テイルズオブエクシリア〜転生者はイレギュラー
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〜レオンSIDE〜

 

 

ルサル街道に向かっている途中、レイアは上機嫌だった。

 

 

「嬉しそうですね、レイア」

 

 

「うん。ジュードがあきらめなかったおかげで、源霊匣(オリジン)の可能性がわかったんだもん。なんか、もー、やったー!って感じ」

 

 

いつも以上に元気なレイアはある意味このパーティーの元気の源かもな。

 

 

「ジュードはやる時はやる人です」

 

 

「ぼくは前から、そう思ってたー!」

 

 

「ふふふ、まるで自分のことのように」

 

 

レイアもエリーゼも自分のことのように喜んでいるな。子どもは元気の源だ。俺たちおとな組みにとっては。

 

 

「でも、気持ちはわかります。以前のジュードさんは、先頭をきって進むタイプではありませんでしたが、今回は、見事に自分の意志を貫きました」

 

 

「確かに、以前のジュードは俺やミラの言っていることに流されていたタイプだったが、今は変わったな」

 

 

「うむ。人は変わるものだ そりゃ、誰かさんたちの影響だろ」

 

 

「アルヴィンの影響でないことは確かだな」

 

 

プッ……ククク、た、確かに(笑)

 

 

「ククク、もしアルヴィンの影響だったら捻くれていたかもな」

 

 

「んな!?そこまで言うか普通」

 

 

「お前、心の中で反面教師とか思ってたりしただろ?」

 

 

俺がじぃ〜っと見ると、アルヴィンは視線を逸らす。

 

 

「アハハ!みんな嬉しそうだね!」

 

 

「ですよね!」

 

 

あはははは!俺たちはジュードの知らぬところで大笑いしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、俺たちはバランの話しに出て来ていた丘に到着した。

 

 

「この丘の下に俺たちが倒れてたってよ」

 

 

「下に行く道を探そう」

 

 

俺たちは倒れていた丘の下に行こうとするとエリーゼが何かに気づく。

 

 

「あれ、なんですか?」

 

 

そこにはマクスウェルやミュゼが開けることのできる空間の裂け目があった。

 

 

「僕たち、きっとあそこから、崖の下に落ちたんだ」

 

 

「裂け目がずいぶん小さくないか?」

 

 

「消えかかっているようだ。飛び込むのはいちかばちかになるな」

 

 

……っておい!

 

 

「ちょっと待て!ミラ、俺が持っている剣のことを忘れてないか?」

 

 

「……そうか。レオンの持つ剣、エターナルソードでも空間に裂け目を作ることができたな」

 

 

「そうだ。出発する時にでも俺が斬れば問題ない」

 

 

……俺がそう言うと皆は確かに……と頷き、エレンピオスを出発する時に俺が斬ることになった。

 

 

そして、いざ、皆で一旦、街へ帰ることになると

 

 

「みんな……」

 

 

ジュードが静かに声を出して言う。

 

 

「リーゼ・マクシアに帰るつもりなら、僕たちはここで別れた方がいいと思うんだ」

 

 

「な、何言い出すの!?」

 

 

ジュードの言ったことにレイアが驚き、声を上げる。まあ、何も言わずいきなりそんなことを言われたら声を上げるな。

 

 

「みんなでここにきて、源霊匣(オリジン)のことがわかって、これからの未来にも希望はできた。けど……もう戦うしか、ガイアスを止める方法はないと思うんだ。レオンも前に言っていた通り、ガイアスは一度決めたことを曲げる男じゃないよ。だから、一時の感情に流されて、本当の気持ちをごまかさないでほしいんだ」

 

 

「私も同感だ自分の心をごまかすような戦いなら、意味はない」

 

 

「自分の本当の気持ちをごまかしながら戦っては、いざという時にはその気持ちが命取りにもなる。それではここまで頑張ってきた意味がない」

 

 

「己の心で、己の道を決める、ですね」

 

 

「そりゃそうだ。でなきゃ、マクスウェルにミラを認めさせたことがウソになっちまう」

 

 

「…………」

 

 

「もう少しだけ考えさせて。ジュードたちが出発するまででいいの」

 

 

「うん。わかった」

 

 

話も終わり、一旦街に戻ることになる。

 

 

その時だ。

 

 

ゾクッ!

 

 

「っ!?」

 

 

俺は突如、寒気に襲われた。

 

 

この丘から北西の位置、南東、南西の場所から何やら感じる。一つは前に戦ったことのある敵に似た気配。

 

 

もう二つは、セルシウスとヴォルトに似た気配だ。かなり、強い。二つの方はバランにでも聞いてみるか……。

 

 

「レオン?どうした?」

 

 

「っ!いや、何でもない。行こうミラ」

 

 

俺はこの嫌な感じを感じたまま、トリグラフへ戻って行った。

 

 

 

〜レオンSIDE OUT〜

 

 

 

 

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〜第三者SIDE〜

 

 

その日の夜、アルヴィンは一人、ブランコに座っていた。

 

 

そんな一人でいるアルヴィンにエリーゼが近づく。

 

 

「何してるんですか?」

 

 

「……一緒にいたら、あいつらも疲れるだろ」

 

 

「ひねくれてるなー」

 

 

「そういう人間なの。エリーゼこそ、どうした?」

 

 

アルヴィンは何でエリーゼがここに来たのかを聞いた。

 

 

「迷ってるのか?」

 

 

エリーゼはブランコに座りながら

 

 

「わたし、どうしたらいいかわからないんです……」

 

 

「子どもの気持ちはなぁ。まともに過ごしてねーからな。アドバイスは」

 

 

暗い表情をしるアルヴィンを見て、エリーゼは聞く。

 

 

「アルヴィンは子どもの時から、アルクノアだったんですか?」

 

 

「まーな。人をだまして、欺いて、都合悪くなれば姿を消して、おかげでいつの間にか自分が傷つかないやり方ばっかなのが俺だよ」

 

 

アルヴィンの話しを聞いたエリーゼはこれからのことをアルヴィンに聞く。

 

 

「なら、ミラとレオン、ジュードと一緒には行かないんですか?」

 

 

少し間が空き、アルヴィンはエリーゼに話す。

 

 

「……あいつ……ジュードが俺を焦らせるんだよ。あいつらはみんな大人だよ。俺を気遣ってくる」

 

 

「そっかー、それが寂しいんだろー、アルヴィン君は」

 

 

「ホントの気持ちを言葉にするのは下手なもんでね」

 

 

エリーゼはアルヴィンを見ている。確かにアルヴィンはホントの気持ちを言葉にするのは下手ですからねっと思いながら。

 

 

「ただ……嫌われようとも、この場所に喰いついて離れないようにしないとな」

 

 

「みんなと友達になりたいんですか?」

 

 

エリーゼに言われ、少し笑みをこぼすアルヴィン。

 

 

「本音で信頼関係を築いていくのは、努力が必要みたいでね」

 

 

「大人は面倒なんだねー」

 

 

「大人になればなるほど、他人に自分の気持ちを明かすのは難しい。それなのに、自分が踏み出さなくちゃ、誰も俺とつながろうとしてくれない」

 

 

アルヴィンは自分の気持ちをエリーゼに話している。自分が今まで生きてきた中でレオン達との出会いが自分をここまで変えてくれたことを自分でも感じている。

 

 

「だけど、一人よりずっといい」

 

 

そう言うアルヴィンを見てエリーゼは言う。

 

 

「子どもはどうすればいいんでしょうね。子どもらしくって……」

 

 

「自分で見て、感じて、自分の可能性を見つけられたらいいんじゃない?素直な気持ちあるんだろ?」

 

 

エリーゼは自分の気持ちは何かをアルヴィンに話す。

 

 

「わたし……みんなと一緒にいたから、友達がなんなのかもわかりました。だから、もっと色々わかりたいんです。それをみんなと一緒に知りたいんです」

 

 

エリーゼの本当の気持ちを聞いたアルヴィンは微笑みながら、エリーゼに言う。

 

 

「なら、それでいいんじゃないの?」

 

 

「つれない返事ー」

 

 

「言ったろ。俺にもよくわからないんだ、許してくれよ」

 

 

そういい、アルヴィンが目を閉じた……次の瞬間!

 

 

Chu!

 

 

「なんだ?」

 

 

アルヴィンは突如、自分の頬に温かい感触を感じ、目を開けるとそこにはエリーゼがいた。

 

 

「お礼です。あとアルヴィンとはこれからも仲よくしてあげますね」

 

 

そういい、エリーゼは家に戻って行った。一方、アルヴィンはいきなりの出来事に固まっている。

 

 

そして、ようやく動き出すと、

 

 

「あ〜、ガキばっかどんどん大人になってくね」

 

 

明らかに自分よりもエリーゼの方が大人になっているのに少なからずショックを受けているアルヴィンであった。

 

 

 

 

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その頃、レイアとローエンは話をしていた。

 

 

「眠れないんですか」

 

 

「うん、まだ答えでなくて。ローエンは?」

 

 

「私は一緒に行くことにしました」

 

 

「そっかぁー」

 

 

レイアは自分と違って答えが見つかっているローエンが少し羨ましく思っている。

 

 

「わたしだけかなぁ。フラフラしてんの」

 

 

「私もですね……」

 

 

「うん?」

 

 

「ナハティガルが今、怪我の治らない状態の時、治るまで国を守ってくれと言われた時は、焦ったものです」

 

 

「でも、ローエンはどうするかを決めたんでしょう。わたしは、がんばればどうにかなるって言ってるけど、いつも……」

 

 

レイアは誰かを思い出している。それに気づいたローエンは言う。

 

 

「もしや、アグリアさんの言っていたことですか?」

 

 

ローエンに言われ、頷くレイア。

 

 

「無駄じゃないってことはアグリアに証明できたけど、それも一つだけしか証明できていないの」

 

 

「ですが、レイアさんはアグリアさんが言っていたことを実現できています。レイアさんのしてきたことは無駄ではなかった。それは私たちが保証します」

 

 

「……ありがとう。ローエン」

 

 

「ほほほ。これも年を重ねて生きてきた者の経験からなることでもありますので」

 

 

しかし、ッと言いながらローエンは髭を触る。

 

 

「意外でしたよ。私はてっきりジュードさんのことでお悩みになっているかと」

 

 

「……あはは。ジュードのことが好き……というか付き合っているけど、そのジュードが心配だからって理由じゃダメなのかなってのも考えていたのよね」

 

 

「……レイアさん、私がレオンさん、ミラさん、ジュードさんとご一緒する理由を話していませんでしたね」

 

 

レイアは話を始めるローエンを見る。

 

 

「教えてくれるの?」

 

 

ローエンは静かに頷いて話す。

 

 

「私は、彼らが歩であろう未来を一緒に歩みたい」

 

 

「ローエンらしい」

 

 

いかにもローエンが言いそうなことだねっと、レイアは解釈しているが、

 

 

「違いますよ」

 

 

違ったようだ。

 

 

「…………?」

 

 

「私が最前列で、彼らを引っ張っていくのです!これが私の本心です」

 

 

ローエンの本心を聞いたレイアは……自分の本心を言い始める。

 

 

「私の……私の本心は……皆のため、人々のために前に進んでいくジュードをサポートして、一緒に皆が笑顔になれる……そんな世界にしたいな。私たちの努力が目の前で、違うところで傷ついて、悩んでいる人達を助けたい。そして……」

 

 

「レイアさん……もう、あなたの本心はわかっているじゃないですか」

 

 

「私はジュードの喜ぶ顔が見たい!傍にいて!」

 

 

レイアの目に火が付いている。いつものレイアに戻ったようだ。

 

 

「それが私の……本心。こんな理由でもいいのかな?」

 

 

ローエンは頷く。レイアは自分の気持ちを知ることができ、頬を紅く染めた。

 

 

 

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その頃、レオンとミラは一緒に外に出て来ていた。外は雪が降っていて、ベンチにはジュードが座っていた。

 

 

「ミラ……レオン……」

 

 

レオンとミラはジュードの隣で立っている。

 

 

「座らないの?二人とも」

 

 

立ったままの二人に聞くジュード。

 

 

「ジュードは変わったな」

 

 

「ああ。初めて会った時とは比べ物にもならないほどな」

 

 

レオンとミラに自分は変わったと言われたジュードは、首を振りながら言う。

 

 

「そんなことないよ。今だって眠るのが怖いんだ」

 

 

「前にも言っただろう。断界殻(シェル)さえ解放できれば、私とレオンがどうにかする」

 

 

ミラはジュードを見て言う。

 

 

「だから不安を感じることなど……」

 

 

「ミラ、レオン。断界殻(シェル)がなくなったら、世精ノ途(ウルスカーラ)もなくなるの?」

 

 

ジュードの問いにレオンとミラは一瞬息をつまらせるが、ミラは話す。

 

 

「……ああ。断界殻(シェル)の消失とマクスウェルの死は同義だ。マクスウェルの力と霊勢が生み出した世精ノ途(ウルスカーラ)も、同じく消える」

 

 

「断界殻(シェル)の消失=世精ノ途(ウルスカーラ)の消失は同じなんだよ」

 

 

レオンも話す。

 

 

「…………ミラもレオンも僕が答えを出すのを待っていてくれたんでしょ。こっちに来てからはずっと……」

 

 

「…………ああ。俺もミラもお前がどんな答えを出すか、聞いてみたかったからな。これからの世界の未来がかかっているんだからな」

 

 

「だが、安心したよ。ジュード。君は自身の答えを見つけた」

 

 

ミラは一度、大きく息を吸う。

 

 

「私は……次なるマクスウェルになろうと思う」

 

 

「俺は本格的に精霊となって、マクスウェルになるミラも永遠に支えるつもりだ」

 

 

俺とミラはジュードを見る。

 

 

「ジュード、世界中の人々と精霊たちのための未来を私たちでつくろう」

 

 

「俺たちは精霊としての立場から。ジュードは人の立場からそれぞれの未来をつくっていこうぜ」

 

 

ジュードが驚いた表情で俺たちを見る。

 

 

「僕たちで……」

 

 

「そうだ。俺たちでだ」

 

 

「……うん!」

 

 

ジュードはいい未来をつくりたい、そう思いながら頷いた。

 

 

「さて、話も終わったし、そろそろ寝ようぜ」

 

 

「そうだな」

 

 

「うん」

 

 

レオン達は家に戻り、眠りについたのであった。

 

 

 

 

 

 

 

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次の日の朝。

 

 

レオン達は集合していた。

 

 

そして、皆の本心を聞き、全員で戦いに挑むことになった。

 

 

だが、ただ一人、浮かれない表情をしている人物がいた。その人物とは、

 

 

「レオン。どうした?」

 

 

そう、レオンだった。

 

 

「あ、ああ。少し、気になることがあってな」

 

 

「気になること、ですか?」

 

 

「ああ……。あ、バラン!」

 

 

何か悩んでいるレオンだったが、家から丁度出てきたバランに声をかける。

 

 

「どうかしたのかい?」

 

 

「ああ。少し聞きたいことがあって」

 

 

「聞きたいこと?僕でよければ話せる範囲で話すよ」

 

 

バランがそう言ってくれてほっとしたレオン。

 

 

「実は聞きたいことって言うのは……源霊匣(オリジン)の大精霊クラスはヴォルト以外にいるか?」

 

 

『!?』

 

 

この場にいたメンバー全員が驚く。

 

 

「…………」

 

 

バランは驚きながらも、何も喋らない。だが、

 

 

「……どうしてそのことを聞くのは不思議だけど、答えはYESって言わせてもらうよ」

 

 

「源霊匣(オリジン)はヴォルト以外にもいたの!?」

 

 

ジュードは一番驚き、声を上げる。

 

 

「ああ。後、2体ほどね。ただ、その2体には問題があってね」

 

 

「問題?なんだよそれ」

 

 

アルヴィンがバランに聞く。

 

 

「うん。ヴォルトが完成する前に出来ていたんだけど……暴走を起こして、2体ともどこかに消えちゃったんだ」

 

 

「……そのことで聞きたいんだが、俺たちが倒れていた丘から北西、南東、南西の3つの地点に光や闇に関する場所は無いか?」

 

 

「え?あの丘から北西、南東、南西……確か北西の方には光明の塔って言う建造物があって、工芸都市シャンべリルアンって街が近くにあったね。南西には、暗黒の洞窟という名の洞窟があったはずだよ。近くには闘争都市ダークエリオンって街があったよ。南東がわかんないな」

 

 

レオンの中で、嫌な予感が的中した。

 

 

「バラン、消えた2体の源霊匣(オリジン)の名前はまさか……シャドウとレム又はアスカって名前か?」

 

 

「よくわかったね!そうだよ。シャドウとレムが消えた2体だ」

 

 

「……そうか。その二つの街にはどうやって行けばいい?」

 

 

「うん?そうだね、まずはトリグラフ海停から工芸都市シャンべリルアンに向かって、そこの海停から闘争都市ダークエリオンに向かう……かな」

 

 

「そうか……」

 

 

俺は皆を見る。

 

 

「皆、悪いんだが、野暮用が出来てしまったようだ」

 

 

俺は皆に謝るが、

 

 

「気にすることはないぞレオン」

 

 

「うん。暴走した源霊匣(オリジン)の2体を止めないと!」

 

 

「ああ。エレンピオスに災いを及ぼすかもしれねえしな」

 

 

「気にしないでいいですよレオン」

 

 

「きにすんなー!」

 

 

「気にしないでくださいレオンさん」

 

 

「そうだよ。別に悪くなんかないしね!」

 

 

笑っている。怒っている様子もないようだ。

 

 

「すまねえ。ガイアス達と決戦をつける前にこっちを優先させてくれ」

 

 

レオンは再び、謝り、ガイアス達との決戦よりもすることができたのであった。

 

 

最初に目指すは工芸都市シャンべリルアンである。

説明
第62話 それぞれの進むべき道。そして……
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コメント
ここからオリジナル戦ですから、少しコメントは書きにくいかもです。(BLACK)
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