俺、遊戯王の世界で生き残れるかな…… 第八話
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制裁デュエルが後数日に迫った日。俺達は制裁デュエルに勝つためにデュエルの練習をしていた。

え? 十代と丸藤亮の対戦? 隼人と隼人の父親の対戦? 原作のままだよ。たぶん。俺、その時何にもしなかったし。隼人のデッキに使えるカードは持っていないし、丸藤亮は十代と戦っただけで帰っちゃったし。

 

そう言えば言ってなかったけど、俺の向こうの世界で持っていたデッキはこっちの世界に一緒に移動したのか。はたまたこっちの世界の俺も作っていたのか。まぁ、どっちでもいいか。兎に角、俺のデッキが手元にある。

今日は気分を変えてそのデッキたちで十代と戦ってみたのだが……

 

1回目 恐竜族デッキ

 

俺の手札

『暗黒恐竜』『暗黒ドリケラトプス』『超伝導恐竜』『生存本能』『大噴火』

 

事故ったーーー!?

 

「『E・HERO サンダー・ジャイアント』でダイレクトアタック!」

 

「うぼあー!」

 

俺 ライフ0

 

2回目 恐竜族デッキ

 

俺の手札

『フォース』『黒いペンダント』『リビングデッドの呼び声』『打ち出の小槌』『誤作動』

 

今度も事故ったけど手札に『打ち出の小槌』がある! これで手札の入れ替えを……

 

入れ替え後

『フォース』『黒いペンダント』『リビングデッドの呼び声』『誤作動』

 

またかよ!?

 

「『E・HERO フレイム・ウィングマン』でダイレクトアタック!」

 

「ぬわああああ!」

 

3回目 海竜デッキ

 

俺の手札

『海竜神−ネオダイダロス』『海竜−ダイダロス』×2『竜巻海流壁』『氷帝メビウス』

 

…………

 

「『E・HERO スパークマン』『E・HERO バーストレディ』でダイレクトアタック!」

 

「ぎょええええ!」

 

4回目 魔法使い族デッキ

 

俺の手札

『黒魔導の執行者』『ブラックマジシャン』『マジックブラスト』『拡散する波動』『漆黒のパワーストーン』

 

…………デッキが廻らない……だと!?

 

「お、おい涼太、大丈夫か?」

 

デッキが廻らな過ぎて十代が心配してきた。

 

「あ、ああ。今日は止めにしよう」

 

そう言って俺はとぼとぼと自分の部屋に帰っていった。

 

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「ん? 何だこれ?」

 

部屋に戻った俺に1番最初に目に付いた物があった。机の上に見知らない紙が置いてあった。俺はその紙を取って読んでみる。

 

『やっほー! ☆神☆様☆だよーー! ひっさしぶりー! 今まで☆神☆様☆からの手紙が無かったから油断してたでしょ?』

 

ぎゃーーーー! あいつからか! 一体何のようだ!?

 

『何で久しぶりに手紙を書いたかと言うとね? 君が☆無☆様☆に手札事故で負けまくったのが面白くっておちょくってやろうと思って♪ ざまあm9』

 

うっぜーー!この野郎! 人が意外と傷ついてるのに!

 

『何であんなに手札事故が起こったか気になった? ねぇ、気になった? 実はねー、君のデッキをFATEデッキにする代わりの代償だったりするんだ♪』

 

は? 代償? ……あ、最初の手紙でそんなことを言っていたな。

 

『んっふふ〜実は君はもう普通のデッキは廻せないんだよ? FATEデッキじゃないとカードが廻らなくて必ず手札事故を起こすんだ♪ その代わりFATEデッキはデスティニードローしまくりだけどね!』

 

なん……だと? じゃあ俺の最強(笑)恐竜デッキは!? 海竜神デッキは!? 魔法使いデッキは!?

 

『使い物にならないね♪ 売ってお金にでもしちゃえばwww?』

 

「ふっざけんなああああ!」

 

『おお〜いいシャウトだ。やっぱり若者は元気が一番! さあ! その元気を青春にぶつけるんだ! あの夕日に向かって走ってきなさい! 私はそんな君を笑いながら見てるから。ぷぷぷ……じゃあねー』

 

そこまで読むと手紙は水のように俺の手から零れ落ち、消えてしまった。

 

俺は居た堪れなくなって部屋を出て海に向かって走り出す。

 

「神様のバカやろーーーー!」

 

その声はデュエルアカデミア全体に聞こえたらしい。

 

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制裁デュエル当日

 

「うぷっ! 気持ち悪い……」

 

俺は緊張によって吐き気を催していた。

 

「お、おい大丈夫か涼太?」

 

「ああ……俺、緊張すると気分が悪くなっちゃってさ」

 

「この前の試験では普通にデュエルしてたじゃないっスか」

 

「事が始まればある程度和らぐんだ……うぷっ! 二人は気にせず最終確認でもしていてくれ。俺はトイレに行ってくる」

 

そうして俺はトイレへと向かった。

 

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俺がトイレに行って帰ってきた時にはもう十代達のデュエルは終わっていた。どうやら十代たちが勝ったらしい。クロノス教諭が悔しそうにしている。

 

 

「次は山崎涼太! 入ってくるノーネ!」

 

クロノス教諭に呼ばれて俺はデュエルフィールドに足を踏み入れる。

 

「それではこれよりデュエルを始めますーノネ!」

 

クロノス教諭がそう言うと観客が歓声を上げる。

 

「それで次は誰が相手なのですか?」

 

「こちらもかなりの実力者を呼びましたノーネ!」

 

クロノス教諭がそう言うと俺の反対にある選手入場口から誰かが歩いてきた。

 

「お前がワイの対戦相手やな? ワイと勝負することになるなんてお前もついてへんな?」

 

対戦相手は関西弁で俺に話しかけてきた。対戦相手はニット帽をかぶりベストを着ている。歳は十代後半だろうか?

……ぶっちゃけて言うとダイナソー竜崎だった。

 

「チェンジで」

 

「何やとー!?」

 

いや確かに強いんだろうけどさ。アニメだと神のカードを手に入れるために遊戯の家に盗みに入るし、原作ではあんまし活躍できていないし……

 

そう思っているとダイナソー竜崎が思いついたように言う。

 

「はっは〜ん! お前、ワイの事知ってるな? そいでワイの恐竜デッキに恐れをなしたんやろ!」

 

ぴくっ

 

「恐竜デッキ……だと?」

 

そう言えばそうだったこいつは恐竜族を使うんだったな……俺が使いたい恐竜族を……何かむかつく!

 

「分かった。やろう!」

 

「お、図星指されて怒ったんか? まぁええ……始めようや! デュエ「ちょっと待った!」……何でやねん!」

 

俺はダイナソー竜崎に待ったをかける。

 

「あんたが超有名で俺なんか足元にも及ばないほど強いデュエリストだって言うことは分かっている」

 

「へえ、わかっとるやんか」

 

俺のお世辞にダイナソー竜崎は気を良くする。

 

「だから、俺にデッキを組み直す時間をくれ。あんた位のデュエリストなら俺がデッキを変えたところで問題なく潰せるだろう?」

 

「当たり前や! ワイを誰だと思ってるんや!」

 

「ダイナソー竜崎さんですよね?」

 

全国大会でインセクター羽賀に敗れて、王国では城之内にアンティーデュエルで負けて、バトルシティー編ではエスパー絽場にやられたダイナソー竜崎さんですよね?

 

「そうや!」

 

「じゃあ、ちょっと待っていてください。デッキを組み直してくるんで」

 

そう言って俺はデッキを組み直す……これで良い。

 

「じゃあ、行きますよ?」

 

「来い!」

 

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「「デュエル!」」

 

「俺のターン! ドロー!」

 

いきなり来た! 対ダイナソー竜崎のカード!

 

「俺は『魔術師・衛宮士郎』を召喚! 『魔術師・衛宮士郎』の効果でデッキから『サーヴァント・セイバー』を攻撃表示で特殊召喚!」

 

『魔術師・衛宮士郎』

レベル3 地 効果 魔法使い族

攻1000 防1000

このカードが召喚されたとき自分のデッキ、手札からサーヴァントと名のつくモンスターを特殊召喚する。このカードが戦闘で破壊されたターンのエンドフェイズにこのカードをフィールドに守備表示で特殊召喚することが出来る。

 

『サーヴァント・セイバー』

レベル4 地 効果 戦士族

攻1500 防1000

このカードは魔法の効果で破壊されない。

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないとき次のターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

「俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ!」

 

俺 ライフ4000 手札3枚

モンスター 『魔術師・衛宮士郎』『サーヴァント・セイバー』

魔法・罠 2枚

 

ダイナソー竜崎 ライフ4000 手札5

モンスター なし

魔法・罠 なし

 

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「ワイのターン! ドロー! ワイは『俊足のギラザウルス』を特殊召喚! 」

 

ダイナソー竜崎のフィールドに素早そうな恐竜が現れた。

 

『俊足のギラザウルス』

レベル3 地 効果 恐竜族

攻1400 守400

このモンスターの召喚を特殊召喚扱いにする事ができる。

特殊召喚扱いにした場合、相手の墓地から相手はモンスター1体を特殊召喚する事ができる。

 

「このモンスターを特殊召喚扱いで召喚した場合、相手は自分の墓地からモンスターを一体特殊召喚できる! さあ、モンスターを召喚しろ!」

 

「俺の墓地にモンスターはいない。つまり特殊召喚は出来ない」

 

「そういう事や! ワイは『俊足のギラザウルス』を生贄に『暗黒ドリケラトプス』を召喚!」

 

『暗黒ドリケラトプス』

レベル6 地 効果 恐竜族

攻2400 守1500

このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、このカードの攻撃力が守備表示モンスターの守備力を越えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。

 

「更にフィールド魔法『ジュラシックワールド』を発動!」

 

周りがジュラ紀の森になった。このカードの効果なら知っている。確か、恐竜族の攻撃力を……

 

「このカードは恐竜族・鳥獣族モンスターの攻撃力・守備力を300ポイントアップして、更に恐竜族・鳥獣族は相手の罠の対象とならず、効果も受けへん!」

 

……ひょっ?

 

「そして自分の攻撃表示の恐竜族・鳥獣族モンスターが攻撃された時、そのモンスターを守備表示にすることが出来る!」

 

…………なん……だと? え? 俺が知っているカードと効果が違うんだけど?

 

『暗黒ドリケラトプス』

攻2400→2700

 

「行け!『暗黒ドリケラトプス』! 『サーヴァント・セイバー』を粉砕しろ!」

 

『暗黒ドリケラトプス』が『サーヴァント・セイバー』に向かって突進してくる。

 

……はっ! ショックで少し飛んでいた!

 

「トラップカード発動!『DNA改造手術』! このカードがフィールドに存在する限り表側表示モンスターは全て宣言した種族になる! 俺は恐竜族を選択する!」

 

『DNA改造手術』

永続罠

種族を1つ宣言して発動する。

このカードがフィールド上に存在する限り、フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターは宣言した種族になる。

 

『サーヴァント・セイバー』

攻1500→1800 守1000→1300

 

『魔術師・衛宮士郎』

攻1000→1300 守1000→1300

 

「それがどないした! 粉砕してまえ『暗黒ドリケラトプス』!」

 

『暗黒ドリケラトプス』が『サーヴァント・セイバー』を粉砕した。

 

俺 ライフ4000→3100

 

「ターンエンドや!」

 

俺 ライフ3100 手札3枚

モンスター 『魔術師・衛宮士郎』

魔法・罠 『DNA改造手術』伏せ1枚

 

ダイナソー竜崎 ライフ4000 手札3枚

モンスター 『暗黒ドリケラトプス』

魔法・罠 『ジュラシックワールド』

 

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あの『ジュラシックワールド』が面倒だな。

 

「俺のターン! ドロー! 俺は手札の『エクスカリバー』と『黒いペンダント』を『魔術師・衛宮士郎』に装備!」

 

『エクスカリバー』

装備魔法

このカードを装備したモンスターは攻撃が1000アップする

このカードは『英霊・アルトリア=ペンドラゴン』『魔術師・衛宮士郎』『英霊・エミヤシロウ』しか装備できない。

 

『黒いペンダント』

装備魔法

装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。

このカードがフィールド上から墓地へ送られた時、相手ライフに500ポイントダメージを与える。

 

『魔術師・衛宮士郎』

攻1300→2800

 

「衛宮士郎の攻撃力は『暗黒ドリケラトプス』超えた! バトル!」

 

士郎が『暗黒ドリケラトプス』に向かって行き、エクスカリバーを突き刺す。

 

ダイナソー竜崎 ライフ4000→3900

 

「ターンエンドだ!」

 

俺 ライフ3100 手札2枚

モンスター 『魔術師・衛宮士郎』

魔法・罠 『DNA改造手術』『エクスカリバー』『黒いペンダント』伏せ1枚

 

ダイナソー竜崎 ライフ3900 手札3枚

モンスター なし

魔法・罠 『ジュラシックワールド』

 

「なかなかやるな! ワイのターン! ……(悪くないんやけどな〜)……ワイはモンスターをセット、ターンエンドや!」

 

俺 ライフ3100 手札2枚

モンスター 『魔術師・衛宮士郎』

魔法・罠 『DNA改造手術』『エクスカリバー』『黒いペンダント』伏せ1枚

 

ダイナソー竜崎 ライフ3900 手札3枚

モンスター 裏守備1体

魔法・罠 『ジュラシックワールド』

 

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「俺のターン!」

 

……あの守備表示カード……恐竜族しか居ないとすると『暗黒ステゴ』か『ハイパーハンマーヘッド』あたりかな。後者だとすると……う〜ん。

 

「((漢|オトコ))は度胸! 何でも攻撃してみるもんさ! 士郎で、裏守備モンスターを攻撃!」

 

士郎が裏守備のカードを攻撃する。モンスターの名前は……『ハイパーハンマーヘッド』!

 

士郎が『ハイパーハンマーヘッド』にこちらに吹き飛ばされ手札に戻される。

 

「かかりおったな!? 『ハイパーハンマーヘッド』は戦闘で相手を破壊できへんかった時、相手モンスターを手札に戻すことが出来るんや!」

 

『ハイパーハンマーヘッド』

レベル4 地 効果 恐竜族

攻1500 守1200

このモンスターとの戦闘で破壊されなかった相手モンスターは、ダメージステップ終了時に持ち主の手札に戻る。

 

「ちっ。だが『魔術師・衛宮士郎』が手札に戻ったことで『エクスカリバー』と『黒いペンダント』が破壊された!『黒いペンダント』はフィールドから墓地に送られたとき相手ライフに500ポイントのダメージを与える!」

 

「くぅ!」

 

ダイナソー竜崎 ライフ3900→3400

 

「……ターンエンドだ」

 

俺 ライフ3100 手札4枚

モンスター なし

魔法・罠 『DNA改造手術』伏せ1枚

 

ダイナソー竜崎 ライフ3400 手札3枚

モンスター なし

魔法・罠 『ジュラシックワールド』

 

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「ワイのターン! (来よった!)……ワイは『俊足のギラザウルス』を特殊召喚!」

 

「『俊足のギラザウルス』を特殊召喚したことによって俺は墓地から『サーヴァント・セイバー』を特殊召喚!」

 

『サーヴァント・セイバー』

攻1500→1800

 

「ワイは手札から『大進化薬』を発動! このカードは自分フィールドの恐竜族を1体生贄にして発動できる! 発動してから3ターンの間、ワイはレベル5以上の恐竜族を生贄なしで召喚することが出来るんや!」

 

うげ、マジかよ……よく手札そろったな……

 

『大進化薬』

通常魔法

自分フィールド上に存在する恐竜族モンスター1体をリリースして発動する。

このカードは発動後、相手のターンで数えて3ターンの間フィールド上に残り続ける。

このカードがフィールド上に存在する限り、レベル5以上の恐竜族モンスターをリリースなしで召喚する事ができる。

 

「そしてワイは『究極恐獣』を召喚や!」

 

oh〜NO〜!

 

『究極恐獣』

レベル8 地 効果 恐竜族

攻3000→3300 守2200→2500

自分のバトルフェイズ開始時にこのカードがフィールド上に表側表示で存在する場合、このカードから攻撃を行い、相手フィールド上に存在する全てのモンスターに1回ずつ続けて攻撃しなければならない。

 

「『究極恐獣』はバトルフェイズに相手フィールドのモンスターをすべて攻撃することが出来るんや!」

 

『究極恐獣』が『サーヴァント・セイバー』を噛み砕いた。

 

俺 ライフ3100→1600

 

「 ……と言ってもお前のフィールドは1体しかおらんからあんまり意味無いな。ワイはカードを1枚伏せターンエンドや!」

 

俺 ライフ1600 手札4枚

モンスター なし

魔法・罠 『DNA改造手術』伏せ1枚

 

ダイナソー竜崎 ライフ3400 手札0枚

モンスター 『究極恐獣』

魔法・罠 『ジュラシックワールド』伏せ1枚

 

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何とか『究極恐獣』の除去カードを……

 

「俺のターン! ドロー! 俺は手札から『強欲な壷』を発動! デッキからカードを2枚ドローする!」

 

来てくれ……来た!

 

「 俺は手札から『ライトニング・ボルテックス』を発動! 手札を1枚墓地に送り相手モンスターを全て破壊する!」

 

『ライトニング・ボルテックス』

通常魔法

手札を1枚捨てて発動する。

相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。

 

どこからとも無く降ってきた雷が『究極恐獣』を焼き殺した。

 

「ワ……ワイの『究極恐獣』が……」

 

「俺は『魔術師・衛宮士郎』を守備表示で召喚! 『魔術師・衛宮士郎』の効果でデッキから『サーヴァント・セイバー』を守備表示で特殊召喚!ターンを終了する!」

 

俺 ライフ1600 手札3枚

モンスター 『魔術師・衛宮士郎』『サーヴァント・セイバー』

魔法・罠 『DNA改造手術』伏せ1枚

 

ダイナソー竜崎 ライフ3400 手札0枚

モンスター なし

魔法・罠 『ジュラシックワールド』伏せ1枚

 

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「ワイのターン! ドロー!」

 

カードを引いた瞬間ダイナソー竜崎がニヤリと笑った。

 

「伏せカードオープン! 『生存本能』発動!」

 

ダイナソー竜崎のフィールドの伏せてあったカードが裏返る。

 

「このカードは墓地に存在する恐竜族モンスターを数枚選択して除外する! 除外した恐竜族モンスター1体につきワイは400ポイント回復する! ワイは墓地に存在する恐竜族5体を除外し、2000ポイント回復する!」

 

ダイナソー竜崎 ライフ3400→5400

 

「そしてこのカードを召喚や! 来い! 『ディノインフィニティ』!」

 

『ディノインフィニティ』

攻? 守0

 

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観客席

 

「あれ? 攻撃力が分からない?」

 

翔が不思議そうに首をかしげて言う。

 

「まずいな……」

 

「どういう事だ三沢?」

 

十代が三沢に問う。

 

「あの『ディノインフィニティ』というモンスターは除外された恐竜族の数だけ攻撃力が1000づつ上がるカードだ」

 

「つまり今あのモンスターの攻撃力は5000という事!?」

 

明日香が驚いた声を上げる。

 

「ああ。……ここからどうする? 涼太……」

 

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デュエルフィールド

 

『ディノインフィニティ』

レベル4 地 効果 恐竜族

攻? 守0

このカードの元々の攻撃力は、ゲームから除外された自分が持ち主の恐竜族モンスターの数×1000ポイントの数値になる。

 

『ディノインフィニティ』

攻?→5000→5300

 

「わ〜っはっはっ! どうや!? 除外されたモンスターがおれば海馬のブルーアイズも上回る攻撃力を持つこのモンスターは? このモンスターがワイのデッキのエース。こいつが出た瞬間、お前の負けは決定や!」

 

「…………」

 

「それじゃあ……『ディノインフィニティ』で『サーヴァント・セイバー』に攻撃や!」

 

『ディノインフィニティ』によって『サーヴァント・セイバー』が破壊される。

 

「どうや!? これがワイの恐竜デッキの力や! ターンエンド!」

 

俺 ライフ1600 手札3枚

モンスター 『魔術師・衛宮士郎』

魔法・罠 『DNA改造手術』伏せ1枚

 

ダイナソー竜崎 ライフ5400 手札0枚

モンスター なし

魔法・罠 『ジュラシックワールド』伏せ1枚

 

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「ドロー!…………」

 

「どうしたんや? ワイの恐竜にビビッたんか?」

 

「くくっ……」

 

「な!?」

 

俺が笑ったのでダイナソー竜崎は驚く。

 

「ふふふ……はははははははっ! ……まさか……ここまでうまくいくとはな」

 

「何やと!?」

 

「宣言をしておく! このターンでお前のライフは0になる!」

 

「なっ!? 無理や! ワイのフィールドには攻撃力5300の『ディノインフィニティ』がおるんやで!?」

 

「攻撃力が高いなら下げればいいのさ! 速攻魔法発動!『異次元からの埋葬』!このカードは除外されているモンスターを3枚まで選び墓地に戻す! あんたの墓地のモンスターカードを3枚、墓地に戻すぜ!」

 

「なっ!?」

 

『異次元からの埋葬』

速攻魔法

ゲームから除外されているモンスターカードを3枚まで選択し、そのカードを墓地に戻す。除外された恐竜族モンスターが居なくなり『ディノインフィニティ』の攻撃力が下がる。

 

『ディノインフィニティ』

攻5300→2300

 

「更に伏せカードオープン!『リビングデッドの呼び声』発動! 自分の墓地のモンスターを攻撃表示で特殊召喚する! 俺は墓地にある『英霊・佐々木小次郎』を選択する!」

 

『英霊・佐々木小次郎』

レベル6 地 効果 戦士族

攻100 守2500

自分のフィールドに『英霊・メディア』、『サーヴァント・アサシン』がフィールドに表側表示で存在する場合『サーヴァント・アサシン』を生贄にすることで手札から特殊召喚できる。

自分のフィールドに『魔術師』と名のつくモンスターがいないときターンのエンドフェイズにこのモンスターを破壊する。

 

『英霊・佐々木小次郎』

攻100→400 守2500→2800

 

「そないなカード……あの時か!」

 

「そう……『ライトニング・ボルテックス』の手札コストだ」

 

「だ、だが『英霊・佐々木小次郎』の攻撃力はたった400! そないな攻撃力で何をしようって言うんや!」

 

「慌てるなよ更に手札から魔法カード『右手に盾を左手に剣を』発動! フィールドのモンスター全てのモンスターの攻撃力と守備力を入れ替える!」

 

『右手に盾を左手に剣を』

通常魔法

エンドフェイズ終了時まで、このカードの発動時に存在していたフィールド上の全ての表側表示モンスターの元々の攻撃力と元々の守備力を入れ替える。

 

『英霊・佐々木小次郎』

攻400→2800 守2800→400

 

『ディノインフィニティ』の攻撃力は……変わらないか……まあ良い。

 

「『英霊・佐々木小次郎』で『ディノインフィニティ』を攻撃!」

 

「くっ!『ジュラシックワールド』の効果で『ディノインフィニティ』を守備表示に変更や!」

 

『ディノインフィニティ』が守りの姿勢をとる。そして小次郎が『ディノインフィニティ』の首を斬りおとす。

 

「さらに『英霊・佐々木小次郎』は1ターンで2回攻撃できる! 行け!ダイレクトアタックだ!」

 

小次郎がダイナソー竜崎を攻撃する。

 

「ぐぁ!」

 

ダイナソー竜崎 ライフ5400→2600

 

「ぐぅ……せやけど……これで『英霊・佐々木小次郎』の攻撃は終わりや! 残りの『魔術師・衛宮士郎』で攻撃してもワイのライフはまだ残る! 次のターンでモンスターを引けばワイの勝ちや!」

 

フラグ乙。

 

「ふっふっふっ、知らないのか? 佐々木小次郎の燕返しは……三度瞬くんだよ!速攻魔法発動!『秘剣、燕返し!』! このカードが発動したターン、『英霊・佐々木小次郎』は3回攻撃が出来る!」

 

『秘剣、燕返し!』

速攻魔法

自分のフィールドに『英霊・佐々木小次郎』が存在する時発動できる。発動したターン『英霊・佐々木小次郎』は3回まで攻撃できる。

 

「ラストアタックだ! 行け、小次郎!」

 

小次郎がユラリと刀を構える。

 

「秘剣……燕返し!」

 

小次郎が刀を振るうと白刃が三度瞬きダイナソー竜崎を切り裂いた。

 

「ぐあああああ!」

 

ダイナソー竜崎 ライフ2600→0

 

「よっしゃ! 楽しいデュエルだったぜ?」

 

「「「「うおおおおおおおおお!」」」」

 

俺が宣言すると歓声が上がる。

 

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「うっし! これで退学の件は無しですよね?」

 

「うむ、君の退学も取り消そう」

 

「よっしゃ!」

 

これで☆ぱーん☆は無しだ!

 

「なあ、お前……」

 

おれが生きている事を喜んでいるとダイナソー竜崎が話しかけてきた。

 

「今回のデュエル、なんやお前、ワイの手の内を読んどったよな? どうやったんや?」

 

「ああ、あれはだな。俺も持っているんだよ。恐竜族デッキであんたと同じコンセプトのをさ。だから弱点を突けたってわけ」

 

「そ、そうやったんか」

 

「ああ。今回は少しズルしたけど俺の勝ちだな!は〜っはっはっ!」

 

「うむ、そんなに元気が余っているなら宿題をあげよう」

 

その言葉を聞いた瞬間、りょうたは にげだした!

 

           しかし まわりこまれた!

 

           りょうたは ぜつぼうした  

 

「逃がしませんよ? 退学は取り消しだが立ち入り禁止地区に入ったペナルティは別です。デュエル戦略についてのレポート30枚、提出するように」

 

「…………1週間後で良いですか?」

 

うう……デュエルに勝ったのに畜生……まあ、今回も生き残れたから、良しとするか。

 

 

1週間後、明朝。

 

俺は今日出すレポートを徹夜でやっていた。

 

「畜生……毎日やったのに結局今日まで終わらなかったぜ……」

 

この前のデュエルに負けていれば良かったと軽く思っている俺だった。

 

説明
俺は何の変哲もない普通の高校生。なのに…… え?ここどこ? トイレ? 何故に? え?遊戯王の世界? ちょっ!? 俺そんなに強くないんですけどーーー!?
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コメント
更新まだ?続きが早く読みたいです。(日常の中の日常)
okakaさまコメントありがとうございます。小次郎が元々癖が強いのに燕返しもかなり……原作がいけないんだ!(RYO)
涼太さん声に出してない部分が黒いですwいいぞもっとry・・・小次郎はやはり守備型ですか・・・燕返しは攻撃補助の魔法だから癖の強いカードですね(okaka)
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