこないだろうがこの場から移動しないと何れ見つかるだろう。

 

出来る限り最小限の荷物を入れた麻袋を左手に持ち。塒から夜の街に再び入る。

 

しかし、手当てをするのがやや間に合わなかったのか。

徐々に視界がボヤが発生し。明らかに貧血の症状が出てきた。

 

引きずるように足を動かして暗い路地を注意して進んでいると頭上から殺気が放たれ。

左手に持っていた袋をその場に捨てて腰に刺していたナイフを抜き、構えるが...

 

《グシャ!カランカラン!》

「ぐああああああッ!!!!!」

投げつけられたと思われる真っ赤な槍の形をしたデバイスに肩を射抜かれ。

痛みと衝撃のあまりナイフを落とした。

 

「へぇ〜。団長の言うとおり素質は十分か。頭を狙ったのに外れて武器まで抜いたし。

 しかもまだ倒れないのね。合格だね、これは」

 

ふわりと上空から醜悪な笑みを浮かべた真っ赤なドレス姿に真っ赤な髪をした女性が目の前に舞い降りた。

俺は震える手で肩に刺さった槍を傷ついた右腕で握る。

 

「フフッ?怖い?そうだよね〜怖いよね〜」

 

そして....

 

「あああああああああああああ!!!」

《ズブブ!グシャ!》

肩に刺さっていた槍を右手で引き抜き、目の前の女に突きを入れる。

 

「なっ!!?エルフィン!待機状態!」

 

持っていた槍は女に突き刺さる寸前に光と共に消えてしまい小さな宝石に形を変え。

そして勢いがなくなってしまった俺は前のめりに地面に倒れこんだ。

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

刺さっていた槍が抜けた為、肩から更に血があふれ出て。地面を赤く染め始める。

すでに虫の息。痛みも感じなくなってきている。

 

「すごい・・本当に逸材かも♪とりあえず回復魔法掛けるから大人しくしておいてね♪」

 

赤く温かい光と共に体の痛みが徐々に楽になっていく。

 

「はぁ・・・はぁ・・・なんで・・・」

「んっ?」

「はぁ・・な・・ん・で・・殺さ・・・ない?」

 

「君は使える道具やお金が落ちてて拾わないの?あたしなら拾うけどな〜」

 

「はぁはぁ・・・フッ・・それもそうか・・・」

 

魔法があるリリカルな世界に生まれて数年。この出来事で俺の時空犯罪者としての生活が始まった。

 

 

 

 

 

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話が短いのは仕様です。テンポなどの関係で

 

次回、あの人の元に主人公が....

 

 

※読んでくれてありがとうございます!感想などなどはお気軽に!

※誤字脱字などの指摘もどんどんお願いします。

※また誤字脱字や妙な言い回しなど見つけ次第修正しますが特に物語りに大きな影響が無い限り報告等は致しませんのであしからず。

 

 

説明
プロローグ2話目です。テンポの問題からすごく短いです。

神様などに一切会わずに特典もなくリリカルなのはの世界へ転生した主人公。原作知識を持っていた筈が生まれ育った厳しい環境の為にそのことを忘れてしまい。知らず知らずの内に原作に介入してしまう、そんな魔導師の物語です。 ※物語初頭などはシリアス成分が多めですが物語が進むにつれて皆無に近くなります。 ※またハーレム要素及び男の娘などの要素も含みます。さらにチートなどはありません。
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主人公は男の娘ですよね?(アサシン)
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