真・恋姫†無双 〜我天道征〜 第8話
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注意 本作の一刀君は能力が上方修正されています。

 

   そういったチートが嫌い、そんなの一刀じゃないという方はご注意ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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≪むかつくアイツ≫

 

華琳に報告書を持っていった日、荀ケ達をつけるから、なるべく早く提出しろといわれたが・・・

 

朝食を終えて戻ってきた俺の部屋には、部屋を出る時にはなかったはずの机がいくつも置かれていた。

そしてそれらを準備したであろう兵士達が、ぞろぞろと出て行く。

 

「あ、すいません。ここに署名お願いしまーす。」

「あ、はい。」

 

最後の一人が、書類の隅にサインをするよう言ってくる。

まだ状況が飲み込めてなかった俺は、言われるがままそこにサインを書く。

 

「はい、確かに。ご利用ありがとうございました!」

「お、お疲れ様です。」

 

そういって、その兵士は営業スマイルをして、その場を去って行った。

残された俺はと言えば・・・

 

(え?兵士だよね?引っ越し業者?三国志の時代だよね??そして、この机なに???)

 

混乱の極みにいた。

 

 

ガチャ

 

「あんた、何してんの?」

 

俺がそんな風に頭を抱えて悶えていると、部屋に荀ケが入ってきた。

 

「え?荀ケがなんで俺の部屋に?」

「はあ?あんた昨日の華琳様のお話聞いてなかったの?

その耳は飾りなの?それとも、その腐った脳みそじゃ理解もできなかったの?だから男は無能なのよ。」

「え、あの、その、ごめんなさい。教えて下さい。」

 

そんな俺の質問に、荀ケは罵詈雑言で返してきた。

そんな態度に混乱していた俺も落ち着き、改めて質問をすることにした。

 

 

「あんたの報告書、手伝うようにって華琳様がおっしゃっていたでしょ。」

「ああ、手伝いに来てくれたのか。じゃあ、この机って。」

「華琳様が少しでも早くとおっしゃったのよ。なら、一刻も早くお届けするのが当たり前でしょ!」

 

なるほど。

だったら、一緒の部屋で仕事をしたほうが効率的だと判断したわけね。

 

「こんな仕事、さっさと終わらせて華琳様に褒めて頂くんだから。怠けるんじゃないわよ!」

「は、はい。」

 

恍惚な表情をしていたと思ったら、ものすごい形相で睨まれた。

どうやら俺がサボらないように、監視の意味もあるみたいだ。

さすがは王佐の才といわれた、荀文若。 とほほ・・・

 

 

「「おはようございます。荀ケ様。」」

「ええ、おはよう。それじゃ、準備もできてるみたいだし、とっとと始めるわよ。」

「「はい。」」

 

そんなことをしているうちに、他の文官の子も来てそれぞれの席へと着き、仕事をし始める。

俺がそんな様子に戸惑っていると、

 

「何ぼさっとしてんのよ!あんたの仕事を手伝うために、わざわざこんな所まで来てやってんのよ。

 そのあんたが仕事しないでどうすんの!やっぱり馬鹿なの?無能なの?死ねばいいのに!」

「わ、悪かったよ。すぐはじめるから。」

 

俺は荀ケに怒られながら、なんとか仕事へと取り掛かる。

 

 

サラサラサラサラ

 

室内に、筆をはしらせる音が響く。

俺もその内の一つをだしていたのだが、その音を止める。

報告書の内容で、わからない所が出てきてしまったのだ。

しばらく考えてみるも、この時代のことを詳しく知らない俺では、答えは出てこない。

 

 

「あのー、荀ケ?」

 

ギロッ

 

俺の呼びかけに、こちらを睨むだけで、返事をしてくれない荀ケ。

そのプレッシャーに押しつぶされそうになりながらも、俺は必死に質問をする。

 

「ここの内容なんだけど・・・」

「はあ?なんで私が、あんたみたいな奴の質問に答えないといけないの。それくらい自分で考えなさいよ、万年発情無能男。」

「・・・・・」

 

取り付くしまもなかった

俺はあきらめて、別の文官の子に質問することにした。

 

 

「あの、ここの内容なんだけど。」

「え?そこですか?え、えーと、それはー・・・」

 

どうやらこの子にも、判断つけかねる内容みたいだ。

困ったその子は、荀ケの元へと行く。

 

「あ、あの、荀ケ様。ここの所なのですが。」

「ああ。その件なら、これが参考になるはずよ。」

「あ、ありがとうございます。」

 

あっさりと、話が進んでいく。

そして荀ケから預かった竹簡を持って、俺の所へと戻ってくる。

 

「えーと、これを参考にしてください。」

「・・・うん。ありがとう。」

 

正直、一人だったら泣いていたと思う。

これから一緒に仕事をしていく仲間なのだから、すこしでも仲良くしたいのだが。

荀ケの態度は変わることなく、時間だけが過ぎて行った。

 

 

荀ケとそんなギクシャクした関係のまま、一日が終わろうとしていた。

みんなは俺の仕事以外にも、元々あった仕事もこなしていた。

しかし俺は、その仕事の数分の一もこなすことができなかった。

 

「今日はこれで終わりよ。まったく、仕事も碌にできないなんて、ほんと無能な駄犬よね。 」

「ああ、悪い。俺の知識不足のせいで、皆の足を引っ張っちゃって。」

「ふん。そう思うなら、明日はもっと頑張りなさい。

あんたの部屋で仕事をするなんて、それだけでわたしにとっては苦痛なんだから。」

「努力するよ。それじゃ、お疲れ様。」

 

こうして、その日の荀ケ達との仕事は終わった。

 

 

 

次の日

 

やはり、また不明な所が出てきてしまう。

しかたなく、また荀ケに尋ねることにしたのだが、

 

「あたしに話しかけんじゃないわよ!孕んだらどうしてくれんの!全身精液孕ませ男!!」

 

はい。昨日より、状況が悪化していました。

話しただけで孕むって、どんな怪物だよそれ。

軽く涙目になりながらも、昨日と同じく他の文官さん伝いに解決して行った。

 

そしてその日も、荀ケとの関係は進展することなく(むしろ後退?)終わりを迎えた。

 

 

 

 

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【side 荀ケ】

 

あいつの部屋での、地獄のような仕事も今日で3日過ぎた。

なんで私が、あんな男の部屋で手伝いをしなければならないのだ。

華琳様のご命令でなければ、そんなの絶対御免だ。

 

男なんて、馬鹿で、無能で、不潔で、女とみれば犯すことしか考えていない獣だ。

そのくせ、自分を守ることや、他人を蹴落とすことには人一倍力を発揮する。

そんな最低な生き物なのだ、男なんて。

実際、私が見てきた男達はそうだった。

 

 

あいつだって、例外じゃない。

確かにあいつの出した案は、悔しいがとても素晴らしい内容だ。

でも何、あのへらへらした顔は。

初めて会ったときから、あの顔にはイライラしていたのだ。

女と見ればへらへらへらへら愛想を振りまき、私がどんなに罵倒しても怒りやしない。

どうせあいつも他の男共とおなじ、私に媚を売ってるだけ。

そんな奴、絶対認めてやるもんですか。

 

私はそんな奴に対する憤りを感じながら、就寝することにした。

 

 

 

厠に行きたくなった私は、真夜中に目を覚ました。

そのまま用を足し終えた帰り道。

 

(やっぱり、夜になると少し薄気味悪くなるわね。)

 

前を見ても、後を見ても、吸い込まれそうなほどの真っ暗な闇のみが続いている。

そんな光景に、私は軽い恐怖を覚える。

 

ブルッ

 

(まったく、なんで私がこんな目に、それもこれも全部アイツが悪いのよ!)

 

そんな理不尽とも言える怒りを抱き、アイツの部屋があるべき場所を睨む。

 

 

(えっ?)

 

するとアイツの部屋の窓には、明かりが灯っていた。

 

(こんな真夜中まで、アイツ何やってんのよ。)

 

なんとなく気になってしまった私は、そのままアイツの部屋へと向かうことにした。

 

 

コンコン

 

アイツの部屋の前に立ち、のっくというのをする。

 

「ん?こんな夜中に誰?」

「私よ。」

「え、荀ケ!?と、とりあえずどうぞ。」

 

扉越しにそんなアイツの声が聞こえ、私は部屋へと入る。

すると部屋の中は、月明かりと蝋燭の明かりで頼りなく照らされていた。

そしてそんな中、アイツが昼間と変わらず机に向かい、仕事をしていた。

 

 

「荀ケ、こんな夜中にどうしたんだ?」

「アンタこそ、こんな遅くまで何してんのよ。」

「え、いや、俺だけみんなよりペース、ええと、仕事が遅いからさ、少しでも頑張らないとと思って。」

 

アイツはそんなことを言いながら、笑っている。

その顔にイライラした私は、気になっていたことをぶつけることにした。

 

「アンタ、そんなに私に媚を売りたいの?」

「は?何言ってんだ、荀ケ?」

「だから、そんなに頑張って、私に媚を売りたいのかって言ってんのよ。」

 

私の問いかけに、アイツはよくわからないという顔をしていたが、

 

「なあ、荀ケ。天の知識を使えば、この国は豊かになるんだよな?」

「え、ええ。前も言ったけど、アンタの知識を活用できれば、国力はさらにあがるわ。」

「豊かになればさ、苦しんだり、悲しんだりする人も減るよな?」

「まあ、飢えで苦しんだり、賊の脅威に晒される心配は減るわね。」

 

急に真剣な顔で、そんな質問をしてくる。

 

「それが、俺の頑張る理由だよ。」

「は?」

「少しでも、笑顔になる人が増えてほしいんだ。だから、頑張るんだ。華琳や荀ケだってそうだろ?」

 

そういってアイツは、また笑顔をつくる。

 

 

今度は、その顔にイライラすることはなかった。

長年、色々な人間を見てきたのだ。

その言葉が、上辺だけか心からのものなのかくらいわかる。

アイツの言ったことは本音だ。

またその思いも、私や華琳様と一緒だ。

そしてこいつは、今までの男共とはどこか違うと思いはじめる。

 

 

「あんたみたいな愚図で無能で単細胞なやつが、私や華琳様と同じ仕事できるわけないでしょ。」

「う、だからこうして頑張って」

「そんなことして、明日の仕事に響いたらどうするつもり?

アンタが駄目な奴ってことぐらいわかって、こっちは手伝ってんの。

それを理解したなら、明かりがもったいないからとっとと寝なさいよ。」

 

私の言葉にアイツはきょとんとしていたが、すぐに笑みを戻し、

 

「ああ、そうだな。眠くて仕事になんないじゃ、話にならないよな。

後は明日頑張ることにして、もう寝ることにするよ。」

「ふん、わかればいいのよ。」

 

 

それだけ言って、私は北郷の部屋から出て行く。

そしてまた、暗闇の広がる廊下へと出ると、先ほどの恐怖がよみがえる。

覚悟を決め、自室へと戻ろうとした時、

 

「荀ケ、部屋まで送るよ。」

 

後ろから、アイツの声が聞こえてきた。

 

「まさか、私を襲うつもりじゃないでしょうね。この変態、けだもの、全身精液孕ませ男。」

「なんでだよ。いくら城の中でも、こんな暗い中を女の子一人で歩かせるのは危ないだろ。」

 

そういってアイツは、私の隣を歩きだした。

すると、さっきまでの恐怖がなくなった。

なくなったといってもちょっとよ、ほんのちょっと、髪の先くらいちょっとなんだから勘違いしないでよ。

 

 

そんなこんなで、私の部屋の前へと到着した。

当たり前だが、アイツは私に何もしてこなかった。

 

「それじゃ、おやすみ。荀ケ。」

 

アイツはそれだけ言って、部屋へ戻ろうとする。

その後ろ姿を見た私は、

 

「桂花よ。」

「え?」

「真名よ。華琳様が預けるようにって、おっしゃっていたでしょ。」

「いや、そんな理由で預かれないって、あの時ちゃんと断ったはずだけど・・・」

「うるさい。私がいいって言ってるんだから、いいのよ。それとも何、私の真名は預かれないとでも言うつもり?」

「いやいやいや、そんなことないよ。」

 

私が真名を預けると言ったら、アイツはものすごい困惑していた。まあ、普段の態度を考えれば当たり前だけど。

言いたいことを言い終えた私が、そのまま自室へと入ろうとすると、

 

「おやすみ、桂花。」

「ふん。明日寝坊なんかするんじゃないわよ、北郷。」

 

私はそれだけ返して、部屋で眠りにつくのだった。

 

 

 

 

 

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翌日

 

あいも変わらず、アイツの部屋での仕事は続く。

相変わらずアイツの仕事は遅いし、私や他の文官の子にへらへら愛想を振りまいている。

でもあの顔を見ても、以前の様な嫌悪感や不快感はなかった。

アイツが他の男共より、ほんのちょっと、ほーーーんのちょっとはましだと認めてやったからだろう。

 

「そこ、女を口説く暇があったらとっとと仕事をしろ、全身精液無差別孕ませ男。」

 

それでも、何か胸のあたりがモヤモヤして、アイツに対する怒りが湧いてくる。

 

しばらく仕事をしていると、アイツの異変に気付く。

手元の書類とこちらを交互にみては、困った顔をしている。

また、わからないことでも出てきたのだろう。本当に、無能な人間ね。

 

 

「えーと、桂花。ここの内容なんだけど。」

 

アイツが意を決したような顔で、私に質問をしてきた。

 

「どこよ? ああ、これならこれとあそこの資料に書いてあるから、それを見なさい。」

 

私がそう答えてやると、アイツは驚いた顔をしている。

まわりの文官の子たちも、目を丸くしていた。

 

 

「ありがとう、桂花。」

「何笑ってんのよ。」

「別に、何でもないよ。」

 

アイツは我に返ったのか、すぐにお礼とあの笑顔をしてきた。

胸が、前以上にモヤモヤする。

これ、本当に何なのかしら?

 

 

私がそんなことを考えていると、

 

「あら、随分楽しそうね。」

 

部屋に華琳様が現れ、そんなことをおっしゃってきた。

 

「華琳。どうしたんだ?何か用事か?」

「いえ、ただ様子を見に来ただけよ。でも桂花は随分、一刀と仲良くなったのね。真名まで許すなんて。」

「違います、華琳様。

私が、こんな女を孕ませることしか考えていない、全身下半身男と仲良くなんてするわけありません。」

 

華琳様に、そんなとんでもない誤解をされたままではいられないと、私は必死に弁解する。

しかし

 

 

「酷いな、桂花。昨日はあんなに俺のこと、心配してくれたのに。」

「なっ!!」

「あら、やっぱり仲が良いみたいね。まあ、その調子で頑張りなさい。」

 

アイツがとんでもない発言をし、華琳様はより勘違いしたままどこかへ行かれてしまった。

 

「(ブルブルブル)」

「あ、あー、桂花?」

「(ギロッ)アンタねー、華琳様の前でなんてこと言ってくれんのよ!!」

「いや、俺は事実を言っただけだし。」

「うるさーーい!黙れ!変態!精液男!無能!ごみ!くず!駄犬!真名も返しなさーい!!」

(やっぱりアイツは敵だ。少しでも認めようと思った私が馬鹿だった。)

 

その日は一日中、部屋にそんな私の罵声が響いていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

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≪北郷の実力≫

 

【side 一刀】

 

華琳に報告書を提出してから、5日が経った。

桂花や他の文官達の働きもあって、なんとか報告書の方は目処がたち、多少の余裕ができた。

そのため今日は、いつもより寝ることができると、まだ寝台に潜り込んでいた。

 

 

ドドドドッ

 

しかし、遠くから感じる気配に俺はその眠りを邪魔される。

 

(ものすごい殺気が近づいてる。)

 

そう感じた俺は、手の届く距離に愛刀があることを確認し、警戒を強くする。

 

ドドドドドドドドッ ピタッ

 

その気配が、俺の部屋の前でとまる。

相手の目的が自分だと感じ、俺は迎撃の態勢をとり待ちかまえる。

 

バンッ

 

ものすごい勢いで扉が開かれ、

 

「北郷!勝負しろ!!」

「へ?」

 

夏侯惇がやってきた。

 

 

 

予想外の人物の来室と発言に、俺は思考が停止していたが、なんとか復活し質問することにした。

 

「え、こんな朝早くから何?」

「は?貴様、話を聞いていなかったのか。私と勝負をしろ、と言ったのだ。」

「え、なんで?」

「華琳様や秋蘭から話は聞いた。北郷、貴様強いのだろ。ならば戦いたいと思うのが、武人として当たり前だろ。」

「いやいや、俺武人違うし。てゆうか、なんで今さら?」

「よくわからんが、貴様は華琳様から大事な仕事を任されていたのだろ。それを邪魔するわけにはいかん。

 そしてその仕事が昨日終わったと聞いてな、さっそくやってきたのだ。」

「話の流れはわかった。だけ「えーい、さっきからごちゃごちゃごちゃごちゃ質問ばかりしおって。さっさと私と戦え、北郷!」えー。」

 

 

夏侯惇が朝早くから来た理由はわかったけど、その理由が戦えって。

 

(武人として、か。そう考えると、俺の戦い方は武人とは言いづらいよな。)

 

そんなことが頭をよぎり、どのように断ろうかと考える。

夏侯惇は殺る気全開みたいだし、簡単には引いてくれそうにない。

 

「せめて、朝飯くらい食べさせてくれ。それとも夏侯惇は、腹が減って力が出せない奴と戦いたいのか?」

「むー、ならすぐに食べろ!」

 

なんとか時間をかせぐことができた。

後は、ほとぼりが冷めるまでどっかに隠れてようと考える。

 

 

 

と、そんな甘いことを考えてる時もありました。

 

「はー。」

「ん。ため息なんかついてどうしたのだ、北郷?」

 

今俺は、食堂にきている。

そして隣にはなぜか夏侯惇が座り、一緒に食事をしている。

 

「なあ、なんで夏侯惇も、一緒に食事をしてるんだ?」

「ん。そういえば、私も朝餉を食べていなかったからな、ついでだから一緒に食べてしまおうと思ってな。」

「そ、そうですか。」

 

 

俺は食事をゆっくりとりながら、打開策を考えていると、

 

「げっ。」

「あら、一刀と春蘭じゃない。二人で食事なんて、珍しいわね。」

「華琳様。」

「華琳、桂花。二人も食事?」

 

食堂に二人が現れた。

うち一人は、こちらに気付くと明らかに嫌な顔をしたが。

 

「何よ、私達が食事をしちゃおかしいの?あんたにそんな権限があんの?あんた何様よ?死ねばいいのに、てか死ね。」

「桂花、やめなさい。」

「うっ、すいません華琳様。」

「良い子ね、桂花。」

「あ〜、華琳様〜♪」

「桂花と朝まで一緒だったのよ。朝餉は、そのついでね。」

「そ、そうですか。(うーん、聞いてはいたけど、華琳って本当にそっち系の人だったんだな。)」

 

華琳の性癖は、噂で知っていた。

この城、ってゆうか、この界隈では結構有名な話らしい。

夜な夜な周りの子をはべらしているとか、可愛い子はすぐに召上げるとか。

多少脚色もあるんだろうけど、噂の大元はあってそうだなと考えた。

 

 

「ところで、なんで貴方達は二人で食事をしているのかしら?まさか」

「そんなわけありません、華琳様!誰がこのような奴に!!」

「あー、実は・・・」

 

俺は、華琳に朝の出来事を説明する。

もしかしたら、夏侯惇を説得してくれるかもという淡い期待を抱いて。

 

「そう、ならば第3演習場を使いなさい。あそこなら、人目も少ないでしょ。」

「さすが、華琳様。」

「ちょっ。」

「でもそうね、一刀の実力か。桂花、なにか急ぎの仕事はあったかしら?」

「いえ、現在そのような報告は入っていません。」

「そう、ならば私も見学させてもらうわ。確か今日、秋蘭は非番だったはずだから、彼女もよんできましょう。」

「かしこまりました。」

「え、何、勝手に話が進んでるけど。」

「一刀、期待してるわよ。」

「ふん、そのまま春蘭に斬り殺されればいいのに。」

(あ、あはは、こりゃもう逃げれないな・・・)

 

そんな俺の期待とは裏腹に、試合をするという流れで話が纏まっていく。

俺はあきらめて、すっかり冷めた食事を口へと運ぶのだった。

 

 

 

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全員の食事が済み、俺達は演習場へときていた。

そこはだだっ広い平地で、多少暴れても壊れる様なものは近くにない。

目の前には刃を潰した武器をもつ夏侯惇がおり、華琳達は離れた位置で俺達をみていた。

一方俺は、模擬刀なんてあるわけもないので、刀を借りたのだが。

 

「(ズシッ)う、やっぱり俺の刀より、大分重いな。」

 

こっちの刀は斬るというよりも、叩き斬る意味合いが強いから、重く頑丈にできてるのはしょうがないけど。

これでも置いてある刀の中で、最も軽いものらしい。

 

(まあ使えないことはないし、これで頑張ってみるしかないか。)

 

そう考え、俺は夏侯惇に向き直る。

 

 

「二人とも、いい試合を期待しているわよ。試合、開始!」

 

そんな華琳の掛け声とともに、試合が始まる。

 

「死ねーーーー!」

 

ブンッ

 

「うわっ。」

 

試合開始の合図とともに、夏侯惇の刀が襲ってくる。

俺はそれをスウェーバックして、紙一重でかわすが、夏侯惇の手は止まらない。

 

「やるな、北郷。だがこれからだ。」

「今死ねって、うおっ、っと、ちょ、いっ。(や、やっぱり強いな。攻撃が速くて、鋭い。)」

 

俺はそれを反らす、屈む、捻るなどして避けていく。

そうしながら、この時代の武将の強さに驚いていた。

 

「(ドゴンッ!)えーい、北郷!避けてばっかりいないで、私と打ちあえ!!」

「できるかっ!そんなもん受けたら、死んでしまうわ!」

「これくらいで、人は死なん!!(ドッゴーン!)」

「お前の基準で言うな!!!」

 

なにより、その一撃が恐ろしく重いのだ。

抉れ、窪んでいる地面をみて、俺はそう考える。

まともに打ちあったら、刀どころか俺の身体までばらばらにされそうだ。

 

 

「えーい、ちょこまかと逃げおって。」

 

ブオォンッ

 

そんな俺に耐えきれなくなった夏侯惇の攻撃が、大振りになる。

俺はその隙を見逃さず、夏侯惇の背後へと回り込み、

 

ギギギンッ

 

「くっ。」

「やっぱ防がれるか。(うーん、刀が重いせいか、スピードが出ないな。)」

 

そのまま三連撃を繰り出すが、刀を構えて防がれてしまった。

いつもの刀でないため、どうしても攻撃速度が遅くなってしまう。

 

「なら、これならどうかなっと。」

 

ガッ

 

「うわっ。」

 

俺はそのまましゃがんで足払いをかまし、夏侯惇のバランスを崩させる。

 

 

しかし俺は、そこで油断をしていた。

 

「っこの!!」

「えっ? くっ!」

 

ガギーーーーン!! 

 

「(ドサッ)うっ」

「(ズザザザザーーーー・・・)つぅーー」

 

夏侯惇が転倒する姿勢から、無理矢理横薙ぎをくりだしてきたのだ。

危険を悟った俺は、刀を斜めに構えその攻撃を受け流そうとするが、それでも重い。

さらに横に飛ぶことで威力を殺そうとするが、その勢いに負け、そのまま飛ばされてしまった。

数メートル程飛ばされなんとか着地するも、手が軽く痺れていた

夏侯惇は受身も取れず、そのまま地面へと落下していた。

俺も吹き飛ばされたせいで距離があり、夏侯惇への追撃はできなかった。

 

しかし、あんな不自然な態勢からの一撃で、この威力である。

 

(やっぱり、まともに受けたら死ぬなありゃ。どうしたもんか。)

 

そんなことを思いながら、俺は再び夏侯惇との試合を続ける。

 

 

 

 

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【side 夏侯惇】

 

「はぁはぁはぁはぁ・・・」

 

北郷との試合も、開始から二刻(30分位)は経とうとしていた。

確かに北郷は強い。しかも、かなり戦いにくい相手だ。

ずっとちょろちょろ逃げ回り、全然攻撃があたらん。

そのくせこちらが少しでも隙をみせれば、それをつくようにして攻撃してくるのだからやっかいだ。

 

そろそろ私も、体力的にそろそろきつくなってきた。

次がおそらく、最後の攻撃となるだろう。

 

「いくぞっ!!(ダッ)」

 

私は掛け声とともに、北郷に向かって駆け出した。

あいつには、大振りな攻撃は避けられてしまう。

なら、小さく速い攻撃を繰り出すのみ。

 

北郷は私に向かって突きを放つが、私はなんとかそれを避けながら接近する。

 

「はあああぁぁぁぁぁぁ〜〜〜!!」

 

ぎりぎりまで接近できた私は、そこから渾身の右斬り上げをはなった。

 

キーーーン! カランカランカラン・・・

 

それを防ごうとしていた北郷の手から刀が離れ空を舞い、地面を転がっていった。

私はそのまま、刀の切先を北郷の首元につきつける。

 

 

「どうやら、俺の負けみたいだね。」

 

北郷は両手をあげて、降参の意思を示していた。

だが私は、今の試合に納得がいってなかった。

手加減しているわけではないが、なんと言えばいいのか、北郷の戦い方におかしな感じがした。

獲物が違うのもあるのだろうが、何か本来の戦い方とは違うことをしてるような気がする。

 

 

そんなことを考えていた時、華琳様が私達に声をかけてきた。

 

「二人とも、いい試合だったわ。」

 

華琳様は、北郷との試合におかしな所を感じていないようだ。

 

「まさか北郷が、姉者とここまで戦えるなんてな。」

「いやいや、やっぱり夏侯惇は強かったよ。」

「ちっ、そのまま死ねばよかったのに。」

「一歩間違ったら、本当にそうなってたけどな。」

 

秋蘭や桂花も同じみたいだ。

だが確かに私は、北郷の戦い方におかしな感じを受けた。

 

 

いくら考えても、答えなどでない。

ならば、本人を問いただすのが一番手っ取り早い。

 

「北郷。さっきの試合、貴様本気でやっていたか?」

「!どうしてそう思うんだ?」

「勘だ!どこか貴様の戦い方に、おかしな感じがしたからな。」

「一刀、どういうことなの?もし春蘭のいうとおり、手を抜いていたの?」

 

私達の話を聞いていた華琳様も、北郷を睨みながら問いただした。

 

 

その事態に北郷は、困った顔をしながら説明をしだした。

 

「いや、手を抜いたってわけじゃないんだ。俺の本来の戦い方が、夏侯惇達とは違いすぎるから。」

「どういうことかしら?」

「夏侯惇達は武人だけど、俺はそういうんじゃなくて、忍者なんだ。」

「「「「にんじゃ?」」」」

 

また北郷の奴が、わけのわからない言葉を使ってきた。

 

 

「あー、主に、諜報活動や暗殺を生業にしている者たちのこと。」

「つまり細作や間者みたいなもの、ということか?」

「まあ、それに近いね。

うちのじいちゃんがさ、北郷忍軍ってやつの頭領だったから、俺も小さいころから色々な修行をさせられたんだ。色々と、ね・・・」

 

そういった北郷の顔には、若干影がかかっていた。

 

 

「ん?貴様がそのー、にんじゃだと、何で本気で戦えんのだ?」

「ふー。大方貴方のことだから、武人として戦いたいと思ってる春蘭に、にんじゃとして戦うのはまずいとか思ったのでしょ。」

「うっ。そ、そのとおりでございます。」

「???どういことだ?」

「つまり北郷は、姉者に合わせて戦っていたってことさ。」

「なんだと!私は、本気の貴様と戦いたいのだ。そんな気遣いなどいらん。」

 

よく話はわからんが、北郷が本気でなかったということはわかった。

 

 

「北郷、もう一度勝負しろ!今度こそ本気で戦え!!」

「夏侯惇、無茶だ。もう身体が限界だろ。」

「知るか。これくらい、気合でどうとでもなる!」

「いやいや、気合でどうにかできるレベルじゃないから。」

「れべる?またわけのわからん言葉を使いおって。いいから、もう一度勝負しろ!」

「北郷、諦めろ。こうなった姉者は止められん。」

「はぁー、わかったよ。」

 

私の説得(?)に北郷も折れたのか、しぶしぶながら了承した。

 

「但し、一回だけだぞ。」

「構わん、それで十分だ。」

「約束だからな。」

「くどいぞ、北郷。私に二言はない!」

 

そういって、またお互いに対峙しあう。

 

 

 

 

 

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「さあこい、北郷!!」

「ふぅー、北郷流 『夜顔』」

 

北郷が何かつぶやいたかと思えば、その体から、先ほどとは比べ物にもならない程の殺気が溢れだした。

それは今まで感じたことのないほどの殺気であり、また異質だった。

全身が震え、こわばってしまう。

ただ目の前にいるだけなのに、冬の雪山に放り出されたような感じだ。

だが私は、その殺気に飲まれるわけにはいかないと刀を構えなおし、北郷の動きに注意する。

北郷も刀を構えたまま、じっとこちらを見ていた。

 

 

しかし、北郷の体が一瞬ぼやけたと思った瞬間。

 

「動くな。」

「なっ!?」

 

私の背後からそんな声が聞こえ、首元には小刀の刃が突き付けられていた。

まったくわからなかった。一体、いつ背後に回られたのだ。

しかも、今背後から感じる圧力は、下手な動きをすることさえできない。

 

「はい、終了っと。」

 

その次にはそんな明るい声とともに、背後から感じていた圧力が消える。

 

「待て、さっきのはなしだ。あんなの認めん。」

「えー、一回って言ったじゃん。夏侯惇将軍ともあろう人が、嘘をついていいの。」

「くっ、しかたない。しかし、さっきのが貴様の本来の力ということか。」

「まあ、そんな所だね。だから言ったろ、武人ではないって。」

 

確かにあいつの戦い方は、武人とは言い難い。

だが、その実力は本物だ。

少なくとも今の私では、本気を出した北郷に手も足もでないだろう。

 

 

「北郷、貴様に真名を預ける。春蘭だ、次からはそう呼ぶがいい!」

「え、いきなりどうしたんだよ?」

 

私の言葉に、北郷は驚いていた。

 

「貴様が強いのは十分にわかった。だから、その強さを認め真名を預けることにしたのだ。」

「わかった。しっかりと預からせてもらうよ、春蘭。」

「ああ。だが、また後で勝負をしろよ、北郷。」

「お、覚えていればね・・・」

 

私との再戦の約束に、あいつは何故か目線をそらしていた。

 

 

-9ページ-

 

【side 華琳】

 

「まさか、春蘭よりも強いなんてね。」

 

目の前で起こったことに、私は驚愕していた。

春蘭でも負ける様な相手がいることはわかっていたが、それがまさか一刀だなんて。

しかも先ほどの力、春蘭と対峙していたと思った次の瞬間には、その背後にいた。

そして先ほどの話、私は一刀の今後の扱いについてある考えが浮かんだ。

 

そんなことを考えていると、春蘭達がこちらへと近づいてきた。

 

「申し訳ございません、華琳様。このような、不甲斐ない所をみせてしまい。」

「気にしていないわ。それだけ、一刀が強かったということでしょ。」

「はい。」

「なら、もっと強くなりなさい。あなたならできるわよね、春蘭。」

「はい。おまかせください、華琳様♪」

 

春蘭はそんな私に、悔しそうに謝罪をしてきた。

しかし私が激励してあげると、嬉しそうに答えた。

ふふ、本当に可愛い子ね。

 

 

「北郷、私の真名は秋蘭と言う。預かってもらえるか?」

「え?夏侯淵、いいのか?」

「ああ、姉者が認めたのだ。私もお前を認めるよ。」

「わかった、ありがとう秋蘭。」

 

どうやら、秋蘭も真名をあずけたみたいね。

まあ秋蘭は、結構前から預ける気があったみたいだけど、春蘭の手前そういうわけにはいかなかったものね。

 

 

次は、一刀の件ね。

 

「一刀。今後あなたは、その力を隠し、目立たないようにしなさい。」

「え、それは別に構わないけど。どうしてだ?」

「あなたには、細作部隊の隊長をしてもらうからよ。」

「隊長?俺がか?」

 

私の提案に、一刀はものすごい驚いた顔をしている。

 

 

「ええ、貴方には献策した件についての仕事もあるから、その育成が主な仕事になるでしょうけどね。」

「じゃあ、力を隠せっていうのは。」

「そ、細作の長たるあなたの存在を、公に知られるわけにはいかないでしょ。

表向きの役職は何か考えておくから、私の許可なくその力は使わないこと、いいわね。」

「りょ、了解。はは、仕事一杯だな・・・」

 

そういって、一刀は肩を落としていた。

あの春蘭と同等ともいえる武に、細作としての技、そしてあの知識。

どうやら一刀は、そういった能力を隠すことも得意そうだし、あえて他の者たちにその情報を与えてやる必要はない。

もしもの時のための、切り札になりうる存在だ。

 

(まさかたまたま拾ったものが、こんな玉に化けるとはね。)

 

私はそう思い、ほくそ笑むのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-10ページ-

 

一方、その頃・・・・・

 

【side 天和】

 

♪♪〜〜♪♪〜♪〜〜〜♪〜

 

「みんな〜、ありがと〜〜!!」

「今日の舞台は、これで終わりよ〜!!」

「また、私達の歌を聞きに来て下さいね〜!」

 

「「「「ほわわわあああああぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!!!」」」」

 

大勢のふぁんのみんなの歓声を聞きながら、私達は舞台を後にした。

 

 

「今日もふぁんのみんな、一杯だったねー。」

「みんな、ちぃの魅力の虜ね♪」

「えー、ちがうよー。お姉ちゃんにめろめろなんだよー。」

「私よ。」

「お姉ちゃん。」

「はいはい、いい加減にして姉さん達。私達の魅力ってことでいいでしょ。」

「うん、そうだね。」

「むー、しょうがないなー。」

 

今日の舞台の感想をちぃちゃんと言い合っていると、人和ちゃんがあきれた様に止めにはいる。

まあ、この言いあいも何回もしてるもんね。

 

でも昔じゃ、こんなこと考えられなかったな。

それもこれも、全部一刀のおかげ。

たぶん一刀に出会えていなかったら、こんな成功はしていなかったと思う。

だから一刀には、感謝してもし足りない。

ちぃちゃんや人和ちゃんも同じだと思う。

 

 

一刀と別れてしばらく経つけど、今でも思い出すと少し胸が苦しくなる。

また、一刀に会いたいって。

けど、私達には叶えたい夢があるし、今はその道を順調に進んでいる。

だから今度一刀と会うのは、私達が大陸一のあいどるになった時って決めてる。

私達の舞台の、特等席に招待してあげるんだから。

 

「よーし、がんばるぞー♪」

「び、びっくりさせないでよ姉さん。」

「いきなりどうしたの?」

「な・い・しょ♪」

 

 

「もうしわけありません。」

 

そんなことを言っていると、誰かが声をかけてきた。

 

「あのー、あなた方は、最近有名な張三姉妹でございますか?」

「うん、そうだよ。」

「何か御用でしょうか?」

「ちぃたちのさいんがほしいなら、後にしてね。」

 

その人は、恰幅の良さそうな中年の男の人だった。

顔は常ににこにこしており、身なりも良い格好をしていた。

 

 

「いえいえ、私ここら辺で商売をさせて頂いている者で、ご高名なお三方を是非応援したいと思いまして。」

「応援?」

「はい。皆さまが活動するにも、何かとものいりでしょう。ですから、その援助をいたしたいと。」

「え、ほんとに!」

「やったー、ついてるね♪」

 

そんな願ってもない話に、私とちぃちゃんは大喜びした。

 

だけど人和ちゃんだけは、

 

「何が目的ですか?いくらなんでも、話がうますぎます。そちらに利があるように思えません。」

「ははは、確かに張梁様が疑われるのは最もですね。

まあ、お三方の舞台の近くで商売をさせて頂ければ、多少なりとも儲けがあるんですよ。」

「本当に、それだけですか?」

「疑り深いですな。まあ後は、貴方様達の歌の虜になってしまったのですよ。」

「・・・・・・」

「支援させて頂ければ、皆様の活動も円滑に進み、その名も早く轟くと考えたのですが。」

「「「!!」」」

 

 

名が早く轟く、その言葉に私達3人は反応した。

少しでも早く名前が売れれば、大陸一のあいどるへの近道になる。

そうすれば、一刀に逢える。

そう思い二人を見ると、二人も私と同じことを考えていたみたいだった。

 

「人和ちゃん。」

「人和。」

「・・・わかりました。そのお話、お受けすることにします。」

「おお、ありがとうございます。私も精一杯、皆様を応援させて頂きます。」

 

その男の人は、先ほどよりもさらに笑顔を深くし、嬉しそうにしていた。

 

 

「それじゃ、よろしくね。え、えーと・・・」

「ああ、申し遅れました。私、厳政と申します。これから、よろしくお願いします。」

 

私達は気付けなかった、一刀に早く逢いたいという感情に眩んでしまっていた。

その男の笑顔の裏に、どす黒い欲望が渦巻いていたことに。

その男が、あんな力を隠し持っていたなんてことに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-11ページ-

 

あとがき

 

sei 「そんなこんなで第8話、いかがだったでしょうか?

   しかし、2週間以上も間があいてしまいました。

   仕事や夏カゼや夏バテなどなどで、なかなか執筆できなかったのが原因なのですが、皆さん忘れてないといいな〜・・・

 

   今回は残りの春蘭・桂花と、おまけの張三姉妹を書いてみました。

   まあ、張三姉妹については拠点というより、今後の前フリみたいな話になってますけどね。

 

   さて今回のゲストは、私と同じネコミミを持つこの方です。」

 

 

桂花「誰がアンタと同じよ!!一緒にすんじゃないわよ、この淫獣!!」

 

sei 「な!?酷くないですか、そんな名称ほしくないですよ。」

 

桂花「黙れ!あんたにはそれがお似合いよ。」

 

sei 「あのー、一応私、この話の作者なんですが・・・」

 

桂花「ふん。前回といい、今回といい、こんな駄文しか書けないあんたなんか淫獣で十分よ。」

 

sei 「えー、何が気に食わないんですか?」

 

桂花「全部よ!!まず前回、何よあの華琳様。なんであんな精液男に惹かれてんのよ!!」

 

sei 「ああ、それですか。確かにコメントにも、デレ早!!ってありましたね。」

 

桂花「そうよ。一体どういうつもりなのよ。」

 

sei 「はい、熱暴走しました。」

 

桂花「は?」

 

sei 「いやー勢いで書いたんですが、今思うとデレすぎた気がものすごくしますね。

   まあ、この話の一刀は能力が上方修正されていますから、魅力もそれに含まれているということで、ここは一つ。」

 

桂花「くっ、だけど今回の話は何?

   何で私が、あんな全身精液全自動孕ませ種馬男に、その、け、懸想してるみたいになってんのよ!!

   デレすぎたって、反省したんでしょ。だったら控えなさいよ!!」

 

sei 「いやー、ツンな桂花じゃ原作と同じだから、少しずつデレも加えた方がいいかなーと、暴走しまして・・・」

 

桂花「あんたね!!何回暴走すれば、気が済むのよ!!」

 

sei 「この小説を書いてること自体が、既に暴走以外の何物でもないですから。(`・ω・´)キリッ」

 

桂花「何でこんなのが、作者をやってるのかしら・・・」

 

 

 

sei 「その話は終了ということで、次に一刀の話をしましょう。」

 

桂花「ああ、忍者がどうこうって話ね。

   でもアイツ、忍者にしては感情の起伏が激しすぎないかしら?」

 

sei 「でも常に冷静で、女の子がらみでも全然動揺しない一刀って、一刀っぽくないと思いません?

   女の子たちとのドタバタを起こしてこそ、一刀だと思うんですよ。」

 

桂花「まあ、そうね。」

 

sei 「だからこの話では、忍者だろうが一刀は一刀らしくしていこうと思ってます。

   まあ、まじめな時に少しくらい、忍者っぽいとこを出せばいいかなーと。」

 

桂花「ふーん。じゃあ、今回使ったあの背後をとったのも、その忍者の技を使ったってことなの?」

 

sei 「そうですね。以前出てきた、『朝顔』の派生技みたいなものです。

   強烈な殺気を放つのと、気配を消すのを絶妙なタイミングで行うことで、相手に残像を見せる技です。」

 

桂花「随分とご都合主義な技ね。」

 

sei 「まあ、残像はすぐに消えてしまうので、今回みたいに背後をとったり、隙をつくぐらいの使い方しか出来ませんから。」

 

桂花「だけど、アイツの技ってほかにもあるの?」

 

sei 「はい。いくつか考えてはありますが、どれも中二病全開ですね。楽しみにしててください♪」

 

桂花「はー、やりすぎて飽きられればいいのに。」

 

sei 「怖っ!その発言が普通に怖いです!!」

 

 

 

sei 「ううう、今回はここまでとなります。」

 

桂花「で、次回はどうすんの?」

 

sei 「はい、次回は新しい仲間をゲットする話です。」

 

桂花「それが誰かは、どうせ秘密なんでしょ?」

 

sei 「もちろん。」

 

桂花「今度は精々、飽きられないうちにあげることね。」

 

sei 「・・・善処します。」

 

 

 

 

説明
華琳達との生活がはじまり、いくらかの時が過ぎた。
しかし、一刀と女の子達とのドタバタはまだまだ続くのであった。

遅くなりましたが、第8話の投稿です。
遅れた言い訳については、あとがきにちょこちょこ書いてますが、気にせずお読みください。
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コメント
イマ 様>あれ?妙に説得力あるけど、結局不名誉な称号だよね??まあ、変態という所は否定できないけど・・・(sei)
段々と物語が加速していくのがおもしろいです。これからも期待してます。あと、淫獣よりも、「性」獣の方がいいのではw?性獣→せい獣→sei +獣、つまりseiさん、変態(゚ー゚)bニヤリ (イマ)
atlas039 様>人気作品の二次創作だから、コメントがもらいやすいのかもしれませんけどね。 それと、さりげなくほめて頂いてありがとうございます。(sei)
act 様>桂花のデレは、あれデレた?ってくらいの微妙さでも、かなり大きな一歩だと思うんですよ。(sei)
Satisfaction 様>ありがとうございます。次回はもう少し、はやくあげるようにしますねw(sei)
侵略!?イヌ娘 様>色々な考えや意見があると思いますが、私の思う桂花は、ああゆう発言をガンガンするイメージがあり、どうしても外せません。 これから作品を書いていく中でも、そういった表現は多くなると思いますが、そこはご了承ください。(sei)
アルヤ 様>歴史の強制力=作者の都合なので、黄巾の乱は避けられないですね。(sei)
本郷 刃 様>桂花のデレも、一刀の強さも暴走しすぎないようにしないとなーw(sei)
デューク 様>お待たせしました。デレ展開は、書いてて楽しいですね。(sei)
いいなーコメント貰えるの…なろうでオリジナル書いてるのにコメント来ないもん…まあこっちは面白いから当たり前だけどさ…(atlas039)
まあ、コメントは十人十色ですから。気にせずに。あれ?桂花がデレた?と思ったら意外とそうでもなかった。しかし、一刀は強いですね。良い感じですよ!!(act)
感想は人それぞれですけどね〜、僕はこう言う話は好きですよw桂花はやっぱり基本はこうでなきゃって感じですねw次回も楽しみにしています(ミドラ)
人死にが当たり前の時代設定、苛めで死ねと言われて自殺が多い現代、桂花の言動はまったく笑えない(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ)
歴史の強制力ってのはやっぱあるのかねぇ。(アルヤ)
やはり桂花は微デレが丁度良いですねwそして一刀はやはり強いですね・・・・・・(本郷 刃)
待ってましたよ〜。ん〜、この桂花もややデレ気味ですね〜。いい感じです!(デューク)
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