IS・B 〜インフィニット・ストラトス・ブレイヴ〜 第五章 後編 守るための強さ
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「おおぉ!」

「ふん」

開始早々ボーデヴィッヒに突っ込む一夏、だがあまりにも真っ直ぐな攻撃だった為、例のAICに動きを止められる

「開幕直後の先制攻撃か、わかりやすいな」

「・・・そりゃどうも、以心伝心で何よりだ」

「ならば私が次にどうするかわかるだろう」

そう言いながらカノンを一夏に向けるボーデヴィッヒ

あぁ、判ってるさ、だから

「ぜやあ!」

「むっ!」

俺は一夏に集中しているボーデヴィッヒに後ろから斬りかかった、まぁ案の定かわされたが

「まだまだぁ!」

それでも休む暇を与えずに斬りかかる、一夏も隙を見て斬りかかっている

「くっ、ちょろちょろと・・・!」

ボーデヴィッヒはAICとワイヤーブレードで攻撃を防ぐが次第にボロが出る、そこを狙って・・・

「私を忘れてもらっては困る」

だがその作戦は箒によって防がれてしまった、やるな箒、だがこっちも一人じゃないぜ

「それじゃ、俺も忘れないようにしないとな!」

「っ!」

それまでボーデヴィッヒとやりあってた一夏が箒の後ろに回りこみお互いに剣をぶつけ合う

だが性能の差もあり次第に箒が押されていく、無論その隙を逃すわけもなく

「ぅおりゃあ!」

俺は加速して箒に斬りかかった、箒は気付いて振り返るがもう遅い、俺のビームサーベルが箒に当たった・・・と思ったら

「邪魔だ」

「っ!?」

ボーデヴィッヒが箒をワイヤーブレードで掴み、放り投げた

助けた・・・わけじゃ無さそうだな

「な、何をする!」

箒はそう叫ぶがボーデヴィッヒは聞く耳を持たず、プラズマ手刀で一夏に斬りかかる

・・・AICは使われてないか、よし

「一夏じゃなくて悪いが相手になってもらうぜ」

「なっ!?バカにするな!」

そこから俺と箒の一騎打ちが始まる、だが箒の使っている打鉄じゃ俺のストライク・ヴルムと性能に違いがありすぎた、故に

「ぜやぁ!」

「ぐあぁ!」

箒は地面に叩きつけられシールドエネルギーも0になった

悪く思うなよ、箒

「さぁて、あっちも片付けるか」

そして俺は動きを止められている一夏の元に飛ぶ

「はぁあ!」

「ぐっ!」

そして一夏に集中しているボーデヴィッヒに斬りかかる

「待たせたな」

「サンキュ、助かったぜ。 箒は?」

「あっちでグロッキーしてるぜ」

言いながら指差す

「流石だな、それじゃ、俺も決める!」

ここで一夏は切り札である零落百夜を発動する

「うっし、俺いくぜ!」

そして二人で加速、ボーデヴィッヒはAICで動きを止めようとするが止められたのは一夏の動きだけ

故に俺の攻撃はヒットする・・・やっぱり思ったとおり、AICは一人しか動きを止められないようだ

それに一夏も気付いているらしく俺と目を合わせ頷くと俺とは逆方向に飛ぶ

「うおぉぉぉぉお!!」

一夏は叫びながらボーデヴィッヒに加速しながら突っ込む

だがAICで動きを止められる、それにボーデヴィッヒは不敵に笑い

「これで終わりだ」

「あぁ、これで終わりだ!」

その隙に俺は上空に飛び上がり急降下しながらビームサーベルで斬りかかる

「くっ!」

「ぜやぁああ!!」

ボーデヴィッヒのプラズマ手刀とセイバーシャークのビームサーベルが激突し、火花を上げる

多分普段のストライク・ヴルムの攻撃力じゃあ押し負けていたな、でも

「なにっ!?」

セイバーシャークの能力、それは防御力を攻撃力に変換すること、だから攻撃を喰らったら終わりなんだがそんなことをこいつは知る由もない

「いっけえ!!」

そしてプラズマ手刀を砕き、本体を直接斬りつけボーデヴィッヒのシールドエネルギーを一気に削った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

・・・私は、負けるのか?

織斑一夏にも勝てず、馬神弾にもやられたままで・・・

いや、負けられない・・・・・・負けるわけにはいかない!

 

 

私は、教官のようになりたかった

強く、凛々しく、自分の存在を疑わない、そんな教官のように、私はなりたかった

だから・・・認めない

教官を変えてしまう、あの男を

私は・・・倒したい

私に恐怖を覚えさせたあの男を

「・・・力が欲しい」

 

 

『-----願うか?強い力を欲するか?』

 

 

よこせ、最強の力を

比類ない最強の力を!

『やはり正解だったな・・・何かあるとは思っていたがまさかここまでとは』

っ!貴様は!

『悪いがこの力、私が使わせてもらう!』

止めろ!ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!」

「「!!」」

墜落したボーデヴィッヒが突然悲痛な叫びを上げたと思ったらその体を黒い霧が包み込んだ

「これは・・・」

『月光!あの霧からスピリットの気配を感じる!』

「なに!?」

スピリットの気配だと?どういうことだ

考えている内にボーデヴィッヒの姿は既に彼女の原型を成しておらず、黒い女体に所々獣のパーツが付いているISの姿となっていた

「なんだよ、こいつ・・・」

『・・・ほう、中々の上物だな』

そいつは自分の体を眺めながらそう言った

『貴様は誰だ!』

『ふっ、月光龍か。 我が名は冥王神獣インフェルド・ハデス』

「インフェルド・ハデスだと!?」

「知ってるのか?」

「あぁ、ストライク・ジークやライジングと同じ、スピリットだ」

『そう、そして私はこの娘の体とこの体に眠る力を利用させてもらった、手始めにお前等を消させてもらおう』

そう言うとインフェルド・ハデスは剣を握り、こちらに突っ込んできた

「くっ、一夏!」

俺は一夏の前に出てインフェルド・ハデスの攻撃を受け止める

『ふん、ブレイヴスピリットで私に挑むなど・・・笑止!』

「なっ!?」

すると突然俺とセイバーシャークのブレイヴが解除されてしまった

『はぁあ!!』

「!!」

「ぐっ、がぁあ!!」

『ぐぁあ!!』

そしてインフェルド・ハデスの剣撃で俺は吹き飛ばされ、セイバーシャークはカードに戻ってしまった

「この野郎!!」

その直後、一夏は怒りの篭った表情でインフェルド・ハデスに斬りかかる

『人間風情が、調子に乗るな!』

「うわあぁ!!」

だが数回剣がぶつかった後、さっきの剣撃で俺の隣まで吹き飛ばされ白式も解除される

「あの野郎、ブレイヴを解除するなんて」

『ブレイヴキラーは健在、か』

「うおぉぉぉぉぉおお!!」

一夏はISを解除され、左腕から出血してるのにインフェルド・ハデスに突っ込もうとした

俺は当然それを止める

「バカ!ISも装着してねぇのに何してんだ!」

「放せ!あれは・・・あの技は千冬姉だけのものなんだ!」

織斑先生の技?

「どういうことだよ」

「あいつが俺達にやった技、あれは千冬姉の技なんだ!それをあんなやつが・・・」

そういうことか、どおりで効くわけだ

「理由は判った、だが丸腰で行ってどうする気だ!」

「放せよ!邪魔するならお前だって!」

・・・あぁ!もう!

「ストライクヴルム解除!」

俺はストライクヴルムをいったん解除し

「こんの・・・大バカ野郎が!!」

「がっ!」

一夏に思いっきり頭突きを叩き込んだ、受けた一夏は思わず尻餅をつく

「っつー、自分でやっといて結構響くなこれ」

「何すんだ月光!」

「何すんだじゃねぇよ、お前があいつのこと許せねぇのは判った、だからってお前をわざわざ死にに行かせるような真似できるかよ」

「・・・・・」

一夏は悔しそうに俯く、そんな一夏の肩に手を置き

「だから、俺が手伝う」

「え?」

「まず白式のシールドエネルギーを回復させる、んで俺があいつまでの道を開く。 後はお前がぶった切れ」

「月光・・・」

「お前ならできる、信じてるぜ」

「・・・あぁ、任せろ」

そう言いながら一夏は立ち上がり俺の隣に並ぶ

『友情ごっこは終わりか?ならそろそろお前等を消させてもらう』

「へっ、消えんのはお前だ!」

「あぁ、俺達が、お前を倒す!」

そして俺はストライク・ジークを掲げ

「貫け、闇夜に光る月の牙! 月光龍 ストライク・ジークヴルム!!」

ストライクヴルムを展開する、そしてカードを取り出し

「マジック、リブートコードを使用!一夏の白式のシールドエネルギーを回復する!」

リブートコードで白式のシールドエネルギーを回復させた

「来い、白式!」

一夏はすかさず白式を展開し、雪片弐型を構える

「さぁ、いくぜ!」

「おう!」

そして俺達はインフェルド・ハデスに向かって加速した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉお!!」

背中の翼に付いたブースターで思いっきり加速しインフェルド・ハデスに向かう

そして爪で切り裂こうとするが攻撃力に不安のあるストライクヴルムの攻撃は意図も簡単に止められてしまう

『小賢しい、ブレイヴしない月光龍など取るに足らん。 だが、ブレイヴしていたとしても我が能力で無うと化すがな』

「へっ、言ってろ」

『だがやつの言うことも間違いじゃない、どうする気だ』

「・・・・・」

『・・・まさかとは思うが』

「あぁ、ノープランだ」

俺は両手を広げてそう言った、それを聞いて落胆するのが見ずともわかる

「だがやるしかねぇだろ、あいつを倒せるのは俺達しかいねぇんだ」

『フッ、もう今更何も言わないさ、俺の全てをお前に預ける』

「あぁ、頼むぜ、相棒!」

そして再び加速して突っ込む

『無駄だというのが判らないみたいだな、ならば教えてやろう。 貴様と私の実力の差というのをな!』

そう言ってインフェルド・ハデスは剣を振るう

「・・・それを待ってたぜ!」

『何!?』

俺はここぞとばかりに両手で剣を止めようとした

「いくぜ!真剣白刃どr・・・」

・・・だが失敗した

『アホか!んなことぶっつけ本番でできるわけあるか!』

「うるせぇ!意外とできるかもしれないだろ!」

『貴様等人を侮辱するのも大概にしろ!』

もう一度剣撃を喰らい俺は吹き飛ばされる

「っつー・・・」

『フン、無様だな月光龍』

『クッ』

『だが・・・これで終わりだ!』

インフェルド・ハデスが再び剣を振るう

クソッ、だめなのか?

・・・いや、俺は諦めねぇ

「諦めてたまるかぁ!!!」

『なっ!?』

だめもとで叫んだら俺の体が光り出し、インフェルド・ハデスを吹き飛ばした

「ハッ、何だ今の」

『よく判らんがチャンスだ!』

「あぁ、いくぜ!」

そして全ての力をブースターに集中させ一気に加速した

「おぉおおらあぁぁあ!!」

『ぐっ、しまった!』

渾身の一撃でインフェルド・ハデスの剣を弾き飛ばすことに成功した

俺の役目は終わった、後は・・・

「いけぇ!一夏ぁ!!」

「ぅおぉぉぉぉぉぉおお!!」

この瞬間までエネルギーを温存させておいた一夏が全てのエネルギーを瞬時加速と零落白夜に使い、加速させながらインフェルド・ハデスに突っ込んでいく

『そんな!バカなぁ!!』

「喰らえぇ!!」

一夏の雪片弐型がインフェルド・ハデスを切り裂き、その場に爆発が起こった

そして爆発が収まり、煙が晴れると一夏はボーデヴィッヒを抱きかかえて立っていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・ここは・・・」

保健室、そこで寝かされていたラウラが目を覚ました

「大丈夫か?」

「・・・教官」

ラウラが寝ているベッドの側には千冬が座っていた

「ここでは織斑先生と呼べ」

「・・・何があったのですか?」

月光の攻撃を喰らってからの記憶が曖昧なラウラは千冬に状況を聞いた

「一応重要案件である上に機密事項なのだがな。 VTシステムは知っているな」

Valkyrieヴァルキリー Traseトレース Systemシステム、過去の戦闘データをそのまま再現・実行するシステム

IS条約でその研究、開発、使用全てが禁止されているシステムだ

そのシステムがラウラのIS、シュヴァルツェア・レーゲンに組み込まれていたのだ

「精神状態、蓄積ダメージそしてなにより操縦者の意思、いや願望か。 それらが全て揃うと発動するらしい」

それを聞いてラウラは俯く

「そしてそれをあのインフェルド・ハデスとやらがお前の体ごと奪った」

「・・・私が、望んだからですか?」

自分が望んだから、力が欲しいと、やつらを倒したいと望んだから。 そうラウラは自分を攻める

そんな彼女に千冬は生徒の出席を取るように名を呼んだ

「ラウラ・ボーデヴィッヒ!」

「は、はい!」

「お前は誰だ?」

「私は・・・」

その質問にラウラは言い篭る

「誰でもないならちょうど良い、お前はこれからラウラ・ボーデヴィッヒになればいい。 時間は山のようにある、なんせ三年間はこの学園に在籍しなければいけないからな。 たっぷり悩めよ、小娘」

「あ・・・」

「それから、お前は私にはなれないぞ」

そう言い残し千冬は保健室から立ち去った、残されたラウラはまるで何かから吹っ切れたように笑い出した

「ふっはははは」

彼女にとって、実に久しぶりの心からの笑顔だった

 

 

 

 

「・・・どうだ?」

『・・・駄目だ、こいつからはもう何も感じん』

「そうか・・・こいつからなにか掴めると思ったんだが」

校舎内廊下、その人気の少ない場所で俺はダンを呼び出しインフェルド・ハデスのカードについて話していた

あの戦いの後、ボーデヴィッヒがいた場所にこのカードが落ちていて、このカードからダンの言うこの世界に迫る邪悪とやらが判ると思ったんだが・・・世の中そう甘くないみたいだ

「まっ、ともかくこの世界に迫る邪悪とやらがバトルスピリッツに関係してるっつー確信が持てた。 その辺はある意味収穫だろ」

「そうだな、とりあえずこいつを先生達に渡してくる」

「おう、頼んだ」

ダンはカードを持ってその場から立ち去る

さて、俺はひとまず食堂にでも向かうかな

「・・・お」

そう思い歩いていると思わぬ顔に出くわす

「よう、ボーデヴィッヒ。 もう大丈夫なんか?」

「お前は確か、織斑一夏とペアだった・・・」

「風間月光だ、案の定眼中になかったわけか」

ボーデヴィッヒは制服を着ていてパッと見怪我人には見えなかった

「そうか・・・なぁ、風間」

「ん?」

「お前なら知っているのではないか? 馬神弾があそこまで強い理由を」

そういや、こいつダンに手も足もでなかったんだっけ

「うーん、そうだな。 強いて言うなら、自分の正義を貫いてきたからだと思う」

「自分の正義・・・?」

「あぁ、ダンは昔から色んなやつと戦ってきた。 自分の妹を救う為に戦う騎士、心を持たない兵士、戦うことに溺れた戦士、こいつ等以外にも多くのやつと戦ってきた」

俺が話し始めるとボーデヴィッヒは真剣な顔で聞く

「そいつ等と戦うことでいろんなことにぶつかって、戦うことに疑問を持って悩んだりした。 でもダンは戦い続けた、世界を、仲間を守る為にな」

「守る為・・・」

「そう、ダンは自分の為じゃなく誰かの為に戦ってきた。 そんな壁にぶつかっても大切なモン守る為、戦い続けた、だからあそこまで強くなれたんだ。 っつってもその戦いっつーのはこのバトスピってやつの話なんだがな」

言いながらカードを取り出す、だがそんなことはどうでもいいみたいでボーデヴィッヒは俯いてしまう

「・・・私には判らない、なぜ守る為に戦うことが強くなることに繋がるのか」

「いずれお前にも判るよ、お前に大切なモンができて、そいつを守りたいって思える日が来ればな」

「・・・そうか」

それを聞くとボーデヴィッヒは何か決心したような顔でこちらを見る

「風間、感謝する。 お前のおかげで教官や馬神弾がなぜ強いのか、理解できた気がする」

「そうかい、そりゃなによりだ。 あぁ、あと俺のことは月光でいいぜ、俺もラウラって呼ばせてもらうから」

「ふむ、判った。 では、月光、またな」

「おう、また明日な、ラウラ」

そして俺はラウラと別れ、再び食堂へと足を運んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラウラと別れ、食堂に来たわけだが・・・

「・・・なんだこの葬式みたいな空間は」

なぜかそこにいた女子達はひどく落ち込んでいていたのであった

とりあえず一夏達の元へ向かうことに

「あ、月光。 お疲れ」

「なぁ、この雰囲気なんかあったのか?」

俺に気付き声を掛けてきたシャルルに聞いてみる

「うーん、僕にもよく判らないな。 もしかしてトーナメントが中止になったことが関係あるのかな?」

トーナメント?

・・・・・あっ、そういやトーナメントで優勝したら一夏と付き合えるってなってたんだっけ

残念ながら優勝しても付き合えないんだが

「中止・・・チャンスが・・・」

「優勝・・・無効・・・」

チラリと女子達の方を見るとまさに絶望の二文字が似合う顔をしていた

『う・・・うわーーーーーーーーん!!』

そして泣きながら食堂を飛び出していった

・・・ご愁傷様です

「なんだ?今の」

「お前は一生気にしなくていい」

その一夏はわけが判らないという顔をしていた

俺がそう返すと首をかしげてから箒の元へ向かった

「なぁ箒、この前の約束だけど」

走り去っていった女子達のように落ち込んでいた箒は一夏の言葉に反応する

「付き合ってもいいぞ」

その台詞に箒はパァっと表情を輝かせた

「おー!」

「どういうことだ?」

「・・・・・・・」

シャルルは興味津々に拍手し、ダンはなんのことかわからずに首をかしげ、そして俺は一夏の考えを知っているので複雑な心境になる

「ほ、本当か!」

「あぁ、別にこのくらい構わないさ」

「このくらい?」

流石に箒も違和感を感じたか

「あぁ、買い物ぐらいいくらでも付き合うさ」

その言葉に箒とシャルルは固まる

「なるほど、買い物だったのか」

ダンに関してはどこまでものん気であった

さて・・・

「ぅお?なにすんだ月光」

俺は一夏を羽交い絞めにし

「箒、GO」

俺の言葉が理解できてない一夏は箒の方を向く、その箒は怒りのオーラを身に纏っていた

「えぇっと、箒さん?」

「そんなことだろうと思ったわーーー!!」

「ぐほぉ!!」

箒の蹴りが一夏の腹に炸裂し、鈍い音をたてて一夏は蹲った

そして箒は肩を揺らしながら食堂から出て行った

「僕、一夏がわざとやってるように見えるよ」

「残念、あれで素だ」

「な、なんで一夏は蹴られたんだ?」

シャルルの予想に俺が解説し、ダンはこの状況についていけてなかった

「あ、皆さんここにいましたか。 今日はお疲れ様です」

するとそこに山田先生が現れる

「どうかしたんですか?」

「はい、皆さん、朗報ですよ!」

やや興奮気味で話す山田先生、朗報ってなんだ?

「なんと!今日から男子の大浴場が使用可能になったんです!」

「本当ですか!」

それを聞くと一夏は一瞬で復活し、山田先生に詰め寄った

「は、はい・・・」

その山田先生は顔を若干赤くしていた

「ありがとうございます!」

一夏は山田先生の手を握りとてつもなく喜んでいた

「風呂か、こっちに来てからシャワーばっかりだったから楽しみだな」

ダンも少なからず楽しみなようだ

大浴場か・・・俺はシャルルに視線を送る

「・・・・・」

シャルルは困ったような顔をしていた

「よし、それじゃあ早速行こうぜ!」

「あー、わり、先行っててくれ。 ちょっとシャルルと話したいことあるから」

「話したいこと?」

「あぁ、すぐ終わるから先入っててくれ」

一夏とダンは不思議そうな顔をしたが納得して着替え等を取りにいった

さて・・・

「とりあえず部屋行くか」

「う、うん・・・」

シャルルをどうするかは部屋で話し合うか

 

 

 

 

 

 

 

 

「わりぃ、遅れた」

軽く謝りながら大浴場に入る

「おぅ。 あれ、シャルルは?」

「シャルルは今日はいいとさ、やりたいことがあるとかなんとか」

あの後、シャルルと部屋で話し合った結果

『僕のことは気にしないで入ってよ、ちょっとやりたいこともあるし』

と言われシャルルを部屋に残し風呂に入ることにした

「よっと・・・ふぃ〜、やっぱ風呂はいいなぁ」

軽く体を流し、浴槽に浸かる

「あぁ、やっぱ日本人は風呂だよな〜」

「同感だ・・・」

一夏とダンも久々の風呂に大満足のようだ

「さてと、そろそろ上がるかな」

しばらく浸かっているとダン立ち上がり風呂から出ようとする

「俺も上がるか、月光はどうする」

「そうだな・・・もうしばらく一人の風呂を堪能させてもらうわ」

俺の言葉に二人は頷き、大浴場から出て行った

にしてもホント広いな、これならゆっくりできる・・・

 

 

ガチャッ

 

 

タオルを頭に乗せ、深くまで浸かっていると扉が開く音がした

「し、失礼しまーす・・・」

「おーう、先入ってるぞ・・・って、え?」

い、今の声って・・・

「しゃ、シャルル!?」

振り返るとシャルルがタオル一枚で大浴場に入ってきているではないか

「あ、あんまり見ないで・・・月光のエッチ」

「す、すまん。 じゃなくて!なぜ!?どうしてシャルルが!?」

「僕が一緒だと・・・嫌?」

「イヤイヤイヤイヤ、嫌とかそういう問題じゃなく、男と女が一緒の風呂に入るのはどうかと思うわけでありまして! イヤ、決してシャルルと入るのが嫌というわけでもなくて・・・ってそうじゃねぇだろ!俺!!」

突然の出来事に混乱する、極力見ないようにはしているがやっぱり、その、見えてしまうわけで・・・

そこから意識を遠のかせようと努力してみるが・・・無理なわけで

だって、男の子だもの

「と、とにかく俺上がるわ!」

「待って!」

逃げるように風呂から出ようとする俺をシャルルは止める

「だ、大事な話があるんだ・・・だから、月光に聞いて欲しい」

真剣な顔でそう言うシャルルに俺は黙って頷き、シャルルに背を向けて風呂に浸かった

「その、前にも話したことなんだけど」

「学園に残るって話か?」

「うん。 僕ね、ここにいようと思う。 月光がここにいていいって言ってくれたから、月光が僕の居場所になってくれるって言ってくれたから」

「そっか、そりゃ光栄だ」

口ではそう言うがぶっちゃけ照れるな、あん時は勢いで言っちまったからな・・・

とか考えていると後ろからチャプチャプと水の音が迫ってきた

「それにね」

「っ!!??」

と思ったら背中に柔らかいものがくっ付き変な声を上げてしまう

「しゃ、シャルルさん!?」

「僕、もう一つ決めたんだ」

「き、決めたって?」

「僕の在り方」

「在り方?」

「今は内緒」

どういうことだ?わけわからん

「ねぇ、月光。 お願いがあるんだ」

「お願い?」

「二人きりのときだけでいいから、シャルロットって呼んでくれる?」

「シャルロット・・・それがお前の本当の名前なんだな」

「そう、お母さんが付けてくれた、本当の名前」

「そっか、判ったぜ、シャルロット」

「うん!」

俺がそう呼ぶとシャルロットは嬉しそうに頷いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シャルロット・デュノアです。 皆さん改めてよろしくお願いします」

「ってなんでやねん!!」

次の日のHR、山田先生に呼ばれて出てきたのはスカート、つまり女子用の制服を着たシャルロットだった

そのため思わず関西風のツッコミを入れてしまった

「えぇっと、デュノア君は実はデュノアさんということでした・・・はぁ」

ものすごい疲れた顔で溜め息をつく山田先生

「え、デュノア君って女!?」

「おかしいと思った!美少年じゃなくて美少女だったわけね」

「って風間君、同じ部屋だから知らないってことは・・・」

「しかも今のツッコミ、明らかに知ってる口ぶり・・・」

「ちょっと待って!昨日って確か、男子が大浴場使ったわよね!?」

クラスは一斉に騒がしくなった

・・・よし、逃げよう

そう思い立ち上がろうとするとドアが勢いよく開かれた

「ぃ一夏ぁ!!」

鈴だった、鈴は一夏に殺気のようなものを放ち、衝撃砲を一夏に向ける

「ま、待て鈴!俺だって今知ったんだ!」

「問答無用!!」

一夏の弁解を聞く耳を持たず、鈴は衝撃砲を放つ

すまない一夏、お前の犠牲は忘れはしない・・・

「・・・あれ?」

だが一夏に怪我の類は無い、見るとラウラが一夏を庇っていた

無論AICを発動させていた為ラウラも無傷だ

「た、助かった、ありがと・・・」

礼を言おうとする一夏の口をラウラは口で塞いだ・・・って

「な、なんだってー!?」

これはいわゆる一つのキスである

そして一夏は目を見開きラウラを見る

「お、お前を私の嫁にする! 決定事項だ!異論は認めん!」

な・・・

『なんだってーーーーーー!!??』

今度はクラスのやつらも一緒に叫んだ

「よ、嫁?婿じゃなくて?」

「日本では気に入った相手を嫁にするというのが一般的な習わしだと聞いた。 故にお前を私の嫁にすることにした」

誰だこいつに間違った知識を与えたのは!?

なんて考えていると一夏の足元に日本刀が刺さった

「ちっ」

「ほ、箒!?危ないだろ!」

一夏は立ち上がり抗議の声を上げると目の前をレーザーが通り過ぎる

「おほほほ・・・ハズシテシマイマシタワ」

「せ、セシリアもかよ!?」

セシリアもISを展開し、ビットで一夏を狙っていた

「よし、殺そう」

さらには鈴も一夏に詰め寄る

「ま、待て!俺は悪くない!むしろ被害者だ!」

「「「知ったことかー!!」」」

「のわーーーー!!!」

こうして一夏と箒・セシリア・鈴の命を賭けた(一夏だけが)追いかけっこが始まった

「ちょっ、月光!ダン!助けてくれー!!」

逃げながら俺とダンに助けを求める一夏

「・・・ガンバ」

俺はサムズアップしながらエールを送る

「白状者ぉー!!」

「「「待ぁてーーー!!!」」」

その後も四人の追いかけっこは続いた

ふとラウラに視線を向けるとラウラはダンの元に行っていた

「馬神弾」

「・・・なんだ?」

「私はお前を越える、いつか必ず!」

ラウラはダンを指差しそう伝えた、それを聞いたダンは

「・・・勝負ならいつでも受けてたつ、お前が俺を越える日を楽しみにしてるよ」

ダンは微笑みながらそう言い、ラウラも笑って自分の席へと戻っていった

「ね、ねぇ。 流石にそろそろ助けようよ・・・」

それを見ているとシャルロットにそう言われた

「・・・そうだな、しゃあねぇ、いくか」

俺は席を立って四人の下へと向かった

もちろん、後で織斑先生にこっぴどく怒られた

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第五章 後編
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バトルスピリッツ IS インフィニット・ストラトス バトルスピリッツブレイヴ 

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