ソードアート・オンライン―大太刀の十字騎士―
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ソードアート・オンラインの正式サービス開始日。

 

 僕は用事があり、サービス開始と同時にログインすることは出来なかった。

 

 そして、四時。

 

 家に帰ってきた僕は、テレビを付けて絶句した。

 

 テレビのニュースでやっていたのは、ソードアート・オンラインがクリアするまで、脱出不可能なことと――ソードアート・オンラインで死者が出たことだった。

 

 それを知った僕は、すぐさま携帯電話から、二人しか登録していない携帯番号の片方、茅場晶彦に電話をかけた。

 

 電話は数秒で繋がったのだが、その数秒が妙に長く感じた。

 

『もしもし』

「もしもし、茅場さん!?テレビでやっていることは本当何ですか!?」

『テレビ?……ああ、本当だよ』

 

 茅場さんは僕の質問に、当たり前のように答えた。

 

「何でそんなことした!」

『なぜ?理由などない。いや、もう達成された。僕の目的はあの世界の創造だ』

 

 その言葉に僕はまた絶句した。

 

「茅場さん、今会えますか?あなたと会って話がしたい」

『僕は最初っからそのつもりだよ』

「え?」

『まあいい、僕の家に来てくれ』

 

 その言葉を聞いた僕は、大急ぎで茅場さんの家に向かった。

 

 家の鍵は空いていた。

 家に入り、僕はいつも茅場さんといた部屋に入った。

 

「やあ、話しとは何かな?」

「交渉です」

「?」

 

 僕の言葉を聞いた茅場さんは、少し驚いた様子だった。

 

「僕のソードアート・オンラインのアバターに少し手を加えてほしい」

「ほう。どのように手を加えるのかな」

「まず、僕の初期装備を、レベルアップと共に能力が上がる、太刀にしたい」

 

 今回は予想していたのか、驚きはしなかった。

 

「いいが、どうして太刀なんだい?刀ならスキルがあるだろう?」

「僕が今最も扱える武器は太刀だから」

 

 僕の理由に茅場さんは、なるほどと頷いた。

 

「次に、ソードスキルを使わなくても、ダメージがある程度通るようにしてほしい」

「?どういう意味だ」

「通常攻撃を力加減を変えれば、ソードスキルぐらい食らうようにしてくほしいって、ことです」

「どうしてだ?」

「太刀スキルがないからと、次のに繋がります。装備していない武器で攻撃しても、通常攻撃になるようにしてほしいからです」

「なるほど。で、対価は」

 

 対価、すなわち、この条件を飲ませるために何をするか?ということだろう。

 

「ソードスキル、剣技のスキルをなくしていい。それと、不本意ですが、茅場さんの言うことをひとつだけ聞きます」

「わかった、いいだろう。なら、ログインする前にこれを飲んでほしい」

 

 そう言って渡してきたのは、青い粒状の何かだった。

 

「なにこれ?」

「なんだっていいさ。それに僕からプレゼントだ」

「プレゼント?」

「君が持っているAIを一体、ナビゲーターとして連れていってもいいよ。一人じゃ寂しいでしょ?」

 

 最後を聞いた僕は、少し腹を立てるが、本当のことなので文句を飲み込む。

 

「ありがとう」

」いや」

 

 茅場さんと僕は、僕の家に行き、ソードアート・オンラインのプログラムを少しいじって、茅場さんから渡された粒を飲み、僕が作った人間に限りなく近いロボットの頭脳のAIを連れて、ソードアート・オンラインにダイブした。

 

 

説明
SAOに入る前のお話。
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