ガンダム学園で僕と握手 002 Zの鼓動<1st・Z・種・00>
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紆余曲折があり、シャアたちは普段通り過ごすことになるのだが、シャアだけはそう簡単にいきそうもない。

「遅刻なんて…君らしくない」

「…ガルマ」

ザビ家の坊や「ガルマ・ザビ」

シャア・アズナブルが半分殺したような人物だ。

ザビ家の息子で無かったら、シャアの親友になれていただろう。

「どうかされたので?」

「…ナナイ」

愛人「ナナイ・ミゲル」

シャアにとっては、ついさっきまで一緒にいた人物でもある。

だが、それでもシャアの心には別の女性がいた。

「…見えました。時を見て答えを得ました」

「…ララァ」

そしてシャアの母親になってくれるかもしれなかった女性「ララァ・スン」

ちょっと変な言葉を口走ってる電波女だが、宇宙世紀でのララァも実際こんな感じだったので、シャアは別に気にしていなかった。

だが、今回の主役はシャア・アズナブルではない。

今回の主役は…

 

 

 

 

 

-柔道部―

ハヤト・コバヤシが主将の柔道部は、かなりの強豪で練習もハードである。

始業式であるにもかかわらず、きつい練習メニューがある。

「柔道とは…これまた奥深きものなり!」

そんな中、金髪の一人の男が暴走しかけていた。

「今の私は…阿修羅すら凌駕する存在だ!!!!!!」

「やめろグラハム! そいつは投げ飛ばすな!!」

ハヤトの制止も聞かず、グラハム・エーカーは一人の男を投げ飛ばす。

「うわあああ!!」

ドシンという音がして頭から落ちる美形の男。

ぷっつん。

そんな音が柔道場に響く。

「…病欠です!!」

「カミーユ!!」

カミーユ・ビダンと呼ばれたこの男。

柔道部設立以来、最大の問題児である。練習はサボる、暴力沙汰で警察の世話になったこともある。

周り、特に先輩との相性は最悪で、年上を敬うことを知らないおおよそ問題児である条件を全て満たしているかのような男である。ちなみに、すぐ拗ねて今のように練習をサボり始める。才能はあるが。

そんなカミーユ・ビダンが練習をこのように投げ出すのは当然皆が分かっていた。

では何故このような事故が起きてしまったのか。

それは、グラハム・エーカーは今日初めて柔道部に来て、こんな行動をとったからである。

「阿修羅を凌駕し、敵を病欠にしてしまったか…」

なお、グラハムは結構勘違い野郎の特性がある。

「グラハム・エーカー。君は柔道部にはふさわしくない。出て行きたまえ」

ちょうど通りかかった生徒会役員のティエリア・アーデにそう言われ、さらにハヤトの修正を受けたグラハムは再び部活探しの旅に出た。

…グラハムの話はもういい。

問題はあの男だ、カミーユ・ビダンだ。

「カミーユ! また抜け出してきたの!?」

「うるさいな、ファには関係ないだろ」

「大有りよ! 貴方のご両親から面倒を見るように言われているのよ!」

カミーユの幼馴染のファ・ユイリィといつもの痴話げんかをするカミーユ。

その光景をエマさんがヤレヤレと見て、関わらないように静かにその場を離れたのを見たのは、エマリーから逃げている最中のブライト・ノアだけであった。

「…病欠だから」

「何の病気よ!?」

「うつ病だよ。自閉症の子どもなんだ…」

「自分の都合で大人と子供を使い分けないで!!」

「うるさいな」

「カミーユ!!」

「ん? カミーユ?」

その男がその名前を聞いたのは不幸でしかなかった。

なぜならこの男、失言の多さが目立つ。

「カミーユ…女の名前かと思ったら、なんだ男か」

「!?」

その場の空気が凍りついた。

理由は、カミーユが凄まじい負のオーラを身にまとい始めたからだ。

「ん? 何なんだこの不快感は…?」

ジェリド・メサもようやく異変に気が付いたらしい。

だが鈍感なこの男、カミーユの動きには気づいていない。

そしてそのままカミーユの全力パンチを顔面に受けた。

「ぐはっ!」

「カミーユが男の名前で何が悪い!! 俺は男だよ!!」

「あん?」

「カミーユやめて! この人、ティターンズよ!」

「ティターンズ…」

カミーユが反芻する。

「だからどうした! 人の名前をバカにして…! 謝れよ貴様!」

「何だとこのガキ! 調子に乗るなよ!」

「止めときなジェリド」

「ライラ…」

そんなとき、ライラ・ミラ・ライラが何とか二人を仲裁しようとする。

「ジェリド、アンタの方が年上なんだからもう少し大人の対応しなさい」

「…そうだな。分かったよ」

一時の恥を凌ぐことに慣れているジェリドは、改めてカミーユに向き直る。

「悪かったな。自分の名前だもんな。確かに悪いことをした」

「分かればいいんですよ分かれば」

「…カミーユも謝りなさいよ。ジェリドさんに」

「…僕も突然殴ってしまってすいませんでした。反省はしてませんけど」

「(くっ…耐えろジェリド…俺はいつか大きな男になるんだ…)」

ジェリドは青筋を浮かべながらも、必死に堪えていた。

ちなみに、周りの連中は笑いを堪えていた。

「そういうことだカミーユ君。でもあんまり人は殴らないようにな」

「努力はしますよ」

「(もうこの子とは関わり合いたくないね)」

ライラもカミーユを苦手意識し始めていた。

こうして、Zガンダムの悲劇を何とか回避した。

ライラ・ミラ・ライラは英雄扱いされてもおかしくない。

だがこれで終わらないのがカミーユ・ビダン。

またしても事件を起こす。

「ねえカミーユ。少し気になったんだけど」

「何だよ」

ファを少し鬱陶しく感じているのか、あんまりいい返事をしないカミーユ。

「そのアクセサリー、綺麗よね。カミーユのなの?」

「これか」

カミーユは綺麗なアクセサリーを手にとって顔がほころぶ。

「これはフォウが…」

「おっと悪い」

「あ」

だが、突然立ち止まったためか、後ろで歩いている人から押され、アクセサリーはカミーユの手から滑り落ちる。

そしてそのアクセサリーは転がり、別の男が踏みつけてしまった。

「ん? 何だこれ?」

ディアッカ・エルスマンが歪な形になったアクセサリーを拾い上げる。

「女物か?」

「お前…!」

二重の意味で見事に地雷を踏む男ディアッカ。

「よくも…よくもよくも!! うわああああああああああ!!」

「わわっ! 何だよお前!!」

当然奇声を発しながら殴りかかってくる男を気味悪がるディアッカ。

「歯ぁ食いしばれ! 修正してやるっ!」

「ばすたぁっ!!」

ディアッカも謎の声を挙げながら吹っ飛んだ。

「はぁ…はぁ…遊びでやってんじゃないんだよ!!」

「な、何言ってんだよこいつ…」

「大きな星が、ついたり消えたり…」

「そんなのどこにもねぇよ!?」

「カミーユ…」

ファは泣きだした。

「若いっていいわね」

レコアさんがその光景を見ながら呟く。

ディアッカだけは災難であったとしか言いようがない。

 

 

 

 

 

「シャア、私と来てもらおう」

「そんな決定権がお前にあるのか!」

「ある」

「…」

ハマーンにいつものように言いくるめられ、シャアはハマーンに付いていくことになった。

来た場所は屋上。

「ハマーン、何でこんなところに」

「お前に話をしなければいけなくてな」

「何?」

ハマーンが神妙な顔でをしている

「明日が何の日だかお前は知っているか?」

「明日…」

というか今日が何の日かも知らないのに、この質問は実にナンセンスだった。

シャアはとりあえず考えることにする。

そこから導き出される答えは。

「入学式か?」

「そうだ。お前にしては頭の回転が速いな」

「そんなに遅いと思ってはいないが」

「明日の入学式、ミネバ様が入学される」

「何だと!?」

ミネバ・ザビ。ザビ家の忘れ形見。

「それで、我らもミネバ様と共に入学式に出席するのだ」

「…」

確かに、アクシズにいた頃は身寄りのいないミネバの面倒を見ていたシャア。

だが、今は状況も歴史も環境も違う。

「ガルマあたりに任せてもいいと思うが」

「そうかシャア。ミネバ様に一番懐かれている自信が無くなったのか」

「何だと?」

シャア的には、あのような年下の可愛い女の子に懐かれるのは嫌でなく、むしろ嬉しいことである。

そんな可愛い女の子に懐かれているならば、この話をシャアは断る筈が無い。

「ふっ。愚問だなハマーン。私も行こう」

「…ロリコンめ」

「何か言ったか?」

「何でもない! 俗物が!」

ハマーンは少し腹立たしそうにして、もう用は無いと言わんばかりに先に屋上から出ていった。

「…一体何だったのだ」

当の本人は何も気が付いていない。

 

 

説明
宇宙暦0093.シャアはアクシズの光に包まれ意識を失った。だが、気がつくとシャアは見知らぬ世界にいた!その世界は、歴代のガンダムのキャラクターたちが学園を中心に生活している世界だったのだ!シリアス成分は少な目で、ほぼギャグのバカコメディ。キャラ崩壊なんて日常茶飯事!作品は1stなどの宇宙世紀作品を始め、平成4作品とSEEDや00などオールです。<>内に主な登場作品を記載しています。
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