ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者〜 第45話
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第45話〜パーティーと黒猫の襲来〜

 

 

修行の報告会をした翌日の夕刻。俺達は客間で待機していた。今日はパーティー

 ということで、俺は黒のスーツを着ていた。一誠は制服だけどな

 女子は準備に時間がかかるらしく、全員連れて行かれ、祐斗やギャスパーも

 用事でいない。

「よー兵藤にクリス」

 聞き覚えのある声に振り返って見ると、匙だった。

「もうすぐゲームだな」

「そうだな」

「俺、鍛えたぜ」

「俺もだ。毎日ドラゴンに追いかけられていた」

「俺は…創造できる神器(セイグリット・ギア)の資料を読み漁ったり、雷光に

 追いかけられていたな」

「そ、そうか。相変わらずハードだな。まぁ、俺も相当ハードな修行をしていたさ」

 …匙も一誠と同じ"努力の天才"か。似ているもんな、こいつら

「兵藤にクリス。先月、若手悪魔達が集まったときの事覚えているか?」

「ああ、俺が悪魔の老害どもに啖呵切ったときのか」

「あのとき言ったあれは本気だ。――お、俺、先生になるのが夢なんだ!」

 匙は顔を真っ赤にしながら言った。

「先生ってレーティングゲームのか?」

 俺の言葉に匙は頷いた。

「ああ。会長は冥界にレーティングゲームの学校を設立しようとしている。上級悪魔

 だけが行ける学校じゃなくて、下級悪魔も行ける自由な学校を建てたいんだ!

 その学校が設立できれば、下級悪魔たちも昇格して上級悪魔になれる可能性も

 0じゃないはずだ!」

 俺達は匙の夢に驚きと共に感嘆していた。

 

 

 匙も真面目に夢を持っているんだな。夢を持っていない俺とは大違いだ。

「だから人間界の学校で生徒会長として勉強しているんだな。すごい人だ。夢を

 語るのは容易いことだが、それを実際に実行するのは時間と根気が必要だ。

 ――って、夢を持っていない俺が語るのもおかしいか」

「クリスが言った通り、会長は人間界で勉強しているんだ! だ、だからこそ!

 俺は先生になるんだ! 勉強して、戦って蓄える。それで『兵士(ポーン)』の先生

 になるんだ!」

 匙は照れながら言う。

「お袋に将来の夢を語ったら、号泣してしまってよ。先生になるんだ! ってガラにも

 ないことを言ったからかもしれないな。でもよ、悪くないんだよな、お袋の

 安心した顔も」

 これが匙の夢か。一誠よりもまともな夢だ。叶って欲しいもんだ

「立派な目標だと思う、匙。お前ならいい先生になれるさ」

「ああ、その為にもお前達を倒さないといけない」

「あーじゃあ無理だ。俺達が勝つさ」

「いや、俺達だ。上にバカにされた以上、結果を見せないといけない」

 お互い笑い合いながらも瞳は真剣そのもの。――負けるわけにはいかないからな。

「イッセー、お待たせ。あら、匙くんもきていたの?」

 振り向くと――ドレスを着た女性陣がいた。

 皆、元が美少女なので全員お嬢様で通じると思う。すごく綺麗だった。

 だが、問題はギャスパーもドレス姿ということだ。

「……女装癖もここまでくれば、一種の特技だな」 

「そうだな。似合っているのが何ともいえん」

 二人揃って嘆息した。その時、外から羽ばたく音が聞こえ、その後に庭に

 何かが着地する音が聞こえた。

「タンニーン様とその眷属の方々がいらっしゃいました」

 どうやら、一誠を鍛えたドラゴンが来たらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 庭に出てみるとドラゴンが十体ほどいた。迫力がある

「約束どおりに来てやったぞ。兵藤一誠」

「ありがとう! おっさん」

 どうやら一誠が会場に行くとき、タンニーンがどうせなら連れて行ってやるみたい

 なことを言ったらしく、ここに来ているらしい。

 俺達はドラゴンの背に乗り、会場に向けて出発した。

 

 

 

 

 

 

 

 パーティー会場となる超高層高級ホテルは、グレモリー領のほぼ端っこにあった。

 しかもホテルの周囲には軍も待機しているらしく、下手な都市部より厳重だとか。

 下手な都市部って、あるなら見てみたいけどな

「最上階にある大フロアがパーティー会場みたいね。各御家の方に声をかけられたら

 ちゃんと挨拶するのよ?」 

 その大フロアに入ると周りの人たちが部長の姿を見て、感嘆の息を漏らした。

「リアス姫。ますますお美しくなられて………」

「サーゼクスさまもご自慢でしょうな」

 皆、部長に見惚れていた。その顔を見て一誠が得意げな顔をしていたので、顔面を

 殴った。ムカつくから

「うぅぅぅぅぅ……人がいっぱい……」

 ギャスパーが俺の後ろに隠れながら震えていた。まぁ、引きこもりには辛い

 だろうな。いつもだったら逃げてもおかしくないが、修行の成果が出ているらしい

 ギャスパー。お前は充分頑張っているよ

 一誠は部長に連れられてあいさつ回りに行っている。伝説のドラゴンが悪魔に転生

 したというのが有名らしく、上級悪魔の人々があいさつしたいらしい。

 …なんというか、一誠も大変だなぁ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「お、お久しぶりですわね、"多重の創造者"」

 金髪の縦ロールの女の子――レイヴェル・フェニックスが話しかけてきた。

「おぉ久しぶり、レイヴェル」

 レイヴェルが感激! 見たいな表情をしている。…何故だ?

「名前、覚えていたのですね」

「まぁな。なにかと印象的だったからな、レイヴェルは」

 髪型とか、な。

「そういえば、ライザーはどうしたんだ?」

 ライザーの事を訊くと、レイヴェルは嘆息した。

「…あなたのおかげですっかり塞ぎ込んでしまいました。よほど敗北と、リアス様

 が取られたのがショックだったようです。才能に頼って、調子に乗っていたところ

 もありますし、よい勉強になったはずですわ」

 レイヴェルは兄に厳しい人のようだ。

「と、ところで、"多重の"―――」

「その多重の創造者というのやめてくれないか? 俺の名前は神矢クリスっていうんだ。

 その二つ名は長いから、俺の事はクリスって呼んでくれ」  

 悪魔は見た目を自由に変えれるが、多分同年代だろう。

「お、お名前でお呼びしてもよろしいのですか!?」

 若干、嬉しそう…? な表情をしている。何が嬉しいのかわからんが。

「で、では、遠慮なくクリスさまと呼んで差し上げてよ」

 堅苦しいのは苦手だが、まぁこの子の口調からしたらこんな感じで呼ばれるのは

 予想していたし。

「クリスさま、今度、お会いできれば、お茶でもいかがかしら? わ、私でよろしければ

 手製のケーキをご、ご用意してあげてもよろしくてよ?」

 レイヴェルはドレスの裾を持ち上げ、一礼をして去っていった。

 

 その様子を苦笑しながら見ていた俺の視界に小さな影が映った。

 影の方向を見てみると、小猫が何かを夢中に追いかけている様子だった。

 …嫌な予感がするな。ついていってみるか

 小猫はエレベーターで下に向かった。隣では、一誠と部長が乗り込んでいた。

「一誠達も小猫を追いかけにか?」

「ああ。クリスもか?」

「そうだ。――くそ、しゃべっている時間は無い。一誠達は先にいってくれ」

「クリスはどうするの?」

 部長が訊いてくる。

「俺は―――」

 俺は窓を指差した。

「窓から行く。その方が早い」

 そう言うと、俺は窓に向けて走り出した。

「ちょ――」

 部長が何かを言おうとしたときにエレベーターが閉じ、下に下り始めた。

 俺はキンジの武装になり、窓からワイヤーで途中まで下り、そこから壁を

 思い切り蹴って、飛んだ。もちろん、自分の翼で

 地面の着地して、小猫が向かったと思われる森へ駆け出した。

 

 

 

 

 

 

 

 森を進む事数分。俺は出来るだけ気配を消して、キョロキョロと何かを探している

 小猫をみていた。途中から、一誠と部長も来て、一緒に小猫の様子を見ている。

「久しぶりじゃない?」

 聞き覚えのない声。音も立てずに現れたのは、黒い着物を着た美女。頭部には

 猫耳が生えており、どことなく小猫に似ている。…猫又か

「―――っ! ……あなたは!」

 小猫は酷く驚いているようだった。

「ハロー、白音。お姉ちゃんよ」

 白音。それが小猫の本名か

 それを知っているのは、小猫を深く知っている人だけ。

 やはり、この人は…!

「黒歌姉さま……!」

 昔…小猫の元を去った、姉だった

説明
神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。
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