外史テイルズオブエクシリア 闇の魂を持つ者の旅路の記録 第25話
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第25話  ミュゼとの戦い

 

 

 

 

 

エリーゼ達と合流したミラ達はイル・ファンへとやって来た。

 

「う、うわ―!」

「何?」

「きゃ―!」

 

広場に行くと街の人達が逃げていく様子だった。

 

「誰か軍を! エレンピオス兵よ!」

「エレンピオス兵!?」

「なんだと!?」

「今や珍しくありません。兵は各地に出没しています」

「ジランドがいなくなったせい?」

「それもあるでしょう。それに……」

 

皆が広場の方を見るとエレンピオス兵が暴れていた。

 

「き、貴様ら、俺に近づくな! ただでは済まさんぞっ!」

「あの人おびえてる」

「ミュゼのせいだな」

 

ミラが言い、ローエンは頷く。

 

「あの人たち、めちゃひどいめにあってるみたいだよー」

 

すると……。

 

『撃たれる覚悟がないのに人を撃とうとしたからだ』

 

突然秋山の声が聞こえてきて、一同が周りを見回す。

しかし秋山の姿はどこにもなかった。

 

「何、今の……」

「空耳でしょうか?」

「もしかして、秋山君、幽霊になって見てるんじゃ……」

「いやー! ゆーれーこわーい!」

「そんなことより今はエレンピオス兵を止めるぞ!」

 

ミラ達は暴れているエレンピオス兵をおさえた。

 

「ぐっ……」

 

ラ・シュガル兵がやって来る。

 

「お前たち動くな!」

「無事だったようだな」

 

そこにガイアスがやって来た。

 

「ガイアス!」

「この者を牢へ運べ。この者たちはいい」

 

エレンピオス兵は兵士達に連行される。

 

「放せ! やめろ!」

「貴様、口を閉じろ!」

「このままだとエレンピオスが死んじまう。何が悪いんだ……俺たちは……!」

「ジランドと同じ……」

「ガイアス、すごい! ラ・シュガル兵に命令できちゃうんだ」

「ラ・シュガルの民も、軍も、ナハティガルの負傷により、混乱していた。俺はそれを代理として導いたにすぎない」

「それがすごいんじゃないのー!」

「ナハティガルの怪我の具合はどのようなものでしょうか?」

「もう数か月はかかるそうだ」

「そうですか……」

「それでガイアスさん、イル・ファンで一体何をされているのですか?」

「ラ・シュガル軍と共同で、海中に沈んだクルスニクの槍の破片の引き上げ作業を行っている」

「クルスニクの槍って……」

「秋山さんが命がけで壊したもの……」

「どうして? 今さらクルスニクの槍をどうするつもり?」

「俺は異界炉計画を止める。アルクノアは消えたが、計画そのものがなくなったとは思えない。お前たちこそどうした?」

「私たちは、ミュゼに会おうと思っている」

「ミュゼだと?」

「うん。僕たち、ガイアスがミュゼと戦って聞いたから、会いにきたんだ」

 

ガイアスはどう答えようかと考えていると……。

 

「ガイアス様、出航のお時間です」

「うむ」

 

ガイアスは振り向く。

 

「ジュード、ミラ、海停に来い」

「でも僕たちは…」

「俺と来い。ミュゼに会えるかもしれんぞ」

「行ってみましょう」

「そうだな」

 

ミラ達は海停へと向かった。

そこにはウィンガルがいた。

 

「陛下はすでに乗船された。まもなく出航だ」

「あ、あの……」

「……ジャオのことを訊きたいのか?」

「は、はい……」

「ジャオなら無事だ。我々や陛下を助けるために怪我をしてな、今はカン・バルクで療養中だ」

「よかった……」

「それより、乗船するぞ」

 

ジュード達は乗船した。

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そしてミラは自分がマクスウェルではなくただの人間であり、アルクノアを釣るための偽者であることをガイアスたちに教えた。

 

「そうか……エサとはな」

「うん。だから、本物のマクスウェルに会って、僕は真実を知りたい」

「私もだ」

「マクスウェルの居場所……考えられるとしたら精霊界か」

「それ聞いたことある。確か精霊が住んでる世界だって」

「ですが、その場所を見た者はおりません」

「確かに伝説に等しい存在だ。だが、精霊たちは存在している。

ならば、精霊界は存在し、そこに繋がる道があると考えるべきだろう」

「精霊界に繋がる道か……、待てよ!」

「ミラ?」

「ニ・アケリアの……私の社の後ろに霊山がある。

あそこは精霊界に近いとされる場所だ。

……あそこならあるいは……」

「ホント!?」

「待て。船は槍の引き上げ場へ行くまでは引き返せないぞ」

「えー、がっかり……クルスニクの槍なんてどうでもいいのに〜」

「私も……。けど、この船の目的がそれなら仕方ないわよ、レイア」

 

ドロッセルがレイアを励ますように言う。

 

「ガイアスさん、さきほどの異界炉計画を止めるという話。

クルスニクの槍を復元し、エレンピオスへ侵攻されるおつもりなのでは?」

「すべてはリーゼ・マクシアのためだ」

「待てガイアス。槍を使うにはたくさんのマナが必要だ。

お前は人や精霊たちを殺すつもりか?」

「無論、人と精霊が犠牲になることは本意ではない」

「迷っているんですか? なら……」

「だが、誰かがやらねばならないのも事実だ」

「しかしそのために……」

「ガイアス、それだったらエレンピオスのことも考えるべきだよ!」

「エレンピオスの心配だと?

リーゼ・マクシアの人と精霊が犠牲になるやもしれぬ今、この現実(とき)に!」

 

ウィンガルが大声を出す。

 

「どっちかが犠牲になるとか、そうじゃないと思うんだ……」

「……そうだ。……このままではジランドのような者がまた現れるだけだ。

それを解決するためには…………」

「断界殻(シェル)をなくしてみんなを助ける。僕はそう考えてる」

「ジュード……」

「お前……」

「…………」

「先に言われてしまうとはな……」

「変わったな。ジュード、お前は俺のもとで……」

「陛下。まもなく到着します。ご準備を…」

「……うむ」

 

ウィンガルに言われて準備をするために出ていくガイアス。

 

「ガイアス……?」

 

そして現場にやって来て、船はクルスニクの槍の破片の回収作業を始めた。

そこに突然、船の一隻が重力球により潰される。

 

「何ごとですか!?」

「南東の空だ! 来たぞ―――!」

「ミュゼ!」

 

ミュゼがそこに飛んできていた。

 

「うふっ……あなたたち、一人残らず、ぶっ殺してあげる!」

『ぶっ殺すって言うならな、その時既に行動は終わっているもんだぞ』

「!?」

 

ミュゼは秋山の声が聞こえてきたので、振り向いたが誰もいなかった。

 

「今のは……まあ、いいわ!」

 

ミュゼは気にせず船を重力球で破壊し続ける。

 

「ミュゼ、やめろ!」

 

ジュードが呼び止める。

 

「あのウソつき男……見つけ出して殺してあげなきゃ。でもその前に!」

 

ミュゼがジュード達を襲う!

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「グラヴィティ!」

 

ミュゼが重力波で皆を襲う。

 

「これは……」

「まさかジルニトラでジランドが死んだあとのあれは……」

「そうよ。私よ。私が断界殻(シェル)を知る者すべてを抹殺しようとしたのよ!」

「秋山はそれに気づいて……」

「ええ、あの男には驚かされたわ。

クルスニクの槍を持って私に近づいてきたのだから……。

けど、結局は自爆した哀れな男よ」

「貴様が秋山を……」

「許さんぞ! ミュゼ! サイクロン!」

 

ミラがサイクロンでミュゼを襲うが、ミュゼはそれを飛行で回避する。

 

「アヴォイダンス!」

 

ミュゼが自分の髪で周りを薙ぎ払う。

 

「くぅ!」

 

ジュードは吹き飛ばされる。

 

「ジュード! ドロッセル!」

「はい!」

「「二人で行くよ! 翔舞槍月閃!!」」

 

二人で上からミュゼを叩きつけようとするが……。

 

「甘いわね、シーズスロウ!」

 

ミュゼは髪を使って、レイアとドロッセルの体を掴み、床に叩きつける。

 

「ああっ!」

「レイア!」

「お嬢様! フリーズラン……」

「オールアウト!」

 

ミュゼが突進でローエンは突き飛ばす。

 

「のお……」

「ローエン! ピクシーサークル!」

 

エリーゼがすぐにピクシーサークルでレイア、ドロッセル、ローエンの傷を癒す。

 

「ネガティブ……」

「ホルダー!」

 

ミラがネガティブホルダーをするまえにミュゼがネガティブホルダーをミラの前に放ち、ミラはダメージを受ける。

 

「ミラ!」

 

ジュードはミラを治癒術で癒す。

 

「すまない、ジュード」

「しかしこのままでは……」

「殺してあげるわ」

『無理だな』

「!?」

 

ミュゼが突進しようとした時である。

突然腹部に拳を入れられた感覚がした。

そして次の瞬間、ミュゼは顎部分にパンチをくらわされたように、上高く吹き飛んだ。

 

「ミュゼが吹き飛んだ?」

「だが今がチャンスだ! ジュード!」

「うん! ミラ!」

「「玄武散!!」」

 

巨大な岩の拳が落ちてくるミュゼに追い打ちをかけ、ミュゼは甲板に倒れた。

 

「やったね、ミラ」

「ああ」

「しかし今のは一体……」

「…………」

 

そこに兵達がやって来て、ミュゼを取り押さえる。

 

「ふぅ〜。わたしたちだけじゃなくてよかったね」

「ミュゼ……君はどうして!」

「……私は……私は……私はリーゼ・マクシアを守っているだけよ……!」

「……!」

「ミュゼ……お前のリーゼ・マクシアを守るとはなんだ?」

「知るわけないでしょう!」

「何?」

「命じた者がいるな」

 

そこにガイアスとウィンガルもやって来る。

 

「ミュゼ、教えて。マクスウェルはどこにいるの?」

「!?」

 

ジュードのその言葉を聞いて、ミュゼの顔は更に狂気に満ちた。

ミュゼは力づくで取り押さえていた兵士達を吹き飛ばした。

 

「マクスウェル様をどうしようというの!」

「本当に別のマクスウェルがいたのか」

「!」

 

ミュゼは口を滑らせたと思った。

 

「ミュゼ! マクスウェルはこんなことをホントに望んでいるの?」

「当たり前よ! これを望んでおられたのですよね! さあ、マクスウェル様! この者たちを裁く命を!」

 

ミュゼはそう言うが何も起きないし、聞こえない。

 

「どうなってるんですか……」

「わかりません」

「恐らくは本物のマクスウェルがミュゼに何も言ってこないのだろう」

 

ミュゼは飛び上がる。

 

「ウィンガル! 出るぞ」

「はっ!」

 

ガイアスはワイバーンに乗り、ミュゼを追う。

 

「ガイアス!」

「陛下を追え! 四象刃(フォーヴ)にも伝令しろ!」

 

そして船はガイアスを追って、イラート海停に停泊した。

 

「ガイアスとミュゼはどこ?」

 

ジュード達は船を降りた。

 

「ここで間違いないんだよね、ウィンガル?」

 

ウィンガルが振り向くと兵達がジュード達を取り囲む。

 

「なっ!」

「どうして……」

「なんのつもりだー! 黒ずくめ―!」

「理由は聞かせてもらえるんだろうな?」

「危険だからだ」

「危険……僕たちが?」

「違う、ジュード。お前だ」

「ジュードが?」

「ジュードさんをマクスウェルに会わせたくない、そうなのですね?」

「……」

「僕がガイアスの邪魔になるから?」

 

そこにウィンガルの元に一人の兵がくる。

 

「絶対に逃がすな」

 

ウィンガルはその場を去る。

 

「さあ、こっちへ来い」

『…………』

「くっ!」

 

突然兵士達が苦しみ出し、倒れた。

 

「これは一体……」

「まるで、秋山に秘孔を突かれたような感じです……」

「でも秋山は……」

「やっぱりゆーれーがいるー!?」

「もしかしたら、その幽霊が見守ってくれているのかもな」

「そうかもしれないわね」

「とにかく、行こう!」

 

ジュード達はニ・アケリア霊山を目指すのだった。

説明
この作品は別の人の影響で作った作品であり、作者(BLACK)のオリジナルキャラ「秋山総司郎」を第3主人公として、テイルズオブエクシリアの世界に来たらで書かれました。

秋山総司郎が今まで出てきた作品一覧(作品検索)。

http://www.tinami.com/search/list?keyword=%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E7%B7%8F%E5%8F%B8%E9%83%8E&genrekey=1

秋山総司郎の時系列

この世界を訪れる前の話

「そらのおとしものf 番外編 『カオスのとある日常(いちにち)  里帰り編』」


http://www.tinami.com/view/225368


この世界を訪れた後の話


「そらのおとしもの  外伝  もしもイカロスの次に地上に来たのがカオスでその次に来たのがニンフだったら…。(アニメ仕様)」


http://www.tinami.com/view/257088


となっております。
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コメント
主人公・・・まさか霊体になって攻撃とかしているのかwそれを思わせるな・・・それにしてもミュゼも今のミラのように自分の意思があればいいのに、全て命令で動くとは・・・哀れな女よ(レイフォン)
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テイルズオブエクシリア 秋山総司郎 オリ主 闇の魂を持つ者の旅路の記録 外史 第25話 

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