テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー
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〜レオンSIDE〜

 

 

「うっ!…………知らない天井だ」

 

 

目を覚ました俺の目に映ったのは今まで見たことのない天井だった。

 

 

身を起こすと俺の隣にあるベットにはミラが起きていた。

 

 

「よお、ミラ」

 

 

「……レオン」

 

 

俺とミラはいつものように見つめ合っていると、

 

 

ガチャン

 

 

ジュード達が部屋に入ってきた。

 

 

「ミラ、レオン、おはよう!」

 

 

エリーゼとレイアが俺たちに元気よく挨拶をする。

 

 

「……おはよう」

 

 

「おはようさん」

 

 

俺たちも挨拶をする。

 

 

「なあ、ここってどこだ?」

 

 

「ここはバランさんのお宅です」

 

 

「バラン?誰だ」

 

 

「バラン……ああ!アルヴィンの従兄の!ってことはここはエレンピオスか」

 

 

「正解」

 

 

エレンピオス……ここに来たってことは原作の通りに物語は進んでいるのか?記憶があやふやであんまり覚えてないけど。

 

 

ガチャン

 

 

また扉が開く音がし、一人の男が入ってくる。そう、アルヴィンの従兄であるバランだ。

 

 

「お目覚めのようだね。調子はどう?」

 

 

「全然大丈夫だ」

 

 

「問題ない。お前がバランか?」

 

 

「そうだよ。あんたたちを助けたバラン。君たちを見つけたのは偶然。特別感謝はいらないからね」

 

 

そう言いながら足を引きずって椅子に座るバラン。

 

 

「そうか……」

 

 

バランは机の上で何か作業をしているが俺のいる位置からでは見えない。

 

 

「なあ、バラン。俺たちが珍しくねえのか?」

 

 

「まあねー」

 

 

何となく聞いてみたくなって聞いてみたが反応が薄いな。

 

 

「けど、よく俺がわかったな?二十年も経ってるんだぜ」

 

 

「それ、おじさんの銃だろ。おじさんに感謝しとけ」

 

 

なるほど、ここに運ぶ時にでもアルヴィンの懐にあるあの金色の銃が目に入ったのか。それでアルヴィンが二十年前に消えた自分の従弟のアルフレドだってわかったのか。

 

 

「けど、死んだんじゃな……」

 

 

「それもそうか。あれ、ないな……」

 

 

机の上で作業していたバランだったが、何かの部品がないのか椅子から立ち上がり、棚の中を捜している。

 

 

そんな足を引きずって歩くバランをジュードはじっと見ていた。

 

 

「少し、変わった人ですね」

 

 

「エレンピオスの人間全員がああってわけじゃないぜ」

 

 

エリーゼはバランを見て、変わっているというが、アルヴィンがエレンピオス人の基準を間違えないでくれと言う。

 

 

「足のこと?」

 

 

「あ、いえ……」

 

 

「ジュード」

 

 

ジュードの視線に気づき、ジュードを見ながらバランは言った。そう言われて少し戸惑うジュードにレイアが呆れている。ふふ、この二人はいいカップルだね。けど、あんまり恋人らしいことはしてないよな。まあ、二人ともまだ15歳だし、心の準備が足りないのかね。

 

 

「いいよいいよ。子どもの頃に事故でね。よし調整終了っと」

 

 

何かの部品を取り、椅子に座ると何かを装着しようとする。

 

 

「よせよ、バラン」

 

 

アルヴィンはバランが何を装着しようとしているのかがわかり、俺とミラを見て、バランを止める。

 

 

「なんで?」

 

 

皆も何故アルヴィンがバランを止めるのかがわからなかったが、ジュードはバランの手にあるものを見て、声を上げる。

 

 

「それって!」

 

 

「向こうから来たんじゃ、なじみはないと思ってたけど」

 

 

「黒匣(ジン)!」

 

 

剣を構えようとするミラを俺は止める。

 

 

「待てミラ」

 

 

「そうだ。待ってくれミラ」

 

 

「…………?」

 

 

俺とアルヴィンに止められたミラは不思議そうに俺たちを見る。

 

 

「これがないと歩けなくてね」

 

 

そのバランの言葉を聞いてミラは俺の右足に付けられている医療ジンテクスを見る。

 

 

「そうだ。腹減っただろう?準備するからその間、街を見てきたら?こっちは初めてなんだろ?」

 

 

「そうだな。皆、街を少し見て回ったら話がある」

 

 

俺は街の見て回ることに賛成し、そのついでに話をしようと皆に持ち掛ける。

 

 

「そうだね。僕たちもミラとレオンに聞きたいことがあるし」

 

 

ジュードも頷き、後で話をすることとなった。

 

 

 

 

 

 

 

街の商業区に来た俺たちであったが、やはりリーゼ・マクシアとは違うので違和感を感じ始めている。

 

 

「やっぱり……変な感じがします」

 

 

「うん……なんだか落ち着かないところだよね」

 

 

リーゼ・マクシアの街にあって、エレンピオスの街にないもの……それは!

 

 

「自然がないんだよ。リーゼ・マクシアにはどんな街にでも自然……木や草、植物は存在していた。だが、ここにはその自然がない」

 

 

「なるほど。確かに木どころか草一本生えていませんね」

 

 

「黒匣(ジン)使ってるからー?」

 

 

「ああ。そうだな。黒匣(ジン)は知っての通り、精霊が動力源だ。その精霊がいなくなれば自然は失っていく」

 

 

「ああ。その通りだよ。この世界は精霊がどんどん減っていくから自然がどんどんなくなっていくんだ。エレンピオスの死は遠くない」

 

 

まあ、二千年間黒匣(ジン)を使い続けてきたからだろうな。

 

 

「……精霊は必要か」

 

 

「……ああ。けど、それだけのためにリーゼ・マクシアの人々を燃料にする計画を立てるなんてのはやり過ぎだ」

 

 

俺とミラは静かにそう言った。

 

 

「ミラ?レオン?」

 

 

一番近くにいたレイアが俺たちを不思議に思って見ている。

 

 

ミラはなんでもないよっと首を振り、俺もなんでもない。気にするなという風に首を振る。

 

 

すると、ローエンの目に何かが映ったのかアルヴィンに聞く。

 

 

「アルヴィンさん、あれは……」

 

 

「『異界炉計画を我々は支持します』黒匣(ジン)を扱っている商人たちが出したんだろ」

 

 

確かにポスターにはそう書かれているな。

 

 

「黒匣(ジン)を使うの、やめられないんでしょうか……」

 

 

エリーゼはポスターを見て、エレンピオスの人たちが黒匣(ジン)をやめられないかというが……今は無理だろうな。

 

 

「異界炉計画の撤廃のために募金を!」

 

 

そうしていると一人の爺さんが募金とか言っているし。

 

 

「……ジイさん。撤廃するのにどうして募金だよ?」

 

 

「政府へ意見書を出すにも、タダじゃなかろうて!」

 

 

まあ、確かに政府に意見書を出すんだ。ただで済むはずがない。

 

 

「酒くさジジイー」

 

 

「なんじゃ、このぬいぐるみ?」

 

 

爺さんはティポを初めて見たのにそこまで驚いたそぶりがない。

 

 

「はい、おじいさん。僕も異界炉計画を止めたいんだ」

 

 

「おい、ジュード」

 

 

ジュードは普通に募金をしていた。アルヴィンもそんなジュードを見て、驚き、呆れている。

 

 

「ヒッヒッ!ありがとの」

 

 

そういい、爺さんはここからは去って行った。

 

 

「ガイアスはどうやって、異界炉計画を止めるつもりなんだろう」

 

 

「ミュゼのあの力があれば、こちらへはいつ来てもおかしくはないだろうな」

 

 

「うん、そうだよね」

 

 

……さて、そろそろいいかな。

 

 

「さて、皆。話があるし、どこかゆっくり話ができるところに行こうか」

 

 

「なら、こっちに来いよ。トリグラフ海停がある」

 

 

アルヴィンに案内されて俺たちはトリグラフ海停へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

トリグラフ海停につくと俺以外は椅子に座っている。

 

 

「さて、まず俺があの後、一度死んでからどうなったのかを説明しよう」

 

 

皆を見渡し、全員が頷くのを確認した俺は話を始める。

 

 

「あの後、ミラと共に消えた俺は精霊界とは別の……そうだな、異空間というべきか。そこにいた」

 

 

「異空間?」

 

 

「そうだ。お前たちが俺とミラが登場するまでいた世精ノ途。ミラが一度死んでいた精霊界。まあ、この二つの中間に位置する空間だな。精霊界でもなく、世精ノ途でもない空間に俺は漂っていた」

 

 

皆の頭の上に?が浮かんでいる。

 

 

「そもそも、まず俺という種族は微妙なものだった」

 

 

「どういうことです?」

 

 

「俺は数年前に四大達と契約して使役できるようになっているんだ」

 

 

俺がそういうとローエンは驚いている。

 

 

「人の身でありながら……ですか?」

 

 

「まあな。ただ、その契約が問題だった。元々、俺は数年間の修行の旅のせいで霊力野(ゲート)がかなり発達していて、マナの量も通常の人間の数十倍だったんだ。それが四大達との契約でさらに上昇して、遂に人間としての限界を超えてしまった」

 

 

「……そうか。だから、レオンは人間離れした身体能力とかがあったんだ」

 

 

「その通りだ。結果、俺は数年前から半分が人間で、半分が精霊っていう、中途半端な存在だったんだが……」

 

 

「…………もしや、一度死んだせいで人としての部分が無くなった…………そういうことですか?」

 

 

『っ?!』

 

 

ローエンの仮設にジュード達は驚き、俺を凝視する。

 

 

「……う〜ん、そうだな。今の俺は精霊だし、そういうことになるな」

 

 

「でも……どうして精霊になったの?」

 

 

「う〜ん……そこはわかんないんだよね(言えないよな……これは絶対に俺が死んだ時にこの世界に転生させたあの神が原因だって。俺も何時の間にか精霊化してたからな)」

 

 

「……そうなんだ……」

 

 

ジュードも納得しているようでしてないって感じだな。

 

 

「まあ、俺がすることは変わりないしな。ミラを守る。半精半人だった時はミラの騎士だったし……今はそうだな……名乗るのであれば守護騎士だな。ミラだけの」

 

 

「わ……私だけの守護騎士//////(い、いいかもしれん///)」

 

 

あ、ミラが顔を紅くしてる。可愛いなw

 

 

「じゃあ、一つだけ。セルシウスはどうして外見が変わっていたの?」

 

 

「そういえば……そうね。初めは誰!?って思ったけど、レオンがセルシウスって言った時は、ええ!?この人があのセルシウスなの!?って驚いたもん」

 

 

セルシウスのことか……なんでなんだろうな?

 

 

「俺にもわからん。が、もしかしたら俺が精霊化したことが影響しているのかもしれない。今の俺は大精霊クラスのマナを所持している身だ。その俺の膨大なマナが俺の術式の中で寝ていたセルシウスに影響を及ぼしたのかもしれん」

 

 

「……けど、それだけでスタイルとかも変わるもんか?」

 

 

ピキッ

 

 

アルヴィンのその一言にミラの雰囲気が変わる。

 

 

「確かにな……フッフッフ……レオン、どういうことか、教えてほしいのだが?」

 

 

剣を抜いて構えるミラ。

 

 

「ミ、ミラ……?お、落ち着け!俺にだって何が何だか……もしかしたら……心の中でミラのことを心配していたからセルシウスのスタイルが変わったのかも」

 

 

 

シュウゥ〜

 

 

それを言うとミラの雰囲気が元に戻る。

 

 

「どういうことだ?」

 

 

「ミラのことをあまりにも考え過ぎたせいでセルシウスにミラの体のスタイルがそのまま、コピーされたのかもしれん。髪の長さとかも一緒だし、胸の大きさも」

 

 

「//////?!」

 

 

俺がそう言うと胸を抑えるミラ。

 

 

「バ、ババババ、バカもの!皆がいる前でなんてことを!!」

 

 

剣を抜いて俺に迫るミラ。

 

 

しかも、

 

 

「ねえ、ジュード。レオンがミラの胸のことを言った時、見ていたよね(黒笑)」

 

 

シャキ

 

 

レイアは黒い笑みを浮かべながらジュードに迫っていた。

 

 

「ま、待って!待ってよレイア!?」

 

 

俺とジュードはミラとレイアから離れようとするが、

 

 

ドスン

 

 

後ろは壁。

 

 

「「さあ、少し、O・HA・NA・SHIをさせてもらおうか?」」

 

 

二人がそれぞれ武器を構える。

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ぎゃあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!』

 

 

トリグラフ海停に俺とジュードの悲鳴が響き渡ったのであった。

説明
第58話 話
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コメント
ジュード、レオン、ご愁傷様。(笑)(BLACK)
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