語られし者たちとIS 世界樹大戦 第6話 初戦に向けたそれぞれの想い
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書かせていただきます

視点はなしで

 

 

 

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次の日の朝、一夏は異次元にいた

 

今までのようにジュディスと特訓をしている。一夏はいつも、剣道の道具を使っているのだが、あいにく千冬は持ってきてくれなかった

 

そのため本日の特訓はジュディスの攻撃をかわすだけにしていた

 

いつものように一夏がけがをしないよう、威力の低い棍を使っている

 

しかし、ジュディスは手加減をしているのにもかかわらず、一夏は五分くらいかわすのが限界ですぐに倒されてしまう

 

再び一夏は立ち上がってひたすらかわす。今日は、そんな特訓のようだ

 

一時間くらいして休憩を取っている時に一夏はジュディスに話しかけた

 

「ジュディスさん、思いついたことがあるんだけど」

 

「あら? 何かしら?」

 

「簪さんとかのパートナーの人に鍛えてもらえるのかな? って。ジュディスさんが嫌とかっていうわけじゃないんですけど」

 

一夏の質問にジュディスは少し考え、無理と言われた

 

もちろん理由をすぐに答えてくれた

 

「簡単なことよ。敵になる人を強くする理由はないわよね? 特に世界樹大戦では優勝者は願いをかなえてもらえる。そんなチャンスを逃すと思う?」

 

「そうですよね……」

 

「じゃあ、そろそろ終わりにしましょう。今日から寮で食事を取るのでしょう?」

 

「ええ、でも……」

 

「安心しなさい。ここには獲物もいるし、食材だってあるのだから」

 

今、彼らの近くに湖があり、魚もいる

 

この異世界で暮らすことも可能なくらい動植物があふれている

 

しかし何の力も普通の人間では暮らすのは難しい。なぜなら魔物もいるからだ

 

世界樹大戦のパートナーの人達ならば簡単に倒せる魔物も一般人からすると逆に倒される

 

もちろん、ジュディスは倒すことができる。彼女曰く、一夏はギリギリ弱い魔物なら倒せるレベルらしい

 

「もう行きなさい、またサポートくらいはしてあげるから」

 

「ありがとうございます」

 

そう言って一夏はブローチを外した。すると元の自分の部屋に戻ってきた

 

時間は7時、今から食堂に行くにはちょうどいい時間だ

 

「む、一夏。起きたか。食堂に行くぞ」

 

朝練から帰ってきたのか、箒が部屋に入ってきた

 

「ああ、行こうか」

 

すぐに支度をして行くことにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(それにしてもおいしそうな料理ね)

 

(ええ、俺もすごいと思っています)

 

箒と一夏は朝食に和食セットを頼んだのだが、見た目からしてすでにおいしそうだと思っていた

 

すぐに席に座って食べ始めようとした時

 

「織斑君、ここいいかな?」

 

クラスの女の子達がやってきた。その中には本音の姿もあった

 

「ああ、いいよ。食事は皆で食べた方がいいからな」

 

「だよね、織斑君の意見に賛成だね」

 

「じゃあ、いただきます」

 

皆で食べ始めることにした。せっかく二人きりだったのにその状況が崩され、箒が少し不機嫌になったが一夏は気が付いていない

 

そして箒とは話さず、後から来た子と話していたことにさらに箒は不機嫌になっていた

 

一夏はただ、他の人とも仲良くしておいた方がいいと思っているだけ

 

「悪いが先に行く。のんびりと話す気はないからな」

 

箒はさっさと食べ終え、食堂を後にした。その様子を不思議そうに一夏達は見ていた

 

のんびりしていると遅刻してしまうことに気が付いたので、少し急いで食事を済ませ、教室に向かった

 

到着と同時にチャイムが鳴ったので、席に座って授業の準備をした

 

そのまま授業が始まった。やはりというべきか一夏は苦戦している

 

(まあ、こればっかりはしょうがないわね。真耶はどうするのかしら?)

 

今教壇で授業をしている真耶のパートナー、アンジュは一夏を心配していた

 

真耶にとって一夏や本音、他にもこの学園にいる生徒はいつか戦わなければいけない相手だ。しかし、今は生徒としてみている。教師として助けてあげたい

 

それが彼女の気持ちだ

 

そんな彼女の想いにアンジュも同意し、手伝おうと考えていた

 

「織斑君、分からない所はありませんか?」

 

「先生、織斑君にばかり聞かないでください」

 

「そうですよ、狙っているんですか?」

 

そんな彼女の対応が他の女子からはからかいの対象になっていた

 

「ええ!? そういうつもりではなかったのですが……」

 

(何だか不安だわ……)

 

そんな二人の様子をジュディスは微笑ましそうに見ていた

 

授業が終わると、すぐに千冬が一夏の所にやってきた

 

「織斑、お前のISだが訓練機の準備に時間がかかる。そこで学園で専用機を用意することになった」

 

一夏は一瞬どういう意味か分からなかったが、すぐに理解した

 

専用機というのは本来、国家の代表生などに支給される。ISを動かすために重要なコアの数には限りがある

 

しかし一夏は男性初のIS操縦者、つまりは実験体だ

 

(悪い言い方をしたらあなた、モルモットね)

 

(ものすごく的確ですね)

 

そんな特別待遇についてクラス中驚いていた。そんな中セシリアが一夏に向かって話す

 

「安心しましたわ。訓練機で挑まれてもしょうがないですもの」

 

「はあ」

 

一夏は何を言っているんだという感じで見ている

 

「勝負は最初から見えていますが、さすがにフェアではなかったですからね」

 

どういうことだと一夏は首を傾げた

 

「ご存じないのですか? よいでしょう、教えてさしあげますわ。私、セシリア・オルコットはイギリスの代表候補生、つまり現段階で専用機を持っていますの」

 

「……へー、すごいんだな。悪いけどそろそろ授業だぞ」

 

そんな一夏の言い方に何か言おうとしていたセシリアだが、授業とあっては強く出られない

 

不機嫌な様子で席に戻った

 

(全く、セシリアには困ったものね、真耶)

 

(そうですね、ですがこれが今の私たちの世界の日常なんです……ISのせいで女性は偉いと勘違いをしていると)

 

真耶自身は男性を見下したりはしない。しかしそういう人物がいる。それだけでつらいと思っていた

 

(そういう意味でもあなたは大変ね。週末、何か作るわ)

 

(ありがとうございます)

 

そのまま授業が始まった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み、一夏は箒と食堂で昼食をとっていた

 

「それにしてもお前はどうする気だ? あんな挑発に乗って試合をするなんて。私としては何も手伝う気はないぞ」

 

「俺は試合に同意した覚えはないんだけどな……まあ、やるしかないんだろう。一人で頑張るとするか」

 

一夏がため息をつきながら食事をしていると彼らの下に一人の女子生徒が近づいてきた

 

リボンの色からして三年生なのだろう

 

「ねえ、君って噂の子かな? 代表候補生と戦うことになっているっていう」

 

「ええ、多分そうですけど……」

 

「ねえ、私がISについて教えてあげようかしら?」

 

先輩と言うことならば経験も豊富。これはちょうどいいと思い、是非と言おうとした時

 

「私が教えます。私は篠ノ之束の妹ですので」

 

箒がそう言うと先輩は驚いたのか、そのまま引き下がった。しかし先ほど教えないと言ったのにいきなり意見を変えたことに一夏は不思議に思っていた

 

放課後、一夏と箒は剣道場にいた

 

ISを見る前に実力を見ておきたいというのが箒の話だ

 

お互いに着替え、すぐに戦い始めた。数分で決着がついた。一夏の勝ちだ

 

しかし箒は何か納得がいっていないようだ

 

「おい、どういうことだ!? そんなめちゃくちゃな剣術があるか!?」

 

「いや、そう言われても……一度やめて中学の終わりの時に……少し我流でやってみただけだけど」

 

一夏の剣術はあまりにも型から外れていた。実戦の剣術と見れば有りなのかもしれない

 

しかし箒にとってはそれが我慢できなかった。昔、彼らは一緒の道場で習っていた

 

その型を一夏は崩していたことに対して箒は怒っていた

 

「いいか! 今から試合までそのふざけた剣術を直してやる!!」

 

そんな彼女の言葉に一夏は不機嫌になった。まるで自分を指導してくれるジュディスを貶しているように聞こえたから

 

「……なあ、何でそんなことを言われないといけないんだ? 大体、そんなことやって試合に間に合うのか? ISの特訓は?」

 

「それ以前の問題だ! そもそもお前はどこで特訓をしているんだ!? 全くそんな様子を見せていないではないか!?」

 

(……ずいぶんと言うわね。あなたの幼馴染)

 

そんなジュディスの言葉に一夏は同意する。一夏は、一層不機嫌となり、帰り支度を始めた

 

「……悪いけど、お前には頼まない。後は自分で考えて何とかする」

 

「……逃げるのか? ふん、そんな滅茶苦茶な型で勝てるわけがないだろう」

 

そんな箒を無視して一夏は道場を後にした

 

(……やってしまった……なぜ、あんなことを言ってしまったのだろう……)

 

彼が去った後、箒は後悔していた。剣道を続けてくれて嬉しい

 

素直にそう言いたかった。しかし彼の剣術はまるで違った

 

自分の知らない一夏になっているみたいで嫌だった。自分と同じでなくてはならない。そんな勝手を彼に押しつけてしまった

 

(……どう謝ればいいんだろう……)

 

箒もすぐに帰る支度をした

 

しかし彼女は謝る方法が分からないまま、時間が過ぎていった

 

一方、一夏は真耶に勉強を教えてもらったり、異世界に行ってジュディスとの特訓を続けたりしていた

 

そしてあっという間に一週間が過ぎてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキット

 

釘をさす

 

週末、真耶とアンジュは二人で夕食を食べていた

 

「真耶、今日のお酒は?」

 

「明日は織斑君の試合です。彼が頑張れるようにちょっとした願掛けで飲みません」

 

「……先生しているわね。でも手を出したらダメですよ。神様が見ているんですから」

 

その言葉にむせる真耶

 

「けほっ、何を言い出すんですか!?」

 

「だってあなたを見ていると少し不安になるもの……」

 

「そんな! いくら今まで出会いがなかったからって生徒に手を出すなんて…………」

 

「……そこで目をそらして黙らないでほしかったな……」

 

 

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次回はセシリアと一夏が戦います

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