魔法少女リリカルなのはmemories 第四章 覚醒する末裔の記憶(メモリー) 第四十二話
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「さて、次の行動なんだが……正直言って俺でもわからない」

 

 ある一室に移動し、全員が椅子に座ったのを見てフィルノは開始早々にそんなことを言う。

 その言葉はシルフィア姉妹以外は予想もしていなかったことで、どういう事だと全員が思っていた。

 

「じゃあ、次の目的はないという事なの?」

 

 アリシアがみんなの代表としてフィルノに聞くが、フィルノは首を振って否定する。

 

「いや、俺はただ場所が知らないだけで、次にやる目的はとっくに決まってる。オリヴィエが残したレイジングハートとテュディア、いや本来の名はエクスティアとカリベリティアか。その二つの力を発揮させるにはある場所に行かないといけないんだろ」

 

 フィルノはシルフィア姉妹に確認する可能ように尋ね、二人はそれに頷いた。

 

「私たちが生まれた地である第59管理世界、第45管理外世界、第97管理外世界。それぞれの場所に力を覚醒させる場所があるの。一つにまとめていないのは、私たち以外の人間が何らかの知識を得た時のためにの対応だとからしいですけど」

「なるほどな。っていうかまた第97管理外世界に行かないといけないわけか」

 

 正直なところ、フィルノはこれ以上第97管理世界へはすべてが終わるまで行かない方がよろしいと思っていた。

 昨日は管理局側、しかもなのはやアリシアに関わりのある人間たちと戦っていたので、もしまた同じところに現れればすぐに見つけられる可能性が高い。だからあまり行きたくはなかったのだが、なのはが生まれたところが第97管理外世界だという事を考えてしまえば、また行く可能性も低いわけではないとは思っていたのだ。案の定その予想は当たり、フィルノにとっては少しめんどくさいことだと思ったのである。

 

「とりあえず、第97管理外世界へ行くのは一番最後にした方がよさそうだな。もう一度あの世界に訪れたらまた管理局側に見つかる可能性が一番高い、だったら一番最後にして目的のものを終わらせておけば大丈夫だろ。終わっていたらなのはの力も覚醒しているだろうとは思うし」

「それは私も同じことを思ったわ。向こうが昨日よりも戦力を入れてきたらかなり大変だからね」

 

 フィルノの言葉にデュナは賛成し、他のみんなも頷いた。それが一番よいのだろうと思ったのである。

 

「これで大体の事は決まったな。最初にまず第59管理世界へと向かい、その後第45管理外世界、第97管理外世界というじゅんに向かっていく。今回、なのははかなり重要な位置であるなので、もし管理局が来たとしたら俺とアリシアで何とかする。なのははシルフィア姉妹の言う事を聞いて行動してくれ」

「分かった」

「それでは、今日は全員休んでくれ。さすがに今日は疲れた人間が多いだろうし、続けてざまに動くのもつらいだろうからな。それに俺は一度風呂に入りたいし」

 

 一応フィルノの体はタオルで拭いて乾ききっているのだが、海に何度も飛び込んで居たので塩の匂いが体から匂っていたので、さすがに風呂は入りたかったのである。

 そんなこんなでそれぞれが椅子から立ちあがり、各々艦船内を自由に動くのだった。

 

 

----

 

 

「フェイトちゃん……」

 

 ヴォルフラムにある一室、そこにベッドに仰向けに意識を失っているフェイト・T・ハラオウンとそれを見に来た八神はやてがベッドの近くにあった椅子に座っていた。

 なのは達が姿を消した後、フェイトはアリシアから受けたダメージのせいでそのまま意識を失ったのである。かなりの出血量だったし、アリシアとの戦いはかなり一方的な戦いであったので、逆に意識を失わない方がおかしいぐらいであった。

 

「はやて指令。テスタロッタ二佐は――」

「今は立場的なことはええから、いつも通りの話方で頼む」

 

 二人が居る一室にシグナムが入って来て、はやては一度シグナムがいる方へ振り向いた。

 シグナムがはやてに話しかけようとすると、はやては家で居るときのような話し方でいいと言い、シグナムはそれに従う事にするのだった。

 

「分かりました主はやて、それで……」

「とりあえず何とか命には別条なく、数日すれば意識は回復するらしい。まったく、なのはちゃんを止めるために無理しすぎなんや……」

 

 多分なのはがここにいればフェイトをかなり叱っただろうなとはやては思ったが、そのなのはは今では敵になってしまっている。それに今回無理をした理由だって多分なのはを止めるためであるし、無理したくなる理由もわかるが、アリシアと名乗った人物にここまでやられて離脱してこなかったのはさすがに無理しすぎだと思ったのである。

 今では過ぎてしまったことであるし当の本人はまだ意識が回復しないので、話したところであまり意味がなかった。

 

「それと主はやて、もう一つ話したいことが……」

「アリシア・テスタロッサと名乗った彼女についてか? 一応時空管理局本局にも聞いてみたが、該当する人物はやはりプレシア・テスタロッサの娘でフェイトちゃんが生まれたプロジェクトF・A・T・Eの遺伝子で使われたアリシア・テスタロッサしか該当しなかった。それにあそこまでフェイトちゃんに似ているとなると、たとえ同姓同名がいたところで別人ではあると思うんやけどな」

「彼女は、本当にアリシア・テスタロッサ本人なのでしょうか?」

「今のところは分からへん。仮に本人やとしても、どうやって彼女は生き返ったんや? まぁ、その件については調べていくか彼女本人に聞くしかないんやろうと思うけどね」

 

 今考えたところで答えは出ないと思ったはやては、シグナムにそう答えて椅子から立ち上がる。

 

「さて、そろそろ私も戻らないとな。もう少しフェイトちゃんの近くに居たいんやけど、フェイトちゃんのためにも早くなのはちゃんを見つけないといけないからな。ちなみにまだ居場所は探知できへんのか?」

「そうらしい。もし彼らが艦船で行動しているとしても、どれに乗っているかまではまだ特定はできないらしい」

「それにもしかしたら艦船で行動せずに、ある世界の建物を拠点にしているかもしれへんしな。やはり向こうが動くまで探すのは無理かもしれへんな。とりあえず私は管制室に戻るな」

「なら私も一緒に」

 

 はやてとシグナムはフェイトの部屋を後にして、管制室へと戻るのだった。

説明
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。

二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。

それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。



魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。
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