ハイスクールD×D~HSSを持つ転生者〜 第47話
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第47話〜赤白皇帝神龍の聖槍と姉妹の仲直り〜

 

 

赤い光とが収まり、一誠は『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』で全身を覆っていて

 俺は『赤き龍(ウェルシュ・ドラゴン)』と『白き龍(バニシング・ドラゴン)』の絵が彫られている槍

 を持っていた。服装も黒コートに黒い手袋、黒いブーツに変わっていた。

「禁手(バランス・ブレイカー)、『赤龍帝の鎧(ブーステッド・ギア・スケイルメイル)』ッ!主のおっぱい

 をつついてここに降臨ッ!」

 きっと、ドライグは泣いているだろうな。変な禁手の至り方という大会があったら

 一誠は絶対1位をとれると思う。主の胸をつついて至ったって冗談にも程があるぞ。

 この禁手の名前は…これでいいか。

「禁手(バランス・ブレイカー)、『赤白皇帝神龍の聖槍(ウェルシュ・ロンギヌス・バニシング)』。この禁手で小猫を守ってみせる!」

『クリス。この禁手は初めてだから一時間しかもたないわ』

 一時間か。それだけあれば充分だ

 まずはこの結界を破壊する!

「聖龍槍よっ! 結界を破壊せよ!」

 聖龍槍は神々しい光を放ち、結界を音も無く消滅させた。

「――っ! 私の結界を!」

 黒歌が動揺している間に一誠は黒歌に標準を合わせていた。あいつ!

 黒歌を屠る気かッ!

 一誠は黒歌に向けて赤い閃光を放った。

 ちっ! 間に合え! 俺はまだ黒歌に訊きたいことがあるんだ!

『BoostBoosyBoostBoostBoost!!!!』

 一瞬で黒歌の前へ行き、

『DivideDivideDivideDivideDivideDivide!!!!!』

 一誠が放った赤いオーラはどんどん小さくなっていき、とうとうなくなった。

「――っ! クリス! そいつは――」

「黙っていろ。次、一誠が女性に向けて攻撃を仕掛けたら俺がお前を攻撃する」

 今の俺には勝てないと判断したのだろう。一誠はこれ以上やってこなかった。

 ベルセが完全に収まり、ノルマーレになった俺は訊きたいことを言った。

「さぁ、黒歌。教えてくれないかな? 君がここに来た本当の理由を」

「「!!」」

 俺以外はひどく驚いているようだった。

「理由? 言ったでしょう、白音を連れて行くことにゃん」

 

「確かに黒歌の理由はそれだったね。でも、本当は別にあると思うんだ」

「別に?」

 黒歌の言葉に頷いた。

「うん。普通だったら、危険を冒してまで冥界へ来る事はないと思う。あくまで俺の

 推測だが、パーティー会場に使い魔を忍び込ませたのは小猫の無事を確認する

 為。情報はどこから仕入れてきたと思うけど」

「じゃあ、何で小猫を連れて行こうとしたの?」

 部長が訊いてきた。答えてあげよう。

「二人の猫又の話を思い出してみよう。二人は幼い頃に両親を亡くしている。

 姉妹はお互いを支えとして生きてきたんだ。姉の方は悪魔の眷属になって、

 姉妹は安心して暮らせると思ったのだろう。でも――」

「黒歌が主を殺してから悲劇は始まったといいたいわけね?」

 部長は代わりに言った。頭の回転が速いと説明がしやすいよ

「この話でわかっただろう? 黒歌は妹思いってことを。じゃないと、黒歌は

 自身は生き残る為に小猫を見捨てていただろうね。だから、黒歌が主を

 殺害したのは訳があると思うんだ。黒歌、説明をお願いしてもいいかな?」

 黒歌はう〜んと考えてから、言った。

「わかったにゃん。主を殺した理由を話すにゃ」

 黒歌は真面目な表情で語った。

「あいつは眷属の能力向上の為に、無理矢理なことをやっていたわ。でもあいつは

 眷属のみならず、血縁者にもそれを強要した」

 これでわかった。何故黒歌が小猫を連れて行こうとしたか。それは――

「あの主から、小猫を守る為なんだろう? 今、ここから小猫を連れ去ろう

 としたもの赤龍帝の強者を引き寄せる力から遠ざけようとしたんだろう?」

「クリスだっけ? 白音を――妹をよろしくにゃん」

 黒歌は顔を朱に染めながら言った。

「黒歌姉さま…!」

 黒歌は小猫を方を向いて言った。

「クリスが言ったとおり、私は白音を守るためにあいつを殺した。でも白音は気にする

 ことないのよ? 私がやらずともあのままじゃ、私以外の誰かが殺していた」

 黒歌は涙を流しながら続ける。

「だから白音、あなたは幸せになるにゃ。私達の過去は暗いけど、あなたの周り

 の人たちは暗い過去を塗り潰せるくらい、いい人がいるにゃん♪ でも、これだけ

 はいわせて」

 黒歌は小猫に抱きついて言った。

「あのとき…一緒に…連れて行けなくてごめんね」

 小猫も涙を流しながら言う。

「黒歌…姉さま…!」

 これで猫又姉妹は仲直りした。うん、家族は仲良くないとダメだからな。

 一誠も部長も泣いているし…。俺も泣いているけどな

 …で、次元の狭間にいる青年も、涙を浮かべているし。

 

 俺はその青年の隣へ移動し、小声で話しかけた。

「で、お前は何者だ?」

「私はアーサー・ペンドラゴンと申します。以後お見知りおきを」

 その聖剣は…修行のときに見たぞ! 地上最強の聖剣コールブランドとかいう

 剣。あと一つは、前にイリナが持っていたエクスカリバーに似ている。

 俺が聖剣をまじまじと見ているとアーサーは苦笑しながら説明してくれた。

「これは長い間行方不明になっていた『支配の聖剣(エクスカリバー・ルーラー)』です」

 これが最後の聖剣かぁ。

 

「あなたがあの姉妹を仲直りさせたのですか?」

 アーサーが未だに抱き合っている姉妹を指差した。

「ああ。やっぱり、家族は仲良くないとな」

 アーサーは嘆息しながら言った。

「そうですね。私は黒歌達を連れ戻しに来たんですが、あれには入り込めません」

 アーサーはどうやら常識人らしい。やっとでまともな人に会えた気がする。

「黒歌は大丈夫でしょうし、美猴だけでも連れて行きましょうか」

「いや、黒歌も連れて行ってくれ。ここの騒ぎに聞きつけて悪魔がやってくる。

 黒歌は『はぐれ』だ。一緒に連れて行ってくれ」

 俺の頼みにアーサーは微笑みながら頷いた。

「黒歌。ここに多数の悪魔がやってきています! 逃げましょう」

「わかったにゃ。――クリス」

「なんだ?」

「白音を頼むにゃ。もし、白音を悲しませたら私がお仕置きするにゃん♪」

 微笑しながら言った。若干笑顔が黒かったような気がするが…

 

「またね、白音」

「はい、姉さま」

 …どうやら、過去が原因でできた姉妹の溝も完全に埋まったようだ。

 黒歌達は次元の狭間で入っていった。

 あとからやってきた悪魔の人たちに保護され、魔王主催のパーティーも

 『禍の団(カオス・ブリゲード)』襲来で中止になった。

説明
神様の悪戯で、死んでしまった俺―――神矢クリスはハイスクールD×Dの世界に転生した。原作の主人公、兵藤一誠らに会っていろんな事に巻き込まれる。
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